THE SUIMYAKU



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きょうのニッポン2態

[1] KZ :2024/04/25 12:13 No.481
https://x.com/megadethdbt/status/1783040530848628990

こういう人たちが 扇の要のように 今のニッポンを支えているわけですね。
エリア・マネージャー…外国人労働者…思わずスキルアップしてしまった投稿者


https://x.com/CasseCool/status/1783252058566766673

壮大な「社畜」を眺める外国人観光客の人気スポットだと。
写真 なるべく撮らないでね というポップが 微妙

………



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ひとの有りよう  『酔いざめ日記』 その3

[1] KZ :2024/04/23 19:55 No.480
木山捷平 『酔いざめ日記』 

没年となった昭和43年、5月3日の日記から。

☆木山捷平は 消化器系その他の体調不良から 4月より東京医科歯科大学に入院中だった。(5月6日以降 東京女子医大に転院する。命日は8月23日)

☆『五月三日、金、雨。憲法記念日で休日。  
朝、ベッドより眼鏡をおとした。(割れず)お茶を入れようとして急須のフタをおとして割った。マッチの大箱をおとして放っておくと散らばったマッチをひろってくれたのは、看護婦であった。  
妻「ただいま」といって入ってきた。もっと言いかたはないものか。「昨夜は十一時頃まで電話で様子をまっていました」とは何事か。こちらは、熱に苦しんでいたのに。  
昨晩、別府さんの所に行くと、丁度俊男医師が帰宅した。すぐ三階の総局長、羽生先生に電話すると、木山のことはすでに承知している、六人部屋の窓際に用意している由。病人は個室よりも少しは人のいる方が気分的によいそうだ。(大部屋は十幾人もいる)  
妻の言葉の中に「肝臓、その他に転移していないので手術が出来る」云々──ひどい言葉だ! 泣くにも泣けないほど悲しかった。怒鳴りちらした。茶碗も投げつけてやった。「これからすぐ帰れ」といって帰した。  
二時十分より五時二十分まで点滴。日がくれて電気もつける元気なし。妻が不用意に言ったであろう言葉。(妻はそんなことは言わぬといい切った)一人でいると不安になった。  
点滴のとき、岡本功司氏は新茶をもって来てくれた。明日は伊東に行く由。夜七時検温三十七度。
『橋のない川』の作者、住井すゑさんが隣室六〇〇号室に十日ほど入院していたと看護婦が言った。「木山さん、どんな本をかくの」ときくから「むつかしい本」だと答えた。  
九時回診のとき、体温三十七度というと、「三十八度までは熱があるとは言わない」といった。便通なし。

五月四日、土、雨あがる。  
朝は三六度七分の熱。看護婦は、今日と明日は休日の由。  
妻は思ったよりも早く来た。風呂を洗ってしばらく湯を出して赤い水を出しているうち栓がぴたりとしまったのか、湯があふれて、廊下を流れ、隣の病室にも入った。隣の附添人の発見で大騒ぎとなった。前の部屋の人、看護婦達がかけつけて水を吸う新聞紙や、掃除モップでやっと水をとり去った。婦長より注意を受けた。階下に水が漏らなかったと安心の態であった。早速、手伝ってもらった人の部屋に、見舞にもらった果物や、缶詰を配って御礼と御詫びに妻が行った。  
シェル商事による害虫(油虫)駆除のため数時間注意して下さいの紙片が配られた。  
点滴三時十分より六時四十五分まで。  
その間に星野潤夫人花瓶と花束持参。八匠衆一氏来訪。用件は藤原氏の案による出版のこと。文芸春秋社より杉村友一氏見舞に金一封持参。萬里(※長男)の友人岩城宏介君来室あり。萬里は杉浦医師と神田司町の本間医師を訪う。中山博士と直接関係ある医師で、入院の連絡など、御礼も兼ねて行った。』

☆上記 夫人の発言から本人は病態(ずっと伏せられていたが 診断は食道癌であった)を初めて察知する。怒り狂う。
しかし ここからが木山捷平の いわば本領発揮である。
見るとおり 翌四日以降 その記述に特段質的な変化は感じられない。覚悟とか諦念というよりも、疲れたけれど これ以上変わりようはないわいというつぶやきが それまでと同様 この日以降の日乗をも恬淡と埋めてゆくのである。

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みんなチョコ味

[1] KZ :2024/04/21 15:16 No.479
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆最後の晩餐が病院のプラスチックの茶碗とはむなし
           前橋市  西村晃

⚫︎ほんとうに空しい気がする。 たぶん今は胃瘻とか点滴とかになるのだろうけれど。
今週は別の選者も この方の一首を採り上げています。やはり直裁な声調の歌を

☆「がんばれと言われるたび殺したかった」そう言はれ教師を辞めにけり

⚫︎人にはさまざまな道があり 生き方がある… そういうことを重々踏まえた<教室>でなければ意味はない。
政府・文科省の役人どもよ 目覚めよ!

☆名も知らぬアニソンなれど軽快なそのメロディーをふとハミングす
            小金井市   沖義裕

⚫︎ついつい乗せられてしまって…ですね(笑)
世は春 ですものね♬

☆〈死〉ではなく〈死にたくない〉が怖いのよフォンデュ、もうみんなチョコ味にして
            横浜市  砂崎柊

⚫︎夜も眠れないくらい もう無茶苦茶に恐ろしいのですよね  その気分は ありったけのチョコ味くらいにしなければ治まらないのだと。
「死にたくない」… 夏目漱石の臨終のことばとも言われています。ひとは誰でも この難題を抱えて最後まで生きるのだろうと思います

☆夕凪の端まで歩く歳の差のあいまいになる海岸通り
             墨田区  湯島はじめ

⚫︎静かな夕凪のなか 果てまで歩けば 大抵のことは消失点に収斂してしまう  
遥かなひとの想いよ 海よ

☆生きる許可通行する許可得た猫の耳は切られた切符のようで
             富士見市  松本尚樹

⚫︎そこに至るまでに どれほどの悪戦苦闘を強いられてきただろうか  
ノラちゃんの耳のギザに想いをはせる

………

☆眼科医のくまなく覗く我が銀河
☆三月やたましひと酌む浦霞
             『旅鰻(たびうなぎ)』(ふらんす堂刊)から   守屋明俊

⚫︎小さな我が眼球の底にも じつは目眩くような銀河があったのだと

⚫︎塩竈の名酒を味わいながら 我が胸中と語り合う   男の酒よ 
 
………

☆あれよあれよと卒業万頭(まんじゅう)たいらげし
              横浜市  ペコリーノ

⚫︎ハートも胃袋も 若者は元気がよろしい ですね  そのくらいでいいんでしょうね きっと(笑)

☆徳利のとくと声する夜半の春
              千代田区  岩佐なを

⚫︎夜ふけにしみじみと呑む  聴こえるのはとっくりのとろりとした声のみ  春宵のそこでひとり

☆恋の猫いけしゃあしゃあと戻りけり
              青梅市  増田正

⚫︎ああさっぱりした と言うわけですね  かなわんですなあ 夜の猫又には(笑)

☆病床にひと来て花の盛り言ふ
              川越市  益子さとし

⚫︎満開の花も 少し寂しく感じることがある。
ベッドでは 花より団子 と言うわけにもいかないですしね

☆妹も弟もゐてつくしんぼ
              鹿沼市  鹿沼湖

⚫︎遠く遥かな お兄さんの思い出でしょうか  
きょうだいの良い夢見たりと

☆与野党のごとき夫婦や海苔炙る
              相模原市  遠藤健人

⚫︎いったいどういう夫婦なのでしょうか  仲が良い? わるい? (笑)
 ともに美味しい海苔を食する  終わりよければ… ということで 今週も❗️


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『会いに行くのに』

[1] KZ :2024/04/20 12:36 No.478
あいみょん 16枚目のシングル

月曜22時 今週から始まったテレビドラマの主題歌だそうです。
👇流れているのは未だ短いバージョンですが、ハートがあって歌いやすくて良い曲 という印象

https://youtu.be/2RblJY5ZBSM?si=hvPAMr-QY-TkFM4l

☆画面をよく見ると 頬にそばかす(雀斑)。あれ そうだったっけと思って(ファニーフェイスだからよく似合うけど) 昨日デイサービスの職員さんに訊いてみたら、YouTubeを観てすぐに、「ああ これ メイクですよ~。若い子に流行ってるから」…ということでした。 ハアッ

☆遠い遠い少年期に 私もかなりのそばかす坊主(にんじん)だったので、なんだか懐かしい思いがあふれてくるのでした🤣

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からくり時計

[1] KZ :2024/04/18 15:30 No.477
時代の波で 柏駅前のそごうデパートも閉店、まもなく解体工事が始まるとのこと。
名物だった正面玄関のからくり時計 
これだけでも どこかに残せないものかとの声❗️

☆建物は解体され いずれ新しいものに変わる。けれども人々の記憶は
そうさっぱりと消せるものではない。資本の論理とは違う。それぞれの命の一部なのだから。
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春になったら

[1] KZ :2024/04/14 16:06 No.476
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆幻覚(まぼろし)と現(うつつ)のあはひにひっそりと小部屋のありて我をかくまふ
            武蔵村山市  鈴木千代

⚫︎そこに 大切な緩衝の地があるわけですね
素晴らしいことだと思います。
いつまでも 秘密の部屋を失くすことなく!

☆鍋割山・荒山と順に晴れゆきて雪の赤城嶺ゆるり現る
            太田市  川野公子

⚫︎下の句が良いですねえ  雄大な嶺がゆっくりと くっきりと 晴れた顔を見せてくれたわけですね  羨ましい初春の眺めです

☆雪山に挑む人らか目つむりて黙してをりぬ大糸線に
             平塚市  升水昭夫

⚫︎雪の立山連峰、もしかすると剱岳あたりじゃあないでしょうか
眼を閉じて 氷雪の壁に挑む瞬間を じっと心に刻む   
どうぞご無事でと祈る

☆返された合鍵で開けてみるドアきみの気持ちで開けてみたくて
              平塚市  風花雫

⚫︎どんな気持ちで いつもあの人はここに立ったのだろう   不思議な哀切が漂う歌

☆きみのてのひらを知ってるてのひらを弔うように湯船に沈める
              大阪府八尾市   瀬戸口祐子

⚫︎静かな哀感のこもる一首  夜更けて暖かなお風呂が むしろ切ない

☆あなたとはきっと生きられないけれど春になったら春の天ぷら
              八王子市  吉村のぞみ

⚫︎さすがの一首 お見事❗️ その哀しみはとりあえず置くとして… 春の天ぷらは 今年もさぞやからっと美味しく揚がったことでしょう

☆友達の友達として伝えたいことをまとめてみます、そしたら
              渋谷区  岩松ぽむ

⚫︎今週は秀歌がならびますねえ  うれしい悲鳴です👏👏🤣
、そしたら… いったいこの事態はどうなるのでしょうか  その先の淡い感情など、ゆくえを知りたいものですが

☆川沿いが急に緑になったから新しい風として走った
              世田谷区  森本有

⚫︎ジョガーの新緑  川沿いのコースに 気持ちのいい風が吹く  自分もまた 新しい風の走りになるのだと

☆トイレには白き花びら落ちておりどなたがここで泣いたのですか
              堺市  初夏みどり

⚫︎小さな疑問形が とても美しい歌になりました。  淡い小さな桜花でしょうか それとも白いクチナシあたり?

☆執着の紐を手放す春の端(は)を亀はぽぽつと泳ぎゆきたり
              横浜市  森山緋紗

⚫︎これも下の句がみごと、すごい!
ぽぽっととは どんな風態なのか 本当はよくわからないのですが、ずっとこだわってきたことがふっと消えるその様が 暢気な亀の泳ぎとみごとにシンクロしているように思えます。  
すごいなあ❗️

☆日没後しばらく海を眺めをり赤と黒とは隣り合ふ色
              横須賀市  丹羽利一

⚫︎なるほどの 雄大な赤と黒  横須賀の広い海ならではの夕景であり 発見だろうなあと感じます。  旧かなの美しさ  心のパレットまでも静かに洗われるよう


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☆受験生頭で割りぬゆで卵
              横浜市  山田知明

⚫︎カラオケのマイクをコンと頭にぶつけてスイッチ確認、なんてことをかつてしていました。やめて! 痛そうですうと 顰蹙を買っていたけれど もう癖になってしまっていて…
たぶんこの子も そうやって調子を出していたのだと思いますが(笑)

☆墓の父に話かくれば蜥蜴(とかげ)出づ
              港区  ならまさこ

⚫︎やっこさん ちょうど良いタイミングで現れたわけですね  お彼岸のお参りですか 彼にも何かが聴こえたんでしょうか

☆闇に目の六つ光るや猫の恋
              文京区  加那屋こあ

⚫︎六つというのが 意味深ですね  少し妖しい感じもいたします  これが墓場とかなら もっと怪しいのかも

☆畔焼の走る火追ふ火くたばる火
              川口市  高橋まさお

⚫︎ついに草も燃え尽きて 静かにくたばる炎  
春の畔焼  実戦で培った目ならではの 臨場感あふれる把握

☆荒海に飛び込むごとく卒業す
              土浦市  今泉準一

⚫︎乾坤一擲 みたいな旅立ち  今では珍しいケースなのでは
高校、大学とも 卒業式なるものにまるで縁のない紛争世代でした。荒海とは いっそ懐かしい風景に感じます。 
なにしろ これからが勝負  がんばってください

☆花冷えやテラス席なら空いてます
              川崎市  久保田秀司

⚫︎この時期ならではのアナウンス
さて… 迷いどころですねえ  奥さん 娘さんたちの意向やいかに(笑)

☆老い二人摘みし土筆(つくし)の袴(はかま)取る
              都下大島町  大村森美

⚫︎お二人で丁寧に袴を取って 今夜は香ばしい春の味覚ですね   あの淡い苦みが羨ましいかぎり

☆こんもりと雲こんもりとサイネリア
              千葉県大網白里市  村上無有

⚫︎こんもりと の重ねが効いてくる一句
どんな花でしょう  残念ながら実物を 私は未だ見たことがありません💦  
(原名を、縁起を担いでサイネリアと言いかえているとのこと。)

