THE SUIMYAKU



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くちさみしいは便利なことば

[1] KZ :2024/05/19 15:11 No.498
本日の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆ドロップのように名前を舐めているくちさみしいは便利なことば
             金沢市  塩本抄

⚫︎ほんとうは 何度でも口にしたい名前がある ということなのでしょう!
誰にでもある(あった)胸の奥処の灯よ

☆空色のシート被されもう空を目指せぬようにされた切り株
             富士見市  松本尚樹

⚫︎いっそ根こそぎにしてくれたら と。
天に向かって伸びるのが 万物の生きるということ 

☆ひざ小僧四つしゃかしゃか回りつつスワンボートのゆるゆる流る
             渋谷区  浅倉修

⚫︎進むのではなく ゆるゆる流れているぞと(笑)  小さな膝小僧たちは一生懸命なのでしょうが

☆何処からか友現はるる気配する野茨咲ける故郷の川辺
             平塚市  升水昭夫

⚫︎美しい望郷の歌  やんちゃ坊主たちが 丈高い草むらからひょっこり顔を出す  
笑みが溢れるふるさとの午後

☆ページめくる音と手触り代へ難し紙の本には温もりがある
             高崎市  野口啓子

⚫︎同感です その温もりに どれほどの価値が宿っていることか!
手指に難があり(ラグビーの後遺症) 私自身はほとんど電子書籍に頼っているのですが、なおのこと紙の本の実直さ、確かさに 惹かれることしきりです。

☆振り返り振り返りして帰り来ぬ桜堤に掛かりし虹を
              大磯町  大久保武

⚫︎羨ましいことです  いくどもいくども振り返り なんと美しい光景を目にされたことでしょう!

☆後遺症負いつつ生きる夫は今「プロジェクトX」を見たいと言わず
              沖縄県西原町   野原めぐみ

⚫︎もっと深い もっとパーソナルなところへ関心が移っているのでしょう
そこで気づくものがきっと有ります どうぞくじけずに その命を!

………

☆秋の日の霞ヶ浦はしずかだね 無数の波の涙のように
              岡田恭子  『しずかだね』(短歌研究社刊)より

⚫︎1946年生まれ とって78歳の第4歌集。
あえて旧仮名を使わずに勝負している そんな気がします。柔らかな言葉のいのち

☆一の霜二の霜つよく墨にほふ
              斎藤信義  『光る雪』(文学の森刊)より

⚫︎1936年生まれ  とって88歳の第5句集。
凛とした寒気の中で 墨はあくまでも濃く 香り高く匂いたつ。 それ自体がすでにひとつの作品であるかのごとく

………

☆野遊びや一升瓶の重きこと
             さいたま市  平田範子

⚫︎でも左党には ちっとも気にならないハンデなんですね(笑) 
これから 野遊び  さてさて どんな愉しみが待っていることか  思わず胸も弾みます

☆さくらさくら怒らないから言つてみろ
              宇都宮市  大渕久幸

⚫︎さてどんな告白が 淡い花びらの間から飛びだすのでしょうか?
前代未聞  興味津々

☆娘が持て来蚕豆入りの玉子焼
              川口市  高橋まさお

⚫︎空豆入りの ということですね
娘さんがわざわざ焼いてきてくれた… きっと珍味でありましょう  幾つになっても父と娘 羨ましい限りです

☆コンタクトに替へてお洒落に入学す
              杉並区  網野邦男

⚫︎娘さん? お孫さんですか?  おしゃれなおとなの誕生なんですね

………

☆👇 Y くん
かつての同僚。いいプロップでありました(FW第1列)。
私は第2列(ロック)だったので このような巨漢の尻を
一生懸命押すのが仕事でした(😅)



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「能吏」上川外相

[1] KZ :2024/05/18 20:34 No.497
「能吏」上川外相

https://nordot.app/1164508393765306393

☆産もうが産むまいが それが個人の自由な判断によることは自明の理だ。「産んでこそ女性」などと 誰がどの口で言い得ることなのか。
もし少子化を食い止めたいのなら 余裕を持って(安心して)出産し子育てできる環境を 国をあげて作り出し整えていくしか方法はない。それもまた自明のことだ。

☆かつてこの16人殺しの「能吏」上川について ここで書いた。
https://rara.jp/yokozu/page443)。
その超・人権無視感覚を 今回もまた上川は自らはっきりと露呈してみせたわけである。あるべき自省などは ひとかけらも見えない。

やんぬるかな
つぎの選挙では 必ず落選させよう❗️

………



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デイサービスの午後

[1] KZ :2024/05/18 13:40 No.496
〈デイサービスの午後・生成中〉

☆夕方になると目が澱む帰りたい帰れない人が渦巻く何処に

☆不審と疑問とがやがて猜疑に 深いまなざし打ち捨てられて集うわれらの

☆綱引きをする利用者と職員と永遠(とわ)に続くや旅路は遥か

☆コーヒーが冷めるよそうは言えども尽きぬ汗ことだま残ればなお尽きぬ汗

………



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トー横は今や

[1] KZ :2024/05/14 11:59 No.495
かつてのバンコク パッポン・ストリートになったということなんだね!

https://x.com/tahataha4646/status/1789240492183765394

☆そしてこうなるのも 時間の問題だった…

https://x.com/JapanTank/status/1789491214968144105

☆たくさんの課題を前にして… 処方箋は れいわ新選組一択。そういう時代が もうやって来ている。
 これまでのように バカな与野党議員たち(世襲制に守られた利権・脱税ひとすじの「貴族」たち)に任せておいて この歪んだ世の中が良くなりっこないのだから。
子にも孫にも 恥ずかしくない国を創っていこう!

………
https://x.com/kikko_no_blog/status/1791058039031963933

☆きっこさんは 本業(文筆業、ヘアメイク)の傍ら 子ども食堂の運営に尽力し続けている。
………



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sara

[1] KZ :2024/05/13 12:20 No.494
『小さな光』

https://youtube.com/watch?v=rOBVBj_6vL4&si=NJsmYsllInK-QJik

AI サラちゃん ということのようですね

私も最初は ほんとの歌手かと思いました🤣

☆まあ こういう歌、画像で応援してくれる才能がいるということで
喜ばしいことですね🌷

………


小津安二郎
(左は志賀直哉ですね)



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カニチャーハンを待つ昼に

[1] KZ :2024/05/12 15:01 No.492
今日の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)


☆22°C柔和な空のあかるみに冬のズボンを裏にして干す
           富士見市  紡ちさと

⚫︎裏側の縫い目まできれいにしてと
良い季節になった  それが実感される歌ですね 

☆確執はないはずのひとの手紙から小さな生きた蟻が這い出る
            北区  土居文恵

⚫︎奥行きのある 優れた一首(ドラマ)だと思います。
なんでもない小さな蟻が呼び起こす風  
今まで気付かなかった 胸の奥の微かな愁い

☆らいせ、って祈るみたいに話すなよ てくびいたくてねむれなくなる
             台東区  甲斐

⚫︎上の句/下の句の微妙な不思議な連関が とても興味深い(おもしろい)一首  
痛いのが手首とはね  さて関係があるような ないような。
でも ねむれなくなるには とても実感がこもっています。

☆春の雷(らい)降る夜に母と包みゆく餃子はつくづく耳の輪郭
              千葉市  芍薬

⚫︎つくづく という品詞が まあ 効いてますねえ!
この一発で 諧謔、作業のため息の頂点まで連れて行かれるようです。
私たちは たくさんの 美味しい耳を食べている⁉️

☆相席でカニチャーハンを待つ昼に桜を見たい気持ちが消える
              渋谷区  岩松ぽむ

・諧謔、たくまざるユーモアといえばこの人!
相席の微妙な緊張 今週はそこに淡い憂愁も加わって なんだか忘れがたい秀歌になりました。

☆単身の引越し見送り引き出しの数多(あまた)のレシート広げておりぬ
              豊島区   山中茶子

⚫︎娘の引っ越しを見送った後 でしょうか
たくさんのレシートに それぞれ我が子の熱い痕跡が残って…
切ない母の想い

………

☆撮るといふ緑の中に立てといふ
              選者詠  石田郷子

⚫︎さすが うまいですねえ!
きれいな新緑  そして静かな愛も滲んでいます

☆白鳥のボートまつ毛のながきかな
              選者詠  小澤實

⚫︎読めば あるあるの句なのですが、さらりと愉しく(新鮮に)詠んでみせるところが やはりプロの修練だなあと

………

☆遠足の子らのまぶしき敬語かな
              相模原市  遠藤健人

⚫︎これもあるあるの思い
 賑やかでかわいい発語たちを まぶしきと みごとに掬い上げました

☆花風吹く仕事辞めてもいい頃か
              立川市  今中以美子

⚫︎今は花を散らす風も吹いて そろそろ自分も潮時かなあと  
 ご苦労さまでした どうぞこれからはうんと愉しく 次なるステージへ

………



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ブログ

[1] KZ :2024/05/09 15:52 No.491
https://blog.goo.ne.jp/yokozu/e/ee86178a84546a4a28a9525bb552258a

☆この掲示板 もう少し読みやすくならないか?
 そういうご意見を 時々いただきます。
 なんとかならないか やってみるのですが 今のところうまい解決法が見当たりません。
 良い方法があったら どうぞ教えてください。

☆アーカイブの関係もあり、上記のブログでも ほぼ同じ内容を公開しています。
こちらの方が読みやすいかと思います。
過去の記事など よかったらご利用ください。

………

〈連休の一日〉

☆右脚に痺れ残して潰えたり

☆納豆やネギ食みいのち甦る

☆薫風にさらして還るいのちかな

☆くたばりて腹なお黒きとかげかな

☆リハビリの腰うく暑さ来たりけり

☆夜を拒むひとの紫 傘開く
    (本歌は5/5 付 東京歌壇に)

☆五月晴れ 子ども見ぬまま過ごしたり
………

☆こどもの日。鯉のぼりも見ぬままに過ぎてゆく。
 コロナ以来か。 少子化の いと貧しき日々よ。

………

☆五月晴れ子ども見ぬまま過ごしたりせめて風吹け夏の制服(いでたち)



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『サンキュー・ベリー・マッチ』

[1] KZ :2024/05/07 17:14 No.490
短編 『サンキュー・ベリー・マッチ』

木山捷平  『暢気な電報』所収 (2016年 幻戯書房刊) 
       初出 週刊文春 昭和35年1月11日号

☆木山捷平には 全集(新潮社版、講談社版)に収録されていない短編作品やエッセイ、紀行文などがかなりある。
それらを拾いだして出版したうちの一冊がこの『暢気な電報』。

「軽い作品」ということで 二度の全集からははみ出したのだろうが、この短編も同様、読んでみれば、手抜きとか力を抜いて書かれているなどと言うことは まずない。そういう芸当はそもそもできない 不器用な作家だった。なんであれ 書けばとにかく正直に想いの地金が出てきてしまう 根っからの表現者だったということになるのだろう。
だから 便宜上ジャンルを分けて、というふうに出版されているけれど、それはほとんど意味がない、とりあえずの分類ということになる。

☆ある日 主人公の「私」は 書きかけの小説のことなどを思いながら 近所の畑道に散歩に出かけた。煙草を吸いながらぶらぶら歩いていると 向こうからやって来た荷車とすれ違った。引いているのは 後ろに大きな木箱(紙屑入り)を積んだ屑屋で、未だ十七、八歳くらいの若い男だった。すれ違いざま ちょうど空になった煙草の箱を 主人公は何の気なしにポイと彼の屑箱に放り込んだのである。
いきなり その若者の顔色が変わった。どうやら朝鮮人らしかったが 勝手にゴミクズを放り込むなと彼はいきり立った。
そんな気ではなかった すまないと何度も謝ったのだが、若い屑屋は次第に激昂して ついには三四尺もあるような鉄の棒を持ち出して主人公に迫ってきた。むろん こんな屈強な若者に 素手の中年が敵うわけもない。やむなく主人公は必死の思いで家までの道を逃げ帰った。

戻ってもいつまでも動悸が治らず やむなく焼酎を飲んでいると、かつて満州国・新京で 同じように貧しい風態の朝鮮人の若者を 関東軍の生意気な(鼻持ちならない)青年将校が思うさま殴りつけた光景を主人公は思い出してしまった。もともとは市電に無銭乗車した若者に非があったのだが、それをいいことに たまたま居合わせただけの将校が執念く若者をいじめ 殴り続けた。「お前は日本人だろう それがこんな面汚しをしていいのか」と。もちろん 強制併合下の朝鮮の青年だと分かっていて そう責めるのである。
「まあ、そのくらいでいいでしょう」と 機を見て主人公は将校を宥めたのだが、その口調からおそらく若者は 自分のことも「日本人」のグルだと感じたことだろう…。
先刻の畑道の青年の憤りから 彼にはそんな重苦しい思い出さえ蘇ってくるのだった。

しばらくすると たまたま 今度は中年の女性の屑屋が家に立ち寄り 古新聞を買いがてら しばらく主人公の飲み話に付き合ってくれた。自分もかつて満州国・新京で屑屋をやっていたのだ、懐かしいことだ。小母さんも これでずいぶん稼いだだろうね などと。

ひとりに帰り やがて日も暮れて来たが 焼酎を飲んでしまって すぐには仕事にもならない。主人公はもう一度外に出て 怖いもの見たさのように 昼間の畑道を辿ってみた。
濃い夕闇の迫る中 今度出会ったのは 畑の奥で逢い引きしている一組の男女の姿だった。何気ないように横目で通り過ぎ しばらくして同じ道を引き返すと、先刻のランデブーのどちらかが吸っているらしい煙草の火が 畑の奥でなんとも美しく灯っているのだった…

☆『…なんだか人ごとならず私の胸はあたたまって、再びその場所まで戻ってきた時、よく田舎の人たちが夜道でするように、
「今晩は。どうぞ、ごゆっくり」と私は声をかけてしまった。
声をかけて、私ははッとした。こっちは悪意でしたことではないが、昼間のように、この一語がとんだ禍をもたらしはしないか、といった危惧にかられた。
が、私の声をきくと男の方が女に何かささやくのがきこえた。するとその男の声に応じて女の方が男に何かささやくと、
「オー。サンキュウ、ベリマッチ」
と男が叫ぶような快活な声で、私のかけ声に応じてきた。
どうやらさっきの囁き声は、女が男に通訳していたもののようであった。
私はほっと胸をなでおろした。この返事一つで、今日一日の頭のもやもやが吹っ飛んだような、人間らしい気持がよみがえってきた。』

………



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そりゃあ言うよな

[1] KZ :2024/05/05 14:35 No.489
今日の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆遠浅の青を行きなよ ローファーをしずかに降りた春のあしくび
          武蔵野市  北谷雪

⚫︎いい季節になった  遠浅の海も爽やか
 久しぶりに 白い素足が波に遊んでいる  脱いだローファーは砂の上

☆ベランダに母がいる気がしたけれどただ風にはためくバスタオル
          文京区  小亀令子

⚫︎連想の遠い母よ  でもどこにでも お母さんの思い出は甦る

☆この夜を拒むかたちで広げたい 薄紫に捻れた傘を
           北区  土居文恵

⚫︎そのじつは とても繊細なエロティシズムに満ち満ちた歌に聴こえる
 多義多様な奥行きをはらんだ秀歌   

☆ゴールデン街に春だけある造花私はいつまで人間だろう
           新宿区  凡太郎

⚫︎ご当地での 春の感慨ですね
(花園神社からの取っ付きの狭い二階 われわれの仲間だった人がお店をやっていました。よく飲みよく叱られました。  その姉御も 今はもう天の花です)

☆街灯のすくない道で夜桜のうすぼんやりを兄と眺めた
           横浜市  永永キヌ

⚫︎懐かしい兄妹の夜桜  薄ぼんやりと浮かぶ、けれども忘れられない深い想い出なんですね

☆似たようなそれでいて違う紺色のスーツの新入社員ら並ぶ
           大田区  菊間まさお

⚫︎たしかに紺ほど じつは様々な色あい風あいのスーツはないのですよね
 ずらりと並ぶ若者たちよ!

