近畿植物同好会 掲示板
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イヌキビでしょうか? 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月26日 15:41:20 No.972 【返信】

イヌキビでしょうか?

2023年10月26日:大阪府大阪市住吉区
道端の空き地で、オオエノコロ、ヒエ、オヒゲシバなどが生えていたので、小鳥の餌を捨てたところから生えたと思われる。

●以下,Y-listより
学名: Panicum miliaceum L. var. ruderale Kitag.
和名:  イヌキビ
学名ステイタス: 標準
B.M.T. 51: 153, f. 3 (1937),
文献
Kitagawa,M. 1937. Contributio ad Cognitionem Florae MAnshuricae. X. Bot.Mag. Tokyo. 51(604):150-157.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/51/604/51_604_150/_pdf/-char/ja
p153-154.に原記載がある。
Panicum miliaceum var. ruderale Kitagawa var. nov.
最後に
「only in upright panicules and narrow floral glumes.」と記述している。
黍との違いは、花序が上向き(枝垂れない)で、小苞が狭いとしている。

Flora of Chinaの、キビ(Panicum miliaceum)の図。
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=95444&flora_id=2
(キビ属:Panicumは、世界に500種ぐらいある)
キビは、インド周辺が原産とされる。
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:412217-1

●イヌキビのタイプ標本は、東大総合研究博物館か?
タイプ標本のリストが順次公表されている。
https://www.um.u-tokyo.ac.jp/academics/material_report.html
イヌキビの原記載者:
北川政夫(きたがわ まさお、1910年2月 - 1995年8月4日)
日本の植物学者である。戦前は中国東北部の植物を研究した。

●以下の文献が見つかりました
木俣美樹男。2009.キビ Panicum miliaceum L. の栽培起源。国立民族学博物館調査報告 84:205-223。
file:///C:/Users/fujii/Downloads/CV_20231026_SER84_011.pdf
211p.20l.に、キビの雑草型として、P.miliaceum subsp. ruderaleに学名がある。
キビ(P.miliaceum)と、イヌキビ(P.miliaceum subsp. ruderale)の雑種の写真がある。

1-3枚目:生育状態
4-6枚目:花序の拡大(5-6枚目は、花序を開いた)


植村 修二 投稿日: 2023年10月27日 18:01:58 No.975
藤井俊夫さんへ

 キビとイヌキビとは、形態的にほとんど同じなので、画像で見分けるのは難しいです。

 藤井さんのスケールを入れた穂の画像の周りに、脱粒したものが写ってますので、イヌキビかもしれないです。

 イヌキビは「栽培化されたキビ」から生じた雑草とも考えられ、脱粒性があるのが特徴です。

 画像は自宅で栽培しているキビです(大阪府箕面市、2014年9月2日撮影)。




絶滅危惧ミズオオバコ大繁殖 山本和子 投稿日: 2023年10月27日 13:28:11 No.973 【返信】

昨日の朝刊「鈴鹿・亀山版」に、「絶滅危惧ミズオオバコ大繁殖」の記事が掲載されたので今日の午前中探しに行って来ました。下調べをして行ったので思ったより簡単に見つけることが出来ました。でも藻が絡んでいたり、葉が黒っぽくなっていて綺麗な状態ではありませんでした。来年はもう少し葉が綺麗な状態の時に観察に行きたいと思います。ミズオオバコは鈴鹿市の金生水沼沢と西庄内地区で記録がありますが、今日見た長太の水路では初めてのようです。写真は橋から撮った2枚と、1株全体と、花のみです。

京都市伏見区巨椋池干拓地のミズオオバコ(2023) 伊吹寛子 投稿日: 2023年10月27日 15:45:22 No.974
京都でも「京都府改訂版レッドリスト2022」でミズオオバコは2015年のリストに引き続き絶滅危惧種に指定されています。幸い、私がよく歩いている京都市伏見区の巨椋池干拓地の田圃では、去年2022年に引き続き今年も群生して開花しているのが目撃されました。1927年の三木茂氏の記録見られ、干拓前から生育していた巨椋池干拓地の貴重な植物の一つです。

一年草(多年草とするサイトもある)と聞きますが、せめて種子繁殖して今年も咲いてくれないものかと、この掲示板にも投稿させていただいた物が去年群生していた場所を、今年も目を皿のようにして探したのですが、よう見つけませんでした。農道から見ただけですので、よう見つけなかっただけかも知れませんが、去年は農道のそばに群生していました。ただ、幸い、去年気づかなかった、かなり離れた別の場所で、群生して可愛い花を咲かせているのに出会い嬉しく思いました。どうしてこんなに去年の場所に全然見られないのか、素人の私には分かりません。

ミズオオバコは当地は田圃ですから、去年も今年も、稲刈り前の水がなくなる時期に田圃の土に張り付いて枯れてしまいますので、9月が見ごろで10月に見るのは難しそうです。