※シネラリア【cineraria】
キク科の多年草。高さ40〜60センチ。葉は心臓形に近い卵形でフキに似る。冬から春に、紅・紫・白などの花を多数つける。カナリア諸島の原産。観賞用に温室で栽培される。蕗菊 (ふきぎく) 。蕗桜 (ふきざくら) 。サイネリア。《季 春》

下右の写真が サイネリア

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曙太郎(合掌🙏)
小錦八十吉
武蔵丸光洋



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茶房 武蔵野文庫

[1] KZ :2024/04/12 17:32 No.475
木山捷平『酔いざめ日記』を読んでいると 戦後の記事に 『早稲田文庫・茶房』のことが時々出て来ます。
井伏鱒二さんを中心とする当時の文人たちの集まりで けっこう足繁く使っていたらしい。もろもろの集会、句会などなど。
集まるのはみんな呑んべいなので そこから新宿へ、阿佐ヶ谷・荻窪へと自然に流れていく愉しい日々だったらしい。

☆われわれも ずいぶん長いことお世話になった喫茶店でした。思い出は夜空の星のよう。
今でもあの民藝調のカップやソーサー、濃いコーヒーの香りなどが 昨日のことのように想い出されます。(青春の一時期のことなので もちろん良い思い出ばかりのはずもないのですが、不思議と悪い方の記憶は遠く薄れています)

懐かしくなって 今日ネットで調べてみたら もうとうに早稲田文庫は閉店。でも当時の従業員の方が 吉祥寺に 雰囲気そっくりみたいなお店を出していたのでした❗️

https://sabo-musashinobunko.jimdofree.com/お店紹介/

店内の写真を眺めると またまた… あの懐かしい『茶房』の空気を 思い出すことしきりです。

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https://www.uta-net.com/movie/12255/

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つらい夢 わるい夢

[1] KZ :2024/04/11 19:36 No.474
☆四十代くらいまでは 学校の試験の夢が多かった。だいたい問いは解けそうなのに 肝心の記入がうまくいかない、時間はどんどん過ぎてゆく。次第に気持ちが焦ってくると なお指も頭もうまく動かなくなる。やがてパニックがやって来て やれ今年も駄目か(留年か)とがっかりして 身体中に熱い脂汗が浮いてくる。

大丈夫、これは夢で 俺はもう試験に悩む歳ではないのだと言い聞かせながら目醒める、そうなるまでに ずいぶん長い時間がかかった。

☆サラリーマン生活を20数年で終え自営で暮らすようになって 試験の悪夢はかなり減った。近頃はほとんど見ない。代わりに 勤め人時代の 担当業務がうまく運ばない、到底期限に間に合わない、どうにも説明のしようもないという悪夢が始まった。
個々の小さなトラブルは 実際によくあった。数年にいっぺんくらいは 中程度のトラブル。これには クリアするのが相当に大変だったというのもあった。勤め人を経験した人なら おそらく誰にも経験のあることだろう。

けれども夢となると これが勝手に改変され おおむねは奇妙に集約され、やがてひと塊りになって 抜き差しならない重みの問題に変わっている。もちろん解決に向けて必死に抗うのだが ことは到底自分の能力を越えていて もう無理だ、解決不能、どう弁明したらいいのかと額の汗を拭って落ち込んでいく… 。
どうにもならない窮地の果てに ようやく薄目が開き ガバと布団を剥いで、汗ばんだ胸をホッと撫で下ろすのである。

情けないこと おびただしい。当たって砕けろのヘッドオンタックルで根性を磨いて来たはずが ここでは何の役にも立たないのだと思い知らされて暗然とするばかり。
あなたは組織の仕事には向かない性分だと 十代の終わり頃に一度だけ運勢見で言われた。なにを適当なことをと思いながら、実はそれが胸の奥でずっと引っかかっている。その不適性というものが やはり夢見には現れているのだろうとも思う。
人を捉える組織は重い、そして必要以上に強い。およそ 個々の人間が独力で立ち向かえるほど甘くはないものだ。

☆個々のトラブルを そのありのままのサイズに腑分けし検分して 問題を明らかにしておくしかないのだろう。然るべきものならそのまま 毅然として立ち向かう。駄目なものは駄目で それは逃げずに責任を取るしかないのだろう。
そんな思いで 燃え残りの団塊となった悪夢を腑分けし ゴムのように固まったものを溶かしてやる。
むろん 悪夢を見ないように体調(とりわけ内臓の植物器官)を整えるのがいちばんに大切だろうが、夢に頻出する過去のトラブルをきちんと分解し、ある部分は個人の責任を越えるものだということをはっきりさせておく、そういう作業も是非ともやるべきことだと私は思っている。
学校も会社も官庁も… よってたかって 要するに〈組織〉というものは 時に過酷で重い。そして 思う以上に 粗雑極まりない本質を持っているものなのだ。 


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桑田佳祐

[1] kz :2024/04/08 13:53 No.473
https://www.barks.jp/news/?id=1000246225#utm_source=smartnews&utm_medium=website&utm_campaign=smartnews

☝️全25曲中11曲が 私がデイサービスのカラオケで 年中歌わせてもらっている曲でした。
年代はかなり違っていると思うので…びっくり‼️

ほかのも ほとんどは知っている名曲ですね

みなさんはいかがですか❓





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春の廊下のつきあたりまで

[1] KZ :2024/04/07 13:59 No.472
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)


☆小説を伏せてビールを取りにゆく春の廊下のつきあたりまで
           国立市  水面叩

⚫︎思わず心を躍らせる 幸せな春の読書よ  
つきあたりまでビールを取りに行かせたのは いったいどんな小説だったのでしょうか

☆振り出しに戻ってばかりの双六のように今夜も寝床に入る
           町田市  泉健善

⚫︎今夜も明日も振り出しに戻ってばかり… それは誰にもやってくる哀しい想い  
でも 暖かい寝床に愉しい夢がやってくる夜も きっとあるのでは

☆五十年笑(え)まう写真に貼られたる手配解除の白いタック紙
           豊島区  山中茶子

⚫︎その笑顔のむなしさよ  失われた五十年の空白を思う。
このタック紙貼りに いったいどんな〈意味〉があるというのか

☆大きめの羽を不器用にたたんで満員電車で目を閉じる春
           大津市  世田夏雪

⚫︎目的地までは 背中の羽もほっとして やがて春の眠気もやって来そうで

☆どこを切り取ってもしずかなにおいのする記憶のめぐるからだがひとつ
           大阪府八尾市  瀬戸口祐子

⚫︎沈んだ記憶の満ちた時間よ それを支えるたったひとつの私の身体よ

☆左目をぬるりとやわく傷つけるまつ毛のような感情がある
           足立区  黒乃響子

⚫︎身体の奥底から滲み出るような、取るに足りないものだけれど ときどき気にかかる想い
やっかいだけれど これもまた真情なのだと

☆きみじゃない人と暮らしてきみと見たくらげはやっとただのくらげに
           八王子市  吉村のぞみ

⚫︎恋するくらげは そこでどんな泳ぎかたをしていたのでしょう  
今はそれも消えて 遠く切ないこころになって

………

☆しやぼん玉仔犬の鼻を弾きけり
           前橋市   木下美樹枝

⚫︎おもわずぱちくりする子犬  春の楽しい光景です

☆婆ちやんは母さんよりもうららけし
           松戸市  吉清和代

⚫︎現役の母さんはけっこう悩みも多い  そこへいくとばあちゃんは 今日ものどかに笑っているしなあと

☆見たよねと言いて振り向く春の虹
           横須賀市  岡本育子

⚫︎横須賀の虹は なんと大きく優しいことでしょう❗️

☆ふたりぶん菜花を湯がくミルクパン
           富士見市  紡ちさと

⚫︎美味しい菜花の春  愉しい夕餉  ふたりならなおのこと

☆芽柳に風や写生の人らにも
           東大和市  板坂壽一

⚫︎春風駘蕩  素敵なデッサンが たくさん出来上がることでしょう

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『酔いざめ日記』 (木山捷平) その2

[1] KZ :2024/04/06 21:37 No.471
平野謙の 毎日新聞 文芸時評を受けて。

昭和三十一年

『九月二十四日、月、晴。  
外村繁『筏』出版記念会。山水楼にて。千円。盛会であった。
「毎日新聞」二十三日の「文芸時評」で、平野謙氏が時評をやり、小生の写真も出ていると聞く。早速買い求めて見る。
 ──既成作家の作品のなかでは、木山捷平の『耳学問』(「文芸春秋」)を今月は推したい。この作も中野重治の作とおなじく、格別のこともないといっていいが、やはりこの作者の持ち味を生かしたオットリした小説である。敗戦前後に満洲にいた一日本人の敗戦体験を描いたもので、ソ連軍進駐当時の大動乱もこの作者の手にかかると、へんにユーモラスな日常茶飯事みたいにみえてくるのが妙である。昨今のかまびすしい日ソ交渉のニュースの中にこのささやかな作品をすえてみると、その周囲だけ空気が静かにすんできて、ああ、これが小説作品なんだな、と改めて読者も納得せざるを得ないだろう──。  
平野氏の評をよみながら、今日ほど心たのしいことはなかった。』

☆「へんにユーモラスな…ささやかな作品」 の持つ力。
良い読み手を得て しみじみと喜んでいる作者がここにいる。

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ようやく満開

[1] KZ :2024/04/06 13:16 No.470
関東もようやく花開きました

柏駅そばの一本桜です

近所の神社がわけてくれた蕾の枝 
暖かなデイサービスの厨房で きれいに咲きました👏👏

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『酔いざめ日記』

[1] KZ :2024/04/02 12:18 No.469
『酔いざめ日記』
    木山捷平     (講談社文芸文庫版)

☆昭和7年(著者28歳)〜昭和43年(歿年64歳)まで 断続的に書き続けられた詩人・作家の日記である。作品の背景を知りたい、表現されたものと生活の実際との関係を知りたいと思う時には とても重要な第一次資料となることだろう。

☆例えば 戦時/昭和18年の項に こんな記述がある。官憲による事前の検閲と それによって出版が不可となった事例である。
ほぼ出版が決まっていた木山捷平の第3詩集は この検閲によって出版を断念せざるをえなくなった。

「昭和18年11月6日
…出版界に行く。風間という人不在にて、代理に逢って話をきく。詩集『路傍の春』不承認の理由。「ダダイズム、ニヒリズムというのではないが、そういうものあり」「感激をもって書いてない詩もあり」以上で不承認という。…」

木山捷平はこれ以上 一言もコメントしていない。馬鹿馬鹿しくて 書くのも嫌だったのだろう。彼らに何を言っても無駄だと つくづく分かったに違いない。

要するに 「作者の個人的な、勝手な想いを連ねた詩ばかりで 現下の聖戦に対する感激がひとつも書かれていないではないか。こんなものに貴重な紙資源を分けるわけにはいかない。こんなものを読んでは 最重要である国民の参戦意識は高揚するどころか 厭戦気分さえ起きかねない作品である」というのが当局の判断だったわけである。
その言い分は たぶん当たっている。ただのプロパガンダではない本来の表現(自己表出)とは もともとそういうものなのだから。検閲者は この詩集が そうした表現の本質に沿った真っ当なものであることを ずばりと言い当てているにすぎないのだ。

☆つまり検閲とは 戦意高揚という軍事政権中枢の意向にひれ伏し、忖度しまくる小役人のパフォーマンスなのである。いつの時代でも 洋の東西を問わず こうした「官僚」どもの破廉恥なだらしなさは 少しも変わらないものだと呆れるしかない。
こうした空しさを胸に この翌年 木山捷平は戦局悪化した満州国・新京にひとり出向いてゆくことになる。


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のらぼう菜

[1] KZ :2024/03/31 14:51 No.468
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆いざというときにわたしを守るため白い白い炎を抱いている
            大阪府八尾市  瀬戸口祐子

⚫︎青春の一時期 たいていの人は胸にしっかり抱いていたことでしょう  レモンのような香りの炎

☆眠い日のゴミ捨て場にはクラゲたちああ海まではすごく遠いな
            川崎市  山田香ふみ

⚫︎眠たい朝のおぼろな詠嘆  
 まるでクラゲみたいな白い袋たちよ  でも海まではずいぶん遠いなあと

☆お花見のシートを片付けているときあなたが歌った鼻歌のこと
            世田谷区  森本有

⚫︎彼か彼女か さて花の下で何を口ずさんだのでしょう
 そのメロディが 今も耳元に残っているんですね

☆時として生死の意識あやふやで明け方母と話した気がする
            川口市  むらさめ恵

⚫︎夢うつつ 明け方の不思議な会話  
 でもお母さんと話せて それは得だったのかもしれません

☆読書時に最も馴染むBGM はブルックナーだと最近気付く
            上尾市  清水昇一

⚫︎わかるような気がします  悠揚迫らぬ静謐 ということでしょうか。  でもやがて熱い高みがやってきて 本は静かに置かれるかもしれませんね

☆鳥が運べる種から発芽ののらぼう菜勝手に美味な菜花に育つ
            相模原市  関口實

⚫︎いいですねえ のらぼう菜   勝手に育つ 美味しく育つ(おひたしに 天ぷらに)。  
 鳥が運んできた素晴らしい自然の循環よ

※ のらぼう‐な【のらぼう菜】
アブラナ科の野菜。東京西郊・埼玉などで栽培される。春に収穫され、葉や茎をおひたし・天ぷらなどにする。
               出典:デジタル大辞泉(小学館)

☆貴重なる四年に一度の「肉の日」に肉買い忘れ油揚げ食べる
            武蔵野市  田島千代

⚫︎このたくまざるユーモアを見よ!
いいじゃないですか日本人  そんじょそこらの肉よりも 閏には伝統のこんこん様であります(笑)

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☆猫の仔の貌引つつりて鳴きにけり
☆踏み当てし落葉隠れの根瘤かな
            中川純一  『雪道の交叉』 (朔出版刊)から

⚫︎しわしわのちび猫 たしかにそんなひっつり顔で鳴きますねえ
⚫︎根コブを踏んでおいおいと 秋の杣道気をつけて

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☆寒桜優しき人は苦手なり
            大阪市都島区  口竹

