投稿者:KZ
今日の『東京歌壇/俳壇』から (東京新聞)
☆水中を落つるが如く雨の日のエレベーターの奥に立ちをり
国立市 水面叩
⚫︎いい歌ですねえ 雨に霞むエレベーター その奥に佇んで感じるもの
☆新年を1人迎えた寂しくて施設に引っ越ししようと決めた
西東京市 佐々木節子
⚫︎上の句の連用形がとても効いてますね あと ひとりを あえて算用数字で書くチャレンジ精神!
楽しい居場所が見つかるといいですね
Bon voyage❗️ 人生 これからもうひと花ですよ〜
☆ふるさとの地震(ない)は東京(ここ)まで伝わりて私は心ごと揺れている
武蔵野市 大竹晃子
⚫︎秀歌。 ()内は紙面ではルビです。
文語、口語調の自然な転換で いま困難に直面するふるさとへの思いが こちらにも切々と伝わってきます。
※ ない〔なゐ〕
《「な」は地、「い」は居の意》
1 大地。地盤。「ない震 (ふ) る」「ない揺 (よ) る」などの形で、地震が起こる意で使われることが多い。
2 地震。
「恐れのなかに恐るべかりけるはただ—なりけり」〈方丈記〉 (デジタル大辞泉)
☆番台のおらぬ風呂屋の脱衣所で防犯カメラに全裸をさらす
国立市 佐藤建
⚫︎わかりますねえ この気分(解放感)! 一文にもならないのですが(笑) 不思議とこんなことをしてみたくなるんですよね
☆高速のバスが平地に下り来たり窓いっぱいの水郷の灯よ
鹿嶋市 加津牟根夫
⚫︎豪奢な窓の明かり ようやくたどり着いた我が町の明かりたちよ
………
☆ゆっくりと柚子湯(ゆずゆ)に百を数へけり
君津市 手島敬陽
⚫︎良い香りが立ち上って ゆっくりと温まって うらやましい限りのお風呂です
☆初暦猫の命日書き込めり
新座市 田中美登
⚫︎何よりもまず命日を 忘れられない愛猫への想い
もって瞑すべし 天国の猫ちゃんよ
☆鍋底を青い火が這ふ寒の入
深谷市 八千草
⚫︎いと寒き冬の日よ 青い火は素早く鍋の底を走って
☆ワニ園のワニを見るのも避寒かな
秩父市 中島由美子
⚫︎こちらは大口をあけてのんびりと… 外の寒さを忘れるいっときなんですね
………
写真左 吉本家の仏壇
右下に愛猫シロミちゃんの遺影も