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今週の『東京歌壇/俳壇』から (東京新聞)
☆仲間減り同級会も三人だ文殊の知恵も酒に溶け込む
品川区 藤井好
⚫︎それでも きっと良い智慧が酒に浮かんだことでしょう
寂しさもちうくらいなりおらが春
☆AIの音声で聞くそのなかにAIなまりが幽かに響く
世田谷区 野上卓
⚫︎よくぞ言ってくださった! あの不気味で不快で、いと分かりやすい「標準語」のことですね。
生成AIの文章もまた そういう「訛り」で貫かれていることでしょう。本当はその形式論理(排中律原理)から漏れ落ちるものこそ 人の想い(自己表出=内臓の声)なのだと言っておけばいいのでしょう。
俚諺にも言う、馬鹿と鋏は使いよう。
☆ポケベルの時から自由奪われて今はラインに縛られている
川崎市 福本よしき
⚫︎便利、便利と言いながら 実際は囚われている哀しい実情
自由奪われて という句に、逆にいつも自由を求めているひとの本質を見る思いがします。
☆才能と言う幻想を持ち続け迷子のままに吾子40歳
荒川区 鈴木真理子
⚫︎わかります。お母さんとしては とても心配な40歳なんですね。
でも 大抵の人は 大なり小なりそういう想いを胸に抱いたままこの世を生きているような気がします。むしろひとはそうした幻想の生きものなのだ、それがひとの本質なのだと。
迷子のままに生きるのも ひとの本然かもしれません。
☆春風は吹くも吹かぬも梅の花咲いてる辺りに春は来ている
横浜市 中村尚志
⚫︎わが知らぬまに梅は咲き… あらためて春の兆しに気づく想い
☆Tシャツを2秒で畳む裏技をネットで学ぶも介護の一環
東大和市 温泉川清志
⚫︎気の持ちようで、たいへんな介護もなんだか楽しそうにさえ思えます。
常連さんの たくまざる心の力ですね
☆樹の枝でイーヨイーヨと鳥が鳴くそうだいいよねこのまま生きる
江東区 佐藤章江
⚫︎結句、お見事な達観だと感じ入りました。
この大胆な生の肯定よ! なんだか心が洗われるようです。
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☆啓蟄や着信音は鞄より
茅ヶ崎市 川口しのぶ
⚫︎土中ではなくカバンから 小さな発信音が湧き上がってきたというわけです。
虫たちもびっくりの春の訪れですね
☆春の日やカレーにソース一回(ひとまわ)し
江東区 石井真由美
⚫︎なるほどこの手があったかと❗️
ここでひと味かえて 微妙な季節の変わりめを象徴させているわけですね
カレー食べたくなりました 美味しいウスターソースを用意して
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