⚫︎寒中に凛と咲く  やさしい言葉はかえってつらいのだと

☆このうそはついていいうそ風光る
            堺市  土居健悟

⚫︎春風そよぐ明るい日に  
 さてそれは どんなうそなのでしょう  あるいは実は それこそがまことなのでしょうか

☆かけ蕎麦に菜の花添うる蕎麦屋かな
            越谷市  小田毬藻

⚫︎いいそば屋さんですね  器にも季節が溢れているし

☆海苔以外準備万端海苔炙る
            相模原市  遠藤健人

⚫︎さあいくぞ 海苔あぶれ と
 気合が入って 美味しいものがもう目の前に
 パリッと手巻きでしょうか  なんだかお相伴したい宴ですね(笑)

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もう停滞は

[1] KZ :2024/03/29 18:08 No.467
もう停滞は勘弁してほしい

どう見ても経年劣化し もはや救いようのない政党(自公維新)が いつまでも権力の座から降りようとしない国。米国植民地の代官であることだけが存在理由の政府が支配する国。

この広がり過ぎた腐敗には手がつけられない、もう彼らの顔を見るのも嫌だとそっぽを向く。そういう人々が十重二十重、今や国中に層をなしている。
気持ちはよく分かる。この状況を正すべき「野党」もまた 存在をかけてこんな植民地政権は倒すのだという論理も迫力も欠いているからだ。

けれども そうしてそっぽを向いている限り この〈停滞〉はずっと続く。覆しようがない。
ようやく春が来て もうすぐソメイヨシノも満開になることだろう。けれども 私たちの心は一向に晴れない。厚く曇った空から 停滞の雨粒がいつまでもいつまでも降り続くばかりなのだ。


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https://www.youtube.com/live/CNprsBJXZFU?si=Q6tJnH2NypFJo8bE



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北キツネ  いっぽ前へ



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手をつないだりはなしたり

[1] KZ :2024/03/24 15:39 No.466
本日の『東京歌壇/俳壇』から    (東京新聞)

☆相槌をうってくれてる友人の甘栗をむくすごい手さばき
           杉並区  石川真琴

⚫︎あるある(笑)  でもこういう人が 案外しっかり話を聞いてくれてたりするんですよね
皮剥き名人のすごさが目に見えるようです。

☆野良猫の頭の骨の小さきを知った右手が魚をさばく
           新座市  睦月くらげ

⚫︎愛翫したり捌いたり… ひとの右手はいそがしい。輪廻のようにいそがしい。

☆寝返りもうてない妻が明日退院介護離職がはりつく寒夜
           東大和市  温泉川清志

⚫︎そんな状態で患者を寒い家に追い返す… この国の医療制度の明らかな欠陥でしょう
なんとかせい 岸田っ!

☆ためらいなく眠りたいとき抱きしめる夏のたたみのにおいの犬を
           町田市  薄暑なつ

⚫︎下の句 のの字の連発がみごとな効果
 ぎゅっと抱きしめるのは どんなやさしい犬なのでしょうか

☆「おじいちゃんの餃子が好き」と言われれば半日がかりで百個に励む
            相模原市  関口實

⚫︎よくわかります  ついついじじばか発揮  なんですね
 とても美味しい餃子なのでしょう  明日は少し腕が張っているかも(笑)

☆草を取る私の傍に尉鶲(じょうびたき)一人でないよと何時迄もいる
            厚木市  花上尚江

⚫︎こぼれた草の実を鳥さんも食べたいのでしょうか
庭でずっと一緒に仕事をする 優しい光景です

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☆嬬恋の光集めし馬上盃あふれる想ひ戻す術なし
            涌井ひろみ  『友は司書』(ふらんす堂刊)から

⚫︎日本武尊伝説を借りた強烈なロマンティシズム  下の句  そこにあふれる想いは 尋常を超えて切ない

☆精霊を娶(めと)ってみればみな微熱
            高橋比呂子  『風果』 (現代俳句協会刊)から

⚫︎ピーターパンみたいに楽しい句ですが…  ほんとはどんな恋も どこか微熱みたいなものかもしれませんね

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☆山笑う手をつないだりはなしたり
            堺市  土居健悟

⚫︎明るい芽吹きのなかで ついたり離れたりする二つのこころ   

※山笑う
《「臥遊録」の「春山淡冶 (たんや) として笑うが如し」から》春の山の草木が一斉に若芽を吹いて、明るい感じになるようすをいう。《季 春》「故郷やどちらを見ても—・ふ/子規」       
(デジタル大辞泉)

☆震はせる鳥は見えねど梅の花
             東京都大島町  大村森美

⚫︎隠れた小さな子が しっかりと蜜を吸っているんですよね  
 これぞ春

☆亡き妻の魔法の杖を突けば春
             杉並区  土方けんじ

⚫︎この世に春さえも呼び起こす魔法の杖 
 さすが天の奥さんの力(パワー)

☆バス停のすぐ近くまで野焼跡
             川崎市多摩区  久保田秀司

⚫︎こんな所まで という新鮮な驚き  黒い焦げ跡 春近し

☆たんぽぽに搾乳(さくにゅう)の乳ほとばしる
             茅ヶ崎市  清水呑舟

⚫︎世は春めいて 乳の出も滑らかになるのでしょうか
 柔らかな若葉に 真っ白な乳の流れ

☆春嵐車道でレゲエ踊る人
             横須賀市  尾崎ひろこ

⚫︎さすが横須賀!  強い春風が通りを吹き抜けて 
 こころも身体もたまらずに跳ね動く  歩道を超えて跳ね動く

☆うららかに鼻毛伸ばして老いにけり
             神奈川県大和市   今関十三里

⚫︎うららかに と平明に呟く心境がいいですね
 かように 悠々と歳を取りたいものですが(笑)

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木山捷平の根底

[1] KZ :2024/03/21 17:19 No.465
木山捷平(1904〜1968年)は二十数歳で岡山県の山間の実家を離れ あとはほとんどの時間を東京での作家暮しに費やした。途中満州(長春)で数年間、また復員後に数年間を実家で過ごしているが、基本は東京の西部、杉並や練馬で家族とともに長く住んだ人であった。

今彼の散文作品を読んで 古い題材だ、なんと古ぶるしい文体かと思うのが一般だろう。私などでもそう感じるのだから 若い人には尚更そうだろう。主人公たちが「日本のオヤジ」の原像、残像と称されるのも ごく当然のことだと思う。
ただ こうした形容には すこし言葉が足りないようにも感じる。「ある時期の」、ということである。この国が未だに農業国として自立できていた時代の農家のオヤジ というのがこの作家の根底をなすエートスであった。
今木山捷平を読んで、大小様々な窮境に立たされた時でも、不思議なほどに自然な余裕や諧謔、精神(心持ち)の清浄さを醸し出す主人公(たち)のあり様に 読者は次第に惹かれてゆくのではあるまいか。その根底のたくまぬ強靭さは いったいどこに由来するものなのか、おそらくそれが この作家を読み解くキーなのだと思える。

未だ第一次産業(農林水産業)が生命力を持ち この社会の中軸として屋台骨を支えていた時代。農民も漁民も たとえ日々の金銭収入は乏しくとも、その精神はけして弱々しいものではなかった。自力で田畑を丁寧に耕し 牛馬を使いこなし 農具諸般も家畜小屋や自宅さえも自力で賄い差配した強固な独立性、そうした自立の力と精神とを 程度の差はあれ人々は普通に蓄えていた。日々のきつい労働に鍛えぬかれたその動かぬ勁さこそが 例えば木山捷平の表現をも根底で支えていた精神なのだった。けれんみの無い率直さ、臆することのない清廉が いつもその作品の背骨を貫いている。

若き日の盟友だった太宰治には、当代で比べようもない溢れんばかりの才能があり 混迷する情況を見抜く鋭い知性と思想性があった。作品を読めば それは疑いようもないことだ。しかし彼には、その根底の感性(こころ)は梃子でも動かないという木山捷平の持つ自然の勁さが欠けていた。津軽地方有数の大地主の子息には そうした中下層農民(常民)の持つ 土を舐めても生きぬけるという強靭さや精神の自立、そこから生じる心の余裕や諧謔などは保ちようがなかったのだと思える。


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めくつてもめくつても

[1] KZ :2024/03/17 16:01 No.464
今日の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)


☆ながく笑ったあとに静かな雨が降りここまで来てしまったんだと思う
           平塚市  芝澤樹

⚫︎呵呵大笑。そんな高揚のあとで 不意にやってくる静かな時間  
節目ごとにやってくる小さな愁い  人の世は切ないなあと

☆ふやかして食べられさうな月であり春の牛乳あたためてみる
           国立市  水面叩

⚫︎それはすこし霞んだ月なのでしょうか  
 牛乳をゆっくりと温めながら 柔らかな春宵の一刻を惜しんでいる。

※観察が冴えているんですね。この方は次の一句も 別の選者が採り上げています。

☆牡丹の芽ちひさきものはよく眠る
            同  水面叩

⚫︎よく眠って いざ開花の時をじっと待っているわけですね  小さきものの秘められた宇宙よ

☆鏡のなかのあなたにひたりとくちづけるときにわずかにする雪のにおい
            町田市  薄暑なつ

⚫︎親密ですこし妖しい鏡のなかのエロティシズム
微かな雪の匂いが さらに内側に呼び起こすもの

☆加湿器が水不足だと訴えて母のスープは遠浅の海
            世田谷区  新井将

⚫︎それは澄んだ たとえば春の浅蜊のスープでしょうか   
 加湿器も作者も その滋養の水分でひたひたと潤っていくのでしょう

☆指名手配桐島聡の顔写真若き笑顔が我を見るなり
            伊勢原市  佐藤治代

⚫︎なんと長き桐島聡の時間よ  でもそれは ずっと忘れていた自分の時間をも照らし出しているようだと

☆なつかしきアベノマスクに顎さらしレジに連なる男に見ほれる
            草加市  神保公一

⚫︎思わず見惚れるほどのみごとな顎だし というわけです(笑)  
 もはや笑いの世界に入滅したあのガーゼのマスク

☆夢日記つけ続けると夢日記つけてる夢を見るようになる
            相模原市  遠藤健人

⚫︎なにやら無限の夢ループに入り込みそうで… 私のような気の弱い人間は 無意識の深淵には近寄らない方がいいのかもと (とはいえ 夢を見ない人はまずこの世にいないのですが)

☆手の中のスマホは心の個室なり秋桜(コスモス)のように揺れる乗客
            横浜市  友常甘酢

⚫︎よくも悪くも… それを握りしめるのが車中の人の常態となりました。
 コスモスみたいに頼りなげに揺れている人びとよ  そういう私もまた心の個室を掌にして 

☆欲しいものより取りやすいもの狙う クレーンゲームに見る人生観
            富士見市  松本尚樹

⚫︎なるほど  そこで分かるのか 我らの人生観も(笑)

☆猿嚇す空砲止みて真昼間は静けく村の時の長かり
            君津市  手島敬陽

⚫︎大きな空砲の音が止んで あとはとびきり長閑な村の午後がある。 
 今は猿たちも昼寝の時間でしょうか


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☆新聞紙にくるみし凶器日脚伸ぶ
            『泣魚句集』(思潮社刊)  高橋順子

⚫︎陽ざしはしだいに長くなり… さてその中には いったいどういう得物がくるまれているのでしょうか  潜んだ小さな狂気に詩人は気づいている
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☆参拝のあとの波音実朝忌
             昭島市  ゐどかやと

⚫︎右大臣実朝の忌日は1月27日という(享年28歳)。この日は墓所の寿福寺にて追悼供養が行われる。
参拝の後 冬の鎌倉の波音にこの中世の詩人の生を想う。

☆沈黙は耳をつんざく春の暮
             台東区  吉田すすむ

⚫︎無声の春暮は むしろすさまじい嵐をはらむものなのだと。  
この実感表現に圧倒される

☆めくつてもめくつてもいつさい朧(おぼろ)
             平塚市  蚊歩

⚫︎クリアな真実を掴みたくて懸命に捲るのだが 実相はいつまでも霞んで遠い。
むしろそうした無限の問いかけこそが ほんとうはひとの実存なのかもしれない。
十七文字で我らが生を表わすすごさ

☆野良猫に飼ひ猫ついてゆく朧
             つくばみらい市   戸田鮎子

⚫︎なるほど春  まさしく春
 おぼろの中に重なり消えてゆくふたつの影よ

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裏金議員の皆さんは申告していませんね

[1] KZ :2024/03/16 12:41 No.463
「確定申告は終わったけれど、裏金議員の皆さんは申告していませんね。」

☆ようやく納税申告を済ませた国民の怒りと 
与野党馴れ合いの「政倫審」茶番劇との間には
とても大きな落差がありますね‼️

検察も国税当局もサボって動かない(頰かむり)となれば…
この際 永田町の脱税タヌキどもは みんなまとめて落選させるのが筋というものでしょう。

☆次期戦闘機(殺傷能力兵器)の第三国への輸出。かねての打ち合わせ通り自公で「合意」…というサイテーの茶番劇(田舎芝居)も 堂々と発表されたことだしね💢

https://reiwa-shinsengumi.com/





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入学前なのに傷だらけ

[1] KZ :2024/03/10 16:14 No.462
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆きな粉舞う、きな粉舞う このキッチンの灯りは寂しくてすきだった
            新潟市  砂崎柊

⚫︎思えば性に合ったキッチンだったなあと。何処かへ引っ越しの前でしょうか。
舞いあがるきな粉がいとしい

☆母の手が私の置いてきたもののすべてに一度はもう触れた頃
            柏市  遠野鈴

⚫︎お母さんは思っている。そして娘も お母さんの柔らかな手を 今思っている。

☆怒ってない、動けないだけ三月のひかりで水になりたい根雪
            横浜市  瀬生ゆう子

⚫︎いろんなものの比喩なのでしょうか
それでもやがて光は増し こわばったこころもとけてゆくような

☆一ピンだけ倒れなかった ボウリング場でふたりで春雷を待つ
            北区  土居文恵

⚫︎春雷で残ったピンが倒れる そういうこともあるのでしょうか
不思議な奇跡が二人を待ち受けているのかも

※好調なこの常連さんは 別の選者からも次の一首が採りあげられています。

☆拘(こだわ)りのオーダーメイドのランドセル入学前なのに傷だらけ
            同    土居文恵

⚫︎どうした訳でしょうね うれしくていじり過ぎたのかな(笑)
良い度胸をしているなと思います。この感興が自分の言葉そのまま(口語詠)で歌になる、そういう機微を この方は肌で知っているんですね。この天与のうたびとは

