近畿植物同好会 掲示板
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現地で、図鑑もない状態で細かな変種などの区別点を尋ねられても、回答不能です。
名前を知りたければ、まともな(A3サイズで、花や果実付きの)標本を作製して、標本同定会の時に持参してください。
最近の標本同定会は、標本を持ってくる会員が少なく、手持無沙汰です。
または、大阪自然史博の標本同定会(毎年、8月に実施)に持参して下さい。

花や、葉だけの、、ゴミのような標本では同定出来ません、もう一度まともな標本をつくってきてもらうことになり、二度手間になります。
標本同定を依頼するときの基本的なルールです。
A3サイズの標本(花、または果実付き)。
採集年月日、採集地、採集者、を記述したラベル。
メモ(栽培か、野生か、樹木、草本の区別、落葉、常緑の区別など、標本では不明になる形質)も重要です。
*********************************************************
●チカラシバとアオチカラシバ
Y-listでは、以下の文献が記載されています。
 (平凡社・日本の野生植物)草本1: 101;
(保育社・原色日本植物図鑑)草本3: 369;
(講談社・Flora of Japan)4a: 169;
(至文堂・日本植物誌)205;

果実基部に着く、総苞毛が緑色のものを、アオチカラシバと呼ぶようです。
成熟段階で、総苞毛の色が変化するので、注意が必要。
旧版:日本の野生植物では、アオチカラシバを区別していません。
アオチカラシバは、園芸店で流通しているようです。

●三河の野草
https://mikawanoyasou.org/data/aotikarasiba.htm

現在、入手しやすいのは、長田(1989)日本イネ科植物図譜か?
Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng.
Syst. Veg. ed. 16, 1: 303 (1825);
Hitchc. in Lingn. Sci. J. 7: 228 (1931),
Man. Grass. U. S.: 708 & 924 (1935); Kitag.,
Lineam. Fl. Mansh.: 84 (1939);
Ohwi in A. P. G. 10: 274 (1941),
Fl. Jap.: 141 (1953), ed. Engl.: 179 (1965);
Masam. in Sci. Rep. Kanazawa Univ. 4: 240 (1956);
Y.N.Lee, Man. Kor. Grass.: 28, f. 4. 10 (1966);
C.C.Hsu in Taiwania 9: 53 (1963), 16: 295 (1971),
Fl. Taiwan 5: 590, t. 1442 (1978);
Hatus., Fl. Ryukyus: 678 (1971);
T.Koyama in E.Walker, Fl. Okinawa: 220 (1976),
f. alopecuroides, Grass. Jap. Neighb. Reg.: 377 & 521, f. 148 (1987),
ssp. alopecuroides; Osada, Ill. Grass. Jap.: 638 (1989);
Y.X.Jin in S.L.Chen, FRPS 10(1): 366, t. 111, f. 1-4 (1990);
W.T.Lee, Lineam. Fl. Kor. 1: 1390 (1996);
H.Y.Liu, Fl. Taiwan ed. 2, 5: 502 (2000);
Wipff, Fl. N. Amer. 25: 521 (2003);
Z.S.Qin, Fl. Pl. Herb. Chin. Bor,-Or. 10: 272, t. 122, f. 1-6 (2004);
S.L.Chen & S.M.Phillips, Fl. China 22: 550 (2006);
S.H.Chen et al., Ill. Grass. Taiwan 3: 135 (2017).
***********************************
●アオチカラシバ:Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng. f. viridescens (Miq.) Ohwi
ミクエルが、P,viridescensとして新種記載したが、大井が品種(forma)に組み替えています。
詳細は原記載:A.P.G.10:274(1941).を参照してください。
大井次三郎。1941.日本の禾本科植物 第二。GraminaJaponica 2.植物分類地理。10:261-274.(274p)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/10/4/10_KJ00002593917/_pdf/-char/ja

