近畿植物同好会 掲示板
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コキクモの越冬
伊吹寛子 投稿日:2023年12月24日 11:45 No.1051
 巨椋池干拓地で私がこの2年間見てきたキクモ類については、この掲示板No.772の拙稿またNo.971で相良さんが書いて下さっているように、角野康郎先生にコキクモと同定していただけました。そのコキクモについて資料では多年草・一年草の両方の記述が見られます。種子は無数にできますので次の年の発芽は考えられますが、多年草の可能性を調べてみたいと思い、昨年の冬、コキクモを見つめていました。

 昨冬のことをなぜ今頃掲示板に?ですが、恥ずかしながら知識不足で、最近になってやっと水草の越冬芽という物の存在を知る機会がありました。畏れ多くも今年の11月12日花明山植物園の澤田園長代理に深泥池で除去された大量のオオバナイトタヌキモに混じっていたタヌキモの越冬芽(写真1)について教わり(この後、タヌキモは深泥池に戻しました!)、また12月18日に角野康郎先生が琵琶湖の水草の越冬芽のことに言及しておられるのを読んだのです。ハッとして、私が見ていた不可思議だった塊は、コキクモの越冬芽かも知れないと思いました。アクアリウム用にアンブリアとして売られている水草「キクモ」の仲間ですから、越冬芽ができて何の不思議もないのでしょうけれど、キクモ類の越冬芽についての資料は見つからず、昨冬のコキクモの様子をご覧いただくと同時に、越冬芽かどうかお教えいただければと願った次第です。

 前置きが長くなりましたが、2022年12月初めまで、紅葉して赤紫になった葉に、普段より赤味の増した可愛い花をつけて頑張っていたコキクモも(写真2)、霜がおりると弱り始め枯れました。その少し前の11月初めに数株を持ち帰り、我が家のベランダの荒木田土と水少量を入れた容器に入れました。稲刈り前から何か月も水を抜かれた田圃に生育していましたので、抽水葉のみで水中葉はほとんどついていませんでした。
 
写真3 容器に水を1.5㎝ほどの深さに入れたので、水に浸かった茎の途中から芽が出て水中葉を展開し始め、その先に現在は越冬芽かと思う黒い塊がつきました。写真右端の赤い物が、田から取って来て植えた抽水葉をつけたコキクモ、左がその後に出てきた水中葉と越冬芽?です。

写真4 黒い塊が気になって小さいのを一つ取り出してみると、茎にはしっかり抽水葉と思われる葉をつけた茎が立ち上がり、根も出ていました。私が時々水を張るのを忘れるので、抽水葉になったかと思います。いずれにしても、1年草として枯れてしまうことなく生育していると思えました。 

写真5
水ぬるむ頃の越冬芽?をつけた水中葉の様子です。

写真6
6月には水中に伸びた茎から次々に芽が出て、水から出るとキクのような葉をつけると同時に、写真4同様、根を下ろして成長し始めました。田圃で今年初めてコキクモを見たのは、田に水が張られイネがグングン成長していた7月12日でした。

私が見た範囲ではコキクモは少なくとも水分があれば多年草の形をとると言えるかと思いますが、ベランダでの拙い観察の一例ですし、越冬芽についてを含めて、お教えいただけましたら幸甚でございます。

写真1:2023年11月12日 タヌキモ越冬芽 深泥池
写真2:2022年11月28日 紅葉 
写真3:2023年1月18日 越冬芽?
写真4:2023年2月24日 
写真5:2023年4月11日 
写真6:2023年6月18日




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