☆包まれてゐるのだらうか雪の降る夜は子どものやうにねむたい
            千葉市  小金森まき

⚫︎あのすっぽりと無音に包まれる感覚ですね。 
 雪の夜 はるか遠くの夢に ひとは呼ばれているんでしょうか

☆主語述語幼なの会話整へり修飾語など添へたりもして
            伊勢原市  佐藤治代

⚫︎かわいいですね  おしゃまな子のモノローグが すぐそこに聞こえているようです

☆老眼鏡外しベッドで過す時ぼやけた視野の心地良さ知る
            川崎市  福本よしき

⚫︎よくわかります。ひとが感じるのはこころの目。多少視界がぼやけても 心地よいのはまた別のこと

☆窓際の席に新聞捲りつつボサノヴァ聴きし駅カフェの朝
            秦野市  薄井隆

⚫︎これでもかと今の定番を積みかさね、それでも爽やかな朝の歌に仕上げた心の力

☆あけがたのささやかな雨ぬれながら輝きながら階段はある
            選者詠  東直子

⚫︎たしかにそこまで春が来ている。
 その様が外階段の小さな光からも感じられると

………

☆うつるから来るなと猫に風邪の娘は
            川口市  高橋まさお

⚫︎それでも猫は絶対行きますね  そう言う人の優しさを 彼らはよく知っているんですから

☆息吐けば弓なめらかや春のチェロ
            横浜市  鈴木綾子

⚫︎柔らかな最初の一音を 静かに耳にしたいと思います。
 その低い滑らかな弦の響きを

☆初蝶の前後上下を失へり
            世田谷区  野上卓

⚫︎目の眩むような初飛行  
 眺めていると 思わずこちらまで酔うような 素晴しい観察の一句

☆存(なが)らへし今は一人の梅見かな
            松戸市  オカザキヒデユキ

⚫︎紅梅/白梅 どちらをご覧になりましたか
 私は昨日見上げすぎて溝にはまり 付き添い人に叱られてしまいました😅

☆少しづつ枯野になつて父逝きぬ
            足立区  佐藤勝美

⚫︎夢は枯野を…
 お父上も 今は自在に広い野原を駆け巡っているかもしれません

☆険しきを上りきつたる春の海
            福岡県朝倉市  深町明

⚫︎峻険な坂を登り切ると 一挙に広がる春の海原
 なんと晴れやかな光景でしょう!

☆四つ割りの白菜買うて一人鍋
            渋谷区  羽生邑子

⚫︎美味しい春の白菜鍋ですね  今夜は大いに温まって 明日の英気を養いましょう

☆バック転出来る子となり卒業す
            調布市  大林明彦

⚫︎カッコいい子ですねえ  得意の笑顔が目に浮かぶようです。
 卒業おめでとう  Bon voyage❗️


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『苦いお茶』

[1] KZ :2024/03/10 12:57 No.461
『苦いお茶』  木山捷平

☆木山捷平(1904 年・明治37年〜1968 年・昭和43年)による1962年・昭和37年の短編作品
『白兎・苦いお茶・無門庵』  講談社文芸文庫

☆木山捷平はとても地味な詩人・作家だけれど、その作品群が 近年もう一度人々の関心を集め始めているようだ。懐かしい「日本のおやじ」の象徴として。(ここでも その詩作品や晩年の長編『長春五馬路』などについて 何回かコメントを続けてきた。)
その生涯にわたる作品群の中でも この短編『苦いお茶』は 木山について語るほとんどの人が まずは忘れずに挙げる名作となっている。

☆主人公の正介は昭和19年 満州国の首都新京(現在の長春)に広報部員の職を得て単身赴任したのだが、翌年には不幸にも現地で応召(41歳)。しかしすぐに敗戦となり、… それから内地に帰還(復員)するまでの一年半ほどを 敗戦国の最低の難民として、それこそ独り身の乞食のように 命からがら生き延びたという過去を持つ(「難民としての一年は 平時の百年にも匹敵するほどの苦しみの連続であった」)。
その命の瀬戸際のような難民生活の中で、同じボロアパートに住む半後家(夫の生死が分からない妻)家族の誰彼と世間話を交わし、なにくれと慰め合い、日々の命をなんとか繋いで暮したのだった。(三階建てアパートの上階部分は ソ連や中国兵相手の「女郎屋」であった。経営者は朝鮮人。)

パイチュー(高梁白酒)の闇屋をして暮らしていた頃 ソ連兵による日本人狩り(シベリヤ送り)から逃れるため 正介は同じアパートに住む半後家の直枝から その5歳の娘・ナ子(那子・ナー公)を当時の相場の米二升で借りた。小さな子ども連れはソ連兵による拉致を免れるからである。長春旧市街の酒問屋まで ねんねこに包んだナ子を背負って汗だくで 背中におしっこなどをされながら往復したのだった。出先で饅頭を食べさせてもらって 帰り道のナー公は正介の背中でよく眠った。
そんなある夜 正介は寂しさからナ子を一晩借り受け 我が子のように同じ布団に抱いて眠った。お伽話をいくつも聞かせ終え熟睡していた正介は 夜中に鼻を摘まれて目が覚めた。黙って部屋に入り暗い枕元に座っていた直枝が やがて「私も入れて」と 二人の暖かい布団に潜り込んで来た。
行為の途中 生まれて初めてのような気がすると正介の耳元に囁きながら「でも奥さんにはすまない」と直枝は呟くのだった。

それから十数年がたった。帰還して東京で作家暮らしをしていた正介は 自身の書いた古い随筆を探しに上野の図書館を訪れた。ようやく用が終わり廊下のベンチで一服していると 不意に見知らぬ若い女性から声を掛けられた。「あなたは昔満州におられたキー小父さんではありませんか?」
驚いたことに 長じたナー公が 今は短大の学生となってそこに立っていたのである。来年は学校も卒業して幼稚園の先生になるのだと言う。懐旧の念、いとど深し。二人は図書館の喫茶室に赴き 互いの「その後」を懐かしく語り合った。喫茶室のとびきり不味いコーヒーさえ 今は気にもならなかった。
復員後 かの長春のボロアパートに住んでいた人と会うのは 二人とも初めてのことだった。「母は帰還して三年後に亡くなりました。父はとうとうシベリヤから戻ってきませんでした」
孤児となったナー公は その後姫路に住む伯父さんに引き取られ 今も短大の学費はその伯父さんが面倒を見てくれているのだった。
懐旧の念はさらに増し 二人はそれからタクシーに乗り込み 新宿の焼き鳥屋に落ち着いて、ビールを飲みながら再びあの頃を語り合った。
やがて 「小父さん 奥さんは?」とナー公が訊いた。今も元気で暮らしているよと正介が答えると、「だから奥さんにすまないということだったのね」とナー公が言った。
しばらくしてビールに酔ったナー公は 小父さん 昔みたいにあたしをおんぶしてと言いだした。大丈夫 私は子どもみたいに軽いからと。


『…四十キロといえば、十貫あまりだね。よし、そんなら小父さんが負んぶしてみてやる」  
正介は威勢よく洋服の上衣をぬいで、立ち上り、ナー公に背中をむけると、ナー公が飛ぶように正介の背中にのっかった。  
正介は彼女の二本の足を脇腹にかかえた。そうして両手を彼女のお尻に添えて二、三歩歩いた。歩いてみると、ナー公は軽かった。十何年前、城内の行き帰りに、死ぬるような思いで、ナー公を負んぶしていた時の苦労にくらべれば、月とすっぽんのような違いであった。
「もう、いいわ、小父さん」  
とナー公が背中から言った。 「うん、でも、負んぶついでということもあらあ」  
かなり酔っていた正介は面白くなって、客席の間を縫うように、距離にして七間か八間歩いた時だった。
「すけべえ爺、もういいかげんにしないか。ここの、この、大衆酒場を何だと心得ているのか」  
土間の一隅から一人の学生が立ち上って叫んだ。さっきから、わあわあ騒ぎながらのんでいた、今ではあまり見かけない、紋付羽織姿の学生であった。どこかの大学の柔道部か剣道部に籍をおく選手なのかも知れなかった。
正介がしまったと思った時、ナー公が正介の背中からとびおりて叫んだ。
「誰がすけべえ爺か。もっとはっきり言うてみ。人間にはそれぞれ個人の事情というものがあるんだ。人の事情も知らないくせに、勝手なことをほざくな」  
数十人の飲み客が総立ちになった。  
その中でナー公は、きりっとした顔を学生の方にむけて睨みつけ、微動もしなかった。  
学生の中の二人が小走りに、ナー公に近づいてくると、
「きみ、かんべんしてやってくれ。あいつは今日は泥酔しているんだ。ぼくらが、代ってこの通り深くあやまる」  
二人とも帽子をとってナー公にお辞儀をしたので、事は円満におさまった。しかしそばにいた正介は、もしこの世の中に引揚者精神というものがあるとすれば、それをいまこの目で見たような思いだった。
焼鳥屋を出ると、正介は都電通りまでナー公を送って、タクシーをとめた。タクシーのフロントガラスにとりつけたワイパーが、カッタンコットン動いていたので、雨がふっているのにはじめて気づいた。
扉があいて、ナー公が座席に納まると、
「ナー公、今日は見事だったなあ。わしはきみを見あげたぞ。しかし寮の門限は大丈夫かい」
「うん、大丈夫。今日はうれしい日だったわ。小父さん、また図書館であいましょうね」
「うん、気がむいた時には、また出かけるよ」
「そしてあの苦いお茶、じゃあない、あの不味いコーヒーを一緒にのみましょうね」  
二人が別れの挨拶をした時、タクシーが動きだした。…』

………



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中国の全人代

[1] KZ :2024/03/07 00:16 No.459
5日から始まっている。今年から従来の大雑把な総理記者会見が無くなり、「部長通道」と称する各大臣の記者会見が充実したものになっているようだ。
以下 遠藤誉さんの報告だが、これを読むだけでも、いい加減な政府と与野党、ピンボケマスコミが跋扈するだけの島国と いかほどその内容が異なるか想像がつく。
国民が拱手傍観しているうちに 彼我の差は ますます拡大していくことだろう。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/135b38e719f787d8b454364733843d55f26eb68b


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※毀誉褒貶はあったけれど、この政治家の頃には、毛とも周恩来とも対等に渡り合う度量と実力を日本の政治家は持っていた。



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ご参考までに

[1] KZ :2024/03/03 16:18 No.458
1951年  神奈川・栄光学園中学の夏合宿。横須賀・観音崎たたら浜 だそうです。

いますねえ  左の赤フンに中央白フン姿!
右側の先生のワンピース型水着も 懐かしい昭和の光景です

………



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そうだいいよね

[1] KZ :2024/03/03 15:19 No.457
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)


☆仲間減り同級会も三人だ文殊の知恵も酒に溶け込む
            品川区  藤井好

⚫︎それでも きっと良い智慧が酒に浮かんだことでしょう
寂しさもちうくらいなりおらが春

☆AIの音声で聞くそのなかにAIなまりが幽かに響く
            世田谷区  野上卓

⚫︎よくぞ言ってくださった! あの不気味で不快で、いと分かりやすい「標準語」のことですね。
生成AIの文章もまた そういう「訛り」で貫かれていることでしょう。本当はその形式論理(排中律原理)から漏れ落ちるものこそ 人の想い(自己表出=内臓の声)なのだと言っておけばいいのでしょう。
俚諺にも言う、馬鹿と鋏は使いよう。

☆ポケベルの時から自由奪われて今はラインに縛られている
            川崎市  福本よしき

⚫︎便利、便利と言いながら 実際は囚われている哀しい実情
自由奪われて という句に、逆にいつも自由を求めているひとの本質を見る思いがします。

☆才能と言う幻想を持ち続け迷子のままに吾子40歳
            荒川区  鈴木真理子

⚫︎わかります。お母さんとしては とても心配な40歳なんですね。
でも 大抵の人は 大なり小なりそういう想いを胸に抱いたままこの世を生きているような気がします。むしろひとはそうした幻想の生きものなのだ、それがひとの本質なのだと。
迷子のままに生きるのも ひとの本然かもしれません。

☆春風は吹くも吹かぬも梅の花咲いてる辺りに春は来ている
            横浜市  中村尚志

⚫︎わが知らぬまに梅は咲き…  あらためて春の兆しに気づく想い

☆Tシャツを2秒で畳む裏技をネットで学ぶも介護の一環
            東大和市  温泉川清志

⚫︎気の持ちようで、たいへんな介護もなんだか楽しそうにさえ思えます。
常連さんの たくまざる心の力ですね

☆樹の枝でイーヨイーヨと鳥が鳴くそうだいいよねこのまま生きる
            江東区  佐藤章江

⚫︎結句、お見事な達観だと感じ入りました。
 この大胆な生の肯定よ!  なんだか心が洗われるようです。

………

☆啓蟄や着信音は鞄より
            茅ヶ崎市  川口しのぶ

⚫︎土中ではなくカバンから 小さな発信音が湧き上がってきたというわけです。 
虫たちもびっくりの春の訪れですね

☆春の日やカレーにソース一回(ひとまわ)し
            江東区  石井真由美

⚫︎なるほどこの手があったかと❗️
 ここでひと味かえて 微妙な季節の変わりめを象徴させているわけですね
 カレー食べたくなりました  美味しいウスターソースを用意して


………



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日本海へ

[1] KZ :2024/03/01 00:05 No.456
https://www.uta-net.com/movie/181996/
作詞・作曲  谷村新司

☆元日の能登の地震以降 日本海を思い出すことが増えた気がする。そういう人も多いのではないだろうか。新潟の海、富山、石川の海や山々…

私には、友人のいた富山、砺波平野。ラグビーの大会で足を運んだ能登や金沢。親たちが一時期暮らしたという新潟市や村上の町など(油照りの新潟の夕凪、大きな鮭の昇る三面(みおもて)川…)