Y-listでは、以下の文献が記載されています。
(保育社・原色日本植物図鑑)草本3: 369;(至文堂・日本植物誌)206;
Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng. f. viridescens (Miq.) Ohwi
A. P. G. 10: 274, in textu (1941),
Fl. Jap.: 141, in nota (1953), ed. Engl.: 180, in nota (1965);
Hatus., Fl. Ryukyus: 679 (1971);
T.Koyama in E.Walker, Fl. Okinawa: 220 (1976);
Osada, Ill. Grass. Jap.: 638, in nota (1989);
W.T.Lee, Lineam. Fl. Kor. 1: 1391 (1996).
basion.: Gymnothrix japonicus [unranked] viridescens Miq. in Ann. Mus. Bot.
****************************************************************************
●(2)イヌムラサキシキブ
Callicarpa x shirasawana Makino
B. M. T. 24: 28 (1910)
ムラサキシキブ(Callicarpa japonica Thunb.)と、ヤブムラサキ(Callicarpa mollis Siebold et Zucc.)の雑種とされる
原記載文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/24/277/24_277_28/_pdf/-char/ja
小石川植物園で栽培個体から新種記載している。
ムラサキシキブとヤブムラサキの中間的な形質を示すので、雑種の可能性があると述べているだけで、雑種と断定したわけではない。
現在の技術では、DNA分析で雑種の判定が可能と思われるので、興味のある人は研究すればよいと思います。

●以下の文献が見つかりました
Hirokazu Tsukaya , Tatsuya Fukuda, Jun Yokoyama. 2003.
Hybridization and introgression between Callicarpa japonica and C. mollis (Verbenaceae) in central Japan, as inferred from nuclear and chloroplast DNA sequences。
Mol Ecol.;12(11):3003-11.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14629381/
★C.japonicaと、C.mollisが、浸透交雑した結果、C.x shirasawanaが生じたことが、DNS解析によって解明された。
●ムラサキシキブ
https://mikawanoyasou.org/data/murasakisikibu.htm
●ヤブムラサキ
https://mikawanoyasou.org/data/yabumurasaki.htm
****************************************************************************
(3)オニマツヨイグサ?
●オニマツヨイグサ
Oenothera jamesii Torr. et A.Gray
Fl. N. Amer. 1(3): 493 (1840).
Type: U.S.A., On the Platte or Canadian River (James).
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=250130358
基準標本はグレイ・ハーバリウム(GH)か?
https://kiki.huh.harvard.edu/databases/
POWO
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:294782-2

●オオマツヨイグサ
Oenothera glazioviana Micheli
in Mart., Fl. Bras. 13(2): 178 (1882);
Hoch & W.L.Wagner, Fl. Taiwan ed. 2, 3: 965 (1993);
W.Dietr. et al. in Syst. Bot. Monogr. 50: 107, f. 34 (1997);
C.J.Chen, FRPS 53(2): 64, t. 16, f. 1-4 (2000);
C.J.Chen et al., Fl. China 13: 424 (2007).

Type: Brasil, Rio de Janeiro, Tijuca (A.Graziou 2568, 7 Feb. 1868, P -Holo; BR, G -Iso).
Herbarium Code:Institution:Location
P:Muséum National d'Histoire Naturelle :France. Paris.
https://sweetgum.nybg.org/science/ih/herbarium-list/?NamOrganisationAcronym=P

Holotypeは、フランスのパリ国立自然史博にあるようです。
https://science.mnhn.fr/institution/mnhn/search?lang=fr_FR
Flora of North Americaの記載文。
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=240010125
POWO

★The native range of this species is a cultigen originating from O. elata × O. grandiflora hybrids in Europe.(POWO)
ヨーロッパで雑種ができたとしています。
O.elataとO.grandifloraの雑種。
●O.elata
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=250130354
(POWOより)
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:613687-1
●O.grandiflora
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=242416881
(POWOより)
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:613747-1

