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投稿者:KZ
今日の『東京歌壇/俳壇』から  (東京新聞) ☆幾千のドアの向こうにひらくドア不眠の夜にとり残されて              札幌市  鈴木精良 ⚫︎不眠の焦燥  他人にはわからないつらいドアなんですよね  いっそ朝まで起きちゃいましょうか (取り残されるのは ほんとは死の恐怖に近いのかもしれない) ☆口にはりつく髪を避け冬の海、一度来たかったんだとわらう              川崎市  黒須佑季 ⚫︎寒風の吹きつける真冬の海  もう泣き笑いかな  でも どこか可愛い光景ですね ☆流暢に弱音を話すきみといてまだ浅瀬だと気づいてしまう              八王子市  吉村のぞみ ⚫︎そうか  ほんとの弱さなら もっと小さな(深い)声で打ちあけるだろうなあと こころの〈機微〉を詠う秀歌 ☆路地裏の夜をはじいて傘のなか通りに出るまで無言でつづく              町田市  薄暑なつ ⚫︎今週はこの演歌を添えたいと思います  追悼 八代亜紀 https://www.uta-net.com/movie/3446/ ☆線路越しの公園の公孫樹輝けりあちらは今日は光の国だ              中野区  もろ・はこび ⚫︎こちらはまだ影の中でしょうか  線路向こうの光の国が 際立って浮かんで来ます ☆古希近し免許更新最後かもせめて写真は明るいシャツで              八王子市  長岡博之 ⚫︎勢いのある下の句がいいですね   どうぞ素敵なシャツできめてください ……… ☆目に見えぬ星を心にクリスマス              北名古屋市  月城龍二 ⚫︎どんな飾りつけより ほんとうの星はそこにあるのでしょうね ☆干大根みなが貧しき頃のあり              松戸市  早坂哲夫 ⚫︎弁当のおかずが沢庵と梅干しだけだった という懐かしい時代ですね   でも腹が減って、どか弁のタクアン 美味しかったですね ☆声かけず妻は外出(そとで)す日向ぼこ               下妻市  神郡貢 ⚫︎残されてひとり縁側で という句でしょうか  まあこれはこれで ポカポカしてよろしいかとも ☆ボロ市や明日無き老いも買い叩く               東大和市  温泉川清志 ⚫︎売り買いの 阿吽のせめぎ合いが また楽しいんでしょうね  この際老若は問わず ですね ☆注連(しめ)作る父の手藁の匂いけり               東久留米市  高橋澄子 ⚫︎注連縄作りの手仕事も藁の匂いも 今は遠くなりました。  でも暖かくて思わず眠くなるような ほんとに良い匂いでした。 ☆ポインセチアとポテトサンドとハムサンド               渋谷区  羽生邑子 ⚫︎これに美味しい紅茶があれば 他にはなにもいらない! 時代は変わる  連れて人々の暮らしも想いも遷る。 以前なら ここに詩が生まれるとはとても思えなかったはずですね ☆小春日をうどんを食うて別れけり               国立市  加藤正文 ⚫︎小春日 うどん 小さな別れ   ニュアンスが一気通貫して しぶい良い句が生まれました。 そばでもパスタでもない ここはうどんのさようならなんですね ……… 今は仙台の郊外に住む畏友(旭雲氏)の書です。先日送られて来ました。   心を論ずるに酒一樽 ⚫︎飲み過ぎに注意 と返信する予定です(笑) ………    
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