☆辻馬車のように乗り合う人達と会話が弾むオンデマンドバス
            町田市  みなみくみこ

⚫︎愉しい当代の辻馬車  
 いいですねえ のんびりと揺られながら 今日もおしゃべりに花が咲く

☆道のべの道祖神(ふなとのかみ)に手を合はせ風を聞きつつ願懸けにけり
             大磯町  大久保武

⚫︎ふなとのかみは 船渡ノ神でしょうか
 海からの風を聞きつつ 静かに祈る道の辺の神

☆よいしょってそりゃあ言うよな十キロの米を持ち上げてレジに通すとき
             柏市  遠野鈴

⚫︎たしかにねえ(笑)  
美味しい柏の米をたっぷりといただく  幸せな地産地消だと思うのですが

☆病む兄を遠くにもてば一呼吸心整えスマホ手にする
             新座市  田中美登

⚫︎ゆっくりと ひとたび息を整えてから…
 大切なお兄さんへの想いが ひしと伝わってきます

………

☆声のよき鶯餅を買ひにけり
             杉並区  土方けんじ

⚫︎もしや餅が鳴くのかと一瞬だまされ それからにやりと読みなおす…  
 さぞや美味しい鶯餅なんでせう(笑)

☆青空の明日を待ちたりチューリップ
             松戸市  杉田陽子

⚫︎晴天にいと鮮やかな満開を ほんとうは人間のほうが待っているのですよね

☆田螺(たにし)鳴くきのふの水のうすあかり
             国立市  水面叩

⚫︎か細い不思議な声が これまたおぼろな水のなかから聞こえてくるのだと
 どこまでほんとうだかわからないユーモア 一句

☆春の陽に洗濯物の手足伸ぶ
             石岡市  木全史

⚫︎洗濯物まで 今日は伸び伸びとひるがえる
 いい季節ですねえ❗️

☆スタートも再スタートもどれも春
             土浦市  今泉準一

⚫︎どれも春… やさしくて大らかな祝福に敬意を表します

☆スと抜けた最後のティッシュ窓は春
             横浜市  ペコリーノ

⚫︎おお おお きれいな一枚だねえと
 ふと見あげれば 春もたけなわ

☆淡路島産新玉葱の濃きスープ
              土浦市  今泉準一

⚫︎いいエキスがたっぷりと出て 今夜のオニオンスープは最高〜❗️ ですね

………

道の駅しょうなん(柏市)にて


  
          



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ごはんの炊きかた

[1] KZ :2024/05/04 12:34 No.488
ごはんの炊きかた  糸井重里流
おひつねえ   参考になります。

☆ちなみに わが家は 柏市内・利根川沿いの田んぼで取れるお米が
とても美味しいことがわかり もっぱらこれを食しております。😋



『糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの
 今日のダーリン

・ごはんの炊き方については、あれこれやってきたし、
 いろいろ試してきているけれど、いまだにわからない。
 これは言えるかなぁと思うことでも、断言はできない。
 明らかに「科学」だということもあるし、
 信仰というか主観じゃないかということもある。
 「科学」のことばを使う信仰だって混じる。
 いまのところ、ぼくは「〜かなと思います」という
 大谷翔平の言い方を借りて語るしかない。
 ごはんの炊き方を調べたり聞いたりしていると、
 米の銘柄(等級なども分かれる)、精米、
 研ぎ方、浸水時間、使う水の種類、水加減、
 熱源(薪、ガス、電気など)、
 炊飯の道具(羽釜、土鍋、琺瑯鍋、その他)
 炊き方(多様だ)などが語られる。
 ぼくは素直にたいていの人の言うことを試している。
 試して、疑問を感じたら、再度試すを繰り返している。
 実は米のブランドについては、あんまりいろいろは
 追いかけきれないのだが、できるだけ試食はしている。
 これで結論が出た、と何度も思ったのだけれど、
 それは方法として確定できるまでにはならない。
 ときには、「これはダメだ、おれはダメだ」と
 精神的に落ち込んだりすることもあった。

 そういうあくまでも発展途上のめし炊き男なのだが、
 これだけは言えるということが、ひとつだけある。
 それは、とにかく「おひつ」を使おうということだ。
 ヒノキやサワラの古典的なおひつはもちろんいいが、
 もっとずっと安価な陶器のおひつでもいい。
 炊いたごはんを、釜や鍋のまま置いているのでなく、
 別の容器に移しかえるという意味では丼だっていい。
 水滴が気になるような素材だったら、ふきんを敷くとか。
 電気釜で炊いたごはんでも、保温にこだわらずに
 おひつに移せば、おいしさが変わる(かなと思います)。
 ついでに、いま現在のぼくのごはんは、
 秋田「サキホコレ」を玄米で買って、家で精米。
 冷蔵庫の野菜室で保存、米と同量プラス5%の水で
 30分浸水、中火にかけて沸騰したら軽く混ぜてほぐす。
 ここから絶対にふたを開けない、最弱の火で12分、
 仕上げに20秒ほど強火にして火を止める。
 そして10分蒸らして、おひつに移す、というものです。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
以上は、あくまでも将棋とか釣りと同じ「趣味」なんです。』

………



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日中韓

[1] KZ :2024/05/03 21:35 No.487
どういう内容になるのか 分からないけれど
ともかく会って 忌憚なく語り合う、不信感を取り除く
そこからしか始まらないことは事実

https://news.yahoo.co.jp/articles/426e496e34cd4f1079064422dfad79606821bfdc


………

すぐりの実(グーズベリー)

☆これは酸っぱい❗️
熟れると甘くなるらしいけれど その記憶ありませぬ。



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高井さん(れいわ新選組幹事長)

[1] KZ :2024/05/02 11:34 No.486
地味な人だけれど このひとの真っ直ぐな『志』には いつも感心させられます。
腰が据わって 年毎に良くなっている政治家だと思っています。

https://youtube.com/@user-hj8yg3xp4i?si=ScE8ljZdp-H2oMao

………

☆追記   5/2
国立国会図書館資料(デジタルコレクション) 広く公開へ
ほんらい国民のものである貴重な資料を 国民の元へ

https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2024/240430_01.html




………



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いちばんあったかい虚空

[1] KZ :2024/04/28 16:33 No.484
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆上新粉が蓬に会ってつややかな緑に染まる時のときめき
           横浜市  鈴木綾子

⚫︎小さな瞬間の鮮やかな美しさ  その変貌にときめくこころの繊細

☆始業式の新担任の発表に子らのどよめき微妙な違い
           八王子市  赤羽克己

⚫︎これからの一年 さてどんなクラスになるのだろう  本当はそれ 重大な岐路なのである。
当の子どもたちは それをよく知っている。
わかってないのは 超鈍感な大人たちだけ!

☆お彼岸の入りに二ヶ所の墓参り済ませ日曜競馬に向かう
           青梅市  増田正

⚫︎どちらも大切な行事なのですね
二ヶ所のお参りのあと 清清した気分で勝負に向かう  お父さん 幸多かれと(笑)

☆一ヶ月だけの休職抱き締める仔猫を拾ってしまったように
           江東区  牧角うら

⚫︎思わぬ いとしい休暇なんですね  どうぞたいせつに  ほんとうに好きなことだけに使ってください

☆二時間の映画の字幕を見たのちの庭園 無尽蔵のゆきやなぎ
           北区  土居文恵

⚫︎ほんとうは そのユキヤナギの茫漠の方にこころ惹かれている自分
このひとの 独特の感覚(詩情)が溢れている一首  
真似をしようにもできない歌なのです

☆シュレッダーに息をひそめて消えていく文字が美しいひとのメモ
           京都市上京区  みおうたかふみ

⚫︎静かにこの世界から消えてゆく価値
誰にも見過ごされ消えてゆく美しい文字たちよ

☆ラーメンの三分を待つときに見る虚空がいちばんあったかい虚空
           八王子市  吉村のぞみ

⚫︎なるほどの新発見 ですね  無心のあたたかさをそこに感じる時空
つかの間の虚脱に 永遠を観ているひとのこころ

☆知るほどに世界はヒトに都合よくプールの底の時計を見てる
           福岡県古賀市  砂山ふらり

⚫︎ありそうで無かった水底の時計  なるほどなあと
今度はなお 「時」に絡めとられるのかもしれないけれど

………

☆天使領ほどの真青のシート置く人の気配のせぬ家の屋根
           『天使領』 (角川書店刊)より  三井修

⚫︎こういう景色を あちこちで見るようになった気がします  天災の国 日本
これは天使の領分が増えたのかもしれぬと 詩人は感じている  その青さに嘆いてもいる

☆あたたかくなってくるのはありがたい母がなにかをゴシゴシしてる
           『沼の夢』(左右社刊)より  工藤吉生

⚫︎なるほど  良い季節になったんですね♪
母のゴシゴシに ふと安んじているこころ



☆ぶらんこの裏まで見せて跳びにけり
☆林檎むくまあるくほどけゆく時間
            『四神』(朔出版刊)より  蜂谷一人(はつと)

⚫︎元気のいい跳躍です  ケガしないように気をつけてね  (うちのやんちゃ坊主は かつてこの大飛行で骨折してしまいました💦)
⚫︎あのリンゴの丸い皮むきは じつは実りまでの時間がほどけてゆく姿だったんですね!
よく見ると 世界はたくさんの発見に充ちているものらしい

………

☆麗らかや皆寝そべりてカンガルー
            国分寺市  野々村澄夫

⚫︎なんとものんびりと 平和でうららかで
カンガルー日和とでも呼ぶのでしょうか

☆スプリング・ハズ・カムみんなちょっとねむい
            富士見市  紡ちさと

⚫︎こういう把握が じつは詩を呼んでいるのですよね  ただの春の眠気じゃあなくてね

☆妣(はは)の名は片仮名二文字草の餅
            川口市  高橋まさお

⚫︎ハルさんとか キクさんとか ですね
やはり美味しい草餅を作ってくれそうな 日本のお母さんですね

☆トンネルが春を突き抜けゐたりけり
            杉並区  土方けんじ

⚫︎陽気が良くなって いまやドライブも快適です
この隧道も 春を突き抜けるような勢いなのです

☆庫裡(くり)の奥筆乾かしてある彼岸かな
            練馬区  木津川珠枝

⚫︎乾く間もなく また卒塔婆など書くのでしょうか
まさしく 坊さんの書き入れ時に

☆春霖(しゅんりん)や花豆とろと煮くづれて
            大阪市東成区  すずしろゆき

⚫︎菜種梅雨にこの一句  
さして甘党でなくとも このとろとろには おもわず惹き込まれそうであります!

☆薫風や胸のすくほど恋破れ
            入間市  砂狐

⚫︎それにしても… みごとに振られましたなあ(笑)
男の子だ 涙はふりきって 新しい明日に生きようぜ   (女の子かもしれないけれど… まあ 同じことですから)

………




          



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なぜ経団連は

[1] KZ :2024/04/27 13:00 No.483
なぜ経団連は 消費税をさらに15〜20%にまで引き上げようと画策しているのだろう。

宗主国(アメリカ軍事政権)の指示に従い 巨額の兵器・ミサイルを輸入し、自前でも軍需産業を育成し、全国に軍事基地を拡げ、各地で原発をさらに推し進める。そうして軍事植民地化をさらに深め その代官としての地歩をより固めたいからである。そうした浅ましい保身しか彼らは考えていない。

こうした軍事・植民地国家推進のための原資は 大衆からの収奪によるのであり、それこそが現行の消費税という「打ち出の小槌」の本質なのである。現に消費税は 政府の説明に反して その一部分しか福祉には使われず 大部分は経団連傘下大企業への法人税減税に使われてきた。
ザイム真理教という名の緊縮財政政策は 消費税という大衆収奪装置を維持するためのれっきとしたイデオロギーなのであり 自公維新政府・財務省(ザイム真理教)・経団連は一体(グル)となってこの大嘘を守り続けているのである。

新聞、テレビなどのマスコミは こうした大衆収奪のカラクリ・「消費税」の実態をいっさい報道しない。彼らもまた 放送免許権独占の他に 消費税減免という毒入りのエサを与えられて、植民地代官の言うがままにその恣意的な情報を垂れ流す「官報」と化しているのである。代表例が 大本営=「皆様のNHK 」であることは論を俟たない。

☆追記  4/27

こうした緊縮財政=ザイム真理教=消費税の大嘘をきちんと批判し 国民の命と暮らしを守るための積極財政への転換を徹頭徹尾主張している国政政党は れいわ新選組だけである。
YouTube を見れば れいわ・山本太郎代表のメッセージを たくさん聴くことができる。どの語りも素晴らしいものである。
他党やマスコミの ためにする無視・黙殺にもかかわらず 次第に多くの普通の人々が〈真実〉に気づき始めている。
希望を捨てることはないのだと考える。