●マツヨイグサ属は、北アメリカに150種あるようです。
オオと、オニの記載文を読んでみたが、現物を見たことがないので、歯が立ちませんでした。


未記載種シライワアケボノソウ 相良真佐美 投稿日: 2023年10月15日 15:55:45 No.945 【返信】

九州大学 矢原徹一名誉教授から、10月15日 15:15に未記載種シライワアケボノソウの紹介がありました。

https://x.com/TetYahara/status/1713438552913277082?s=20


コバノショウジョウソウ再発見 水田光雄 投稿日: 2023年10月12日 17:29:08 No.939 【返信】

帰化植物友の会MLの皆様
植村様

兵庫県伊丹市の水田光雄です
新たにコバノショウジョウソウが生育しているのを見つけました。
私が先に情報を発した友の会ML No.3276(2007.9.1)生育地はマンションが無くなりました。
当時は、ショウジョウソウモドキと誤同定して投稿です。ここで訂正します。
本日、所属する同好会観察会(10/14)の下見で見つけたものです。
兵庫植物同好会
https://hyogoshokubutu.seesaa.net/article/500570407.html

生育は、伊丹市緑ヶ丘の幹線道路に付設の側道の空地で群生していました。
画像は以下に貼り付けました。
https://rara.jp/kinki55/

皆様からの色々な情報が掲示版にありました、同定に自信が持てました。
やはり、「百聞は一見にしかず」でした。




植生学会の案内(甲南大学)10月14日(土):一般講演 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月12日 12:40:55 No.937 【返信】

上記、学会が10月14日に甲南大学であります。
大会のsite
https://shokusei.jp/baser/congress/ASVS2023

当日参加:非会員(6000円)
下記、要旨集を参照。

要旨集のダウンロード
https://drive.google.com/file/d/1QRuw_NfYCU12qBQUCLRt1SUdUwKOZSQc/view
●近畿地方関係では
口頭発表で、箕面公園のシイ林、など。
ポスターでは、瀬戸内海のナミキソウ、尼崎中央緑地、などに関する発表があります。
相良真佐美 投稿日: 2023年10月12日 13:01:12 No.938
甲南大学でなく甲南女子大学ですね。


路面間隙に広がるコバノショウジョウソウ 植村 修二 投稿日: 2023年10月09日 01:16:32 No.923 【返信】

 3連休の後半は天気が良くなさそうなので一昨日<2023年10月8日>、以前、田中光彦さんに教えていただいた大阪府守口市のコバノショウジョウソウを見てきました。

 コバノショウジョウソウは目的地に着くまでに、道路両側の路面間隙に多数生えておりました。この状況からすると、今後、大阪市内へも広がっていく可能性があります。

 コバノショウジョウソウは大阪モノレール万博記念公園駅(大阪府吹田市)の線路内、敷石上に群生しており、守口市ではどのような場所に生育しているのか知りたかったのです、

 コバノショウジョウソウはよく似た熱帯アメリカ原産のショウジョウモドキE. geniculata Ortegaと誤同定されている場合もあります。全農教の『日本帰化植物写真図鑑 第2巻』の503ページ右下の植物はショウジョウソウモドキではなく、コバノショウジョウソウです。


ご参考までに 相良真佐美 投稿日: 2023年10月10日 01:04:45 No.930
北河内自然愛好会会報 「秋の淀川河川敷」 2018年10月8日 田中光彦さんのコバノショウジョウソウの記録では種枕caruncleで確認したとのこと
http://www.cc-net.or.jp/~ja3aeh/3shizen/3-3kitakawati/2-3kaihou/104kaihou.pdf

構滓さんの6月14日のコバノショウジョウソウのつぶやき
https://x.com/e_kamasai/status/1668943367856885761?s=20

Euphorbia dentata Michx.(コバノショウジョウソウ)の図 4-6 (Flora of China)
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=109311&flora_id=2
ショウジョウソウモドキ 植村 修二 投稿日: 2023年10月10日 15:34:34 No.931
相良真佐美さま

 関連する文献、教えてくださり、ありがとうございました。

 これらの文献にも書いてありますが、コバノショウジョウソウのタネには種枕があることで、それが欠けているショウジョウソウモドキと区別できます。

 植物体では、コバノショウジョウソウの葉の縁にきょ歯があることで、ショウジョウソウモドキと見分けられると思います。

 この2種はネットでも混同されています。また、全農教の『日本帰化植物写真図鑑』169ページにショウジョウソウモドキとして出ている2つの画像もコバノショウジョウソウです。

