近畿植物同好会 掲示板
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オオカラスウリ? 山本和子 投稿日: 2023年12月27日 17:13:08 No.1054 【返信】

昨日の朝刊「鈴鹿・亀山版」に、「亀山でオオカラスウリ?」の記事が掲載されました。オオカラスウリに興味があったので今日探しに行きましたが、場所は分かりませんでした。でも鈴鹿川の別の場所でオオカラスウリらしいものを見つけ、果実(液果)をひとつ採取し、家に帰ってから種子を確認すると柿の種のような形で、カラスウリではないことがはっきりしました。比較の為に採取したカラスウリの果実はまだ熟し切っていないようで残念ですが、種子はカマキリの頭のような形です。紀伊半島が分布の東限とみられてきたオオカラスウリだとすると、分布が少し北上したといえるようです。来年花が咲く頃にまた観察に行ってみようと思います。

写真は河原のメダケ群落に生えているオオカラスウリ?と、オオカラスウリ?とカラスウリの果実の比較写真です。


相良真佐美 投稿日: 2023年12月27日 17:55:16 No.1055
山本和子さん紹介のオオカラスウリ?は、昨日の中日新聞Webに掲載されていました。

https://www.chunichi.co.jp/article_photo/list?article_id=828089&pid=4255649

 ※本文記事は中日新聞紙面の定期購読者会員限定です。
 
藤井俊夫 投稿日: 2023年12月28日 15:57:02 No.1056
オオカラスウリ:Trichosanthes laceribractea Hayata
紀伊半島以南の太平洋側の川沿いの土手に生育する雌雄異株のツル性多年草。

サイエンスミュージアムネットに、以下の標本がある。
https://science-net.kahaku.go.jp/
神奈川、静岡、和歌山、兵庫、徳島、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄

神奈川は、神奈川県植物誌2018によると、1985年の標本で、一時的な移入としている。

静岡県は1995年の標本で、富士市比奈須津川としている。

河川の周辺なので、あってもよさそうだ。

徳島は私が採集した標本だった(鳴門市、吉野川の土手)
和歌山でも由良町で採集されている。おそらく由良川沿いと思われる。
東限は静岡になる。北限は静岡になるか?
レッドデータには、和歌山、兵庫、徳島、愛媛、高知、長崎が挙げられている
日本のレッドデータ検索システム
http://jpnrdb.com/

●オオカラスウリと他のカラスウリの見分け方。●

カラスウリは赤色に熟する。種子の形が違う。
https://matsue-hana.com/hana/karasuuri.html
キカラスウリは黄色に熟する。果実表面は模様が無い。種子は扁平な扁楕円形で黒褐色。
https://matsue-hana.com/hana/kikarasuuri.html
https://blog.goo.ne.jp/pea2005/e/11f2f69636516486a3e5d9cbc48b7a8e
モミジカラスウリは黄色に熟する。果実表面は模様が無い。種子は薄い茶褐色で平たい円形。
https://uetai.web.fc2.com/Plants/P-Glass/momijikarasuuri.html
オオカラスウリは黄緑色から橙黄色に熟する。果実表面は大小の不定形の模様がある。
https://blog.goo.ne.jp/miracle_nature_amami/e/f6c0a7ead3f5c6cd5124d2d58fe9e280

種子の比較
カラスウリ、キカラスウリ、オオカラスウリ
http://aodamo.info/momijikarasuuri.htm

●添付の分布図は、以下の書籍より
小林禱樹。1992.淡路島の植物誌。自然環境研究所。に、分布図が載っています。
静岡の標本は1999年採集なので、載っていない。


ダウンロード197オオカラスウリ分布図(1992) ( .pdf / 137KB )


「らんまん」総集編を一挙放送 相良真佐美 投稿日: 2023年12月26日 09:58:35 No.1053 【返信】

「らんまん」前・後編を各1時間25分に圧縮した総集編が、12月30日に放送されます。

●2023年12月30日(土)
  午前7時20分から午前8時45分  前編
  午前8時45分から午前10時10分 後編

https://www.nhk.jp/p/ranman/ts/G5PRV72JMR/


BS-TBSで12月24日(日)牧野博士の番組を再放送 相良真佐美 投稿日: 2023年12月22日 08:00:52 No.1048 【返信】

菊川怜が『牧野博士が植えてきた「日本植物学の種」は令和の今、どの様な形で花を咲かせているのでしょうか・・』と、
文京区小石川植物園、練馬区立牧野記念庭園、高知県立牧野植物園を訪問したそうです。
この番組は、9月20日(水)20時~テレビ高知で放送されましたが、私は見ていません。