良く似たウリカワが「京都府レッドリスト2015」に準絶滅危惧種として新規に記載され、2022年版にも引き続き同様に記載されているのですが、探してもまだ出会っていません。先日、大阪府高槻市の田圃を歩いていた時に、その時の講師の先生がウリカワと同定される植物に出会い、とても羨ましく思いました。

今年も季節が進み、干拓地は秋景色です。霜がおりる迄見続けたい植物、来年の再会を期待する植物、今年は出会えなかったけれど来年は出会えたら嬉しいな~と思う植物。楽しみです。

写真1:今年のミズオオバコ 巨椋池干拓地 2023年9月9日
写真2:ウリカワ 大阪府高槻市 2023年10月5日




コキクモ 相良真佐美 投稿日: 2023年10月25日 21:00:37 No.971 【返信】

 京都市伏見区 巨椋池干拓地のキクモあるいはコキクモについては、伊吹寛子さんが昨年夏に見つけていました。
 その報告として、近畿植物同好会会誌 第46号 (2023)に「伊吹寛子:2022年 巨椋池干拓地で出会った植物について」の「6.キクモあるいはコキクモ」で述べています。
 その中で、キクモとコキクモ区別の仕方として、角野康郎著「日本の水草」(文一総合出版2014)から、キクモの果柄はほとんどなく、コキクモの果柄は2~10mmで、区別するには果柄の長さしかない、とありました。
 採集した標本はどちらとも言い難く、伊吹さんは大阪市立自然史博物館学芸員の横川昌史さんに相談し、博物館の標本と比較することになりました。

 今年の1月12日に私も加わり、標本庫のコキクモの確認をしました。そして、持参した標本を横川さんが、角野康郎先生へスキャニングデータをメールし、同定をお願いしました。
 しっかり確認するために、果柄が発達する秋に、巨椋池干拓地に横川さんと再度確認に行くことを約束しました。
 後日、角野先生からは、コキクモとのご返事をいただきました。

 秋になって、10月23日、京都市伏見区 巨椋池干拓地へ、横川さんと、伊吹寛子さんとで行きました。
 コキクモは、稲刈りのダメージで少なくなっていましたが、いつもの場所にありました。
 確認すると、ほとんどは果柄があり、ノギスで測定すると、平均3.5mmで、コキクモとしました。
 一部で果柄のないのも見つかりましたが、これはまだ若く、これから果柄が伸びるのではと、経過観察することになりました。
 観察したサンプルを添付します。

※前掲投稿の標本写真は、大阪市立自然史博物館植物標本庫の標本写真撮影のSNS等への掲載は原則禁止となっていますので削除しました。

 
 




教えてください。Euphorbia 外来種 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月15日 19:59:14 No.949 【返信】

大和川周辺で、添付画像のようなEuphorbiaを採集しました。

田中光彦 投稿日: 2023年10月15日 23:11:46 No.950
藤井様
トウダイグサ科のニセシマニシキソウではないでしょうか。多くは地を這うようにしているが、なかには少し立ち上がっているものもあり、葉にはコニシキソウのような斑紋があったりなかったりしますが、各枝の先端のみに二個の花序が着くのが特徴です。シマニシキソウのようには立ち上がらないのでニセと名付けられたのではないかと思っています。北河内では数か所で見つかっていますが、巨椋池干拓地でも、岸和田市でも見つけています。詳しくは近畿植物同好会会誌第39号(2016)に載っています。


相良真佐美 投稿日: 2023年10月16日 00:49:06 No.951
近植の掲示板も参照されていますね。
「野の花・山の花」花かんざしさんのブログ 撮影日:2013.9.12
https://mienokaze.blog.fc2.com/blog-entry-1582.html

南フロリダ大学植物標本
https://cdn.plantatlas.org/img/specimens/USF/298938.jpg

Flora of North America
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=242437635
植村 修二 投稿日: 2023年10月20日 20:52:35 No.959
 水田光雄さんが大阪府岬町孝子(きょうし)で行われた近畿植物同好会の観察会で採集され、持ってこられた植物で、ニセシマニシキソウEuphorbia ophthalmica Pers.を初めて知りました。

 この植物は和歌山にもあるとのことで、稗田真也さんは分布状況の調査を、そして私は同定作業を共同で行っておりました。

 ただ、トウダイグサ属は同定が難しく、なかなか種名を明らかにできなかったです。

 ようやく学名が分かり、私はこの植物にナンカイシマニシキソウ(南海シマニシキソウ、難解シマニシキソウ)としようかと考えていたら、以下に先に発表されました。

土屋 守 2015. 野田市でChamaesyce ophthalmica ( ニセシマニシキソウ 仮称) を採集. 千葉県植物誌資料:299-300.

