投稿者:KZ
今週の『東京歌壇/俳壇』から (東京新聞)
☆最後の晩餐が病院のプラスチックの茶碗とはむなし
前橋市 西村晃
⚫︎ほんとうに空しい気がする。 たぶん今は胃瘻とか点滴とかになるのだろうけれど。
今週は別の選者も この方の一首を採り上げています。やはり直裁な声調の歌を
☆「がんばれと言われるたび殺したかった」そう言はれ教師を辞めにけり
⚫︎人にはさまざまな道があり 生き方がある… そういうことを重々踏まえた<教室>でなければ意味はない。
政府・文科省の役人どもよ 目覚めよ!
☆名も知らぬアニソンなれど軽快なそのメロディーをふとハミングす
小金井市 沖義裕
⚫︎ついつい乗せられてしまって…ですね(笑)
世は春 ですものね♬
☆〈死〉ではなく〈死にたくない〉が怖いのよフォンデュ、もうみんなチョコ味にして
横浜市 砂崎柊
⚫︎夜も眠れないくらい もう無茶苦茶に恐ろしいのですよね その気分は ありったけのチョコ味くらいにしなければ治まらないのだと。
「死にたくない」… 夏目漱石の臨終のことばとも言われています。ひとは誰でも この難題を抱えて最後まで生きるのだろうと思います
☆夕凪の端まで歩く歳の差のあいまいになる海岸通り
墨田区 湯島はじめ
⚫︎静かな夕凪のなか 果てまで歩けば 大抵のことは消失点に収斂してしまう
遥かなひとの想いよ 海よ
☆生きる許可通行する許可得た猫の耳は切られた切符のようで
富士見市 松本尚樹
⚫︎そこに至るまでに どれほどの悪戦苦闘を強いられてきただろうか
ノラちゃんの耳のギザに想いをはせる
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☆眼科医のくまなく覗く我が銀河
☆三月やたましひと酌む浦霞
『旅鰻(たびうなぎ)』(ふらんす堂刊)から 守屋明俊
⚫︎小さな我が眼球の底にも じつは目眩くような銀河があったのだと
⚫︎塩竈の名酒を味わいながら 我が胸中と語り合う 男の酒よ
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☆あれよあれよと卒業万頭(まんじゅう)たいらげし
横浜市 ペコリーノ
⚫︎ハートも胃袋も 若者は元気がよろしい ですね そのくらいでいいんでしょうね きっと(笑)
☆徳利のとくと声する夜半の春
千代田区 岩佐なを
⚫︎夜ふけにしみじみと呑む 聴こえるのはとっくりのとろりとした声のみ 春宵のそこでひとり
☆恋の猫いけしゃあしゃあと戻りけり
青梅市 増田正
⚫︎ああさっぱりした と言うわけですね かなわんですなあ 夜の猫又には(笑)
☆病床にひと来て花の盛り言ふ
川越市 益子さとし
⚫︎満開の花も 少し寂しく感じることがある。
ベッドでは 花より団子 と言うわけにもいかないですしね
☆妹も弟もゐてつくしんぼ
鹿沼市 鹿沼湖
⚫︎遠く遥かな お兄さんの思い出でしょうか
きょうだいの良い夢見たりと
☆与野党のごとき夫婦や海苔炙る
相模原市 遠藤健人
⚫︎いったいどういう夫婦なのでしょうか 仲が良い? わるい? (笑)
ともに美味しい海苔を食する 終わりよければ… ということで 今週も❗️
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