 参考に、自宅栽培のショウジョウソウモドキの画像、載せておきます。


相良真佐美 投稿日: 2023年10月10日 17:38:13 No.932
ショウジョウソウモドキは互生で、コバノショウジョウソウ は対生で、明らかに違いがあります。

The Royal Botanic Gardens, Kewの標本でもコバノショウジョウソウは対生です。
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30169241-2

【添付画像】Flora of China の画像から引用し、並べて表示


藤井俊夫 投稿日: 2023年10月10日 18:03:15 No.933
以下の投稿の写真について。

ショウジョウソウモドキ 植村 修二 投稿日:2023年10月10日 15:34 No.931
植村さんのショウジョウソウモドキの写真ですが、後半の2枚は、種類が違うような気がします。
ショウジョウソウ(猩々草:ポインセチア)の緑化型ではないでしょうか。
4枚目までが、ショウジョウソウモドキ、5-6枚目が園芸で栽培されるショウウジョウソウ(ポインセチア)の緑化型と思います。

ショウジョウソウモドキと、コバノショウジョウソウとの違いは、
Flora of Chinaの記述では、茎の下部の葉が、互生か対生かで区別するとあります。
図でも、花序基部や茎上部の葉では、どちらも同じように対生から輪生状になります(念のため)。

Euphorbiaは、世界に2000種もあるとされる、分類困難なグループです。
Flora of Chinaの「Euphorbia」参照。
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=112355
ポインセチアは、メキシコ原産とされています。
植村 修二 投稿日: 2023年10月12日 09:55:01 No.936
相良真佐美さま、藤井俊夫さま

 情報提供ありがとうございました。

 ここにあげた画像は、すべて香川県の方から送っていただいたタネから育てた株で、株の生育段階が違っています。

 藤井さんがショウジョウソウの緑化型とコメントされてますね。

 今はショウジョウソウ(沖縄産、大阪府産など)を栽培しておりませんが、両種を比較したことがあります。若い個体では、両者の区別は難しいです。

 以前、ブラジルのフロラ(Lorenzi, Harri(1949):Plantas daninhas do Brasil)をコピーさせていただきました。このコピーは、自宅の震災でなくなったと思います。それには、ショウジョウソウとショウジョウソウモドキとが1枚のカラー画像として掲載されておりました。ポルトガル語だと思いますので、本文は読めておりません。

 KEWのサイトでは、ショウジョウソウモドキとショウジョウソウとは同種で、変種の関係であると扱われております。

 https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:101634-2




サクラタデ 西村徹也 投稿日: 2023年10月11日 19:25:53 No.934 【返信】

本日、2023.10.11(水)、赤阪の棚田(千早赤阪村)を
歩いてきました。
サクラタデ(桜蓼)の花が咲いていました。

*サクラタデ{タデ科、イヌタデ属}

【写真】;サクラタデ




淀川河川敷の植物たち 植村 修二 投稿日: 2023年10月09日 08:48:44 No.924 【返信】

 一昨日<2023年10月8日>、田中光彦さんに教えていただいた淀川河川敷(大阪府守口市)の河川敷のアメリカウンランモドキ見てきました。

 開花の最盛期はとっきに過ぎており、残り花がちらほら咲いている状況でした。個体数は結構あり、定着していると判断できました。

 それより先も見ておりますが、淀川河川公園横の草地や堤防はセイバンモロコシ、シマスズメノヒエなど普通種になった帰化植物ばかりの単調な植生で、「注目すべき植物」は見れないのでは?と思いました。

 あえて言えば 、スイフヨウの実生個体1株、ヒメジソの白花品の2種くらいです。

 スイフヨウの実生個体、栽培品より花弁の枚数が少ないです。

 ヒメジソの白花はネット検索すると画像が見つかり、シロバナヒメジソは正式に発表された和名ではないようです。


帰化植物の勢力図が変わる? マメアサガオとホシアサガオ 植村 修二 投稿日: 2023年10月09日 09:03:27 No.925
 この辺り(大阪府守口市)を歩いたのは1970年代で、その時はホシアサガオIpomoea triloba L.は見つからずマメアサガオI. lacunosa L.が生育していた記憶があります。