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消費税5%で運営中

[1] KZ :2024/04/26 21:09 No.482
3日前 柏駅前のタカシマヤ内に スーパー 『OKストア』が開店した。「高品質で everyday low price 」 というのがキャッチフレーズである。例えば どのOK 店舗でも目玉の主力商品である「カツ重弁当」は なんと299円で、実際買ってみたが、たしかに十分美味しい三元豚使用のお弁当だった。
その後も家人が 寿司折や生鮮食品などの買い物を毎日しているが 今の所 質・量も価格も期待に違わない状況だという。

☆もう一つ利点がある。簡単な登録カードを作って現金払いにすれば、価格はトータル3%引きになる。つまりこの店は 既に消費税5%を実施してしまっているのである。

馬鹿な自公政府は ザイム真理教(財務省)の言うがままで 消費税10%(食料品8%)を死守し さらには経団連の望む15%にまで税率を引き上げるつもりだ。そして立民などのエセ野党も 「緊縮財政」にしがみつき 国民のための消費税減税(廃止)などは眼中にもないという体たらくである。

☆こうした既得権益死守グループの体たらくを尻目に、この中堅スーパーは 率先して実質消費税率5%という快挙(善政)を日々実施してしまっている。
こうした運営を安定的に続けるために 是非沢山のお客様にお運びいただきたい というアナウンスも店側からあった。実質賃金の低下に苦しむおおかたの消費者は これにじっと耳を傾けることだろう。


………

(お父さん 残念ながらお酒は対象外のようです💦)



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きょうのニッポン2態

[1] KZ :2024/04/25 12:13 No.481
https://x.com/megadethdbt/status/1783040530848628990

こういう人たちが 扇の要のように 今のニッポンを支えているわけですね。
エリア・マネージャー…外国人労働者…思わずスキルアップしてしまった投稿者


https://x.com/CasseCool/status/1783252058566766673

壮大な「社畜」を眺める外国人観光客の人気スポットだと。
写真 なるべく撮らないでね というポップが かなり微妙

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ひとの有りよう  『酔いざめ日記』 その3

[1] KZ :2024/04/23 19:55 No.480
木山捷平 『酔いざめ日記』 

没年となった昭和43年、5月3日の日記から。

☆木山捷平は 消化器系その他の体調不良から 4月より東京医科歯科大学に入院中だった。(5月6日以降 東京女子医大に転院する。命日は8月23日)

☆『五月三日、金、雨。憲法記念日で休日。  
朝、ベッドより眼鏡をおとした。(割れず)お茶を入れようとして急須のフタをおとして割った。マッチの大箱をおとして放っておくと散らばったマッチをひろってくれたのは、看護婦であった。  
妻「ただいま」といって入ってきた。もっと言いかたはないものか。「昨夜は十一時頃まで電話で様子をまっていました」とは何事か。こちらは、熱に苦しんでいたのに。  
昨晩、別府さんの所に行くと、丁度俊男医師が帰宅した。すぐ三階の総局長、羽生先生に電話すると、木山のことはすでに承知している、六人部屋の窓際に用意している由。病人は個室よりも少しは人のいる方が気分的によいそうだ。(大部屋は十幾人もいる)  
妻の言葉の中に「肝臓、その他に転移していないので手術が出来る」云々──ひどい言葉だ! 泣くにも泣けないほど悲しかった。怒鳴りちらした。茶碗も投げつけてやった。「これからすぐ帰れ」といって帰した。  
二時十分より五時二十分まで点滴。日がくれて電気もつける元気なし。妻が不用意に言ったであろう言葉。(妻はそんなことは言わぬといい切った)一人でいると不安になった。  
点滴のとき、岡本功司氏は新茶をもって来てくれた。明日は伊東に行く由。夜七時検温三十七度。
『橋のない川』の作者、住井すゑさんが隣室六〇〇号室に十日ほど入院していたと看護婦が言った。「木山さん、どんな本をかくの」ときくから「むつかしい本」だと答えた。  
九時回診のとき、体温三十七度というと、「三十八度までは熱があるとは言わない」といった。便通なし。

五月四日、土、雨あがる。  
朝は三六度七分の熱。看護婦は、今日と明日は休日の由。  
妻は思ったよりも早く来た。風呂を洗ってしばらく湯を出して赤い水を出しているうち栓がぴたりとしまったのか、湯があふれて、廊下を流れ、隣の病室にも入った。隣の附添人の発見で大騒ぎとなった。前の部屋の人、看護婦達がかけつけて水を吸う新聞紙や、掃除モップでやっと水をとり去った。婦長より注意を受けた。階下に水が漏らなかったと安心の態であった。早速、手伝ってもらった人の部屋に、見舞にもらった果物や、缶詰を配って御礼と御詫びに妻が行った。  
シェル商事による害虫(油虫)駆除のため数時間注意して下さいの紙片が配られた。  
点滴三時十分より六時四十五分まで。  
その間に星野潤夫人花瓶と花束持参。八匠衆一氏来訪。用件は藤原氏の案による出版のこと。文芸春秋社より杉村友一氏見舞に金一封持参。萬里(※長男)の友人岩城宏介君来室あり。萬里は杉浦医師と神田司町の本間医師を訪う。中山博士と直接関係ある医師で、入院の連絡など、御礼も兼ねて行った。』

☆上記 夫人の発言から本人は病態(ずっと伏せられていたが 診断は食道癌であった)を初めて察知する。怒り狂う。
しかし ここからが木山捷平の いわば本領発揮である。
見るとおり 翌四日以降 その記述に特段質的な変化は感じられない。覚悟とか諦念というよりも、疲れたけれど これ以上変わりようはないわいというつぶやきが それまでと同様 この日以降の日乗をも恬淡と埋めてゆくのである。

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みんなチョコ味

[1] KZ :2024/04/21 15:16 No.479
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆最後の晩餐が病院のプラスチックの茶碗とはむなし
           前橋市  西村晃

⚫︎ほんとうに空しい気がする。 たぶん今は胃瘻とか点滴とかになるのだろうけれど。
今週は別の選者も この方の一首を採り上げています。やはり直裁な声調の歌を

☆「がんばれと言われるたび殺したかった」そう言はれ教師を辞めにけり

⚫︎人にはさまざまな道があり 生き方がある… そういうことを重々踏まえた<教室>でなければ意味はない。
政府・文科省の役人どもよ 目覚めよ!

☆名も知らぬアニソンなれど軽快なそのメロディーをふとハミングす
            小金井市   沖義裕

⚫︎ついつい乗せられてしまって…ですね(笑)
世は春 ですものね♬

☆〈死〉ではなく〈死にたくない〉が怖いのよフォンデュ、もうみんなチョコ味にして
            横浜市  砂崎柊

⚫︎夜も眠れないくらい もう無茶苦茶に恐ろしいのですよね  その気分は ありったけのチョコ味くらいにしなければ治まらないのだと。
「死にたくない」… 夏目漱石の臨終のことばとも言われています。ひとは誰でも この難題を抱えて最後まで生きるのだろうと思います

☆夕凪の端まで歩く歳の差のあいまいになる海岸通り
             墨田区  湯島はじめ

⚫︎静かな夕凪のなか 果てまで歩けば 大抵のことは消失点に収斂してしまう  
遥かなひとの想いよ 海よ

☆生きる許可通行する許可得た猫の耳は切られた切符のようで
             富士見市  松本尚樹

⚫︎そこに至るまでに どれほどの悪戦苦闘を強いられてきただろうか  
ノラちゃんの耳のギザに想いをはせる

………

☆眼科医のくまなく覗く我が銀河
☆三月やたましひと酌む浦霞
             『旅鰻(たびうなぎ)』(ふらんす堂刊)から   守屋明俊

⚫︎小さな我が眼球の底にも じつは目眩くような銀河があったのだと

⚫︎塩竈の名酒を味わいながら 我が胸中と語り合う   男の酒よ 
 
………

☆あれよあれよと卒業万頭(まんじゅう)たいらげし
              横浜市  ペコリーノ

⚫︎ハートも胃袋も 若者は元気がよろしい ですね  そのくらいでいいんでしょうね きっと(笑)

☆徳利のとくと声する夜半の春
              千代田区  岩佐なを

⚫︎夜ふけにしみじみと呑む  聴こえるのはとっくりのとろりとした声のみ  春宵のそこでひとり

☆恋の猫いけしゃあしゃあと戻りけり
              青梅市  増田正

⚫︎ああさっぱりした と言うわけですね  かなわんですなあ 夜の猫又には(笑)

☆病床にひと来て花の盛り言ふ
              川越市  益子さとし

⚫︎満開の花も 少し寂しく感じることがある。
ベッドでは 花より団子 と言うわけにもいかないですしね

☆妹も弟もゐてつくしんぼ
              鹿沼市  鹿沼湖

⚫︎遠く遥かな お兄さんの思い出でしょうか  
きょうだいの良い夢見たりと

☆与野党のごとき夫婦や海苔炙る
              相模原市  遠藤健人

⚫︎いったいどういう夫婦なのでしょうか  仲が良い? わるい? (笑)
 ともに美味しい海苔を食する  終わりよければ… ということで 今週も❗️


………





 



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『会いに行くのに』

[1] KZ :2024/04/20 12:36 No.478
あいみょん 16枚目のシングル

月曜22時 今週から始まったテレビドラマの主題歌だそうです。
👇流れているのは未だ短いバージョンですが、ハートがあって歌いやすくて良い曲 という印象

https://youtu.be/2RblJY5ZBSM?si=hvPAMr-QY-TkFM4l

☆追記  4/29
全曲版はこちら
https://youtu.be/aTGsJ7Q2ITM?si=d02NztjGHTa_pp9f


☆画面をよく見ると 頬にそばかす(雀斑)。あれ そうだったっけと思って(ファニーフェイスだからよく似合うけど) 昨日デイサービスの職員さんに訊いてみたら、YouTubeを観てすぐに、「ああ これ メイクですよ~。若い子に流行ってるから」…ということでした。 ハアッ

☆遠い遠い少年期に 私もかなりのそばかす坊主(にんじん)だったので、なんだか懐かしい思いがあふれてくるのでした🤣

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からくり時計

[1] KZ :2024/04/18 15:30 No.477
時代の波で 柏駅前のそごうデパートも閉店、まもなく解体工事が始まるとのこと。
名物だった正面玄関のからくり時計 
これだけでも どこかに残せないものかとの声❗️

☆建物は解体され いずれ新しいものに変わる。けれども人々の記憶は
そうさっぱりと消せるものではない。資本の論理とは違う。それぞれの命の一部なのだから。
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春になったら

[1] KZ :2024/04/14 16:06 No.476
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆幻覚(まぼろし)と現(うつつ)のあはひにひっそりと小部屋のありて我をかくまふ
            武蔵村山市  鈴木千代

⚫︎そこに 大切な緩衝の地があるわけですね
素晴らしいことだと思います。
いつまでも 秘密の部屋を失くすことなく!

☆鍋割山・荒山と順に晴れゆきて雪の赤城嶺ゆるり現る
            太田市  川野公子

⚫︎下の句が良いですねえ  雄大な嶺がゆっくりと くっきりと 晴れた顔を見せてくれたわけですね  羨ましい初春の眺めです

☆雪山に挑む人らか目つむりて黙してをりぬ大糸線に
             平塚市  升水昭夫

⚫︎雪の立山連峰、もしかすると剱岳あたりじゃあないでしょうか
眼を閉じて 氷雪の壁に挑む瞬間を じっと心に刻む   
どうぞご無事でと祈る

☆返された合鍵で開けてみるドアきみの気持ちで開けてみたくて
              平塚市  風花雫

⚫︎どんな気持ちで いつもあの人はここに立ったのだろう   不思議な哀切が漂う歌

☆きみのてのひらを知ってるてのひらを弔うように湯船に沈める
              大阪府八尾市   瀬戸口祐子

⚫︎静かな哀感のこもる一首  夜更けて暖かなお風呂が むしろ切ない

☆あなたとはきっと生きられないけれど春になったら春の天ぷら
              八王子市  吉村のぞみ

⚫︎さすがの一首 お見事❗️ その哀しみはとりあえず置くとして… 春の天ぷらは 今年もさぞやからっと美味しく揚がったことでしょう

☆友達の友達として伝えたいことをまとめてみます、そしたら
              渋谷区  岩松ぽむ

⚫︎今週は秀歌がならびますねえ  うれしい悲鳴です👏👏🤣
、そしたら… いったいこの事態はどうなるのでしょうか  その先の淡い感情など、ゆくえを知りたいものですが

☆川沿いが急に緑になったから新しい風として走った
              世田谷区  森本有

⚫︎ジョガーの新緑  川沿いのコースに 気持ちのいい風が吹く  自分もまた 新しい風の走りになるのだと

☆トイレには白き花びら落ちておりどなたがここで泣いたのですか
              堺市  初夏みどり

⚫︎小さな疑問形が とても美しい歌になりました。  淡い小さな桜花でしょうか それとも白いクチナシあたり?