 ●12月24日(日) 午前10:00~11:00  BS-TBS ドキュメントJ
  #211『はかせが植えたモノ ~草木の精、牧野富太郎の教え~』
  https://bs.tbs.co.jp/news/documentj/

どんな放送か楽しみです。
相良真佐美 投稿日: 2023年12月24日 23:40:51 No.1052
放送を見ました。菊川怜が、関連の植物園や大学を回り、分かりやすくて、しっかりした取材でした。

スエコザサは1927年12月1日に、牧野博士が仙台市三居沢で発見しましたが、アズマザサの変種で、その違いがよく分かっていませんでした。
東北植物研究会の上野雄規会長に仙台のスエコザサの自生の群生場所に案内してもらうシーンでは、現物を手に取っての説明で
「スエコザサの葉は、ねじれて表面に毛があり、アズマサザの葉は平らで表面に毛がない」と比較して違いがよく分かりました。
参考文献「日本の固有植物」の分布図で、どちらも主に東北地方に生育していることも確認しました。

番組の最後の方で、生家があった酒蔵岸屋(ドラマでは峰屋)の跡地に「マキノ蒸溜所」を造り、
焼酎にスエコザサをメインに漬け込んで蒸溜した「マキノジン」の紹介がありました。
ジンのラベルにはスエコザサを持った牧野博士が描かれ、なかなか楽しかったです。
https://www.makinogin.com/




コキクモの越冬 伊吹寛子 投稿日: 2023年12月24日 11:45:33 No.1051 【返信】

 巨椋池干拓地で私がこの2年間見てきたキクモ類については、この掲示板No.772の拙稿またNo.971で相良さんが書いて下さっているように、角野康郎先生にコキクモと同定していただけました。そのコキクモについて資料では多年草・一年草の両方の記述が見られます。種子は無数にできますので次の年の発芽は考えられますが、多年草の可能性を調べてみたいと思い、昨年の冬、コキクモを見つめていました。

 昨冬のことをなぜ今頃掲示板に?ですが、恥ずかしながら知識不足で、最近になってやっと水草の越冬芽という物の存在を知る機会がありました。畏れ多くも今年の11月12日花明山植物園の澤田園長代理に深泥池で除去された大量のオオバナイトタヌキモに混じっていたタヌキモの越冬芽(写真1)について教わり(この後、タヌキモは深泥池に戻しました!)、また12月18日に角野康郎先生が琵琶湖の水草の越冬芽のことに言及しておられるのを読んだのです。ハッとして、私が見ていた不可思議だった塊は、コキクモの越冬芽かも知れないと思いました。アクアリウム用にアンブリアとして売られている水草「キクモ」の仲間ですから、越冬芽ができて何の不思議もないのでしょうけれど、キクモ類の越冬芽についての資料は見つからず、昨冬のコキクモの様子をご覧いただくと同時に、越冬芽かどうかお教えいただければと願った次第です。

 前置きが長くなりましたが、2022年12月初めまで、紅葉して赤紫になった葉に、普段より赤味の増した可愛い花をつけて頑張っていたコキクモも(写真2)、霜がおりると弱り始め枯れました。その少し前の11月初めに数株を持ち帰り、我が家のベランダの荒木田土と水少量を入れた容器に入れました。稲刈り前から何か月も水を抜かれた田圃に生育していましたので、抽水葉のみで水中葉はほとんどついていませんでした。
 
写真3 容器に水を1.5㎝ほどの深さに入れたので、水に浸かった茎の途中から芽が出て水中葉を展開し始め、その先に現在は越冬芽かと思う黒い塊がつきました。写真右端の赤い物が、田から取って来て植えた抽水葉をつけたコキクモ、左がその後に出てきた水中葉と越冬芽?です。

写真4 黒い塊が気になって小さいのを一つ取り出してみると、茎にはしっかり抽水葉と思われる葉をつけた茎が立ち上がり、根も出ていました。私が時々水を張るのを忘れるので、抽水葉になったかと思います。いずれにしても、1年草として枯れてしまうことなく生育していると思えました。 

