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投稿者:KZ
今日の『東京歌壇/俳壇』から   (東京新聞) ☆遠浅の青を行きなよ ローファーをしずかに降りた春のあしくび           武蔵野市  北谷雪 ⚫︎いい季節になった  遠浅の海も爽やか  久しぶりに 白い素足が波に遊んでいる  脱いだローファーは砂の上 ☆ベランダに母がいる気がしたけれどただ風にはためくバスタオル           文京区  小亀令子 ⚫︎連想の遠い母よ  でもどこにでも お母さんの思い出は甦る ☆この夜を拒むかたちで広げたい 薄紫に捻れた傘を            北区  土居文恵 ⚫︎そのじつは とても繊細なエロティシズムに満ち満ちた歌に聴こえる  多義多様な奥行きをはらんだ秀歌    ☆ゴールデン街に春だけある造花私はいつまで人間だろう            新宿区  凡太郎 ⚫︎ご当地での 春の感慨ですね (花園神社からの取っ付きの狭い二階 われわれの仲間だった人がお店をやっていました。よく飲みよく叱られました。  その姉御も 今はもう天の花です) ☆街灯のすくない道で夜桜のうすぼんやりを兄と眺めた            横浜市  永永キヌ ⚫︎懐かしい兄妹の夜桜  薄ぼんやりと浮かぶ、けれども忘れられない深い想い出なんですね ☆似たようなそれでいて違う紺色のスーツの新入社員ら並ぶ            大田区  菊間まさお ⚫︎たしかに紺ほど じつは様々な色あい風あいのスーツはないのですよね  ずらりと並ぶ若者たちよ! ☆辻馬車のように乗り合う人達と会話が弾むオンデマンドバス             町田市  みなみくみこ ⚫︎愉しい当代の辻馬車    いいですねえ のんびりと揺られながら 今日もおしゃべりに花が咲く ☆道のべの道祖神(ふなとのかみ)に手を合はせ風を聞きつつ願懸けにけり              大磯町  大久保武 ⚫︎ふなとのかみは 船渡ノ神でしょうか  海からの風を聞きつつ 静かに祈る道の辺の神 ☆よいしょってそりゃあ言うよな十キロの米を持ち上げてレジに通すとき              柏市  遠野鈴 ⚫︎たしかにねえ(笑)   美味しい柏の米をたっぷりといただく  幸せな地産地消だと思うのですが ☆病む兄を遠くにもてば一呼吸心整えスマホ手にする              新座市  田中美登 ⚫︎ゆっくりと ひとたび息を整えてから…  大切なお兄さんへの想いが ひしと伝わってきます ……… ☆声のよき鶯餅を買ひにけり              杉並区  土方けんじ ⚫︎もしや餅が鳴くのかと一瞬だまされ それからにやりと読みなおす…    さぞや美味しい鶯餅なんでせう(笑) ☆青空の明日を待ちたりチューリップ              松戸市  杉田陽子 ⚫︎晴天にいと鮮やかな満開を ほんとうは人間のほうが待っているのですよね ☆田螺(たにし)鳴くきのふの水のうすあかり              国立市  水面叩 ⚫︎か細い不思議な声が これまたおぼろな水のなかから聞こえてくるのだと  どこまでほんとうだかわからないユーモア 一句 ☆春の陽に洗濯物の手足伸ぶ              石岡市  木全史 ⚫︎洗濯物まで 今日は伸び伸びとひるがえる  いい季節ですねえ❗️ ☆スタートも再スタートもどれも春              土浦市  今泉準一 ⚫︎どれも春… やさしくて大らかな祝福に敬意を表します ☆スと抜けた最後のティッシュ窓は春              横浜市  ペコリーノ ⚫︎おお おお きれいな一枚だねえと  ふと見あげれば 春もたけなわ ☆淡路島産新玉葱の濃きスープ               土浦市  今泉準一 ⚫︎いいエキスがたっぷりと出て 今夜のオニオンスープは最高〜❗️ ですね ……… 道の駅しょうなん(柏市)にて              
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