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みんなチョコ味

1: KZ:2024/04/21 15:16 No.479
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆最後の晩餐が病院のプラスチックの茶碗とはむなし
           前橋市  西村晃

⚫︎ほんとうに空しい気がする。 たぶん今は胃瘻とか点滴とかになるのだろうけれど。
今週は別の選者も この方の一首を採り上げています。やはり直裁な声調の歌を

☆「がんばれと言われるたび殺したかった」そう言はれ教師を辞めにけり

⚫︎人にはさまざまな道があり 生き方がある… そういうことを重々踏まえた<教室>でなければ意味はない。
政府・文科省の役人どもよ 目覚めよ!

☆名も知らぬアニソンなれど軽快なそのメロディーをふとハミングす
            小金井市   沖義裕

⚫︎ついつい乗せられてしまって…ですね(笑)
世は春 ですものね♬

☆〈死〉ではなく〈死にたくない〉が怖いのよフォンデュ、もうみんなチョコ味にして
            横浜市  砂崎柊

⚫︎夜も眠れないくらい もう無茶苦茶に恐ろしいのですよね  その気分は ありったけのチョコ味くらいにしなければ治まらないのだと。
「死にたくない」… 夏目漱石の臨終のことばとも言われています。ひとは誰でも この難題を抱えて最後まで生きるのだろうと思います

☆夕凪の端まで歩く歳の差のあいまいになる海岸通り
             墨田区  湯島はじめ

⚫︎静かな夕凪のなか 果てまで歩けば 大抵のことは消失点に収斂してしまう  
遥かなひとの想いよ 海よ

☆生きる許可通行する許可得た猫の耳は切られた切符のようで
             富士見市  松本尚樹

⚫︎そこに至るまでに どれほどの悪戦苦闘を強いられてきただろうか  
ノラちゃんの耳のギザに想いをはせる

………

☆眼科医のくまなく覗く我が銀河
☆三月やたましひと酌む浦霞
             『旅鰻(たびうなぎ)』(ふらんす堂刊)から   守屋明俊

⚫︎小さな我が眼球の底にも じつは目眩くような銀河があったのだと

⚫︎塩竈の名酒を味わいながら 我が胸中と語り合う   男の酒よ 
 
………

☆あれよあれよと卒業万頭(まんじゅう)たいらげし
              横浜市  ペコリーノ

⚫︎ハートも胃袋も 若者は元気がよろしい ですね  そのくらいでいいんでしょうね きっと(笑)

☆徳利のとくと声する夜半の春
              千代田区  岩佐なを

⚫︎夜ふけにしみじみと呑む  聴こえるのはとっくりのとろりとした声のみ  春宵のそこでひとり

☆恋の猫いけしゃあしゃあと戻りけり
              青梅市  増田正

⚫︎ああさっぱりした と言うわけですね  かなわんですなあ 夜の猫又には(笑)

☆病床にひと来て花の盛り言ふ
              川越市  益子さとし

⚫︎満開の花も 少し寂しく感じることがある。
ベッドでは 花より団子 と言うわけにもいかないですしね

☆妹も弟もゐてつくしんぼ
              鹿沼市  鹿沼湖

⚫︎遠く遥かな お兄さんの思い出でしょうか  
きょうだいの良い夢見たりと

☆与野党のごとき夫婦や海苔炙る
              相模原市  遠藤健人

⚫︎いったいどういう夫婦なのでしょうか  仲が良い? わるい? (笑)
 ともに美味しい海苔を食する  終わりよければ… ということで 今週も❗️


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