写真5
水ぬるむ頃の越冬芽?をつけた水中葉の様子です。

写真6
6月には水中に伸びた茎から次々に芽が出て、水から出るとキクのような葉をつけると同時に、写真4同様、根を下ろして成長し始めました。田圃で今年初めてコキクモを見たのは、田に水が張られイネがグングン成長していた7月12日でした。

私が見た範囲ではコキクモは少なくとも水分があれば多年草の形をとると言えるかと思いますが、ベランダでの拙い観察の一例ですし、越冬芽についてを含めて、お教えいただけましたら幸甚でございます。

写真1:2023年11月12日 タヌキモ越冬芽 深泥池
写真2:2022年11月28日 紅葉 
写真3:2023年1月18日 越冬芽?
写真4:2023年2月24日 
写真5:2023年4月11日 
写真6:2023年6月18日




ブナ 西村徹也 投稿日: 2023年12月22日 23:32:21 No.1050 【返信】

本日、2023.12.22(金)、雪の金剛山を歩いてきました。
ブナ(橅、ブナ科ブナ属)の葉がほとんど落ち、半寄生しているヤドリギ(宿り木、ビャクダン科ヤドリギ属)の緑の葉が目立ちました。よくみると、ヤドリギの黄色い果実が沢山ついていました。
正午前の山頂の気温は、-6℃でした。ふらふらになって国見城址にたどり着きました。猛烈な向かい風でしたが、大阪城が鮮明に見えたので元気になりました。かじかんだ手でなんとかカメラのシャッターを押すことができました。

【1枚目の写真】=ブナ(標高約1068m)
【2枚目の写真】=ヤドリギの果実(標高約1068m)  
【3枚目の写真】=大阪城(画面中央);国見城址(標高約1079m)より 




不明種:名前を教えてください 藤井俊夫 投稿日: 2023年11月26日 16:37:20 No.1029 【返信】

先日(11月25日)、兵庫県加古川市のため池を調査していたら、見慣れない小さな植物が、干上がった、溜池にカーペット状に生えていました。
何でしょうか?
渡り鳥がやってくるので、外来の可能性があります。


投稿日: 2023年12月01日 09:47:13 No.1030
お見事に群生しているアブノメに見えました。
ご意見ありがとうございます 藤井俊夫 投稿日: 2023年12月01日 15:34:54 No.1031
花柄の有無、長さ、果実の形状などが違い、以下の4種には該当しないと思います。

●オオアブノメ:Gratiola japonica Miq.:花柄が無い。果実は球形。
図(Flora of China) 
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=3480&flora_id=2

●アブノメ:Dopatrium junceum (Roxb.) Buch.-Ham. ex Benth.:花柄は長く無毛。果実は球形。
図(Flora of China)
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=4416&flora_id=2

●サワトウガラシ:Deinostema violaceum (Maxim.) T.Yamaz.:花柄は長く、有毛。果実は楕円形。
図(Flora of China)
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=4409&flora_id=2

●マルバノサワトウガラシ:Deinostema adenocaulum (Maxim.) T.Yamaz.:花柄が長く、無毛。果実は丸く、萼と同長。
図は見つからず。


不明種:花柄は短く、萼と同長、無毛。果実は丸く、萼と同長。
上記、どの種にも当てはまりません。
投稿日: 2023年12月01日 21:10:05 No.1032
詳しいことはわかってないのですが、下部に付くアブノメの閉鎖花には花柄は無かったと
観察していました。
不明の植物は、アクアリウムから逃げ出した「ドリマリア・コルダータ」、現在は(Lindernia rotundifolia 藤井俊夫 投稿日: 2023年12月22日 17:51:28 No.1049
不明の植物は、アクアリウムから逃げ出した「ドリマリア・コルダータ」、現在は(Lindernia rotundifolia」か?