☆執着の紐を手放す春の端(は)を亀はぽぽつと泳ぎゆきたり
              横浜市  森山緋紗

⚫︎これも下の句がみごと、すごい!
ぽぽっととは どんな風態なのか 本当はよくわからないのですが、ずっとこだわってきたことがふっと消えるその様が 暢気な亀の泳ぎとみごとにシンクロしているように思えます。  
すごいなあ❗️

☆日没後しばらく海を眺めをり赤と黒とは隣り合ふ色
              横須賀市  丹羽利一

⚫︎なるほどの 雄大な赤と黒  横須賀の広い海ならではの夕景であり 発見だろうなあと感じます。  旧かなの美しさ  心のパレットまでも静かに洗われるよう


………

☆受験生頭で割りぬゆで卵
              横浜市  山田知明

⚫︎カラオケのマイクをコンと頭にぶつけてスイッチ確認、なんてことをかつてしていました。やめて! 痛そうですうと 顰蹙を買っていたけれど もう癖になってしまっていて…
たぶんこの子も そうやって調子を出していたのだと思いますが(笑)

☆墓の父に話かくれば蜥蜴(とかげ)出づ
              港区  ならまさこ

⚫︎やっこさん ちょうど良いタイミングで現れたわけですね  お彼岸のお参りですか 彼にも何かが聴こえたんでしょうか

☆闇に目の六つ光るや猫の恋
              文京区  加那屋こあ

⚫︎六つというのが 意味深ですね  少し妖しい感じもいたします  これが墓場とかなら もっと怪しいのかも

☆畔焼の走る火追ふ火くたばる火
              川口市  高橋まさお

⚫︎ついに草も燃え尽きて 静かにくたばる炎  
春の畔焼  実戦で培った目ならではの 臨場感あふれる把握

☆荒海に飛び込むごとく卒業す
              土浦市  今泉準一

⚫︎乾坤一擲 みたいな旅立ち  今では珍しいケースなのでは
高校、大学とも 卒業式なるものにまるで縁のない紛争世代でした。荒海とは いっそ懐かしい風景に感じます。 
なにしろ これからが勝負  がんばってください

☆花冷えやテラス席なら空いてます
              川崎市  久保田秀司

⚫︎この時期ならではのアナウンス
さて… 迷いどころですねえ  奥さん 娘さんたちの意向やいかに(笑)

☆老い二人摘みし土筆(つくし)の袴(はかま)取る
              都下大島町  大村森美

⚫︎お二人で丁寧に袴を取って 今夜は香ばしい春の味覚ですね   あの淡い苦みが羨ましいかぎり

☆こんもりと雲こんもりとサイネリア
              千葉県大網白里市  村上無有

⚫︎こんもりと の重ねが効いてくる一句
どんな花でしょう  残念ながら実物を 私は未だ見たことがありません💦  
(原名を、縁起を担いでサイネリアと言いかえているとのこと。)

※シネラリア【cineraria】
キク科の多年草。高さ40〜60センチ。葉は心臓形に近い卵形でフキに似る。冬から春に、紅・紫・白などの花を多数つける。カナリア諸島の原産。観賞用に温室で栽培される。蕗菊 (ふきぎく) 。蕗桜 (ふきざくら) 。サイネリア。《季 春》

下右の写真が サイネリア

………

曙太郎(合掌🙏)
小錦八十吉
武蔵丸光洋



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茶房 武蔵野文庫

[1] KZ :2024/04/12 17:32 No.475
木山捷平『酔いざめ日記』を読んでいると 戦後の記事に 『早稲田文庫・茶房』のことが時々出て来ます。
井伏鱒二さんを中心とする当時の文人たちの集まりで けっこう足繁く使っていたらしい。もろもろの集会、句会などなど。
集まるのはみんな呑んべいなので そこから新宿へ、阿佐ヶ谷・荻窪へと自然に流れていく愉しい日々だったらしい。

☆われわれも ずいぶん長いことお世話になった喫茶店でした。思い出は夜空の星のよう。
今でもあの民藝調のカップやソーサー、濃いコーヒーの香りなどが 昨日のことのように想い出されます。(青春の一時期のことなので もちろん良い思い出ばかりのはずもないのですが、不思議と悪い方の記憶は遠く薄れています)

懐かしくなって 今日ネットで調べてみたら もうとうに早稲田文庫は閉店。でも当時の従業員の方が 吉祥寺に 雰囲気そっくりみたいなお店を出していたのでした❗️

https://sabo-musashinobunko.jimdofree.com/お店紹介/

店内の写真を眺めると またまた… あの懐かしい『茶房』の空気を 思い出すことしきりです。

………

https://www.uta-net.com/movie/12255/

………



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つらい夢 わるい夢

[1] KZ :2024/04/11 19:36 No.474
☆四十代くらいまでは 学校の試験の夢が多かった。だいたい問いは解けそうなのに 肝心の記入がうまくいかない、時間はどんどん過ぎてゆく。次第に気持ちが焦ってくると なお指も頭もうまく動かなくなる。やがてパニックがやって来て やれ今年も駄目か(留年か)とがっかりして 身体中に熱い脂汗が浮いてくる。

大丈夫、これは夢で 俺はもう試験に悩む歳ではないのだと言い聞かせながら目醒める、そうなるまでに ずいぶん長い時間がかかった。

☆サラリーマン生活を20数年で終え自営で暮らすようになって 試験の悪夢はかなり減った。近頃はほとんど見ない。代わりに 勤め人時代の 担当業務がうまく運ばない、到底期限に間に合わない、どうにも説明のしようもないという悪夢が始まった。
個々の小さなトラブルは 実際によくあった。数年にいっぺんくらいは 中程度のトラブル。これには クリアするのが相当に大変だったというのもあった。勤め人を経験した人なら おそらく誰にも経験のあることだろう。

けれども夢となると これが勝手に改変され おおむねは奇妙に集約され、やがてひと塊りになって 抜き差しならない重みの問題に変わっている。もちろん解決に向けて必死に抗うのだが ことは到底自分の能力を越えていて もう無理だ、解決不能、どう弁明したらいいのかと額の汗を拭って落ち込んでいく… 。
どうにもならない窮地の果てに ようやく薄目が開き ガバと布団を剥いで、汗ばんだ胸をホッと撫で下ろすのである。

情けないこと おびただしい。当たって砕けろのヘッドオンタックルで根性を磨いて来たはずが ここでは何の役にも立たないのだと思い知らされて暗然とするばかり。
あなたは組織の仕事には向かない性分だと 十代の終わり頃に一度だけ運勢見で言われた。なにを適当なことをと思いながら、実はそれが胸の奥でずっと引っかかっている。その不適性というものが やはり夢見には現れているのだろうとも思う。
人を捉える組織は重い、そして必要以上に強い。およそ 個々の人間が独力で立ち向かえるほど甘くはないものだ。

☆個々のトラブルを そのありのままのサイズに腑分けし検分して 問題を明らかにしておくしかないのだろう。然るべきものならそのまま 毅然として立ち向かう。駄目なものは駄目で それは逃げずに責任を取るしかないのだろう。
そんな思いで 燃え残りの団塊となった悪夢を腑分けし ゴムのように固まったものを溶かしてやる。
むろん 悪夢を見ないように体調(とりわけ内臓の植物器官)を整えるのがいちばんに大切だろうが、夢に頻出する過去のトラブルをきちんと分解し、ある部分は個人の責任を越えるものだということをはっきりさせておく、そういう作業も是非ともやるべきことだと私は思っている。
学校も会社も官庁も… よってたかって 要するに〈組織〉というものは 時に過酷で重い。そして 思う以上に 粗雑極まりない本質を持っているものなのだ。 


………


 



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桑田佳祐

[1] kz :2024/04/08 13:53 No.473
https://www.barks.jp/news/?id=1000246225#utm_source=smartnews&utm_medium=website&utm_campaign=smartnews

☝️全25曲中11曲が 私がデイサービスのカラオケで 年中歌わせてもらっている曲でした。
年代はかなり違っていると思うので…びっくり‼️

ほかのも ほとんどは知っている名曲ですね

みなさんはいかがですか❓





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春の廊下のつきあたりまで

[1] KZ :2024/04/07 13:59 No.472
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)


☆小説を伏せてビールを取りにゆく春の廊下のつきあたりまで
           国立市  水面叩

⚫︎思わず心を躍らせる 幸せな春の読書よ  
つきあたりまでビールを取りに行かせたのは いったいどんな小説だったのでしょうか

☆振り出しに戻ってばかりの双六のように今夜も寝床に入る
           町田市  泉健善

⚫︎今夜も明日も振り出しに戻ってばかり… それは誰にもやってくる哀しい想い  
でも 暖かい寝床に愉しい夢がやってくる夜も きっとあるのでは

☆五十年笑(え)まう写真に貼られたる手配解除の白いタック紙
           豊島区  山中茶子

⚫︎その笑顔のむなしさよ  失われた五十年の空白を思う。
このタック紙貼りに いったいどんな〈意味〉があるというのか

☆大きめの羽を不器用にたたんで満員電車で目を閉じる春
           大津市  世田夏雪

⚫︎目的地までは 背中の羽もほっとして やがて春の眠気もやって来そうで

☆どこを切り取ってもしずかなにおいのする記憶のめぐるからだがひとつ
           大阪府八尾市  瀬戸口祐子

⚫︎沈んだ記憶の満ちた時間よ それを支えるたったひとつの私の身体よ

☆左目をぬるりとやわく傷つけるまつ毛のような感情がある
           足立区  黒乃響子

⚫︎身体の奥底から滲み出るような、取るに足りないものだけれど ときどき気にかかる想い
やっかいだけれど これもまた真情なのだと

☆きみじゃない人と暮らしてきみと見たくらげはやっとただのくらげに
           八王子市  吉村のぞみ

⚫︎恋するくらげは そこでどんな泳ぎかたをしていたのでしょう  
今はそれも消えて 遠く切ないこころになって

………

☆しやぼん玉仔犬の鼻を弾きけり
           前橋市   木下美樹枝

⚫︎おもわずぱちくりする子犬  春の楽しい光景です

☆婆ちやんは母さんよりもうららけし
           松戸市  吉清和代

⚫︎現役の母さんはけっこう悩みも多い  そこへいくとばあちゃんは 今日ものどかに笑っているしなあと

☆見たよねと言いて振り向く春の虹
           横須賀市  岡本育子

⚫︎横須賀の虹は なんと大きく優しいことでしょう❗️

☆ふたりぶん菜花を湯がくミルクパン
           富士見市  紡ちさと

⚫︎美味しい菜花の春  愉しい夕餉  ふたりならなおのこと

☆芽柳に風や写生の人らにも
           東大和市  板坂壽一

⚫︎春風駘蕩  素敵なデッサンが たくさん出来上がることでしょう

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『酔いざめ日記』 (木山捷平) その2

[1] KZ :2024/04/06 21:37 No.471
平野謙の 毎日新聞 文芸時評を受けて。

昭和三十一年

『九月二十四日、月、晴。  
外村繁『筏』出版記念会。山水楼にて。千円。盛会であった。
「毎日新聞」二十三日の「文芸時評」で、平野謙氏が時評をやり、小生の写真も出ていると聞く。早速買い求めて見る。
 ──既成作家の作品のなかでは、木山捷平の『耳学問』(「文芸春秋」)を今月は推したい。この作も中野重治の作とおなじく、格別のこともないといっていいが、やはりこの作者の持ち味を生かしたオットリした小説である。敗戦前後に満洲にいた一日本人の敗戦体験を描いたもので、ソ連軍進駐当時の大動乱もこの作者の手にかかると、へんにユーモラスな日常茶飯事みたいにみえてくるのが妙である。昨今のかまびすしい日ソ交渉のニュースの中にこのささやかな作品をすえてみると、その周囲だけ空気が静かにすんできて、ああ、これが小説作品なんだな、と改めて読者も納得せざるを得ないだろう──。  
平野氏の評をよみながら、今日ほど心たのしいことはなかった。』

☆「へんにユーモラスな…ささやかな作品」 の持つ力。
良い読み手を得て しみじみと喜んでいる作者がここにいる。

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ようやく満開

[1] KZ :2024/04/06 13:16 No.470
関東もようやく花開きました

柏駅そばの一本桜です

近所の神社がわけてくれた蕾の枝 
暖かなデイサービスの厨房で きれいに咲きました👏👏

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『酔いざめ日記』

[1] KZ :2024/04/02 12:18 No.469
『酔いざめ日記』
    木山捷平     (講談社文芸文庫版)

☆昭和7年(著者28歳)〜昭和43年(歿年64歳)まで 断続的に書き続けられた詩人・作家の日記である。作品の背景を知りたい、表現されたものと生活の実際との関係を知りたいと思う時には とても重要な第一次資料となることだろう。

☆例えば 戦時/昭和18年の項に こんな記述がある。官憲による事前の検閲と それによって出版が不可となった事例である。
ほぼ出版が決まっていた木山捷平の第3詩集は この検閲によって出版を断念せざるをえなくなった。

「昭和18年11月6日
…出版界に行く。風間という人不在にて、代理に逢って話をきく。詩集『路傍の春』不承認の理由。「ダダイズム、ニヒリズムというのではないが、そういうものあり」「感激をもって書いてない詩もあり」以上で不承認という。…」

木山捷平はこれ以上 一言もコメントしていない。馬鹿馬鹿しくて 書くのも嫌だったのだろう。彼らに何を言っても無駄だと つくづく分かったに違いない。

要するに 「作者の個人的な、勝手な想いを連ねた詩ばかりで 現下の聖戦に対する感激がひとつも書かれていないではないか。こんなものに貴重な紙資源を分けるわけにはいかない。こんなものを読んでは 最重要である国民の参戦意識は高揚するどころか 厭戦気分さえ起きかねない作品である」というのが当局の判断だったわけである。
その言い分は たぶん当たっている。ただのプロパガンダではない本来の表現(自己表出)とは もともとそういうものなのだから。検閲者は この詩集が そうした表現の本質に沿った真っ当なものであることを ずばりと言い当てているにすぎないのだ。

☆つまり検閲とは 戦意高揚という軍事政権中枢の意向にひれ伏し、忖度しまくる小役人のパフォーマンスなのである。いつの時代でも 洋の東西を問わず こうした「官僚」どもの破廉恥なだらしなさは 少しも変わらないものだと呆れるしかない。
こうした空しさを胸に この翌年 木山捷平は戦局悪化した満州国・新京にひとり出向いてゆくことになる。


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のらぼう菜

[1] KZ :2024/03/31 14:51 No.468
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆いざというときにわたしを守るため白い白い炎を抱いている
            大阪府八尾市  瀬戸口祐子

⚫︎青春の一時期 たいていの人は胸にしっかり抱いていたことでしょう  レモンのような香りの炎

☆眠い日のゴミ捨て場にはクラゲたちああ海まではすごく遠いな
            川崎市  山田香ふみ

⚫︎眠たい朝のおぼろな詠嘆  
 まるでクラゲみたいな白い袋たちよ  でも海まではずいぶん遠いなあと

☆お花見のシートを片付けているときあなたが歌った鼻歌のこと
            世田谷区  森本有

⚫︎彼か彼女か さて花の下で何を口ずさんだのでしょう
 そのメロディが 今も耳元に残っているんですね

☆時として生死の意識あやふやで明け方母と話した気がする
            川口市  むらさめ恵

⚫︎夢うつつ 明け方の不思議な会話  
 でもお母さんと話せて それは得だったのかもしれません

☆読書時に最も馴染むBGM はブルックナーだと最近気付く
            上尾市  清水昇一

⚫︎わかるような気がします  悠揚迫らぬ静謐 ということでしょうか。  でもやがて熱い高みがやってきて 本は静かに置かれるかもしれませんね

☆鳥が運べる種から発芽ののらぼう菜勝手に美味な菜花に育つ
            相模原市  関口實

⚫︎いいですねえ のらぼう菜   勝手に育つ 美味しく育つ(おひたしに 天ぷらに)。  
 鳥が運んできた素晴らしい自然の循環よ

※ のらぼう‐な【のらぼう菜】
アブラナ科の野菜。東京西郊・埼玉などで栽培される。春に収穫され、葉や茎をおひたし・天ぷらなどにする。
               出典:デジタル大辞泉(小学館)