 1970年代、私はホシアサガオを見つけると大喜びでした。一方、マメアサガオは、1960年代に大阪府池田市にある大阪府立園芸高等学校の豚舎付近の溝に繁茂していて、1970年代には淀川家戦時期でもあちこちで見かけたので、出会ってもあまり感動しなくなっていました。

 私は、この年代、たしか大阪府豊中市だったと思うのですが、珍しい帰化植物のホシアサガオが見つかったという新聞記事があったと記憶しています。

 しかし、最近、淀川河川敷では、ホシアサガオが増えており、マメアサガオは減っているように思います。

 淀川河川敷における帰化アサガオ類の勢力図が変わってくるかもしれないです。


セイバンモロコシ、淀川河川敷では今後減少する? 植村 修二 投稿日: 2023年10月09日 09:16:31 No.926
 大阪府守口市あたりの淀川堤防では、セイバンモロコシの純群落が延々と続きます。

 しかし、一部でセイバンモロコシが葉に斑点ができて枯れていく病気にかかり、弱ったセイバンモロコシの群落内にセイタカアワダチソウ、ヨモギ、メドハギなどが侵入してきている所がありました。

 この病気の名前はわからないですが、淀川の下流(大阪府大阪市東淀川区)にあったセイバンモロコシの群落がおなじような病気が原因で消えていったことを観察しています。最近、見に行っておりませんが、2017年ころ、完全にセイバンモロコシが絶えていないがかつての旺盛な繁茂は見られなくなっていました。


セイバンモロコシの「さび病」 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月09日 11:54:55 No.927
以下の文献に、載っていました。

●佐藤豊三。1987.小笠原諸島の作物病原菌。東京都農業試験場報告。20:。19-38.
https://www.tokyo-aff.or.jp/uploaded/attachment/7407.pdf
P24の左段の15に、
担子菌亜門(Basidiomycotina):「Puccinia purprea Cooke(1876) 夏胞子・冬胞子世代(図版IV-8)」として、報告されています。
宿主:Sorghum halepense Pers. (セイバンモロコシ、ジョンソングラス):葉・葉鞘。
病名:ジョンソングラスさび病
★藤井注:宿主によって病名が変わるようです(発見された植物の名前がついている)

農研機構の「糸状菌類図鑑」を参照。
https://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/inventory/microorg/mokuroku/z25-Puc-pur.html

病気で弱ったところに、ススキやオギ、ヨシなどの地下茎を持つ丈の高い植物が侵入すると、置き換わっていくものと思います。
河川敷は、定期的に草刈りするので、丈の高い植物が成長する前に、成長の早いセイバンモロコシが成長し、優占する状態が続くのではないでしょうか?
病気の蔓延だけでなく、人為的な(定期的な)草刈りによる攪乱も考慮しないといけないと思います。

●今年の4月から始めた、大和川下流部植物の植物調査
(住吉区と堺市堺区に挟まれた地域:我孫子筋から南海高野線ぐらいの間)
現在、350種が出現(在来種:154種、外来種:196種)。うち、木本は30種(街路樹からの逸出が多い)

写真は
3月16日の大和川河川敷(セイヨウカラシナでおおわれている)
6月3日の草刈り後の大和川河川敷(草刈りしているところは、チガヤが優占する)


セイバンモロコシとススキの分布は、重ならない 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月09日 15:44:57 No.928
POWO(Plants of the world online)より

●セイバンモロコシの分布
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:422139-1
●ススキの分布
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:408768-1
分布が、きれいに分かれている。

ススキは中国南部から東部および東アジアの温帯季節風の影響をうける地域(台風などの影響により夏季多雨の地域)に生育している。
セイバンモロコシは西アジア地域(大陸内部の乾燥した砂漠や草原地帯)に生育している。
土壌や降水量の違いか?