以下のsiteによく似た植物が載っていました。
ドリマリア・コルダータ:Drymaria cordata(通称):dol maria plants(→Caryophyllaceaeなので、明らかに違う種を指す)
 英語版Wikipediaを参照のこと
●リンデルニア・ロトンディフォリア:Lindernia rotundifolia(アゼナ科)
**************************************************************
●杜若(とじゃく)園芸
https://www.akb.jp/c/suisei/
★ドリマリア、で載っている。
和名 : -
科名 : アゼナ科
学名 : Lindernia rotundifolia
別名 : -
分類 中景草
形態 上に伸びるタイプ
特性 有茎草
草丈 切らなければどんどん伸びます
原産地 アジア、アフリカ
商品規格 6.5cmプラポットソイル植え
CO2添加必要度 少なくても可
光量 普通
難易度 普通
備考 丈夫な水草で育成は容易な水草です。丸い小さい葉をつけるので葉の大きな水草と合わせると変化を楽しめます。
**************************************************************
●Linderniaのmonograph
https://www.phytojournal.com/archives/2021/vol10issue5/PartA/10-4-85-165.pdf

●分布(南米、インドなど)
Kew Garden の Plants of the World Onlineより
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:1061345-2

●水草やアクアリウムの通販siteに載っています。
以下は、外国の通販siteの例です
https://www.aquasabi.com/Lindernia-sp-India
**************************************************************
やっぱり私がにらんだ通り、日本在来のアブノメ(Dopatrium junceum)ではないようです。
閉鎖花が着くのは、ブノメだけに限定されないはずです。
オオアブノメ類、アゼナ類も閉鎖花をつけます。
また、日本産の種に限定するのもおかしいと思います。最初に外来の可能性を指摘しています。

****************●以下は、近似種(?)の閉鎖かについての記述です●**********************************************
●好野奈美子・注光熙・冨永 達。2007.水田雑草アゼナ,アメリカアゼナ,タケトアゼナおよびスズメノトウガラシの入水日の違いによる発生期間および開花期間の比較。
東北の雑草 7 : 21 -26 (2007) 。
https://wssj.jp/~wsstj/pdf/tohoku_weed7_21.pdf#:~:text=
●オオアブノメ(閉鎖花の記述がある)
西宮の水生・湿生植物
http://plants.minibird.jp/hydrophytes/plants/shissei/a_gyou/ooAbunome/ooAbunome.html
●アブノメ(閉鎖花の記述がある)
西宮の水生・湿生植物
http://plants.minibird.jp/hydrophytes/plants/shissei/a_gyou/abunome/abunome.html

2週間も、費やしてしまった。
今日は、これから忘年会だ。


カンエンガヤツリを採集する 水田光雄 投稿日: 2023年12月18日 18:42:40 No.1044 【返信】

冬将軍到来、植物観察オフシ-ズンの話題提供です。

 本年(2023)9月30日、兵庫県南東部の武庫川で不明の大型のカヤツリグサ属の一種を採集した。
帰宅後、手持ち資料やHP等で検索して同定した結果カンエンガヤツリと判断した。
本県ではRDB種「要注意種」とされている。

 後日、兵庫県立人と自然の博物館に出向き、当博物館に収蔵されている本県の標本について調べたところ、
今から40年程前の西宮市で採集された標本が収められていが、
今回生育のあった場所は別な場所でした。

 本種は全農教日本帰化植物図鑑第2巻P.371には、在来種として
茨城県取手市の写真が、また帰化種として三重県鈴鹿市の写真が掲載されてる。
分布は、東南アジアから中国、朝鮮半島に広く分布するもので、
和名命名者は、牧野富太郎博士に因るものです。

 我が国での分布は、HPで調べたところ関東~東北地方にかけ確認されているが、
西日本では全く無い。
この片寄った分布の違いをどの様に解釈したら良いのか疑問に思っている。

 本種は水鳥分散と考えられているが、古くには繊維植物として利用されており、
栽培等からの逸出が考えられ、この様な状況下での分布拡大もあると思われる。

 これに関連して、県立人と自然の博物館の藤井俊夫研究員が、
万葉集の忘れ草(ノカンゾウ、ヤブカンゾウ)は、カンエンガヤツリのことである
と言う合理的な説明が公開されている。
以下、HP等参考の事。
 この事から、我が国には万葉の時代から渡来品(意図的、非意図的)があったものと解釈できる。

 会員の方で、関東地方以外、西日本の近畿、中国、四国、九州地方での
採集経験のある方がおられましたら情報提供をお願いします。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/202212/0015901639.shtml
https://www.hitohaku.jp/material/dayori20221219.pdf
藤井俊夫(2023) 近畿植物同好会々誌第46号P.41-42、
        万葉集の植物に関する考察2「わすれぐさ」


カンエンガヤツリの標本による日本での分布:年代別 藤井俊夫 投稿日: 2023年12月19日 13:34:05 No.1046
かんぞう「萱草」は、カンエンガヤツリだけを指していないかもしれません。
ヌマガヤツリを含めて、韓国では「萱草」としています。
以下の文献を参照のこと。
森田潔。1964.朝鮮産萱草(ワングル)の特性と作物学的分類に関する研究。育種学雑誌。14(4):218-220.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbbs1951/14/4/14_4_218/_pdf/-char/ja

★茨城県農業試験場で栽培している。
この栽培個体群から逸出したと考えるのが妥当ではないか?