☆すぐに思い出すのは 信州の小学校の臨海学校で行った新潟・能生(のう)の海岸。関東地方・湘南やらの海とはだいぶ趣が違っていた。きほん波が強く、浜の砂もきれいだけれど粒が粗い。なにより関東の遠浅の海と比べると段違いの「どん深」で 水の色も濃い。黒砂の水際から10メートルも行かないうちに海は一挙にえぐれて ずんと深くなる。そこから先は 大人でも背が立たない。
海に出かける前の説明会でも こんこんと叩き込まれたこの「どん深」。勝手に進んで、もし深みに嵌ったら もう助けようはないのだぞと。

列車を降り、宿から歩いて初めて目にした親潮の黒い海は、「本当にどんぶかだ、話に間違いない」 そう思わせるに十分の迫力だった。海水温も 盛夏であっても 少し遊んでいるだけで唇が紫色になる程のものだった。

それでも 名札を縫い付けた海パンに水中メガネ、女の子は少し派手めのワンピース水着を着たりして、僕らは広々とした日本海の海水浴をさんざん楽しんだ。
この時の 少し大判のスナップ写真が一枚残っていて、これを見るとあの夏の楽しさが蘇ってくる。
クラスの友達が男女合わせて十数名、そこに引率の先生が二人。一人は平服の女先生、あと一人が 色白で背の高い教頭先生だった。
もう定年に近い年齢だったかもしれない。とにかく全校の教員中 いちばん歳の行った部類のおじさん先生だった。でも 一目見ると印象はとても鮮やか、むしろ鮮やかすぎる。色白の大きな身体に 先生は白い木綿の越中フンドシひとつしか付けていないのだった。
昭和三十年代も半ばくらいの話である。世の中には 未だふんどし着用の人もそれなりにはいたが(銭湯などでたまに見かけた)、大きな海水浴場での越中ふんどしは さすがに教頭先生ひとりしかいなかったと思う。それは我々にも少しく奇異だったのだから 若手の女先生などは目のやり場に困ったのではなかろうか。
その生地はどんなものだったか、年長の教頭先生のお尻はどれほど萎びていたか、いなかったのか…。 眩しい陽光の中、沖に向けて長く伸びる防波堤を背景に、一団となって写るみんなの笑顔が日本海の泡のように弾けていた。


………



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ぱつぱつである

[1] KZ :2024/02/25 15:09 No.455
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆旧姓のままで呼んでといわれたりシナモンラテの湯気あわく立つ
            練馬区  奥山いずみ

⚫︎ごくふつうになりましたね 旧姓による呼称も。街なかのラテの香りと同致するくらいに。

☆それぞれの信じ続けたしゃっくりの止め方を子に伝える夕餉
            北区  土居文恵

⚫︎あれこれとだいぶ違うんだけれども… こうして愛の伝統は繋がっていくんですね。
止まらない幼時のしゃっくり 時には跳ね上がったりもして 苦しかったですね!

☆ひとりでは飲みきれないと言いながらトマトジュースを箱で買う祖母
            八王子市  吉村のぞみ

⚫︎その安心感を 今おばあちゃんは購っているんでしょうね  いろんな苦労(心労)をされてきた日々

☆誰も見ぬ日記を律儀に綴るのは生きているから明日があるから
            相模原市  関口實

⚫︎なるほど! 結句の力強さに納得します。
 私などは いつでも三日坊主で来てしまったので

☆雪の日にもらった手紙を読み返すわずかに息を止めたい朝に
            金沢市  塩本抄

⚫︎とても微妙な良い歌ですね  降る雪も 読み返す大切な手紙も 小さく詰めた息とても
それでも雪の朝は明るくて 空気は新鮮

☆偽蟻(ギギ)たちは手の節々へ巣を掘って休職明けに引き出しを引く
            つくば市  そのべせい

⚫︎まるで蟻もどきが巣食うような…そんな症状が感じられるわけですね  たぶん想像以上に こうした心身の諸症状は社会に拡がっている気がします。壊れかけた私たちの社会に。

☆捕まると悟った刹那すこしだけ胴ふくらます蜘蛛のただしさ
            千葉市  芍薬

⚫︎刹那をめぐる微細な観察力と 大胆な表現力と。

☆競馬場直行バスを待つてをり耳に五円貨嵌めたる男
            川口市  高橋まさお

⚫︎何に使うのか ふと考えてしまう耳穴の五円貨  もしかして 男のゲン担ぎ?

………

☆我が庭に蜘蛛が巣作り棲み付くは十年振りかコロナのお蔭
            奥村晃作  『蜘蛛の歌』  第19歌集

⚫︎もうしばらくすると アフター・コロナの諸現象がさまざまに報告されてくる気がします。
我々には見えない連環が この世界には未だたくさんあるのでしょうから

……

☆五本指靴下履いてさらに足袋
             小平市  中澤清

⚫︎間違って? あるいはそれほどに寒くて?
 やがて私もやりそうな気がしますけれども(笑)

☆春が来てジーンズがぱつぱつである
             堺市  土居健悟

⚫︎堺の常連さん いばって報告してるとこがいいですね(笑)  ときどき街でも見かけます、犯人は巣ごもり中のお餅か 美味しいお酒だったでしょうか

☆太梁(ふとはり)の雄々しく曲る冬館
             藤沢市  青木敏行

⚫︎黒光りして天にうねる太梁  長い命をはらむ木の凄みに おもわず吸い寄せられるような気がします。

☆日脚伸ぶオウムに礼を言はす店
             横須賀市  丹羽利一

⚫︎明るい春の予感とオウムの奇体なご挨拶  不思議に同致して 季節の動くさまが身近になったというのである。
アリガトゴザイマシタ❗️ 

………


『ノンちゃん雲に乗る』



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くにがみだれる

[1] KZ :2024/02/24 14:48 No.454
☆たった二日間の政倫審に 脱税犯人(国会議員)を何人出すか などと騒いでいる。出したところで 非公開なら構わないだろう。彼らは痛くも痒くもないだろう。
大嘘をついても罰則は何もないのだし、その場限りの吊し上げ想定問答には「忘れちゃいました〜、ごめんなさいね〜」と謝っておけば それで全て終了。裏金・脱税問題、政倫審で真摯に対応しました〜ということで、自民、立憲ともにアリバイは堂々完了。後はいつもの通り 保身のための予算審議(田の草取り)に粛々と復帰するだけのことである。すべては予定通りである。エッヘンと。 💢 

☆恍惚の財務大臣は答弁したそうである、申告、納税は議員個々人の任意でありますと。
はあっ〜😩
納税は個々人の任意❓  そうなの?  知らなかった〜! ビックリだよ‼️ それなら俺たちも ほんとは任意でよかったのね!  

(註 ちがいますよ、念のため。日本国憲法第30条 納税の義務。 つまり この大ボケ大臣は憲法を読んだことがない「公務員」なのである。すなわち 存在自体が憲法違反なのだ。即刻公職から追放すべきだ。憲法第99条 公務員の憲法遵守義務 違反!)

☆そして… 財務省は言いそうである、そうです、所得税 いやなら申告しなくてもいいんですよ。皆さんガタガタ言っても どうせ大方はきちんと天引きされているんですから。あと 消費税ね、申告が減ったらその分きちんと消費税率をup しますから 国民各位には 間もなく(懲罰として)強制的に大増税とあいなります。
わかりますかあ? 帳尻というものは簡単に合うんですよ〜!  こちらにはなんの痛痒もありませんのですよう、はいっ🫣

☆くにがこわれる。くにがみだれる。
 くさった天狗の鼻ども! こいつらには そんなことさえ ちっとも分からないのである。

………


「やっちまおうか 永田町、霞ヶ関のアホども!」



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飛来したフォークめがけて

[1] KZ :2024/02/18 15:45 No.453
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆飛来したフォークめがけて絡みつき引きずり込もうとするナポリタン
            相模原市  横浜J子

⚫︎当歌壇の鬼才・横浜J子さんによる一首。
この人にかかれば 見慣れたファミレスのテーブルも 一瞬にして華やかな(騒々しい)コロッセオに変貌するものらしい。食欲よりも、貪欲な格闘技の方をJ子さんは眺めている。

☆おにぎりのツナマヨ味をゆるせないまま人生の秋のまんなか
            千葉市  芍薬

⚫︎この方も 負けず劣らずの常連・異才  
 今回もいい歌ですねえ。
 一般には もう充分市民権を得た取り合わせだろうけれど、 私にはちがう。わが人生も はや秋の真ん中かもしれないけれど と。

☆哀しみは私一人の事だから少し陽気な日記にしよう
            伊東市  大胡惣市

⚫︎このやさしき心ばえ たおやかな意思(男気)に小さな乾杯を

☆全員がしずかな嘘つきになった日 教室内に手は上がらない
            大津市  世田夏雪

⚫︎ほんとうは 誰かがその閉塞(みんなが知っている嘘)を破らなければね。
身を捨てても外の新鮮な風を入れるのが 本当の先生

☆もう少しここに居たらと言えぬまま青へと向かう空を見ていた
            横浜市  友常甘酢

⚫︎せっかく空は晴れたのに こころは少ししずんでしまう。   
 小さな齟齬の哀しさよ

☆神様がもしも本当にいるのなら踵は少し割れてて欲しい
            国立市  佐藤建

⚫︎少し足を引きずって ゆっくり歩いて同行してくださいと。
 剣道とかをやっていた方でしょうか  踵のひび割れの痛みをよく知っている人ですね

☆祝日を旗日と祖母はいいにけり一月一日旗はほぼなし
            世田谷区  野上卓

⚫︎たしかに。元日 旗は私も見ませんでした。 でも私も ふつうにハタビと言ってしまう旧人類であります(笑)

………

☆日溜りの石のものいふ火の匂ひ水の匂ひを漂はせつつ
            時田則雄  『売買川(うりかりがわ)』

⚫︎火と水と 原初の匂いまでも含めて 日溜りの石は語っているのだと。 作者 第13歌集。

☆頬に雨あたりはじめる風のなか生きているのに慣れるのはいつ
            山階基(やましなもとい)  『夜を着こなせたなら』 (第2歌集)

⚫︎読むたびに この瑞々しい感性の発露にうたれる。 私などは未だ慣れません。 作者32歳。

☆新生姜ばりばり嚙みてながらへる
☆泥喰うて恋のはじまるむつごらう
            福島せいぎ  『箱廻し』 (第10句集)

⚫︎1938年生まれ。79〜85歳の300句を収録した句集から。
さすがの気合い。固い新生姜をばりばりと喰らう。そして 泥中のムツゴロウの活気(春気)をはたと見つめる。

………

☆手袋を置いて席取るカフェテラス
            越谷市  小田毬藻

⚫︎季節のうたですね  冬の明るい日差しのなか 間もなく熱い熱いカフェオレが香る。

☆大寒や能楽堂の床の艶
            練馬区  伊勢史朗

⚫︎磨かれた鏡のような艶が むしろしんしんと寒気を誘う。 間もなく楽堂は開演、それからは静かな熱気が舞台を襲うのでしょう。

☆北窓を開き停戦祈りけり
            つくば市  小林浦波

⚫︎なお差し込む鋭い寒気に向かって つよく祈る!
 「この世の地獄」(ガザ)の 一刻も早い解放を  (いかれた戦争屋どもの完全撤退を)

☆大声が重宝されて鬼やらひ
            国立市  加藤正文

⚫︎追儺、鬼やらい。 今年も思い切りの大声で鬼退治  どうぞ世界じゅうに福を呼びこんで❗️

☆猫に問う何故それほどに温かい
            三鷹市  ユピ猫

⚫︎幸せな永遠の問いかけで 今週の句会はお開きのようです。



………

プカリと 貫禄の茨木のり子さん (1926〜2006年)
 『私が一番きれいだったとき』

http://www.paw.hi-ho.ne.jp/n3tomoko/pooh/txt-wata.html



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木山捷平の詩  その2

[1] KZ :2024/02/17 18:13 No.452
木山捷平(1904年~1968年)全詩集  (講談社文芸文庫版)

詩集 『野』から  (1929年 自費出版)
 

☆『こげた飯』

くどの前にしやがんで
幸吉さのことを思つてゐる間に
飯がこげてしまつたんだ。
オトツツアン!
オカアン!

そんなにおこらずに 飯のにがい位辛抱しておくれよ。
わしはもつとつらいんだ
誰にも言へずつらいんだ。
                (昭・2)


☆『牝牛 』

秋のお日様が
牛屋の隅まで照つてゐる。

牛屋の真中に
どてつとねそべつて 反芻(ねり)をかへしてゐる牝牛!
その広いせなかにかけ上り
又とび下り
愉快にあそんでゐるひよこ!

牛屋の前で藁切りながら
おらあ
なんだかたまらなくなつて来た。
                (昭・3)


☆『男の子と女の子』

そら
ええか
一、二、三………

わしと
とみちゃん
石崖の鼻にならんで
ふるへながら小便ひつた。
わしの小便と
とみちゃんの小便
二本ならんで
芋の葉つぱへぱりぱり落ちた。

「とみちゃん、わしの方がちつとよけい飛んだぞ!」
「そら、あんたのはちつと突き出とるもん」

山も
野も
あかるいあかるい月夜であった。
               (昭・3)


⚫︎木山捷平はこの詩集『野』で詩人としてのスタートを切った。
木山の資質は ほぼここですべて表れていると思う。(2月3日の記事中の作品も参照)
ストレートで純粋でけれんみがない。優しくて透明でとてもわかりやすく、読む者の胸に、その調べがそのまま流れ込んでくる。
生家の生業は農業だから(岡山県小田郡新山村、現在の笠岡市出身)、彼の感性は 多くその村の自然と暮らしに根ざしている。もちろん それだから素朴なのではない。人の生きよう、そこに暮らす人々の思いの根底にまで 作者の眼差しと言葉が届いているから詩(表現)として自立しているのだ。
作品のどこかに漂う余裕と諧謔。それは生涯 彼の詩にも散文作品にも 柔らかな背骨のように残って その豊かさを生み出しているように思える。

☆『返り花』

さくらの返り花が校庭に咲いた。
あたたかい冬の日
学校一の低能児タマやんが
ふところ手をしてそれを眺めてゐた。
わたしはタマやんをゆかしく思ひ
花をとってやらうかといふと
タマやんはにこりとかぶりをふった。
「どうして」とたづねたら
「どうしてでもない」とこたへた。

            (大・14 未発表詩篇)


⚫︎作者の没後 夫人の木山みさをさんが編んだ『未発表詩篇』には 以下のような詩もならんでいる。


☆『妻』

団子や芋を食ふので
妻はよく屁をひるなり。

少しは遠慮もするならん
それでも出るならん。

しかしぼくはつくづく
離縁がしたく思ふなり。
      
     (昭・22 )


☆『死』

お母さんのお胎(なか)から来た人間が
何故にお母さんのお胎へかへれないのだろう?
裏山のお墓はつめたい!
そしてあそこはまつくらだ!
せめてお母さんの生きてゐる間は
いくら病気がおもくなつても
あんな土の中へは行きたくない。
      
    (昭・22 )






………



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米国大統領選の惨状

[1] KZ :2024/02/13 11:59 No.451
☆遠藤誉さんの分析

☆民主党を離れたロバート・ケネディJrは、「スリーピング・ジョー」の支配する現状(惨状)から、新しい改革の風を起こせるだろうか?
醜悪な世界の戦争大国・アメリカは 目を覚まして正道を歩みだすことができるのだろうか?