この分布をみれば、日本では放置すれば(草刈りなどの手入れをしなければ)、セイバンモロコシは消滅し、ススキに置き換わるといえるかもしれない。
河川敷などのように、定期的に草刈りをすると、植生遷移が抑えられ、セイバンモロコシ群落が維持されると考えられます。
セイバンモロコシのさび病Puccinia purprea 植村 修二 投稿日: 2023年10月09日 15:49:33 No.929
藤井俊夫さま

 セイバンモロコシの病気について調べていただき、ありがとうございました。

 この病気の正体がPuccinia purpreaとわかりましたのでネット検索してみました。藤井さんが小笠原に発生している病気の文献をあげていただいたので、”Puccinia purprea 沖縄”で検索しました。

 すると、以下の論文がヒットしました。出版年を見てびっくりです。私が生まれた翌年です。

 Hiratsuka, Toshiko(平塚 利子)1958:The Species of Rust Fungi Parastic on the Grasses Collected in the Southern Kyûsyû and the Ryukyu Islands, Japan.(九州南部および琉球列島(日本)で採集されたイネ科植物に寄生するさび病菌の種), The science bulletin of the Division of Agriculture, Home Economics & Engineering, University of the Ryukyus(琉球大学農家政工学部学術報告)

 この報文では、
 「モロコシ,セイバンモロコシおよびスーダングラスに寄生する Puccinia purpurea Cooke およびクリノイガに寄生する P. cenchri Dietel et Holway は戦後琉球列島に入ったものと思われる。」と報告されていました。

 淀川堤防でセイバンモロコシが優占するのは、藤井さんがおっしゃる通り、草刈りの影響が大きいと思います。

 淀川堤防は広いので、区間を決めて草刈り作業していることが立て看板から読み取れました。すでに刈り取りが終わったところで、いち早く伸びてくるのがセイバンモロコシとイタドリのようです。赤く染まった植物がイタドリです。
 




カワラナデシコ 西村徹也 投稿日: 2023年10月06日 22:44:18 No.922 【返信】

昨日、2023.10.5(木)、河内葛城山(千早赤阪村)を
歩いてきました。
カワラナデシコ(河原撫子)の花が咲いていました。

*カワラナデシコ{ナデシコ科、ナデシコ属}

【写真】;カワラナデシコ(背景は金剛山)




牧野富太郎が描いた植物画に関する図鑑類など 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月06日 14:35:18 No.921 【返信】

牧野は、植物画を1700点ぐらい描いていたらしい

高知県立牧野植物園の牧野文庫に、牧野富太郎が描いた植物画が1700点ぐらいあるそうです。
(図鑑用に描いた図は、牧野が単独で描いたのではなく、何人かの画家が描いた図に修正を加えたり、合作があります)
参考になる文献(国会図書館の検索siteで蔵書施設がわかります)
https://ci.nii.ac.jp/books/

●牧野植物園 (高知県立)。1981-1988。牧野文庫蔵書目録。牧野植物園。
●牧野植物園 (高知県立)。1928-1980。牧野植物園所蔵植物標本目録。牧野植物園。

高知新聞のsite:「らんまん」万太郎の植物図に驚嘆! ボタンの絵に寿恵子もうっとり 「牧野式植物図」を解説する
(2023年10月6日)
https://www.kochinews.co.jp/article/detail/651502
牧野の描き方も記述している。
高知新聞、:苦心の結晶「日本植物志図篇」 シン・マキノ伝【18】=第2部= 田中純子(牧野記念庭園学芸員)
(2016年10月7日付)の記事を再掲載。
https://www.kochinews.co.jp/article/detail/601199
*********************************************************
「日本植物総覧」。
図がなく、植物の記載文だけです。
Makino & Nemoto, Fl. Jap. ed. 2: 1582 (1931)
牧野富太郎, 根本莞爾。1931.日本植物総覧 訂正増補。陽春堂。
国立国会図書館の図書検索site
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000767595-00
ヒガンバナの項
https://dl.ndl.go.jp/pid/1235411/1/1624

●国立国会図書館(ギャラリー展示)黎明期の植物学と牧野富太郎
https://rnavi.ndl.go.jp/jp/gallery/post_986.html

牧野富太郎。1891。日本植物誌図篇。敬業社。
牧野富太郎。1899。新撰日本植物図説 第1(1,3-11集),2巻(1-8集)。 敬業社。
牧野富太郎。1900。大日本植物志。東京帝国大学。
牧野富太郎。1925。日本植物図鑑。北隆館。
ここで、上記「日本植物総覧」(1931)が出版されている。
牧野富太郎。1940。日本植物圖説集。北隆館。