カンエンガヤツリ:Cyperus iwasakii → Cyperus exaltatus
ヌマガヤツリ:Cyperus glomeratus

************************************************************

●カンエンガヤツリの世界の分布(plnats of the world online)
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:77169661-1#distributions
日本でのRDB指定:東北、関東、山口
http://jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=06050306392
短命な多年草。
偶発的に生えることが多く、攪乱後に大群落が出現することもある。
★東北地方の分布は、茨城農業試験場から逸出した(渡り鳥によって散布された)と考えれば説明が着くと思います。
最近になって、関東から東北の各地で採集されている。1960年代以降。

カンエンガヤツリ標本の採集年(サイエンスミュージアムネットより)
https://science-net.kahaku.go.jp/

1893年:台東区、千代田区(高知県立牧野植物園所蔵)★合計2枚
1910年代:台東区★合計1枚
1920年代:和歌山県新宮市(2枚)★合計2枚
1930年代:茨城県、東京都台東区4枚、★合計5枚
1940年代:東京都葛飾区1枚、台東区1枚、★合計2枚
1950年代:青森県(1枚)、山形県(3枚)、埼玉県(1枚)、東京台東区(14枚)、千葉県柏市★合計20枚
1955年。●A. P. G. 15(1): 11 (1955)に、カンエンガヤツリが掲載。ここから日本で一般に認知されたか?
1960年代:東京都(3枚)、千葉県(2枚)、茨城県(2枚)、埼玉県(1枚)、三重県(1枚)、沖縄県(1枚)★合計10枚
*****************************●森田が、茨城県農業試験場で実験を行う●*****************************
1970年代:山形県(5枚)、茨城県(4枚)、群馬県(1枚)、埼玉県(2枚)、千葉県(10枚)、栃木県(3枚)★合計25枚
1980年代:山形県(1枚)、神奈川県(9枚)、千葉県(20枚)、東京都(16枚)、栃木県(5枚)★合計50枚
1990年代:茨城県(9枚)、埼玉県(14枚)、神奈川県(14枚)、千葉県(17枚)、東京都(2枚)、栃木県(1枚)、福井県(1枚)★合計58枚
2000年代:秋田県(1枚)、宮城県(10枚)、山形県(2枚)茨城県(12枚)、埼玉県(4枚)、神奈川県(5枚)、千葉県(2枚)、東京都(2枚)★合計35枚

●東北から和歌山までの各地で採集されています。
最初は牧野富太郎が台東区で採集している。高知県立牧野植物園収蔵
さすが!!
和歌山の標本も高知県立牧野植物園収蔵
おそらく南方熊楠か、その知人を介して牧野に送られたたものと考えられる。

山口県の「レッドデータブックやまぐち2019」に載っていました
https://www.yamaguchi-rdb.com/site/redlist.php?category=Vascular
絶滅危惧Ia類(CR):カンエンガヤツリ

************************************************************
補遺(近似種)
●ヌマガヤツリの世界の分布(plnats of the world online)
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:304626-1
日本でのRDB指定:北陸から中部、近畿
http://jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=06050306396
1年草。
藤井俊夫 投稿日: 2023年12月21日 15:04:37 No.1047
水田様                

カンエンガヤツリについての追加情報です。
北隆館発行の資源植物事典(1989:増補改訂版)に、【ワングル】の記述がありました。
その中に、上野不忍池で牧野富太郎が明治25年に発見、牧野によれば「水鳥が朝鮮からもたらした」という。
昭和の初めごろから北海道、東北、新潟などで栽培が試みられたとありました。
関東から北の分布は、人為的な移入が濃厚です。
添付のPDFを参照のこと。

●カンエンガヤツリの原記載です
Makino,T. 1892. Notes on Japanese Plnatns XV. Bot.Mag.Tokyo. 6(60):45-66.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/6/60/6_60_45/_pdf/-char/ja
47pに、Cyperus iwasakii sp. nov.として、和名:カンエンガヤツリとしている。産地は、武蔵、東京としている。