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1de7e1b05cc76823ce30fd5fe325874ca1d3af77

☆理念なき軍事大国・米国に阿諛追従するばかりの植民地政権(自公維新)にとっても 見逃せない大統領選となっている。

☆追記 2/15
先物買いの大好きな麻生太郎は もしかして本命はトランプかと色めいて この際会談でもしておこうとアメリカまで出かけた。しかしながら 「俺は忙しい。格好だけギャングみたいなヘンテコ爺イに会う暇などない」とあっさり袖にされてしまった。
上納専門植民地の田舎大名なんか… いくらトランプだって 相手にするはずがない。一言おどしつければ いつでもポンコツ兵器を揉み手で爆買いする、それは安倍晋三、ガースー 、岸田と 続けて醜態を晒し続けているのだから。

☆なんとも恥ずかしい話ですね。こんなもの(自公維新)をいつまでも飼っているから 日本人全体がバカにされ 世界じゅうから信用されなくなる。 alas! 悲しいかな❗️


………



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猫の命日

[1] KZ :2024/02/11 13:50 No.450
今日の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)


☆水中を落つるが如く雨の日のエレベーターの奥に立ちをり
             国立市  水面叩

⚫︎いい歌ですねえ  雨に霞むエレベーター  その奥に佇んで感じるもの

☆新年を1人迎えた寂しくて施設に引っ越ししようと決めた
             西東京市  佐々木節子

⚫︎上の句の連用形がとても効いてますね  あと ひとりを あえて算用数字で書くチャレンジ精神!

 楽しい居場所が見つかるといいですね
 Bon voyage❗️ 人生 これからもうひと花ですよ〜

☆ふるさとの地震(ない)は東京(ここ)まで伝わりて私は心ごと揺れている
             武蔵野市  大竹晃子

⚫︎秀歌。 ()内は紙面ではルビです。
文語、口語調の自然な転換で いま困難に直面するふるさとへの思いが こちらにも切々と伝わってきます。

※ ない〔なゐ〕
《「な」は地、「い」は居の意》
1 大地。地盤。「ない震 (ふ) る」「ない揺 (よ) る」などの形で、地震が起こる意で使われることが多い。
2 地震。
「恐れのなかに恐るべかりけるはただ—なりけり」〈方丈記〉   (デジタル大辞泉)

☆番台のおらぬ風呂屋の脱衣所で防犯カメラに全裸をさらす
            国立市  佐藤建

⚫︎わかりますねえ この気分(解放感)!  一文にもならないのですが(笑) 不思議とこんなことをしてみたくなるんですよね

☆高速のバスが平地に下り来たり窓いっぱいの水郷の灯よ
             鹿嶋市  加津牟根夫

⚫︎豪奢な窓の明かり ようやくたどり着いた我が町の明かりたちよ

………

☆ゆっくりと柚子湯(ゆずゆ)に百を数へけり
             君津市  手島敬陽

⚫︎良い香りが立ち上って ゆっくりと温まって うらやましい限りのお風呂です

☆初暦猫の命日書き込めり
             新座市  田中美登

⚫︎何よりもまず命日を  忘れられない愛猫への想い   
 もって瞑すべし 天国の猫ちゃんよ

☆鍋底を青い火が這ふ寒の入
             深谷市  八千草

⚫︎いと寒き冬の日よ 青い火は素早く鍋の底を走って

☆ワニ園のワニを見るのも避寒かな
             秩父市  中島由美子

⚫︎こちらは大口をあけてのんびりと…  外の寒さを忘れるいっときなんですね

………


写真左  吉本家の仏壇
右下に愛猫シロミちゃんの遺影も



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小澤征爾さん 逝く

[1] KZ :2024/02/10 13:55 No.449
☆娘さんの送る言葉 
「音楽をしている時が いちばん神様への祈りに近い」と。
純な 良い指揮者でしたね

https://www.sanspo.com/article/20240210-DPUQ77JPCVGQRGJA4RMX23JBTU/?utm_medium=app&utm_source=smartnews&utm_campaign=ios

☆私は むかし日比谷公会堂の前席で聴いたオールモーツァルトプログラム(新日フィル)がいちばん愉しくて すぐに思い出す演奏会。たしかバーバラ・ヘンドリクスも出ていた記憶。ああいう世界の一流が セイジのためなら という感じで集まる… そういう徳(音楽に対するひたむきさ)を持っていた人だったと感じます。

………

https://www.youtube.com/watch?v=5G7Vc0zFnOM

………



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『隆明だもの』

[1] KZ :2024/02/08 15:47 No.448
『隆明(りゅうめい)だもの』

ハルノ宵子
2023年12月 晶文社刊

☆現在も刊行中の『吉本隆明全集』(晶文社)。その月報に連載された著者・ハルノ宵子(吉本家の長女。マンガ家、エッセイスト)のエッセイ、7年ほど前のインタビュー、そして次女である作家・吉本ばななとの 直近の対談で構成されている。父親である大思想家(よしもと・たかあき)の逸話や 娘たちの目から見たこの独特な家庭(四人家族)の姿がリアルに、ストレートに(遠慮も会釈もなく)語りだされていて興味深い。

☆吉本家の両親はそれぞれが 身の内に超人的なエネルギーを抱え持った人だった。成し遂げた仕事も大きかったが、時としてぶつかり合う際の火花もまた尋常なものではなかった。時としてそれは姉妹に生々しい恐怖をもたらすほどのものだった。(それゆえ 姉妹は親と顔を合わさぬよう 二階の窓を出入り口とした時期さえあったという。)
それでも 今から思うと(両親はともに2012年に逝去) 互いにこうした凄まじい熱量を持っていたからこそ ペアとして釣り合った存在だったとも思えると言う。
(またハルノさんは こうも言う。もっと根本から言うならば、父は本来(天性)孤独の人なので、常にもう一人と関わらなければならない結婚など するべき人ではなかった、そういう人なのです。)

☆二人の仲違い(齟齬)が嵩じると 母親は一切口をきかないどころか 風呂場のガス栓を捻ったことさえある。それが脅しや一時のポーズなどではなかったこと、母親は真に恐怖の人だったことも 姉妹ともがさらりと認めている。父親は 自分の非を認めたら 次女のアドバイスを受けてあらためて小さな指輪を買い、丸坊主になったこともあるという。(それを伝え聞いた母親は「バカね」と言ってプッと噴き出したという。)

☆やはり老境に入ってからの逸話が 興味深いものが多い。長女は両親を最後まで ほぼ自宅(文京区内)で介護した。特に母親・和子(俳人)は もともと結核などの持病があり、かなり早くから介護が必要な状態になった。(父親は長く糖尿病を患い、晩年はほとんど視力を失っていたのだが、己の意思で最後まで介護認定を受けなかった。亡くなる直前まで 紙パンツを自分で穿こうとしたという。) 
そのため長女は自身の主たる仕事(マンガ)を 中途からほぼ諦めざるを得ない状態となった(全力を傾注することはできなくなった)。もちろん次女も介護を手伝おうとしたのだが 病床の母親は「あなたじゃない、さわちゃん(長女)を呼んで」とはっきり言った(拒否した)。次女は もう自分にはこの家に居るところが無くなったと感じて家を出ることにした。
姉のほうは 妹は介護から逃げたのだと感じてきたが、妹はけしてそうではなくて 自分の方が家から(自然に)押し出されたのだと断言する。

☆けれどもその分 妹は経済的に大きく父母の介護に貢献した。両親は度重なる入院の際などに、やはり個室でなくては無理だと訴えた。それゆえ トータルすれば尋常ならざる医療費を妹は負担することになった。入院した医大病院の 新館部分はほぼ自分が建てたようなものだとマジで言うほどに。
そのために どんなに意に沿わない仕事でも次女は進んで引き受け 目一杯働いた。生涯あんなに(馬車馬の如く)働いたことはなかったと。
姉も妹も できる限りをやり切った。だからこそ ともに六十代になった今 取り立ててどんな悔いも残っていない。どんなことも隠さずに話せるという気持ちになれた。
そういう二人の思いは 読んでいるこちらにも自ずと伝わってくる。

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「犯罪ですから、自首せえ!」

[1] KZ :2024/02/05 12:18 No.447
大石さん NHK で吼えたんだね  その通り(自民全員脱税犯)ですけどね❗️

☆浜コーjrが必死でシカトしてるのは分かるけど、安住珍念が脱税追求どころかせっせと火消し役に回ってるとはね… ほんとに立民 もはや存在自体がマンガだね、早く死んだほうがいいねえ!

https://asagei.biz/excerpt/70852

https://x.com/costa_rica727/status/1754304246881919007?s=20

https://www.youtube.com/live/VDUyGNnn2Qg?si=pJfKkzj5jGfF7NNZ


☆追記  2/5

せめて立民が自主投票にしていたら 京都市民の味方・福山さんが勝っていた。ここでも立民は自公と組んで 明瞭に市民の敵になった。

https://www.nhk.or.jp/senkyo2/kyoto/20227/skh54555.html

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研ぐ米の

[1] KZ :2024/02/04 13:51 No.446
今週の『東京歌壇/俳壇』から  (東京新聞)


☆棚卸しだるいっすね、を言っていい先輩が辞めちゃってだるすぎ
            相模原市  遠藤健人

⚫︎たしかにね いやになるわなあ そんな状況!  よくあることだけど… 勤め人はつらいっすね

☆研ぐ米のシンクに落ちた数粒が悲しくさせる一人暮しは
            入間市  須田光子

⚫︎大きなことではなくて ほんの小さなその数粒こそが ひとりの悲しみを呼ぶのだと。
しかとこころのそこを詠んだ秀歌

☆母が怒鳴るときに口の中に香るバニラエッセンスがおいしかったな
            蕨市  井上稜太

⚫︎えらく怖いときに それを柔らげる心身の機制がきっと発動するんでしょうね。
バニラエッセンスがおいしかったと。人間は不思議だなあと思います

☆日没に置いて行かれて不自然な転調のある母の鼻歌
            文京区  小亀令子

⚫︎子どもは本当におかあさんの一挙手一投足まで見つめているんですよね  ああ 鼻歌まで転調したぞと。  愛しているんですよ つまりは

☆資本主義経済の中の〈すごい〉には含まれていないすごい夕焼け
            富士見市  松本尚樹

⚫︎さぞや豪奢な夕焼けだったんでしょうね🌆
私も見てみたかった そのcapitalism の外の夕空を

☆しばらくは暮らしてみるからそれらしい由来ができたら耳打ちをして
            大阪府八尾市  瀬戸口祐子

⚫︎これだけでは何が何やらさっぱりなのですが… いつのまにかその「由来」を じっくり聴いてみたくなるような不思議な歌です。 
歌全体が 心の揺れの暗喩になっているような気がします。

………

☆老人の乱歩を読むや褞袍(どてら)着て
            川口市  高橋まさお

⚫︎ほんとうに着てるかは別にして いかにも似合いそうな読書風景ではあります。
乱歩が天井裏で笑っていそう

☆的までの長き一秒弓始
            中野区  中村弘一

⚫︎年の初め 緊張の第一矢
 澄んだ寒気のなか 静かな武者震いが伝わってくるようです

☆買出しのついでに映画小晦日(こつごもり)
            港区  奈良雅子

⚫︎年の暮れのあわただしさ その隙間の小さな息抜き!   良い句ですねえ

※ こつごもり
大みそかの前日。陰暦では12月29日、陽暦では30日。《季 冬》「翌 (あす) ありとおもふもはかな小晦/蝶夢」   (デジタル大辞泉)

☆二日はや吾子は夜勤の白衣着て
            埼玉県日高市  稲子禮子

⚫︎正月も 早い始動なんですね  無事で行けよと母の声

☆歯の抜けし小学生と初笑
            練馬区  木津川珠枝

⚫︎スカスカの歯と大笑い  まあまあ 楽しそうなお正月ですねえ

☆蓆(むしろ)目の着きし丸餅届きけり
             茅ヶ崎市  清水呑舟

⚫︎田舎はどちらでしょうか  懐かしくておいしい丸餅の蓆目よ

☆思へども言はず福笑ひの空似
             府中市  佐野一郎

⚫︎言わずに我慢しすぎると苦しいでしょう(笑)
 読んでるだけでも吹き出しますからね(笑)

☆雪礫(つぶて)人気投票のごとく飛ぶ
             横須賀市  丹羽利一

⚫︎ワーワーと遊んでいるうちに ふと気付くと… ということでしょうか   不思議なものですね 雪合戦も

☆とりあへず立つてはみても冬籠
              神奈川県大和市  今関十三里

⚫︎えいやと立ってはみたが、さてこの冬をどうしよう…
 生きまどい、行き惑う姿を一筆に詠んで まさに秀逸 

………

  



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木山捷平(1904〜1968)の詩

[1] KZ :2024/02/03 13:32 No.445
『木山捷平全詩集』 (1996年 講談社文芸文庫版)

  第一詩集 『野』から  (初出 1929年 自費出版)
 

腰巻

田植が来た。
オカア!
腰巻を一つ買うておくれ。
七つも八つも
つぎのあたつてゐるのをしてゐては
若い衆に見られた時
わしやはづかしいもの。
のう、オカア!
オトツツアンにたのんで
腰巻を一つ買うてもらつておくれ。

                (昭和・2年)

雀よ言ふな

野良からの帰りに
たうきび畑の中であつてゐたら
雀が見に来た。

雀よ
言ふな
誰にも言ふな。

お前が言うたら
わしも言ふぞ、
竹やぶで見たあのことを。

               (昭・3)

ふるさと

五月!
ふるさとへ帰りたいのう。
ふるさとにかへって
わらびがとりに行きたいのう。
わらびをとりに行つて
谷川のほとりで
身内にいつぱい山気(さんき)を感じながら
ウンコをたれて見たいのう。
ウンコをたれながら
チチツ チチツ となく
山の小鳥がききたいのう。
                 (昭・3)


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れいわ大石さん 勝訴❗️

[1] KZ :2024/01/31 17:16 No.444
本日 大阪地裁にて

https://mainichi.jp/articles/20240130/k00/00m/040/311000c

https://www.youtube.com/live/g9NlAaR9C9w?si=xls1k_2GORfE5GD9

☆結果は当然のことながら 全面勝訴。
弱きものを「訴訟」で叩き 反対する言論を権力を行使して封殺する… そんなことが いつまでもまかり通るものか!  
(安倍晋三やガースーも 国政で散々やってきたことだった。それによって 大手マスコミはほとんどその牙を抜かれ 官報すなわち大政翼賛会広報部に成り果ててしまった。つまりは 自滅への道!)