 NHK朝ドラ『らんまん』のトガクシソウの時の田辺教授のような気分だったですね。

 以前、相良真佐美さんに自生地を案内していただいたオオミヤマウズラについて、神戸大学の末次先生は韓国の学者に先に新種発表されたと、どこかで読んだ記憶があります。間違ってたらごめんなさい。

 学問の世界は早い者勝ちですから・・・

 以下の画像は後日<2015年9月20日>、水田さんに詳しい場所を教えていただき、孝子で撮影したものです。


横川昌史 投稿日: 2023年10月24日 11:40:42 No.969
普段はあまりコメントしていませんが・・・

ニセシマニシキソウ Euphorbia ophthalmica Pers. 僕も気になっています。

個人的には2022年7月に大阪府岬町、2023年9月に大阪市の長居植物園、2022年7月に三重県松阪市で見ています。

大阪市立自然史博物館の標本庫には
・2009年9月大阪府岬町
・2016年8月大阪府枚方市
・2020年10月大阪府大東市
・2022年7月大阪府岬町
・2022年7月三重県松阪市
・2023年9月大阪市長居植物園
で採られた標本が入っています。

すぐに詳細は出ませんが、2020年に大阪府内にシマニシキソウがあるという質問をもらいました。現地で確認していませんが、今から思うとニセシマニシキソウだと思います。

また、昨日、伊吹さんの案内で巨椋池干拓地に行きましたが、そこにはニセシマニシキソウが山ほどありました。

近畿圏でも各地拡がりつつあるのだと思います。

長居植物園で2023年9月2日に撮影したニセシマニシキソウを添付します。新しく造成した花壇のわきなので、資材に付いて入ってきたのではないかと思います。
僕が岬町で見たものは幹線道路沿いの植え込みの中で、これも資材についてきたのでは、と思っています。

よこがわ


相良真佐美 投稿日: 2023年10月24日 12:24:15 No.970
巨椋池干拓地では、生育地が広く散らばっていて、たくさん確認できました。



チャボヒゲシバ 相良真佐美 投稿日: 2023年10月23日 21:59:31 No.968 【返信】

10月23日、京都市伏見区 巨椋池干拓地へ大阪市立自然史博物館学芸員の横川昌史さんと、伊吹寛子さんとで行きました。
昨年伊吹さんが見つけたチャボヒゲシバChloris truncata R. Br. の生育場所へ案内してもらいました。田んぼの畔に群生していました。
確かに、花序は放射状に伸びた数本の真っ直ぐな枝からなり、黒っぽい小穂に10mmほどの長い芒がありました。
横川さんの話では今日の標本は、OSA、余分は京大などに送るとのことでした。




武田尾のサツキとアオヤギバナ 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月23日 17:16:55 No.967 【返信】

西宮市塩瀬町名塩武庫川渓谷のサツキとアオヤギバナです。
サツキが狂い咲きで咲いていました。来週までもってくれればよいが。




ヨシススキですか?(西宮市、生瀬駅近くで) 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月23日 17:09:30 No.966 【返信】

添付の外来種が道端に生えていました
2023,10.23
兵庫県西宮市塩瀬町名塩
国道176号線(宝塚から西宮北へ行くルート)と県道51号線(蓬莱峡から有馬温泉に抜ける道)の交差点。
道路の拡幅工事を行っている。

●三河の野草
https://mikawanoyasou.org/data/yosisusuki.htm
●愛知県の外来種
https://www.pref.aichi.jp/kankyo/sizen-ka/shizen/gairai/
https://www.pref.aichi.jp/kankyo/sizen-ka/shizen/gairai/search/pdf/129_2021.pdf




キンモクセイとウスギモクセイ 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月22日 13:26:34 No.962 【返信】

●キンモクセイとウスギモクセイ

三田市の深田公園で、毎年咲いている(今年は1数間ぐらい遅いか?)
●花柄は
キンモクセイ :あまり変わらない
ウスギモクセイ:あまり変わらない
●花は
キンモクセイ :大きい
ウスギモクセイ:小さい
●色は
キンモクセイ :橙色
ウスギモクセイ:薄い黄色
*********************
比べれば、違いが判るが、片方だけでは識別困難です

この違いが、変種の違いになるのか検討が必要です
1.キンモクセイは挿し木によるクローン繁殖が主体
2.交雑実験を行って、果実ができるか確かめたいが、日本のキンモクセイは雄株しか知られていない。
3.上記のような違いが認められるが、これが個体差か、種差か、検討できない
  (上記、1の理由で日本のキンモクセイは1個体から増殖したとされるのでキンとウスギの違いは、個体差でしかない可能性がある)
  例えば、アサガオの花の色など(色の遺伝はトランスポゾン遺伝子が関与しており、複雑な遺伝をすることが知られている)。
*********************