☆貴重なる四年に一度の「肉の日」に肉買い忘れ油揚げ食べる
            武蔵野市  田島千代

⚫︎このたくまざるユーモアを見よ!
いいじゃないですか日本人  そんじょそこらの肉よりも 閏には伝統のこんこん様であります(笑)

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☆猫の仔の貌引つつりて鳴きにけり
☆踏み当てし落葉隠れの根瘤かな
            中川純一  『雪道の交叉』 (朔出版刊)から

⚫︎しわしわのちび猫 たしかにそんなひっつり顔で鳴きますねえ
⚫︎根コブを踏んでおいおいと 秋の杣道気をつけて

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☆寒桜優しき人は苦手なり
            大阪市都島区  口竹

⚫︎寒中に凛と咲く  やさしい言葉はかえってつらいのだと

☆このうそはついていいうそ風光る
            堺市  土居健悟

⚫︎春風そよぐ明るい日に  
 さてそれは どんなうそなのでしょう  あるいは実は それこそがまことなのでしょうか

☆かけ蕎麦に菜の花添うる蕎麦屋かな
            越谷市  小田毬藻

⚫︎いいそば屋さんですね  器にも季節が溢れているし

☆海苔以外準備万端海苔炙る
            相模原市  遠藤健人

⚫︎さあいくぞ 海苔あぶれ と
 気合が入って 美味しいものがもう目の前に
 パリッと手巻きでしょうか  なんだかお相伴したい宴ですね(笑)

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もう停滞は

[1] KZ :2024/03/29 18:08 No.467
もう停滞は勘弁してほしい

どう見ても経年劣化し もはや救いようのない政党(自公維新)が いつまでも権力の座から降りようとしない国。米国植民地の代官であることだけが存在理由の政府が支配する国。

この広がり過ぎた腐敗には手がつけられない、もう彼らの顔を見るのも嫌だとそっぽを向く。そういう人々が十重二十重、今や国中に層をなしている。
気持ちはよく分かる。この状況を正すべき「野党」もまた 存在をかけてこんな植民地政権は倒すのだという論理も迫力も欠いているからだ。

けれども そうしてそっぽを向いている限り この〈停滞〉はずっと続く。覆しようがない。
ようやく春が来て もうすぐソメイヨシノも満開になることだろう。けれども 私たちの心は一向に晴れない。厚く曇った空から 停滞の雨粒がいつまでもいつまでも降り続くばかりなのだ。


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https://www.youtube.com/live/CNprsBJXZFU?si=Q6tJnH2NypFJo8bE



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北キツネ  いっぽ前へ



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手をつないだりはなしたり

[1] KZ :2024/03/24 15:39 No.466
本日の『東京歌壇/俳壇』から    (東京新聞)

☆相槌をうってくれてる友人の甘栗をむくすごい手さばき
           杉並区  石川真琴

⚫︎あるある(笑)  でもこういう人が 案外しっかり話を聞いてくれてたりするんですよね
皮剥き名人のすごさが目に見えるようです。

☆野良猫の頭の骨の小さきを知った右手が魚をさばく
           新座市  睦月くらげ

⚫︎愛翫したり捌いたり… ひとの右手はいそがしい。輪廻のようにいそがしい。

☆寝返りもうてない妻が明日退院介護離職がはりつく寒夜
           東大和市  温泉川清志

⚫︎そんな状態で患者を寒い家に追い返す… この国の医療制度の明らかな欠陥でしょう
なんとかせい 岸田っ!

☆ためらいなく眠りたいとき抱きしめる夏のたたみのにおいの犬を
           町田市  薄暑なつ

⚫︎下の句 のの字の連発がみごとな効果
 ぎゅっと抱きしめるのは どんなやさしい犬なのでしょうか

☆「おじいちゃんの餃子が好き」と言われれば半日がかりで百個に励む
            相模原市  関口實

⚫︎よくわかります  ついついじじばか発揮  なんですね
 とても美味しい餃子なのでしょう  明日は少し腕が張っているかも(笑)

☆草を取る私の傍に尉鶲(じょうびたき)一人でないよと何時迄もいる
            厚木市  花上尚江

⚫︎こぼれた草の実を鳥さんも食べたいのでしょうか
庭でずっと一緒に仕事をする 優しい光景です

………

☆嬬恋の光集めし馬上盃あふれる想ひ戻す術なし
            涌井ひろみ  『友は司書』(ふらんす堂刊)から

⚫︎日本武尊伝説を借りた強烈なロマンティシズム  下の句  そこにあふれる想いは 尋常を超えて切ない

☆精霊を娶(めと)ってみればみな微熱
            高橋比呂子  『風果』 (現代俳句協会刊)から

⚫︎ピーターパンみたいに楽しい句ですが…  ほんとはどんな恋も どこか微熱みたいなものかもしれませんね

………

☆山笑う手をつないだりはなしたり
            堺市  土居健悟

⚫︎明るい芽吹きのなかで ついたり離れたりする二つのこころ   

※山笑う
《「臥遊録」の「春山淡冶 (たんや) として笑うが如し」から》春の山の草木が一斉に若芽を吹いて、明るい感じになるようすをいう。《季 春》「故郷やどちらを見ても—・ふ/子規」       
(デジタル大辞泉)

☆震はせる鳥は見えねど梅の花
             東京都大島町  大村森美

⚫︎隠れた小さな子が しっかりと蜜を吸っているんですよね  
 これぞ春

☆亡き妻の魔法の杖を突けば春
             杉並区  土方けんじ

⚫︎この世に春さえも呼び起こす魔法の杖 
 さすが天の奥さんの力(パワー)

☆バス停のすぐ近くまで野焼跡
             川崎市多摩区  久保田秀司

⚫︎こんな所まで という新鮮な驚き  黒い焦げ跡 春近し

☆たんぽぽに搾乳(さくにゅう)の乳ほとばしる
             茅ヶ崎市  清水呑舟

⚫︎世は春めいて 乳の出も滑らかになるのでしょうか
 柔らかな若葉に 真っ白な乳の流れ

☆春嵐車道でレゲエ踊る人
             横須賀市  尾崎ひろこ

⚫︎さすが横須賀!  強い春風が通りを吹き抜けて 
 こころも身体もたまらずに跳ね動く  歩道を超えて跳ね動く

☆うららかに鼻毛伸ばして老いにけり
             神奈川県大和市   今関十三里

⚫︎うららかに と平明に呟く心境がいいですね
 かように 悠々と歳を取りたいものですが(笑)

………

  

 



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木山捷平の根底

[1] KZ :2024/03/21 17:19 No.465
木山捷平(1904〜1968年)は二十数歳で岡山県の山間の実家を離れ あとはほとんどの時間を東京での作家暮しに費やした。途中満州(長春)で数年間、また復員後に数年間を実家で過ごしているが、基本は東京の西部、杉並や練馬で家族とともに長く住んだ人であった。

今彼の散文作品を読んで 古い題材だ、なんと古ぶるしい文体かと思うのが一般だろう。私などでもそう感じるのだから 若い人には尚更そうだろう。主人公たちが「日本のオヤジ」の原像、残像と称されるのも ごく当然のことだと思う。
ただ こうした形容には すこし言葉が足りないようにも感じる。「ある時期の」、ということである。この国が未だに農業国として自立できていた時代の農家のオヤジ というのがこの作家の根底をなすエートスであった。
今木山捷平を読んで、大小様々な窮境に立たされた時でも、不思議なほどに自然な余裕や諧謔、精神(心持ち)の清浄さを醸し出す主人公(たち)のあり様に 読者は次第に惹かれてゆくのではあるまいか。その根底のたくまぬ強靭さは いったいどこに由来するものなのか、おそらくそれが この作家を読み解くキーなのだと思える。

未だ第一次産業(農林水産業)が生命力を持ち この社会の中軸として屋台骨を支えていた時代。農民も漁民も たとえ日々の金銭収入は乏しくとも、その精神はけして弱々しいものではなかった。自力で田畑を丁寧に耕し 牛馬を使いこなし 農具諸般も家畜小屋や自宅さえも自力で賄い差配した強固な独立性、そうした自立の力と精神とを 程度の差はあれ人々は普通に蓄えていた。日々のきつい労働に鍛えぬかれたその動かぬ勁さこそが 例えば木山捷平の表現をも根底で支えていた精神なのだった。けれんみの無い率直さ、臆することのない清廉が いつもその作品の背骨を貫いている。

若き日の盟友だった太宰治には、当代で比べようもない溢れんばかりの才能があり 混迷する情況を見抜く鋭い知性と思想性があった。作品を読めば それは疑いようもないことだ。しかし彼には、その根底の感性(こころ)は梃子でも動かないという木山捷平の持つ自然の勁さが欠けていた。津軽地方有数の大地主の子息には そうした中下層農民(常民)の持つ 土を舐めても生きぬけるという強靭さや精神の自立、そこから生じる心の余裕や諧謔などは保ちようがなかったのだと思える。


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めくつてもめくつても

[1] KZ :2024/03/17 16:01 No.464
今日の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)


☆ながく笑ったあとに静かな雨が降りここまで来てしまったんだと思う
           平塚市  芝澤樹

⚫︎呵呵大笑。そんな高揚のあとで 不意にやってくる静かな時間  
節目ごとにやってくる小さな愁い  人の世は切ないなあと

☆ふやかして食べられさうな月であり春の牛乳あたためてみる
           国立市  水面叩

⚫︎それはすこし霞んだ月なのでしょうか  
 牛乳をゆっくりと温めながら 柔らかな春宵の一刻を惜しんでいる。

※観察が冴えているんですね。この方は次の一句も 別の選者が採り上げています。

☆牡丹の芽ちひさきものはよく眠る
            同  水面叩

⚫︎よく眠って いざ開花の時をじっと待っているわけですね  小さきものの秘められた宇宙よ

☆鏡のなかのあなたにひたりとくちづけるときにわずかにする雪のにおい
            町田市  薄暑なつ

⚫︎親密ですこし妖しい鏡のなかのエロティシズム
微かな雪の匂いが さらに内側に呼び起こすもの

☆加湿器が水不足だと訴えて母のスープは遠浅の海
            世田谷区  新井将

⚫︎それは澄んだ たとえば春の浅蜊のスープでしょうか   
 加湿器も作者も その滋養の水分でひたひたと潤っていくのでしょう

☆指名手配桐島聡の顔写真若き笑顔が我を見るなり
            伊勢原市  佐藤治代

⚫︎なんと長き桐島聡の時間よ  でもそれは ずっと忘れていた自分の時間をも照らし出しているようだと

☆なつかしきアベノマスクに顎さらしレジに連なる男に見ほれる
            草加市  神保公一

⚫︎思わず見惚れるほどのみごとな顎だし というわけです(笑)  
 もはや笑いの世界に入滅したあのガーゼのマスク

☆夢日記つけ続けると夢日記つけてる夢を見るようになる
            相模原市  遠藤健人

⚫︎なにやら無限の夢ループに入り込みそうで… 私のような気の弱い人間は 無意識の深淵には近寄らない方がいいのかもと (とはいえ 夢を見ない人はまずこの世にいないのですが)

☆手の中のスマホは心の個室なり秋桜(コスモス)のように揺れる乗客
            横浜市  友常甘酢

⚫︎よくも悪くも… それを握りしめるのが車中の人の常態となりました。
 コスモスみたいに頼りなげに揺れている人びとよ  そういう私もまた心の個室を掌にして 

☆欲しいものより取りやすいもの狙う クレーンゲームに見る人生観
            富士見市  松本尚樹

⚫︎なるほど  そこで分かるのか 我らの人生観も(笑)

☆猿嚇す空砲止みて真昼間は静けく村の時の長かり
            君津市  手島敬陽

⚫︎大きな空砲の音が止んで あとはとびきり長閑な村の午後がある。 
 今は猿たちも昼寝の時間でしょうか


………
☆新聞紙にくるみし凶器日脚伸ぶ
            『泣魚句集』(思潮社刊)  高橋順子

⚫︎陽ざしはしだいに長くなり… さてその中には いったいどういう得物がくるまれているのでしょうか  潜んだ小さな狂気に詩人は気づいている
………

☆参拝のあとの波音実朝忌
             昭島市  ゐどかやと

⚫︎右大臣実朝の忌日は1月27日という(享年28歳)。この日は墓所の寿福寺にて追悼供養が行われる。
参拝の後 冬の鎌倉の波音にこの中世の詩人の生を想う。

☆沈黙は耳をつんざく春の暮
             台東区  吉田すすむ

⚫︎無声の春暮は むしろすさまじい嵐をはらむものなのだと。  
この実感表現に圧倒される

☆めくつてもめくつてもいつさい朧(おぼろ)
             平塚市  蚊歩

⚫︎クリアな真実を掴みたくて懸命に捲るのだが 実相はいつまでも霞んで遠い。
むしろそうした無限の問いかけこそが ほんとうはひとの実存なのかもしれない。
十七文字で我らが生を表わすすごさ

☆野良猫に飼ひ猫ついてゆく朧
             つくばみらい市   戸田鮎子

⚫︎なるほど春  まさしく春
 おぼろの中に重なり消えてゆくふたつの影よ

………




  



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裏金議員の皆さんは申告していませんね

[1] KZ :2024/03/16 12:41 No.463
「確定申告は終わったけれど、裏金議員の皆さんは申告していませんね。」

☆ようやく納税申告を済ませた国民の怒りと 
与野党馴れ合いの「政倫審」茶番劇との間には
とても大きな落差がありますね‼️

検察も国税当局もサボって動かない(頰かむり)となれば…
この際 永田町の脱税タヌキどもは みんなまとめて落選させるのが筋というものでしょう。

☆次期戦闘機(殺傷能力兵器)の第三国への輸出。かねての打ち合わせ通り自公で「合意」…というサイテーの茶番劇(田舎芝居)も 堂々と発表されたことだしね💢

https://reiwa-shinsengumi.com/





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入学前なのに傷だらけ

[1] KZ :2024/03/10 16:14 No.462
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆きな粉舞う、きな粉舞う このキッチンの灯りは寂しくてすきだった
            新潟市  砂崎柊