☆橋下徹は このスラップ訴訟(恫喝訴訟)の原告人でありながら この二年間、一度たりとも大阪地裁に顔を出すことはなかった。本日の判決にも 原告・橋下側は誰一人出廷することはなかったという。これが 全てを物語っている。
さて 三百代言としては 上告(恥の上塗り)でもするのかねえ。


………
 
大阪 堂島ロール也❗️

https://www.uta-net.com/movie/928/



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能吏・上川

[1] KZ :2024/01/30 16:36 No.443
「どんな声もありがたく」 と本人がいうから 忘れずにもう一つの声も上げておこう。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240130/k10014340301000.html

この人は法相時代の計3年間ほどで オウム真理教事件の死刑囚を中心に合計16名もの死刑執行を命じた「能吏」である。そして執行命令を出したその夜 「赤坂自民亭」と称して安倍晋三を真ん中にした大宴会が開かれ その中央に名を連ねた能吏でもある。
いつでも その後背には 燦然たる16の光の輪が見えるような能吏である。

よく知られているが、同じく東京大学出身の法相として 派手やかに死刑執行を命じ続けた(計13名)鳩山邦夫は 間もなく自身も病に侵され短い命を終えている。

☆何度も書いた通り 死刑は その中心に絶対矛盾を孕んだ刑罰である。人を殺すことが死刑に相当するのならば 同じ道理で 国家による殺人もまた国家の死によって償われなければならない。そうした絶対矛盾に晒されているからこそ 先進国では日本と米国(の幾つかの州)以外では 死刑はもはや廃止されているのである。その実行を職務上強制される執行官たちが 深い心の病に終生侵されることもまた 幾多報告されている。

☆かつて 保守党の法相たちは 極力死刑執行の命令書へのサインをサボった。デスクに積まれたその最終決裁書類を 見て見ぬ振りをして過ごした。(執行したら もはや取り返しのつかなくなる冤罪への恐怖もあった。)
そしてそのサボタージュだけは 与野党議員の誰一人 正面切って咎めるものはいなかったという。
歴代の法相たちは そうしてサインをサボることで 「死刑制度」の絶対矛盾を露わにしないこと、すなわち実質的に国家の基礎を守ることを実行したのだ。つまり 己のできる限りにおいて 本当の仕事をしたのである。

☆上川は さぞや飛びきりの「能吏」なのだろう。形式的「法治国家」の 忠実きわまりない番犬なのだろう。しかし その「能吏」ぶりが破壊している根底が全く見えていないことで 本当は歴史に名を残す無能/非道の官僚ということになる。
疾く下野することを強く望む。これ以上国を誤らせないために。

※「その夜の宴会」といえば、夫の安田種雄さんが死んだ(殺された)夜に 愛人H と赤提灯で飲んだくれ ピースサインの写真まで撮っていた木原郁子女史を思い出す。人間とは 興奮の度を越えると こういう所業をなす生きものらしい。

※もちろん 麻生ボケ爺の度重なる寝言なんかは 論外の外ですね!


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山本監督⁉️… じゃないよねえ



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こどもがほしい、ほしい、と思う

[1] KZ :2024/01/28 16:07 No.442
今週の『東京歌壇/俳壇』から  (東京新聞)


☆コンクリートのビルが欠片になってゆく こどもがほしい、ほしい、と思う
            川崎市  山田香ふみ

⚫︎見慣れたビルが むなしい瓦礫の山にかわってゆく。  
 こういう時に 人は何かでこころの欠落を埋めたくなるものらしい。下の句の思いが痛切に響く

☆正確なルールを把握しないままトランプをする、適度に笑う
            渋谷区  岩松ぽむ

⚫︎この「適度」さが この常連さんの捨てがたい(優れた)持ち味なんですよね  品のいい軽みなのです。

☆コピー機に挟まれていた獣肉のレシピ アスタリスクにまみれた
            北区  土居文恵

⚫︎コピー機の前で見つけた光景…。不思議な おもしろさを醸しだす歌。 
 これもこの常連さんの特質(天性の 独特な間合い)によるものなんですよね。この人が出て来ると 歌壇の奥行きが少し深まるような気がします。

☆時給より高いランチのれんこんの穴までつよく噛みしめている
            世田谷区  小原史子

⚫︎ちょっとくやしい  そんな気持ちが 蓮の穴まで噛みしめさせるわけですね

※(もっと時給上げろよな K田さんよ  集団で脱税ばかりしてんじゃあねえよ!)

☆馥郁と書道教室にぎはひて「冬」の一字が並んでをりぬ
             国立市  水面叩

⚫︎教室に漂っているのは 墨の香でしょうか  子どもたちの温かな髪の匂いでしょうか
壁にはいろんな「冬」がたくさん並んで

………

☆迎春の肥後の赤酒これの香は亡き父母(ふも)四人をかたはらに呼ぶ
             鹿井いつ子  『夢』  角川書店刊から

⚫︎作者は1944年 熊本県生まれ。四人とは 自分とご主人のご両親よったりのことでしょうか
かつての懐かしい家族のなごりを 元旦の赤酒の香が呼び戻してくれるのですね

………

☆ふいに来る下り急坂老いの冬
             世田谷区  石川昇

⚫︎よくわかります! じつに いきなり やつばらは足元にやって来るんですよね
おたがい 寒さに負けずに… どうぞお元気で!

☆裸木の晒せる傷の光かな
             杉並区  田中耀

⚫︎向こう傷は じつは樹木たちもたくさん受けているんですよね  
 澄んだ冬の陽光が 静かなひとを慰めるように木肌に射している

☆お揃いのカップに注ぐココアかな
             前橋市  木下美樹枝

⚫︎定型中の定型 ではありますが(笑) 温かいココアはとてもおいしそうだし なかよしのご夫婦はのんびりと美しいし

☆熊笹に熊笹の影十二月
             渋谷区  山口照男

⚫︎一転 これは手だれのまなこが見つめた鋭い句ですね  あざやかな熊笹の影  最後のくっきりした体言止めが 効いてますね

☆落ち葉敷く熊はガサゴソうさぎカサコソ
             沼田市  戸丸雅代

⚫︎子どもが大好きな絵本みたいな 優しさあふれる秀句です。 
 冬籠りのこういう音が 山では本当に聞こえてくるんでしょうね

☆独居してカニカマ食ふやクリスマス
             千代田区  岩佐なを

⚫︎お見事な一句だと思います カニカマとクリスマス! 脱帽です  (人生と詩と 長年の修練なしには出てこないうただと)

☆ちくわぶののさばつてをりおでん鍋
             大田区  菊間きん子

⚫︎これまた とびきりキレのいい女流の一句
 ちくわぶの盛り上がる 熱々のおでん鍋が目の前に!
 

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少女たちよ!



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ということです

[1] KZ :2024/01/27 13:18 No.441
https://x.com/harewataruskr/status/1750800664488481145?s=20

https://tanakaryusaku.jp/2024/01/00030222

被災地では すぐに何が最も必要なのか(人命救助のために)
現場に入った人間にしかわからない。

この間 誰よりも早く能登に入った(事情のわかるNPOと一緒に)山本を揶揄したり 嬉しがって足を引っ張っていた連中よ
いいからさっさと重機免許取りに行け!

☆杉良太郎も 面白がって群がる記者たちに言っていた。 これも強烈な反論だった。 彼を見直した。
「そうです 売名ですよ! 被災地のために みなさんもどうぞ(売名)やってください」

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中村メイコさん

[1] KZ :2024/01/26 22:07 No.440
中村メイコさん  合掌🙏

☆そうですね ここに若き日の黒柳徹子とかも加えたら… あの時代の勢い、熱い雰囲気がさっと蘇って来るようですね❗️

☆色川武大さんについては 私もいちど腰を据えてあの不思議な魅力を考えてみたいと思ってきました。サボっていてダメなので みなさんの感想を先に聞かせてもらえたらと思います。

☆かつて中央公論社の新人賞に応募して 最後のところで落とされたことがありました。三名の選考委員のうち吉行淳之介さん、河野多恵子さんはOK だったのだけれど、丸谷才一氏が『犬の運河』(拙作)に絶対反対で それ以上進めなかったと 推してくれた編集担当者が後で教えてくれました。あの人じゃあ無理だよねと 二人で慰めあったものでした。
担当者はもう最後のゲラまで作っていて 私にも見せてくれましたが 掲載用にあけていたページが埋まらなくなった。慌てて他に頼んでいるところだ という話も聞きました。
翌月雑誌が出て そのページは代わりに色川武大さんの作品が掲載されていました。たしか『蛙』という短編。新人賞の選評とかを読んでから ついでにその短編も読んでみると… 色川氏の最も脂が乗った頃の作品で これはもうものが違う。ぽっと出のこちらが「小説」として扱われるなんてあり得ないことだなと 納得の思いがしました。腰の据え方、考えの深さ、表現力が比べ物にならない。それは作品の文章力、構成力、訴求力の違いになってありありと分かる。
沢山の作品を書いて 長く修業を続けてきた、それはきちんと作品に出るものなのだなと よくよく了解できたことでした。
(narcolepsyという宿痾のあった人らしいけれど むしろそれをも肥やしにして人のありようを見据える力にした そんな印象を私は持ちました。)

………


新宿駅から
遠くに伊勢丹が見えます!



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ひばりとメイコですね

[1] K2 :2024/01/25 22:19 No.439
中村メイコはどの世界でも貴重な証言者でしたね。メイコとひばりは特に仲が良かった。元祖アイドルはという質問にメイコは嬉しそうに自分かひばりの名前をあげるかと思っていたら、ムーランルージュにいた明日待子の名前を出した時にはびっくりしました。知らんがな、そんな人! この人はそんな人のことも記憶しているのか、吉行らに可愛がられた話もあったな、テレビの黎明期のことなんかも、この人は一級の証言者だろうなと思ったもんです。

伊集院静の「いねむり先生」を正月読みました。色川との話です。引っ越しを重ねても、何冊かは捨てずに本棚に眠っています。阿佐田哲也と色川を来月は読み直そうかと考えている所です。寺内大吉の本探しもしようかと。「競輪上人・・・」という映画はとびきり面白かった記憶があります。
図書館になんかあるかな? 

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日本と中国の政治構造

[1] KZ :2024/01/25 15:11 No.437
どちらの現状にも与しない遠藤さんの優れた常識が
ここでもよくわかる。
せめてこのくらいのことがわかる人間だけを
われわれは選ぶべきなのだ。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d40180f7cef863f353c2313e57297c65306dbee2

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☆みんな若くて かわいい笑顔ですね
真ん中は浪花千栄子さんです。左右は… わかりますよね❗️



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『長春五馬路』

[1] KZ :2024/01/23 19:33 No.436
『長春五馬路』

木山捷平(1904〜1968年)
              1968年 筑摩書房刊  (現在は 講談社文芸文庫キンドル版などで読めます)

☆木山捷平は1944年 新京(旧満洲国の首都。現在の長春)にあった農地開発公社の広報部嘱託社員となって単身赴任した。東京での暮らしのあれこれに行き詰まり 大陸の新天地で仕切り直しをしてみたいという思いが昂じた結果であったらしい。
しかし戦局はさらに悪化の一途を辿り、翌1945年、オーバー40歳にもかかわらず(当時招集は40歳までという基準があったらしいのだが)現地で招集を受け即日兵役に就く。敵(ソ連)の戦車の下へ爆弾を抱えて飛び込むという自爆攻撃の訓練を受けたのだが、入隊から3日経った八月十五日で敗戦。「精鋭」関東軍は人々を置き去りにして真っ先に逃げ出し、新参の木山二等兵も命拾いはしたのだが、それから一年間ほどを 敗残最底辺の難民として長春の安ホテルで過ごすことになった。(宿舎の上の階は 主としてソ連、中国兵相手の 日本人の後家などによる「女郎屋」であった。)

☆作品の主人公は食うために、また唯一の楽しみであるパイチュー(白酒)を手に入れるために、沢山の満州人たちに混じって焼け残りや質流れの衣服などを路上で商う「ボロ屋」として過ごした。主として露天商売の場としたのが 旧新京の「銀座」通り、五馬路だったというわけである。

☆敗戦直後は 南下して来たソ連軍が長春を支配した。彼らの問答無用の狼藉ぶりについては 既に多くの証言が残っている。次いでここを支配したのは八路軍(中国共産党軍)であった。しかし彼らもまた 満州の人々を圧政によって治めようとした。そして次は 蒋介石の国民党軍が長春にやって来る…。国・共の熾烈な内戦が始まり 戦局は日々目まぐるしく変わる。各勢力の発行する紙幣や軍票が巷を飛び交い、それぞれの衛兵やスパイたちが至る所で火花を散らす。こうした凄まじい長春の混乱が この作品の背景となっている。