●小山鐡夫がA. P. G. 15(1): 11 (1955)で、学名の組み換えを行っている。
p11.でCyperus iwasakiiをCyperus exaltatusの変種にしている。
Koyama,T. 1955. Taxonomic Study of Cyperaceae in the eastern asia 3. Acta Phytotaxonomica et Geobotanica. 15(1):5-12.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/16/1/16_KJ00001077710/_pdf/-char/ja
in Makino B.M.T. 6:47

●1961年発行の牧野新日本植物図鑑にカンエンガヤツリの絵が掲載される。


ダウンロードカンエンガヤツリ(資源植物事典) ( .pdf / 246.1KB )


第32回 松下幸之助花の万博記念賞の講演会 相良真佐美 投稿日: 2023年12月19日 10:27:49 No.1045 【返信】

2024年2月3日(土)に、第32回 松下幸之助花の万博記念賞の講演会がリーガロイヤルホテル(大阪)であります。
会場は申し込み先着順200名です。Zoomでのオンライン参加もあります。
https://matsushita-konosuke-zaidan.or.jp/

<松下幸之助記念賞> 加藤 真 (京都大学名誉教授)
  花と昆虫――共に歩んだ2億年
  
<松下幸之助記念奨励賞> 山尾 僚 (京都大学生態学研究センター 教授)
  植物の“しなやかさ”に魅せられて
  
<松下正治記念賞> 田中 孝幸 (東海大学名誉教授)
  品種の起原を解く- ハルサザンカ‘凱旋’との出会い -
  
<松下正幸園芸賞> 長村 智司 (一般社団法人 フラワーソサイエティー 会長)
  鉢物培養土の軽量化、および市民活動による花・みどり環境の改善

パンフレット
https://matsushita-konosuke-zaidan.or.jp/pdf/pamphlet.pdf


三田市の公園でヤブツバキにヒノキバヤドリギが寄生 藤井俊夫 投稿日: 2023年12月17日 13:28:52 No.1040 【返信】

博物館で行われる「辰年のしめ縄づくり」の材料を採集しに近くの公園に行きました。
ヒノキバヤドリギが、植栽されたツバキに多数寄生していました。
(ツバキは山採りか?、隣には園芸のカンツバキが多数あるが、ヤブツバキは、この一本だけ。)
果実はこれから成熟するようです。

APGIII体系では、ヤドリギ科からビャクダン科に移されています。
(茎葉の着き方が十字対生なので、オオバヤドリギなどとは異質だと思っていたので、ビャクダン科になって納得した)

調査が行き届かなかったので、以下の文献には載っていない。
(イネ科、カヤツリグサ科は、あまり採集していない)
藤井俊夫。2008.深田公園の植物相。人と自然。19:135-142.
https://www.hitohaku.jp/publication/HN19-14-1.pdf
印刷された紀要からのpdf作成だったので、解像度が悪い。

親株に取り付いて発芽した種子もあります(最後の写真)。


辻本 穣 投稿日: 2023年12月17日 16:54:39 No.1041
ちょうど、2年前に近畿植物の観察会に初めて参加させて頂いた時に、マツグミを観ました。
それから、沢山の方にマツグミ、ヤドリギを教えてもらいましたが、栽培などは試した事ありませんが、興味深い植物の一つです。

今年は、沢山観察会に参加させて頂いたり、当園で開催してもらったり色々とお世話になりました。
知れば知るほど、無知な自分が露呈しますが、来年もお世話になると思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
奈良公園周辺のヤドリギ類 藤井俊夫 投稿日: 2023年12月17日 18:29:51 No.1042
奈良公園周辺の観察地図にヤドリギ類の生育地点が載っています。

大阪市立自然史博のミュージアムショップで販売している
https://omnh-shop.ocnk.net/product/14
自然観察地図[ 府外版 ] Vol. 2 南近畿編(13地点入り)
販売価格: 2,100円(税込) 在庫数 77
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1枚目:興福寺南円堂北側のマツグミ(20230521)
2枚目:飛火野東側のタマミズキ雄株(20230610)
3枚目:東大寺と二月堂の間のオオハンゲ(20230708)
4枚目:御蓋山:(若草山から:20230610)
    「明神は白鹿に乗って春日山に降り立った」とされている。この山は春日大社の裏山である御蓋山のこと。
    阿倍仲麻呂の詠んだ歌「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも」の三笠山は「御蓋山」のこと。
    「三笠山」の名称は明治以降につけられた。(山が3段の起伏があることから呼ばれたらしい)
5枚目:春日山原始林(若草山から:20230610)