⚫︎思えば性に合ったキッチンだったなあと。何処かへ引っ越しの前でしょうか。
舞いあがるきな粉がいとしい

☆母の手が私の置いてきたもののすべてに一度はもう触れた頃
            柏市  遠野鈴

⚫︎お母さんは思っている。そして娘も お母さんの柔らかな手を 今思っている。

☆怒ってない、動けないだけ三月のひかりで水になりたい根雪
            横浜市  瀬生ゆう子

⚫︎いろんなものの比喩なのでしょうか
それでもやがて光は増し こわばったこころもとけてゆくような

☆一ピンだけ倒れなかった ボウリング場でふたりで春雷を待つ
            北区  土居文恵

⚫︎春雷で残ったピンが倒れる そういうこともあるのでしょうか
不思議な奇跡が二人を待ち受けているのかも

※好調なこの常連さんは 別の選者からも次の一首が採りあげられています。

☆拘(こだわ)りのオーダーメイドのランドセル入学前なのに傷だらけ
            同    土居文恵

⚫︎どうした訳でしょうね うれしくていじり過ぎたのかな(笑)
良い度胸をしているなと思います。この感興が自分の言葉そのまま(口語詠)で歌になる、そういう機微を この方は肌で知っているんですね。この天与のうたびとは

☆包まれてゐるのだらうか雪の降る夜は子どものやうにねむたい
            千葉市  小金森まき

⚫︎あのすっぽりと無音に包まれる感覚ですね。 
 雪の夜 はるか遠くの夢に ひとは呼ばれているんでしょうか

☆主語述語幼なの会話整へり修飾語など添へたりもして
            伊勢原市  佐藤治代

⚫︎かわいいですね  おしゃまな子のモノローグが すぐそこに聞こえているようです

☆老眼鏡外しベッドで過す時ぼやけた視野の心地良さ知る
            川崎市  福本よしき

⚫︎よくわかります。ひとが感じるのはこころの目。多少視界がぼやけても 心地よいのはまた別のこと

☆窓際の席に新聞捲りつつボサノヴァ聴きし駅カフェの朝
            秦野市  薄井隆

⚫︎これでもかと今の定番を積みかさね、それでも爽やかな朝の歌に仕上げた心の力

☆あけがたのささやかな雨ぬれながら輝きながら階段はある
            選者詠  東直子

⚫︎たしかにそこまで春が来ている。
 その様が外階段の小さな光からも感じられると

………

☆うつるから来るなと猫に風邪の娘は
            川口市  高橋まさお

⚫︎それでも猫は絶対行きますね  そう言う人の優しさを 彼らはよく知っているんですから

☆息吐けば弓なめらかや春のチェロ
            横浜市  鈴木綾子

⚫︎柔らかな最初の一音を 静かに耳にしたいと思います。
 その低い滑らかな弦の響きを

☆初蝶の前後上下を失へり
            世田谷区  野上卓

⚫︎目の眩むような初飛行  
 眺めていると 思わずこちらまで酔うような 素晴しい観察の一句

☆存(なが)らへし今は一人の梅見かな
            松戸市  オカザキヒデユキ

⚫︎紅梅/白梅 どちらをご覧になりましたか
 私は昨日見上げすぎて溝にはまり 付き添い人に叱られてしまいました😅

☆少しづつ枯野になつて父逝きぬ
            足立区  佐藤勝美

⚫︎夢は枯野を…
 お父上も 今は自在に広い野原を駆け巡っているかもしれません

☆険しきを上りきつたる春の海
            福岡県朝倉市  深町明

⚫︎峻険な坂を登り切ると 一挙に広がる春の海原
 なんと晴れやかな光景でしょう!

☆四つ割りの白菜買うて一人鍋
            渋谷区  羽生邑子

⚫︎美味しい春の白菜鍋ですね  今夜は大いに温まって 明日の英気を養いましょう

☆バック転出来る子となり卒業す
            調布市  大林明彦

⚫︎カッコいい子ですねえ  得意の笑顔が目に浮かぶようです。
 卒業おめでとう  Bon voyage❗️


………






         



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『苦いお茶』

[1] KZ :2024/03/10 12:57 No.461
『苦いお茶』  木山捷平

☆木山捷平(1904 年・明治37年〜1968 年・昭和43年)による1962年・昭和37年の短編作品
『白兎・苦いお茶・無門庵』  講談社文芸文庫

☆木山捷平はとても地味な詩人・作家だけれど、その作品群が 近年もう一度人々の関心を集め始めているようだ。懐かしい「日本のおやじ」の象徴として。(ここでも その詩作品や晩年の長編『長春五馬路』などについて 何回かコメントを続けてきた。)
その生涯にわたる作品群の中でも この短編『苦いお茶』は 木山について語るほとんどの人が まずは忘れずに挙げる名作となっている。

☆主人公の正介は昭和19年 満州国の首都新京(現在の長春)に広報部員の職を得て単身赴任したのだが、翌年には不幸にも現地で応召(41歳)。しかしすぐに敗戦となり、… それから内地に帰還(復員)するまでの一年半ほどを 敗戦国の最低の難民として、それこそ独り身の乞食のように 命からがら生き延びたという過去を持つ(「難民としての一年は 平時の百年にも匹敵するほどの苦しみの連続であった」)。
その命の瀬戸際のような難民生活の中で、同じボロアパートに住む半後家(夫の生死が分からない妻)家族の誰彼と世間話を交わし、なにくれと慰め合い、日々の命をなんとか繋いで暮したのだった。(三階建てアパートの上階部分は ソ連や中国兵相手の「女郎屋」であった。経営者は朝鮮人。)

パイチュー(高梁白酒)の闇屋をして暮らしていた頃 ソ連兵による日本人狩り(シベリヤ送り)から逃れるため 正介は同じアパートに住む半後家の直枝から その5歳の娘・ナ子(那子・ナー公)を当時の相場の米二升で借りた。小さな子ども連れはソ連兵による拉致を免れるからである。長春旧市街の酒問屋まで ねんねこに包んだナ子を背負って汗だくで 背中におしっこなどをされながら往復したのだった。出先で饅頭を食べさせてもらって 帰り道のナー公は正介の背中でよく眠った。
そんなある夜 正介は寂しさからナ子を一晩借り受け 我が子のように同じ布団に抱いて眠った。お伽話をいくつも聞かせ終え熟睡していた正介は 夜中に鼻を摘まれて目が覚めた。黙って部屋に入り暗い枕元に座っていた直枝が やがて「私も入れて」と 二人の暖かい布団に潜り込んで来た。
行為の途中 生まれて初めてのような気がすると正介の耳元に囁きながら「でも奥さんにはすまない」と直枝は呟くのだった。

それから十数年がたった。帰還して東京で作家暮らしをしていた正介は 自身の書いた古い随筆を探しに上野の図書館を訪れた。ようやく用が終わり廊下のベンチで一服していると 不意に見知らぬ若い女性から声を掛けられた。「あなたは昔満州におられたキー小父さんではありませんか?」
驚いたことに 長じたナー公が 今は短大の学生となってそこに立っていたのである。来年は学校も卒業して幼稚園の先生になるのだと言う。懐旧の念、いとど深し。二人は図書館の喫茶室に赴き 互いの「その後」を懐かしく語り合った。喫茶室のとびきり不味いコーヒーさえ 今は気にもならなかった。
復員後 かの長春のボロアパートに住んでいた人と会うのは 二人とも初めてのことだった。「母は帰還して三年後に亡くなりました。父はとうとうシベリヤから戻ってきませんでした」
孤児となったナー公は その後姫路に住む伯父さんに引き取られ 今も短大の学費はその伯父さんが面倒を見てくれているのだった。
懐旧の念はさらに増し 二人はそれからタクシーに乗り込み 新宿の焼き鳥屋に落ち着いて、ビールを飲みながら再びあの頃を語り合った。
やがて 「小父さん 奥さんは?」とナー公が訊いた。今も元気で暮らしているよと正介が答えると、「だから奥さんにすまないということだったのね」とナー公が言った。
しばらくしてビールに酔ったナー公は 小父さん 昔みたいにあたしをおんぶしてと言いだした。大丈夫 私は子どもみたいに軽いからと。


『…四十キロといえば、十貫あまりだね。よし、そんなら小父さんが負んぶしてみてやる」  
正介は威勢よく洋服の上衣をぬいで、立ち上り、ナー公に背中をむけると、ナー公が飛ぶように正介の背中にのっかった。  
正介は彼女の二本の足を脇腹にかかえた。そうして両手を彼女のお尻に添えて二、三歩歩いた。歩いてみると、ナー公は軽かった。十何年前、城内の行き帰りに、死ぬるような思いで、ナー公を負んぶしていた時の苦労にくらべれば、月とすっぽんのような違いであった。
「もう、いいわ、小父さん」  
とナー公が背中から言った。 「うん、でも、負んぶついでということもあらあ」  
かなり酔っていた正介は面白くなって、客席の間を縫うように、距離にして七間か八間歩いた時だった。
「すけべえ爺、もういいかげんにしないか。ここの、この、大衆酒場を何だと心得ているのか」  
土間の一隅から一人の学生が立ち上って叫んだ。さっきから、わあわあ騒ぎながらのんでいた、今ではあまり見かけない、紋付羽織姿の学生であった。どこかの大学の柔道部か剣道部に籍をおく選手なのかも知れなかった。
正介がしまったと思った時、ナー公が正介の背中からとびおりて叫んだ。
「誰がすけべえ爺か。もっとはっきり言うてみ。人間にはそれぞれ個人の事情というものがあるんだ。人の事情も知らないくせに、勝手なことをほざくな」  
数十人の飲み客が総立ちになった。  
その中でナー公は、きりっとした顔を学生の方にむけて睨みつけ、微動もしなかった。  
学生の中の二人が小走りに、ナー公に近づいてくると、
「きみ、かんべんしてやってくれ。あいつは今日は泥酔しているんだ。ぼくらが、代ってこの通り深くあやまる」  
二人とも帽子をとってナー公にお辞儀をしたので、事は円満におさまった。しかしそばにいた正介は、もしこの世の中に引揚者精神というものがあるとすれば、それをいまこの目で見たような思いだった。
焼鳥屋を出ると、正介は都電通りまでナー公を送って、タクシーをとめた。タクシーのフロントガラスにとりつけたワイパーが、カッタンコットン動いていたので、雨がふっているのにはじめて気づいた。
扉があいて、ナー公が座席に納まると、
「ナー公、今日は見事だったなあ。わしはきみを見あげたぞ。しかし寮の門限は大丈夫かい」
「うん、大丈夫。今日はうれしい日だったわ。小父さん、また図書館であいましょうね」
「うん、気がむいた時には、また出かけるよ」
「そしてあの苦いお茶、じゃあない、あの不味いコーヒーを一緒にのみましょうね」  
二人が別れの挨拶をした時、タクシーが動きだした。…』

………



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中国の全人代

[1] KZ :2024/03/07 00:16 No.459
5日から始まっている。今年から従来の大雑把な総理記者会見が無くなり、「部長通道」と称する各大臣の記者会見が充実したものになっているようだ。
以下 遠藤誉さんの報告だが、これを読むだけでも、いい加減な政府と与野党、ピンボケマスコミが跋扈するだけの島国と いかほどその内容が異なるか想像がつく。
国民が拱手傍観しているうちに 彼我の差は ますます拡大していくことだろう。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/135b38e719f787d8b454364733843d55f26eb68b


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※毀誉褒貶はあったけれど、この政治家の頃には、毛とも周恩来とも対等に渡り合う度量と実力を日本の政治家は持っていた。



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ご参考までに

[1] KZ :2024/03/03 16:18 No.458
1951年  神奈川・栄光学園中学の夏合宿。横須賀・観音崎たたら浜 だそうです。

いますねえ  左の赤フンに中央白フン姿!
右側の先生のワンピース型水着も 懐かしい昭和の光景です

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そうだいいよね

[1] KZ :2024/03/03 15:19 No.457
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)


☆仲間減り同級会も三人だ文殊の知恵も酒に溶け込む
            品川区  藤井好

⚫︎それでも きっと良い智慧が酒に浮かんだことでしょう
寂しさもちうくらいなりおらが春

☆AIの音声で聞くそのなかにAIなまりが幽かに響く
            世田谷区  野上卓

⚫︎よくぞ言ってくださった! あの不気味で不快で、いと分かりやすい「標準語」のことですね。
生成AIの文章もまた そういう「訛り」で貫かれていることでしょう。本当はその形式論理(排中律原理)から漏れ落ちるものこそ 人の想い(自己表出=内臓の声)なのだと言っておけばいいのでしょう。
俚諺にも言う、馬鹿と鋏は使いよう。

☆ポケベルの時から自由奪われて今はラインに縛られている
            川崎市  福本よしき

⚫︎便利、便利と言いながら 実際は囚われている哀しい実情
自由奪われて という句に、逆にいつも自由を求めているひとの本質を見る思いがします。

☆才能と言う幻想を持ち続け迷子のままに吾子40歳
            荒川区  鈴木真理子

⚫︎わかります。お母さんとしては とても心配な40歳なんですね。
でも 大抵の人は 大なり小なりそういう想いを胸に抱いたままこの世を生きているような気がします。むしろひとはそうした幻想の生きものなのだ、それがひとの本質なのだと。
迷子のままに生きるのも ひとの本然かもしれません。

☆春風は吹くも吹かぬも梅の花咲いてる辺りに春は来ている
            横浜市  中村尚志

⚫︎わが知らぬまに梅は咲き…  あらためて春の兆しに気づく想い

☆Tシャツを2秒で畳む裏技をネットで学ぶも介護の一環
            東大和市  温泉川清志

⚫︎気の持ちようで、たいへんな介護もなんだか楽しそうにさえ思えます。
常連さんの たくまざる心の力ですね

☆樹の枝でイーヨイーヨと鳥が鳴くそうだいいよねこのまま生きる
            江東区  佐藤章江

⚫︎結句、お見事な達観だと感じ入りました。
 この大胆な生の肯定よ!  なんだか心が洗われるようです。

………

☆啓蟄や着信音は鞄より
            茅ヶ崎市  川口しのぶ

⚫︎土中ではなくカバンから 小さな発信音が湧き上がってきたというわけです。 
虫たちもびっくりの春の訪れですね

☆春の日やカレーにソース一回(ひとまわ)し
            江東区  石井真由美

⚫︎なるほどこの手があったかと❗️
 ここでひと味かえて 微妙な季節の変わりめを象徴させているわけですね
 カレー食べたくなりました  美味しいウスターソースを用意して