☆けれども 作者の筆は不思議なくらい穏やかなのである。事ここに至れば、ソ連兵に捕まってシベリヤに送られること(抑留)以外なら、大抵のことは我慢できる。そういう敗残者の諦めが この一巻を支配しているように見える。敗残町会のきつい使役にたびたび駆り出されたり、露天商売であっさり騙されたり、泥棒どもにごっそり荷を盗まれたり… 様々なひどい目にあうのだが、まあ好きな白酒が飲めて 一日の最後は宿舎でのんびり寝に付けるのなら、帰還の日が一向に見えてこなくても さして焦る気持ちも湧いて来ない。上階の女郎たちとあれこれ話し込んだり、あちこちで満人や鮮人の商売仲間と駄弁ったり、果ては八路軍のスパイと思しき女の住む邸宅でご馳走になり、そこの使用人である早熟の満州人少女と夜更けに交歓したりなどもするのである。
居直った乞食の王様… 精神的にはそんなアナーキーな気分で さして惜しくもなさそうな命を抱えて 彼は今日もまた一人 長春五馬路でのボロ着商いに出かけるべく 大きなズダ袋を痩せた肩に掲げるのである。


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今も心に棲む人へ

[1] KZ :2024/01/21 13:25 No.435
今週の『東京歌壇/俳壇』から  (東京新聞)

☆水仙の花瓶のみずは濁るけど、だいじょうぶ、ここは怒ったりしない国
            杉並区  田中耀

⚫︎ほめ言葉ととりたいのですが…。
 小さきものへの愛が まだ生きている国なのだと

☆微睡と現実をゆきつもどりつし猫が死ぬのを待つ木曜日
            杉並区  半澤泉

⚫︎いずれ来るその時  わかってはいても やはりつらい別れですね。 まどろみとうつつの中で… そういう長いさよならが かつて私にもありました。

☆下り坂、ライトをつけて、自転車で どうも私が流れ星です
            川崎市  山田香ふみ

⚫︎長い坂道で いっきょに流れ星になる… 爽やかで愉しい下の句の滑走に乾杯❗️

☆ふゆの夜の管制官が空港にならべる星座を君と見ている
            八王子市  内山佑樹

⚫︎凍て付く真冬の空港で。でもそれだから 星座はなお輝く 忘れられない夜になる

☆まず、そっとあなたは栞紐を放つ ねぐらの龍を起こすみたいに
            宇都宮市  霧島あきら

⚫︎パワフルな龍…それはどんな本なんでしょうね
 ページを開く小さなときめき、胸さわぎ   読書の醍醐味 

☆両腕に娘を二人ぶら下げて父が重機となる日曜日
             横浜市  友常甘酢

⚫︎それはたしかに重そうだけど、 だいじょうぶ 日曜日のお父さん重機はとても嬉しそうです

☆剣道を習い始めし子のためにユーチューブで見る袴の着方
             北区  土居文恵

⚫︎初々しい剣士誕生のとき  今度はお母さんが嬉しそうな歌

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☆髪切つて五感全き夏に入る
              能美茅柴  『悠紬』 から

⚫︎どこからの風もしっかりと感じられる  さあ夏の準備はできたぞと。

………

☆年賀状今も心に棲む人へ
              牛久市  中村榮子

⚫︎美しい句ですね  小さな熾のように今も心に棲む人へ 思いを送る  (やはりsns では できないことなんでしょうね)

☆掌の座り心地や寒卵
              横浜市  山田知明

⚫︎心地よく掌に収まる卵だなと。さてそうなると 卵の方も居心地を楽しんでいるようなのです。不思議な両者のあわい
私は かつて好きだったモーリス・メルロ=ポンティの認識論(セザンヌ論 『眼と精神』など)を思い出しました。見る・見られるという関係の中で やがて人はその実存に気づく。形式的な主語は影を潜め 世界は意味に満ちた織物となってゆく。

☆乗って来た箒で魔女が落葉掃く
              武蔵野市  相坂康

⚫︎世のアニメ好きには たまらない句なのでは。こんなふうに落ち葉を掃除してくれたら どんなに楽ちんなことでしょう!

☆来年は赤が好きかも日記買う
              国立市  水面叩

⚫︎さぞやきれいな赤(表紙)なんでしょうね  手にするだけでワクワクするような
 鮮やかな 良い年になるといいですね

☆熱燗の熱さが顔に乗り移る
              甲府市  村田一広

⚫︎凍えて辿り着いた居酒屋で ようやくありついた一献  真冬の呑助には忘れられない熱さが 喉元をゆっくりと過ぎてゆく

☆カムヒヤと犬呼ぶ男大晦日(おおみそか)
              江東区  媚庵

⚫︎特別な気分の日にふと出会った犬と男  その呼び声まで なんだか特別に聞こえる不思議

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JAL の新社長

[1] KZ :2024/01/18 11:55 No.434
この記事を見る限り すっきりした良い人事をしてるなあと思いました。こういう会社は風通しが良くなって 伸びるんじゃないかと。

https://trafficnews.jp/post/130475

☆記事で取り上げているのは まず初めての女性社長であること。それから初の客室乗務員出身であること。ずっとその仕事を続けてきた人のようで、本物の いわゆる叩き上げ(熟練工)のようですね。こういう人でないと 現場の機微は 本当には分からない。

もう一つ 経歴を見ると 最初は東亜国内航空の採用。それから航空会社の合併再編の大波を経て 最終的に現在のJAL にたどり着いている。どう見ても人事の本流ではなく まさしく傍流そのもの。かつての国策(官僚)会社・日本航空だったら とうていあり得ない事態。
それだけに 客室乗務員として とても優秀なサービスを提供し続けてきた模範社員だったのだろうと想像がつく。近年は常務、専務を経験して上がってきているようだから、おそらく経営面でも 現場のキャリア上がりという大切な視線を充分生かし続けてきたのでしょう。それは自信を持って後任を紹介している現在の社長(この人も整備士出身とのこと)のコメントを読んでも感じられる。

最前線はもうこういう時代になっているのだなと ある感銘をおぼえる。

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☆追記  1/18

初の女性… という記事がもう一つ。

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024011800499

田村智子さん(58歳)。長野県小諸市出身。同市立東中学校〜県立野沢北高等学校〜早大文学部。卒業後 民主青年同盟事務局に就職という経歴。
(私事ですが、小生の出身地の隣り町出身。その出身中学は我が伯父がしばらく校長をしていたので 私もよく知っています。あと野沢北高校は 旧制野沢中学で、これは私の亡父と同窓生という縁もあります)

せっかく選ばれたのだから ブレずに国民のために活躍を。れいわ新選組、社民党、立憲のまともな層と連帯し、国民の安寧な暮らしを樹立するために全てを挙げて邁進してもらいたいと思います。古い体質の残る党なので 何か改革しようとしたら強烈に足を引っ張られもするでしょう。めげずに 全ては国民のために(党のために ではなく)!


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『春闘 2024』

[1] KZ :2024/01/16 16:13 No.433
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240116/k10014322641000.html

☆思わず目を擦ってしまったけれど、これ 連合のニュース… じゃあなかったのね! 相方の経団連の免罪符『春闘』宣言なんですね!

まあ 言わないよりはマシかと思うけど、大体その戦闘宣言を先に敵方に使われて… 連合ってのは なんとも思わないんだろうか?  ほんとに摩訶不思議なタコ組織なんだねえ

☆もちろん このニュースは ただのお為ごかしのフェイクです。最後の方で経団連の本音はしっかりバレている。かつて竹中平蔵やらの新自由主義者を使って 自分らが散々増やしまくった非正規労働者(低賃金・不安定労働者層)。内需がすっかり沈静化して成長が鈍化してしまった今になって、あわてて「処遇改善を!」なんて言ってみたところでただのアリバイ作り、ほんとにやる気などないことはもうみんなが知っている。「ボクたち労働者なんだっけ?」なんてマジで言い出した認知症労働貴族・連合に、さすがの経団連の爺さまたちも困っちまっている… そんなお笑いニュースなんでしょうね


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こちらの方が まだ実のある宣伝だと思いますが



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うどんを食うて

[1] KZ :2024/01/14 14:43 No.432
今日の『東京歌壇/俳壇』から  (東京新聞)


☆幾千のドアの向こうにひらくドア不眠の夜にとり残されて
             札幌市  鈴木精良

⚫︎不眠の焦燥  他人にはわからないつらいドアなんですよね  いっそ朝まで起きちゃいましょうか
(取り残されるのは ほんとは死の恐怖に近いのかもしれない)

☆口にはりつく髪を避け冬の海、一度来たかったんだとわらう
             川崎市  黒須佑季

⚫︎寒風の吹きつける真冬の海  もう泣き笑いかな 
でも どこか可愛い光景ですね

☆流暢に弱音を話すきみといてまだ浅瀬だと気づいてしまう
             八王子市  吉村のぞみ

⚫︎そうか  ほんとの弱さなら もっと小さな(深い)声で打ちあけるだろうなあと
こころの〈機微〉を詠う秀歌

☆路地裏の夜をはじいて傘のなか通りに出るまで無言でつづく
             町田市  薄暑なつ

⚫︎今週はこの演歌を添えたいと思います
 追悼 八代亜紀

https://www.uta-net.com/movie/3446/

☆線路越しの公園の公孫樹輝けりあちらは今日は光の国だ
             中野区  もろ・はこび

⚫︎こちらはまだ影の中でしょうか  線路向こうの光の国が 際立って浮かんで来ます

☆古希近し免許更新最後かもせめて写真は明るいシャツで
             八王子市  長岡博之

⚫︎勢いのある下の句がいいですね 
 どうぞ素敵なシャツできめてください

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☆目に見えぬ星を心にクリスマス
             北名古屋市  月城龍二

⚫︎どんな飾りつけより ほんとうの星はそこにあるのでしょうね

☆干大根みなが貧しき頃のあり
             松戸市  早坂哲夫

⚫︎弁当のおかずが沢庵と梅干しだけだった という懐かしい時代ですね   でも腹が減って、どか弁のタクアン 美味しかったですね

☆声かけず妻は外出(そとで)す日向ぼこ
              下妻市  神郡貢

⚫︎残されてひとり縁側で という句でしょうか  まあこれはこれで ポカポカしてよろしいかとも

☆ボロ市や明日無き老いも買い叩く
              東大和市  温泉川清志

⚫︎売り買いの 阿吽のせめぎ合いが また楽しいんでしょうね  この際老若は問わず ですね

☆注連(しめ)作る父の手藁の匂いけり
              東久留米市  高橋澄子

⚫︎注連縄作りの手仕事も藁の匂いも 今は遠くなりました。  でも暖かくて思わず眠くなるような ほんとに良い匂いでした。


☆ポインセチアとポテトサンドとハムサンド
              渋谷区  羽生邑子

⚫︎これに美味しい紅茶があれば 他にはなにもいらない!
時代は変わる  連れて人々の暮らしも想いも遷る。
以前なら ここに詩が生まれるとはとても思えなかったはずですね

☆小春日をうどんを食うて別れけり
              国立市  加藤正文

⚫︎小春日 うどん 小さな別れ   ニュアンスが一気通貫して しぶい良い句が生まれました。 そばでもパスタでもない ここはうどんのさようならなんですね

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今は仙台の郊外に住む畏友(旭雲氏)の書です。先日送られて来ました。
 
心を論ずるに酒一樽

⚫︎飲み過ぎに注意 と返信する予定です(笑)

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お元気そうでなによりです

[1] KZ :2024/01/13 20:55 No.431
IGA氏
今年もよろしくお願いします🙇

本当にいつ何があるか分からない世の中ですね。
各自の安否情報 どうぞこの掲示板を使ってください。
現文の諸氏も みなさんお元気なのか 気になるのだけれど…

私は車イスで 上野に出るのもカミさんに付き添ってもらわないと、というありさまです。(電車は普通に乗れるのですが 乗降時にスロープがいるので必ず駅員さんの応援が要ります。けっこう面倒なのです。)

みなさんで会うことがあったら また近況を教えてください。

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☆懐かしき国鉄スワローズ 背番号34
 ミット睨んでますね  かっこいいですねえ!



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元旦早々に

[1] IGA :2024/01/13 16:21 No.430
天災と人災が引き続き起き、列島は昨年の暮れの人災「裏金」から相変わらず揺れ動いています。

そこで、今回の共通した教訓として非常に気になるのは、出来事の発端の偽情報が非常にお粗末な状態で何の検証も無しに繰り返し流れ出て広がり、その後の正確な情報が乏しく訂正機能のないままにダラシナク流れるという状況が見れらることです。

これは昨年からの幾つかの「戦争」の情報にも見られました。
毎日新聞に掲載された高村薫の時評に、「今は木々は見えるが森が見えない状況だ」と有りましたが、これは違います。
細かな現在の状況を木々とすると、この木々が既に様々に発信者の都合の良いように変貌されてしまい正しい判断を阻止する情報になっているのが現状であり、当然これらを寄せ集めても正しい全貌にはならないようになっています。
メディアは意図しているのか、何かに忖度しているのか分かりませんが、早さを重視してか検証無しの状態で偽情報を垂れ流しして、散々に拡散した後で、さり気無く訂正しているようにも見えます。
こんな偽情報から得る間違った認識から正確な対応が出来る筈が無いと思います。

様々な思いから発信している多くの情報から確かな情報を何とか拾い出して判断していく必要が有ります。
このところの「情報」について気になる事が有り、投稿した次第です。

さて、話は変わりまして
K2の話では、ウィルスに侵された脳の前庭の不具合により(これもかなり曖昧な情報ですね)平衡感覚に異常を来たすと言う(一種の難病でしょうか)不健康状態では、今のところ外出もままならない状況ですね。
コロナから暫く会っていませんので、そろそろとは思っていましたが、もう少し様子を見て暖かくなってから久しぶりにKZさんやOさんにも声をかけて何処かに集合しても良いのではと思いますが・・・如何なものでしょうか?

何はともあれ、これから先の事など簡単に安請け合い出来る保証など一切無いという世の中で、何か小さな希望や期待を持って生きていっても良いのでは・・・と、思う今日この頃では有ります・・・・・

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