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猫の命日

1: KZ:2024/02/11 13:50 No.450
今日の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)


☆水中を落つるが如く雨の日のエレベーターの奥に立ちをり
             国立市  水面叩

⚫︎いい歌ですねえ  雨に霞むエレベーター  その奥に佇んで感じるもの

☆新年を1人迎えた寂しくて施設に引っ越ししようと決めた
             西東京市  佐々木節子

⚫︎上の句の連用形がとても効いてますね  あと ひとりを あえて算用数字で書くチャレンジ精神!

 楽しい居場所が見つかるといいですね
 Bon voyage❗️ 人生 これからもうひと花ですよ〜

☆ふるさとの地震(ない)は東京(ここ)まで伝わりて私は心ごと揺れている
             武蔵野市  大竹晃子

⚫︎秀歌。 ()内は紙面ではルビです。
文語、口語調の自然な転換で いま困難に直面するふるさとへの思いが こちらにも切々と伝わってきます。

※ ない〔なゐ〕
《「な」は地、「い」は居の意》
1 大地。地盤。「ない震 (ふ) る」「ない揺 (よ) る」などの形で、地震が起こる意で使われることが多い。
2 地震。
「恐れのなかに恐るべかりけるはただ—なりけり」〈方丈記〉   (デジタル大辞泉)

☆番台のおらぬ風呂屋の脱衣所で防犯カメラに全裸をさらす
            国立市  佐藤建

⚫︎わかりますねえ この気分(解放感)!  一文にもならないのですが(笑) 不思議とこんなことをしてみたくなるんですよね

☆高速のバスが平地に下り来たり窓いっぱいの水郷の灯よ
             鹿嶋市  加津牟根夫

⚫︎豪奢な窓の明かり ようやくたどり着いた我が町の明かりたちよ

………

☆ゆっくりと柚子湯(ゆずゆ)に百を数へけり
             君津市  手島敬陽

⚫︎良い香りが立ち上って ゆっくりと温まって うらやましい限りのお風呂です

☆初暦猫の命日書き込めり
             新座市  田中美登

⚫︎何よりもまず命日を  忘れられない愛猫への想い   
 もって瞑すべし 天国の猫ちゃんよ

☆鍋底を青い火が這ふ寒の入
             深谷市  八千草

⚫︎いと寒き冬の日よ 青い火は素早く鍋の底を走って

☆ワニ園のワニを見るのも避寒かな
             秩父市  中島由美子

⚫︎こちらは大口をあけてのんびりと…  外の寒さを忘れるいっときなんですね

………


写真左  吉本家の仏壇
右下に愛猫シロミちゃんの遺影も


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