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日本海へ

[1] KZ :2024/03/01 00:05 No.456
https://www.uta-net.com/movie/181996/
作詞・作曲  谷村新司

☆元日の能登の地震以降 日本海を思い出すことが増えた気がする。そういう人も多いのではないだろうか。新潟の海、富山、石川の海や山々…

私には、友人のいた富山、砺波平野。ラグビーの大会で足を運んだ能登や金沢。親たちが一時期暮らしたという新潟市や村上の町など(油照りの新潟の夕凪、大きな鮭の昇る三面(みおもて)川…)

☆すぐに思い出すのは 信州の小学校の臨海学校で行った新潟・能生(のう)の海岸。関東地方・湘南やらの海とはだいぶ趣が違っていた。きほん波が強く、浜の砂もきれいだけれど粒が粗い。なにより関東の遠浅の海と比べると段違いの「どん深」で 水の色も濃い。黒砂の水際から10メートルも行かないうちに海は一挙にえぐれて ずんと深くなる。そこから先は 大人でも背が立たない。
海に出かける前の説明会でも こんこんと叩き込まれたこの「どん深」。勝手に進んで、もし深みに嵌ったら もう助けようはないのだぞと。

列車を降り、宿から歩いて初めて目にした親潮の黒い海は、「本当にどんぶかだ、話に間違いない」 そう思わせるに十分の迫力だった。海水温も 盛夏であっても 少し遊んでいるだけで唇が紫色になる程のものだった。

それでも 名札を縫い付けた海パンに水中メガネ、女の子は少し派手めのワンピース水着を着たりして、僕らは広々とした日本海の海水浴をさんざん楽しんだ。
この時の 少し大判のスナップ写真が一枚残っていて、これを見るとあの夏の楽しさが蘇ってくる。
クラスの友達が男女合わせて十数名、そこに引率の先生が二人。一人は平服の女先生、あと一人が 色白で背の高い教頭先生だった。
もう定年に近い年齢だったかもしれない。とにかく全校の教員中 いちばん歳の行った部類のおじさん先生だった。でも 一目見ると印象はとても鮮やか、むしろ鮮やかすぎる。色白の大きな身体に 先生は白い木綿の越中フンドシひとつしか付けていないのだった。
昭和三十年代も半ばくらいの話である。世の中には 未だふんどし着用の人もそれなりにはいたが(銭湯などでたまに見かけた)、大きな海水浴場での越中ふんどしは さすがに教頭先生ひとりしかいなかったと思う。それは我々にも少しく奇異だったのだから 若手の女先生などは目のやり場に困ったのではなかろうか。
その生地はどんなものだったか、年長の教頭先生のお尻はどれほど萎びていたか、いなかったのか…。 眩しい陽光の中、沖に向けて長く伸びる防波堤を背景に、一団となって写るみんなの笑顔が日本海の泡のように弾けていた。


………



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ぱつぱつである

[1] KZ :2024/02/25 15:09 No.455
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆旧姓のままで呼んでといわれたりシナモンラテの湯気あわく立つ
            練馬区  奥山いずみ

⚫︎ごくふつうになりましたね 旧姓による呼称も。街なかのラテの香りと同致するくらいに。

☆それぞれの信じ続けたしゃっくりの止め方を子に伝える夕餉
            北区  土居文恵

⚫︎あれこれとだいぶ違うんだけれども… こうして愛の伝統は繋がっていくんですね。
止まらない幼時のしゃっくり 時には跳ね上がったりもして 苦しかったですね!

☆ひとりでは飲みきれないと言いながらトマトジュースを箱で買う祖母
            八王子市  吉村のぞみ

⚫︎その安心感を 今おばあちゃんは購っているんでしょうね  いろんな苦労(心労)をされてきた日々

☆誰も見ぬ日記を律儀に綴るのは生きているから明日があるから
            相模原市  関口實

⚫︎なるほど! 結句の力強さに納得します。
 私などは いつでも三日坊主で来てしまったので

☆雪の日にもらった手紙を読み返すわずかに息を止めたい朝に
            金沢市  塩本抄

⚫︎とても微妙な良い歌ですね  降る雪も 読み返す大切な手紙も 小さく詰めた息とても
それでも雪の朝は明るくて 空気は新鮮

☆偽蟻(ギギ)たちは手の節々へ巣を掘って休職明けに引き出しを引く
            つくば市  そのべせい

⚫︎まるで蟻もどきが巣食うような…そんな症状が感じられるわけですね  たぶん想像以上に こうした心身の諸症状は社会に拡がっている気がします。壊れかけた私たちの社会に。

☆捕まると悟った刹那すこしだけ胴ふくらます蜘蛛のただしさ
            千葉市  芍薬

⚫︎刹那をめぐる微細な観察力と 大胆な表現力と。

☆競馬場直行バスを待つてをり耳に五円貨嵌めたる男
            川口市  高橋まさお

⚫︎何に使うのか ふと考えてしまう耳穴の五円貨  もしかして 男のゲン担ぎ?

………

☆我が庭に蜘蛛が巣作り棲み付くは十年振りかコロナのお蔭
            奥村晃作  『蜘蛛の歌』  第19歌集

⚫︎もうしばらくすると アフター・コロナの諸現象がさまざまに報告されてくる気がします。
我々には見えない連環が この世界には未だたくさんあるのでしょうから

……

☆五本指靴下履いてさらに足袋
             小平市  中澤清

⚫︎間違って? あるいはそれほどに寒くて?
 やがて私もやりそうな気がしますけれども(笑)

☆春が来てジーンズがぱつぱつである
             堺市  土居健悟

⚫︎堺の常連さん いばって報告してるとこがいいですね(笑)  ときどき街でも見かけます、犯人は巣ごもり中のお餅か 美味しいお酒だったでしょうか

☆太梁(ふとはり)の雄々しく曲る冬館
             藤沢市  青木敏行

⚫︎黒光りして天にうねる太梁  長い命をはらむ木の凄みに おもわず吸い寄せられるような気がします。

☆日脚伸ぶオウムに礼を言はす店
             横須賀市  丹羽利一

⚫︎明るい春の予感とオウムの奇体なご挨拶  不思議に同致して 季節の動くさまが身近になったというのである。
アリガトゴザイマシタ❗️ 

………


『ノンちゃん雲に乗る』



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くにがみだれる

[1] KZ :2024/02/24 14:48 No.454
☆たった二日間の政倫審に 脱税犯人(国会議員)を何人出すか などと騒いでいる。出したところで 非公開なら構わないだろう。彼らは痛くも痒くもないだろう。
大嘘をついても罰則は何もないのだし、その場限りの吊し上げ想定問答には「忘れちゃいました〜、ごめんなさいね〜」と謝っておけば それで全て終了。裏金・脱税問題、政倫審で真摯に対応しました〜ということで、自民、立憲ともにアリバイは堂々完了。後はいつもの通り 保身のための予算審議(田の草取り)に粛々と復帰するだけのことである。すべては予定通りである。エッヘンと。 💢 

☆恍惚の財務大臣は答弁したそうである、申告、納税は議員個々人の任意でありますと。
はあっ〜😩
納税は個々人の任意❓  そうなの?  知らなかった〜! ビックリだよ‼️ それなら俺たちも ほんとは任意でよかったのね!  

(註 ちがいますよ、念のため。日本国憲法第30条 納税の義務。 つまり この大ボケ大臣は憲法を読んだことがない「公務員」なのである。すなわち 存在自体が憲法違反なのだ。即刻公職から追放すべきだ。憲法第99条 公務員の憲法遵守義務 違反!)

☆そして… 財務省は言いそうである、そうです、所得税 いやなら申告しなくてもいいんですよ。皆さんガタガタ言っても どうせ大方はきちんと天引きされているんですから。あと 消費税ね、申告が減ったらその分きちんと消費税率をup しますから 国民各位には 間もなく(懲罰として)強制的に大増税とあいなります。
わかりますかあ? 帳尻というものは簡単に合うんですよ〜!  こちらにはなんの痛痒もありませんのですよう、はいっ🫣

☆くにがこわれる。くにがみだれる。
 くさった天狗の鼻ども! こいつらには そんなことさえ ちっとも分からないのである。

………


「やっちまおうか 永田町、霞ヶ関のアホども!」



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飛来したフォークめがけて

[1] KZ :2024/02/18 15:45 No.453
今週の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)

☆飛来したフォークめがけて絡みつき引きずり込もうとするナポリタン
            相模原市  横浜J子

⚫︎当歌壇の鬼才・横浜J子さんによる一首。
この人にかかれば 見慣れたファミレスのテーブルも 一瞬にして華やかな(騒々しい)コロッセオに変貌するものらしい。食欲よりも、貪欲な格闘技の方をJ子さんは眺めている。

☆おにぎりのツナマヨ味をゆるせないまま人生の秋のまんなか
            千葉市  芍薬

⚫︎この方も 負けず劣らずの常連・異才  
 今回もいい歌ですねえ。
 一般には もう充分市民権を得た取り合わせだろうけれど、 私にはちがう。わが人生も はや秋の真ん中かもしれないけれど と。

☆哀しみは私一人の事だから少し陽気な日記にしよう
            伊東市  大胡惣市

⚫︎このやさしき心ばえ たおやかな意思(男気)に小さな乾杯を

☆全員がしずかな嘘つきになった日 教室内に手は上がらない
            大津市  世田夏雪

⚫︎ほんとうは 誰かがその閉塞(みんなが知っている嘘)を破らなければね。
身を捨てても外の新鮮な風を入れるのが 本当の先生

☆もう少しここに居たらと言えぬまま青へと向かう空を見ていた
            横浜市  友常甘酢

⚫︎せっかく空は晴れたのに こころは少ししずんでしまう。   
 小さな齟齬の哀しさよ

☆神様がもしも本当にいるのなら踵は少し割れてて欲しい
            国立市  佐藤建

⚫︎少し足を引きずって ゆっくり歩いて同行してくださいと。
 剣道とかをやっていた方でしょうか  踵のひび割れの痛みをよく知っている人ですね

☆祝日を旗日と祖母はいいにけり一月一日旗はほぼなし
            世田谷区  野上卓

⚫︎たしかに。元日 旗は私も見ませんでした。 でも私も ふつうにハタビと言ってしまう旧人類であります(笑)

………

☆日溜りの石のものいふ火の匂ひ水の匂ひを漂はせつつ
            時田則雄  『売買川(うりかりがわ)』

⚫︎火と水と 原初の匂いまでも含めて 日溜りの石は語っているのだと。 作者 第13歌集。

☆頬に雨あたりはじめる風のなか生きているのに慣れるのはいつ
            山階基(やましなもとい)  『夜を着こなせたなら』 (第2歌集)

⚫︎読むたびに この瑞々しい感性の発露にうたれる。 私などは未だ慣れません。 作者32歳。

☆新生姜ばりばり嚙みてながらへる
☆泥喰うて恋のはじまるむつごらう
            福島せいぎ  『箱廻し』 (第10句集)

⚫︎1938年生まれ。79〜85歳の300句を収録した句集から。
さすがの気合い。固い新生姜をばりばりと喰らう。そして 泥中のムツゴロウの活気(春気)をはたと見つめる。

………

☆手袋を置いて席取るカフェテラス
            越谷市  小田毬藻

⚫︎季節のうたですね  冬の明るい日差しのなか 間もなく熱い熱いカフェオレが香る。

☆大寒や能楽堂の床の艶
            練馬区  伊勢史朗

⚫︎磨かれた鏡のような艶が むしろしんしんと寒気を誘う。 間もなく楽堂は開演、それからは静かな熱気が舞台を襲うのでしょう。

☆北窓を開き停戦祈りけり
            つくば市  小林浦波

⚫︎なお差し込む鋭い寒気に向かって つよく祈る!
 「この世の地獄」(ガザ)の 一刻も早い解放を  (いかれた戦争屋どもの完全撤退を)

☆大声が重宝されて鬼やらひ
            国立市  加藤正文

⚫︎追儺、鬼やらい。 今年も思い切りの大声で鬼退治  どうぞ世界じゅうに福を呼びこんで❗️

☆猫に問う何故それほどに温かい
            三鷹市  ユピ猫

⚫︎幸せな永遠の問いかけで 今週の句会はお開きのようです。



………

プカリと 貫禄の茨木のり子さん (1926〜2006年)
 『私が一番きれいだったとき』

http://www.paw.hi-ho.ne.jp/n3tomoko/pooh/txt-wata.html



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木山捷平の詩  その2

[1] KZ :2024/02/17 18:13 No.452
木山捷平(1904年~1968年)全詩集  (講談社文芸文庫版)

詩集 『野』から  (1929年 自費出版)
 

☆『こげた飯』

くどの前にしやがんで
幸吉さのことを思つてゐる間に
飯がこげてしまつたんだ。
オトツツアン!
オカアン!

そんなにおこらずに 飯のにがい位辛抱しておくれよ。
わしはもつとつらいんだ
誰にも言へずつらいんだ。
                (昭・2)


☆『牝牛 』

秋のお日様が
牛屋の隅まで照つてゐる。

牛屋の真中に
どてつとねそべつて 反芻(ねり)をかへしてゐる牝牛!
その広いせなかにかけ上り
又とび下り
愉快にあそんでゐるひよこ!