牧野が出版した主な図鑑だけで、上記のようなものがありす。
これに、学会紙に発表した記載論文の図が加わると思います。

********●以下の書籍に「牧野図鑑の植物画」について記述されています●********************************
BMTや、JJBに掲載されている図については言及されていない。(Y-listで、地道に検索するしかない)

●邑田仁(編集代表)。2020.牧野植物図鑑原図集ー牧野図鑑の成立ー。北隆館。13000円
上記の「はじめに」、「東京大学総合博物館で発見された山田壽雄の植物画」(236-242p)、「牧野日本植物図鑑の描き手たち」(482-490p)から
牧野の図鑑類
日本植物誌図篇、新撰日本植物図説、大日本植物誌、日本植物図鑑(1925:2550種掲載)、牧野日本植物図鑑(1940:3206種、後に3900種に増補)

牧野図鑑の原図は3000点以上ある。【牧野だけが描いているわけではない】
①東大総合研究博物館で発見された山田壽雄の植物図(着色図:367枚、単色図:167枚)(2017年に発見)
 植物画家:山田壽雄(1882-1941)
 牧野日本植物図鑑の原図と考えられている
 そのほか、水島南平(1879-1950)、木本幸之助(生没年不詳)、
 増補版(1955)に、林(旧姓:山岸)新緑(1924-2019)、川崎哲也(1929-2002)、山本(後、加藤)襄二(1916-1953)などが関わっているとされる。
また、牧野と、上記植物画家との合作、画家が植物画を描いた後に牧野が部分図を加えたものなどがある。


九大の名誉教授 新種105種を発表へ 相良真佐美 投稿日: 2023年10月02日 11:43:46 No.901 【返信】

九州大学 矢原徹一名誉教授は105新種を含む37属の分子系統解析論文の原稿をついに完成させました。
今週にも世界の研究者が論文を登録するサイトに今回の成果を発表することにしています。

矢原先生の研究グループは環境省の依頼で2020年度から3年間かけ絶滅危惧植物の全国調査にあたり15000点を集めました。
遺伝子分析を、今までの10万倍の情報を得るシステムを日本の研究者が開発、その技術を導入して高精度で植物の種類を特定する作業に取り組みました。
世界で初めてこの手法が成功しました。これが全世界に普及すれば、世界中で一気に新種発見が増えるだろうとのことです。

未発表の新種としてはライザンクルメバナ、ミヤマタラノキ、ツクシベニウツギ、ミズナシハコベが25日放送されました。

●10月1日午後10時 ご本人のコメントがX(旧ツイッター)に出ました。
https://x.com/TetYahara/status/1708469744356262278?s=20

●9月26日(NHK 福岡 NEWS WEB) 九大の矢原名誉教授が新種とみられる105種類もの植物を発見
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20230926/5010021987.html

添付画像は NHK ロクいち!福岡 9月25日放送分の映像撮影です。


日本の野生植物総点検プロジェクトのパワポがありました。 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月04日 15:30:41 No.915
●九州オープンユニバーシティのsite

日本の野生植物:総点検プロジェクト
https://qou.jp/wp-content/uploads/2020/04/wildplants_inJapan.pdf
環境省版のRDBに載っている植物のサンプルを集めているので、2020年の6月頃に協力してくれと頼まれた。
何を送ったか忘れたが。。。。

環境省の委託を受けて行っている事業です。
四国産ギボウシ論文5種がアクセプト 相良真佐美 投稿日: 2023年10月05日 10:32:21 No.920
矢原徹一名誉教授が10月4日夜、X(旧ツイッター)にコメントをだされました。

四国産ギボウシ論文がアクセプトになったそうです。年内には公表になるそうです。

 四国からなんと5種のギボウシ属の新種を記載
 https://x.com/TetYahara/status/1708672727786442862?s=20


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