奈良公園の自然観察地図をpdfで添付します

30年前には春日山原始林で照葉樹林の調査をしていました。
ヤマビルに血を吸われながらの調査が懐かしい。

参考図書
前迫ゆり(編)2013.世界遺産:春日山原始林ー照葉樹林とシカを巡る生態と文化ー。ナカニシヤ出版。京都。2500円。


ダウンロード20231217175533 ( .pdf / 329.7KB )
辻本 穣 投稿日: 2023年12月17日 19:34:18 No.1043
藤井 様

貴重資料を情報ありがとうございます。
明日、大阪自然史博物館で探してみます。


まるでタイムカプセル 植村 修二 投稿日: 2023年12月12日 11:03:57 No.1036 【返信】

2023年12月1日、近畿植物同好会観察会候補地の下見で、淀川右岸を、大阪メトロ西中島南方駅辺りから河口の矢倉緑地まで、友人の片橋久夫さんと歩きました。

西中島南方駅を出ると、辺り一面ビル街になっています。このような都心エリアにおいても、ビルの解体に伴い、ビル跡地には暫定的に空地ができます。そうすると、長年ビルの下で眠っていたタネが発芽することもあるようです。タイムカプセルのようなものと私は思っています。

今回もそのような事例に遭遇しました。厳重にサクが設けられており、中には入れませんがサク越しに覗いてみますと、あまり見かけないカヤツリグサ属の植物が生えていました。

これと同じ植物は、以前、水田光雄さんに兵庫県尼崎市のマンション解体跡地に案内していただいた時にも見ました。この空き地では、ギンセンカ、イチビ、ツタノハヒルガオが生えていました。全農教の『日本帰化植物写真図鑑 第2巻』(全農教)お持ちでしたら、P.184を見てください。ここに載せたツタノハヒルガオの写真はその時、撮影したものです。

周囲を見て回りますとツタノハヒルガオが柵に絡みついていました。尼崎市と同じ由来なのかもしれません。奥の方にはコヒメビエらしき植物もあったのですが、ちょっと離れていて、写真も撮れなかったです。


横川昌史 投稿日: 2023年12月14日 09:57:53 No.1038
植村さま

興味深いお話ありがとうございます。

少し話が変わりますが、都会のビル跡地や未舗装駐車場など「地面が見えるまとまった空地」は帰化植物にとっては良い感じの生育地になっているなぁと思っていました。
最近気にしているものだと、大阪市内で分布拡大中のオオヒカゲミズは建物を壊した跡地や未舗装駐車場にたくさん生えていることが割とあります。
ビルの下で眠っていた種子からの植物は考えたことがありませんでしたが、一時的であっても町中にできた空地は面白いなと思っていたところです。

写真1:大阪市天王寺区のオオヒカゲミズ
写真2:大阪市淀川区西中島7丁目の未舗装駐車場
写真3:写真2と同じ場所で繫茂するオオヒカゲミズ
写真4:大阪市大正区三軒家東の建物を壊した場所
写真5:写真4と同じ場所で繁茂するオオヒカゲミズ

横川昌史


オオヒカゲミズ、初上陸の場所? 植村 修二 投稿日: 2023年12月15日 17:36:22 No.1039
横川昌史さま

 大阪市淀川区西中島辺りまで、調査に来られているのですね。こんな所の植物を見ているのは私ぐらいだと思ってました。

 オオヒカゲミズは御堂筋線を北上中です。2021年には、東三国のマンション前の道路に面した低木の植え込み内に見たのが私が確認した一番北の記録です。いつ、神崎川を越えるだろうか?

 画像はオオヒカゲミズの上陸地点と思われる大阪港湾地域の画像です。以前は守衛さんが工場入り口におられ許可を得て、輸入穀物に伴う帰化植物を採集していました。しかし、今は法律で関係者以外立ち入り禁止になっています。したがって、種の確認はできなかったですが、植物体が黄緑色ですので、オオヒカゲミズと思っています。画像は2020年4月29日に、立ち入り禁止地区の手前から撮影しました。サイロからこぼれた小麦と一緒に生えています。




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