牛屋の前で藁切りながら
おらあ
なんだかたまらなくなつて来た。
                (昭・3)


☆『男の子と女の子』

そら
ええか
一、二、三………

わしと
とみちゃん
石崖の鼻にならんで
ふるへながら小便ひつた。
わしの小便と
とみちゃんの小便
二本ならんで
芋の葉つぱへぱりぱり落ちた。

「とみちゃん、わしの方がちつとよけい飛んだぞ!」
「そら、あんたのはちつと突き出とるもん」

山も
野も
あかるいあかるい月夜であった。
               (昭・3)


⚫︎木山捷平はこの詩集『野』で詩人としてのスタートを切った。
木山の資質は ほぼここですべて表れていると思う。(2月3日の記事中の作品も参照)
ストレートで純粋でけれんみがない。優しくて透明でとてもわかりやすく、読む者の胸に、その調べがそのまま流れ込んでくる。
生家の生業は農業だから(岡山県小田郡新山村、現在の笠岡市出身)、彼の感性は 多くその村の自然と暮らしに根ざしている。もちろん それだから素朴なのではない。人の生きよう、そこに暮らす人々の思いの根底にまで 作者の眼差しと言葉が届いているから詩(表現)として自立しているのだ。
作品のどこかに漂う余裕と諧謔。それは生涯 彼の詩にも散文作品にも 柔らかな背骨のように残って その豊かさを生み出しているように思える。

☆『返り花』

さくらの返り花が校庭に咲いた。
あたたかい冬の日
学校一の低能児タマやんが
ふところ手をしてそれを眺めてゐた。
わたしはタマやんをゆかしく思ひ
花をとってやらうかといふと
タマやんはにこりとかぶりをふった。
「どうして」とたづねたら
「どうしてでもない」とこたへた。

            (大・14 未発表詩篇)


⚫︎作者の没後 夫人の木山みさをさんが編んだ『未発表詩篇』には 以下のような詩もならんでいる。


☆『妻』

団子や芋を食ふので
妻はよく屁をひるなり。

少しは遠慮もするならん
それでも出るならん。

しかしぼくはつくづく
離縁がしたく思ふなり。
      
     (昭・22 )


☆『死』

お母さんのお胎(なか)から来た人間が
何故にお母さんのお胎へかへれないのだろう?
裏山のお墓はつめたい!
そしてあそこはまつくらだ!
せめてお母さんの生きてゐる間は
いくら病気がおもくなつても
あんな土の中へは行きたくない。
      
    (昭・22 )






………



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米国大統領選の惨状

[1] KZ :2024/02/13 11:59 No.451
☆遠藤誉さんの分析

☆民主党を離れたロバート・ケネディJrは、「スリーピング・ジョー」の支配する現状(惨状)から、新しい改革の風を起こせるだろうか?
醜悪な世界の戦争大国・アメリカは 目を覚まして正道を歩みだすことができるのだろうか?

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1de7e1b05cc76823ce30fd5fe325874ca1d3af77

☆理念なき軍事大国・米国に阿諛追従するばかりの植民地政権(自公維新)にとっても 見逃せない大統領選となっている。

☆追記 2/15
先物買いの大好きな麻生太郎は もしかして本命はトランプかと色めいて この際会談でもしておこうとアメリカまで出かけた。しかしながら 「俺は忙しい。格好だけギャングみたいなヘンテコ爺イに会う暇などない」とあっさり袖にされてしまった。
上納専門植民地の田舎大名なんか… いくらトランプだって 相手にするはずがない。一言おどしつければ いつでもポンコツ兵器を揉み手で爆買いする、それは安倍晋三、ガースー 、岸田と 続けて醜態を晒し続けているのだから。

☆なんとも恥ずかしい話ですね。こんなもの(自公維新)をいつまでも飼っているから 日本人全体がバカにされ 世界じゅうから信用されなくなる。 alas! 悲しいかな❗️


………



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猫の命日

[1] KZ :2024/02/11 13:50 No.450
今日の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞)


☆水中を落つるが如く雨の日のエレベーターの奥に立ちをり
             国立市  水面叩

⚫︎いい歌ですねえ  雨に霞むエレベーター  その奥に佇んで感じるもの

☆新年を1人迎えた寂しくて施設に引っ越ししようと決めた
             西東京市  佐々木節子

⚫︎上の句の連用形がとても効いてますね  あと ひとりを あえて算用数字で書くチャレンジ精神!

 楽しい居場所が見つかるといいですね
 Bon voyage❗️ 人生 これからもうひと花ですよ〜

☆ふるさとの地震(ない)は東京(ここ)まで伝わりて私は心ごと揺れている
             武蔵野市  大竹晃子

⚫︎秀歌。 ()内は紙面ではルビです。
文語、口語調の自然な転換で いま困難に直面するふるさとへの思いが こちらにも切々と伝わってきます。

※ ない〔なゐ〕
《「な」は地、「い」は居の意》
1 大地。地盤。「ない震 (ふ) る」「ない揺 (よ) る」などの形で、地震が起こる意で使われることが多い。
2 地震。
「恐れのなかに恐るべかりけるはただ—なりけり」〈方丈記〉   (デジタル大辞泉)

☆番台のおらぬ風呂屋の脱衣所で防犯カメラに全裸をさらす
            国立市  佐藤建

⚫︎わかりますねえ この気分(解放感)!  一文にもならないのですが(笑) 不思議とこんなことをしてみたくなるんですよね

☆高速のバスが平地に下り来たり窓いっぱいの水郷の灯よ
             鹿嶋市  加津牟根夫

⚫︎豪奢な窓の明かり ようやくたどり着いた我が町の明かりたちよ

………

☆ゆっくりと柚子湯(ゆずゆ)に百を数へけり
             君津市  手島敬陽

⚫︎良い香りが立ち上って ゆっくりと温まって うらやましい限りのお風呂です

☆初暦猫の命日書き込めり
             新座市  田中美登

⚫︎何よりもまず命日を  忘れられない愛猫への想い   
 もって瞑すべし 天国の猫ちゃんよ

☆鍋底を青い火が這ふ寒の入
             深谷市  八千草

⚫︎いと寒き冬の日よ 青い火は素早く鍋の底を走って

☆ワニ園のワニを見るのも避寒かな
             秩父市  中島由美子

⚫︎こちらは大口をあけてのんびりと…  外の寒さを忘れるいっときなんですね

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写真左  吉本家の仏壇
右下に愛猫シロミちゃんの遺影も



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小澤征爾さん 逝く

[1] KZ :2024/02/10 13:55 No.449
☆娘さんの送る言葉 
「音楽をしている時が いちばん神様への祈りに近い」と。
純な 良い指揮者でしたね

https://www.sanspo.com/article/20240210-DPUQ77JPCVGQRGJA4RMX23JBTU/?utm_medium=app&utm_source=smartnews&utm_campaign=ios

☆私は むかし日比谷公会堂の前席で聴いたオールモーツァルトプログラム(新日フィル)がいちばん愉しくて すぐに思い出す演奏会。たしかバーバラ・ヘンドリクスも出ていた記憶。ああいう世界の一流が セイジのためなら という感じで集まる… そういう徳(音楽に対するひたむきさ)を持っていた人だったと感じます。

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https://www.youtube.com/watch?v=5G7Vc0zFnOM

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『隆明だもの』

[1] KZ :2024/02/08 15:47 No.448
『隆明(りゅうめい)だもの』

ハルノ宵子
2023年12月 晶文社刊

☆現在も刊行中の『吉本隆明全集』(晶文社)。その月報に連載された著者・ハルノ宵子(吉本家の長女。マンガ家、エッセイスト)のエッセイ、7年ほど前のインタビュー、そして次女である作家・吉本ばななとの 直近の対談で構成されている。父親である大思想家(よしもと・たかあき)の逸話や 娘たちの目から見たこの独特な家庭(四人家族)の姿がリアルに、ストレートに(遠慮も会釈もなく)語りだされていて興味深い。

☆吉本家の両親はそれぞれが 身の内に超人的なエネルギーを抱え持った人だった。成し遂げた仕事も大きかったが、時としてぶつかり合う際の火花もまた尋常なものではなかった。時としてそれは姉妹に生々しい恐怖をもたらすほどのものだった。(それゆえ 姉妹は親と顔を合わさぬよう 二階の窓を出入り口とした時期さえあったという。)
それでも 今から思うと(両親はともに2012年に逝去) 互いにこうした凄まじい熱量を持っていたからこそ ペアとして釣り合った存在だったとも思えると言う。
(またハルノさんは こうも言う。もっと根本から言うならば、父は本来(天性)孤独の人なので、常にもう一人と関わらなければならない結婚など するべき人ではなかった、そういう人なのです。)

☆二人の仲違い(齟齬)が嵩じると 母親は一切口をきかないどころか 風呂場のガス栓を捻ったことさえある。それが脅しや一時のポーズなどではなかったこと、母親は真に恐怖の人だったことも 姉妹ともがさらりと認めている。父親は 自分の非を認めたら 次女のアドバイスを受けてあらためて小さな指輪を買い、丸坊主になったこともあるという。(それを伝え聞いた母親は「バカね」と言ってプッと噴き出したという。)

☆やはり老境に入ってからの逸話が 興味深いものが多い。長女は両親を最後まで ほぼ自宅(文京区内)で介護した。特に母親・和子(俳人)は もともと結核などの持病があり、かなり早くから介護が必要な状態になった。(父親は長く糖尿病を患い、晩年はほとんど視力を失っていたのだが、己の意思で最後まで介護認定を受けなかった。亡くなる直前まで 紙パンツを自分で穿こうとしたという。) 
そのため長女は自身の主たる仕事(マンガ)を 中途からほぼ諦めざるを得ない状態となった(全力を傾注することはできなくなった)。もちろん次女も介護を手伝おうとしたのだが 病床の母親は「あなたじゃない、さわちゃん(長女)を呼んで」とはっきり言った(拒否した)。次女は もう自分にはこの家に居るところが無くなったと感じて家を出ることにした。
姉のほうは 妹は介護から逃げたのだと感じてきたが、妹はけしてそうではなくて 自分の方が家から(自然に)押し出されたのだと断言する。

☆けれどもその分 妹は経済的に大きく父母の介護に貢献した。両親は度重なる入院の際などに、やはり個室でなくては無理だと訴えた。それゆえ トータルすれば尋常ならざる医療費を妹は負担することになった。入院した医大病院の 新館部分はほぼ自分が建てたようなものだとマジで言うほどに。
そのために どんなに意に沿わない仕事でも次女は進んで引き受け 目一杯働いた。生涯あんなに(馬車馬の如く)働いたことはなかったと。
姉も妹も できる限りをやり切った。だからこそ ともに六十代になった今 取り立ててどんな悔いも残っていない。どんなことも隠さずに話せるという気持ちになれた。
そういう二人の思いは 読んでいるこちらにも自ずと伝わってくる。

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「犯罪ですから、自首せえ!」

[1] KZ :2024/02/05 12:18 No.447
大石さん NHK で吼えたんだね  その通り(自民全員脱税犯)ですけどね❗️

☆浜コーjrが必死でシカトしてるのは分かるけど、安住珍念が脱税追求どころかせっせと火消し役に回ってるとはね… ほんとに立民 もはや存在自体がマンガだね、早く死んだほうがいいねえ!

https://asagei.biz/excerpt/70852

https://x.com/costa_rica727/status/1754304246881919007?s=20

https://www.youtube.com/live/VDUyGNnn2Qg?si=pJfKkzj5jGfF7NNZ


☆追記  2/5

せめて立民が自主投票にしていたら 京都市民の味方・福山さんが勝っていた。ここでも立民は自公と組んで 明瞭に市民の敵になった。

https://www.nhk.or.jp/senkyo2/kyoto/20227/skh54555.html

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研ぐ米の

[1] KZ :2024/02/04 13:51 No.446
今週の『東京歌壇/俳壇』から  (東京新聞)


☆棚卸しだるいっすね、を言っていい先輩が辞めちゃってだるすぎ
            相模原市  遠藤健人

⚫︎たしかにね いやになるわなあ そんな状況!  よくあることだけど… 勤め人はつらいっすね

☆研ぐ米のシンクに落ちた数粒が悲しくさせる一人暮しは
            入間市  須田光子

⚫︎大きなことではなくて ほんの小さなその数粒こそが ひとりの悲しみを呼ぶのだと。
しかとこころのそこを詠んだ秀歌

☆母が怒鳴るときに口の中に香るバニラエッセンスがおいしかったな
            蕨市  井上稜太

⚫︎えらく怖いときに それを柔らげる心身の機制がきっと発動するんでしょうね。
バニラエッセンスがおいしかったと。人間は不思議だなあと思います

☆日没に置いて行かれて不自然な転調のある母の鼻歌
            文京区  小亀令子

⚫︎子どもは本当におかあさんの一挙手一投足まで見つめているんですよね  ああ 鼻歌まで転調したぞと。  愛しているんですよ つまりは

☆資本主義経済の中の〈すごい〉には含まれていないすごい夕焼け
            富士見市  松本尚樹

⚫︎さぞや豪奢な夕焼けだったんでしょうね🌆
私も見てみたかった そのcapitalism の外の夕空を

☆しばらくは暮らしてみるからそれらしい由来ができたら耳打ちをして
            大阪府八尾市  瀬戸口祐子

⚫︎これだけでは何が何やらさっぱりなのですが… いつのまにかその「由来」を じっくり聴いてみたくなるような不思議な歌です。 
歌全体が 心の揺れの暗喩になっているような気がします。

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☆老人の乱歩を読むや褞袍(どてら)着て
            川口市  高橋まさお

⚫︎ほんとうに着てるかは別にして いかにも似合いそうな読書風景ではあります。
乱歩が天井裏で笑っていそう

☆的までの長き一秒弓始
            中野区  中村弘一

⚫︎年の初め 緊張の第一矢
 澄んだ寒気のなか 静かな武者震いが伝わってくるようです

☆買出しのついでに映画小晦日(こつごもり)
            港区  奈良雅子

⚫︎年の暮れのあわただしさ その隙間の小さな息抜き!   良い句ですねえ

※ こつごもり
大みそかの前日。陰暦では12月29日、陽暦では30日。《季 冬》「翌 (あす) ありとおもふもはかな小晦/蝶夢」   (デジタル大辞泉)

☆二日はや吾子は夜勤の白衣着て
            埼玉県日高市  稲子禮子

⚫︎正月も 早い始動なんですね  無事で行けよと母の声

☆歯の抜けし小学生と初笑
            練馬区  木津川珠枝

⚫︎スカスカの歯と大笑い  まあまあ 楽しそうなお正月ですねえ

☆蓆(むしろ)目の着きし丸餅届きけり
             茅ヶ崎市  清水呑舟

⚫︎田舎はどちらでしょうか  懐かしくておいしい丸餅の蓆目よ

☆思へども言はず福笑ひの空似
             府中市  佐野一郎

⚫︎言わずに我慢しすぎると苦しいでしょう(笑)
 読んでるだけでも吹き出しますからね(笑)

☆雪礫(つぶて)人気投票のごとく飛ぶ
             横須賀市  丹羽利一

⚫︎ワーワーと遊んでいるうちに ふと気付くと… ということでしょうか   不思議なものですね 雪合戦も

☆とりあへず立つてはみても冬籠
              神奈川県大和市  今関十三里

⚫︎えいやと立ってはみたが、さてこの冬をどうしよう…
 生きまどい、行き惑う姿を一筆に詠んで まさに秀逸 

………

  



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