①キンモクセイ: Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino f. aurantiacus (Makino) P.S.Green
flora China の図では、果実が描かれている
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=210001392
分布図:https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:77188571-1
日本、朝鮮半島
(中国では雌株があるようだが、日本では雄株のみが知られる)

②ギンモクセイ:Osmanthus fragrans Lour. var. fragrans
分布図:https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:610878-1#distributions
日本、朝鮮半島、中国南部、東南アジア(キンモクセイ、ウスギモクセイの分布を合わせていると考えられる)
(雄株のみが知られる)

③ウスギモクセイ:Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino f. thunbergii (Makino) T.Yamaz.
分布図:POWOには、載っていない。多分キンモクセイのsynonymにされている。
(雌雄、両株がある:上記2種との関係がよくわからず、分類が混乱しているので、正確な分布は不明)
九州南部(熊本、鹿児島)と言われる。

●基本変種は、ギンモクセイ(Osmanthus fragrans Lour.)

モクセイ属(Osmunthus)は、東アジアに約30種が分布。
分類に有用な形態形質が少なく、おまけに雌雄異株。
葉の大きさ、葉の質、葉脈の浮き出方、花柄の長さなどで識別される。
これこそDNA解析が必要なグループと思います。

種間関係は、論文があるようです。

Wang-Jun YUAN, Wei-Rui ZHANG, Yuan-Ji HAN, Mei-Fang DONG, Fu-De SHANG。2010.Nov.
Molecular phylogeny of Osmanthus (Oleaceae) based on non-coding chloroplast and nuclear ribosomal internal transcribed spacer regions.
Journal of systematisc evolution.
Volume48, Pages 482-489
November 2010
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1759-6831.2010.00099.x
これから種内変異(キン、ギン、ウスギ)を調べる研究が出てくるかもしれません。

****************************
明日(10月23日)は、植物分類学会のエクスカージョン(西宮市武田尾)の下見。アオヤギバナ、ツメレンゲぐらいか。
24日は、県立大附属中学のプロジェクト学習で上郡町光都(姫路の北)中学校はシカ除けのフェンスで囲まれている。人間が檻の中に住んでいる?
29日は博物館の観察会で小野市の鴨池(草甸の植物)。リンドウ、ヤマラッキョウか?
30日は植物分類学会のエクスカージョン(本番)韓国の人を中心に15人ぐらいの案内。

分身の術が欲しい
(一人は寝ていて、観察会の指導や、デスクワーク(掲示板に投稿する記事など)した情報が寝ながらにして入手できるような分身の術)
観察会で写真を写せば、自動的に解説するAIが欲しい。
当分、AIに仕事を奪われることはないか?




タヌキモ 磯野久美子 投稿日: 2023年10月03日 18:15:53 No.908 【返信】

深泥池(京都市)にタヌキモの花が咲いていると聞き、10月1日、約半世紀ぶり(!)に行って来ました。
池の南側、名物のジュンサイに囲まれて、黄色い可愛い花がまだ沢山咲いていました。
たまたま調査に来られていた方のお話も聞けてラッキーでした。

池の北側にも南側以上に夥しい数の黄色い花が一面に咲いていましたが、これは外来種のオオバナイトタヌキモで、タヌキモではないとのことでした。
オオバナイトタヌキモは、タヌキモと異なり年中花を咲かせる、花がタヌキモより小さい、タヌキモとは異なり主軸がないマット状で、まるで毛布みたいな姿になっている、と教えて下さいました。
オオバナイトタヌキモはほかの池では自然に消えて行くそうですが、この深泥池では水が合っているのかよく繁茂するとのことでした。深泥池は貧栄養とのこと。

深泥池は町中にありながら、氷河期からの生き残りもいるとても珍しい所です。
釧路湿原から見に来られた方もミツガシワが咲いていることに驚かれたそうです。
今回は、さすがにミツガシワは葉しか見られませんでしたが、ヒメコウホネ、サワギキョウ、シロイヌノヒゲなどの花が咲いていました。
また、池の周りにはクロミノニシゴリの木がまだ青い果実をつけていました。

最近は、朝ドラ「らんまん」の影響でムジナモを探しに深泥池に来る人が多いとか。
そのような人たちには「ムジナモはここにはもうありません。タヌキモを見に来て!」とお話しておられるそうです。

一つ、あれっ?と思ったのは、深泥池の周囲にまださほど大きくないナンキンハゼが沢山生えていたことです。
調査の方は、土砂の流出を防いでくれているので、ここではあえて抜かないままにしてあります、と仰っていました。
すぐに思い浮かべたのは、母校、京都府立大学のメインストリート。
ここはナンキンハゼ並木で、秋になると紅葉がとても美しく、果実も鈴なりに生ります。
うちでもこの種子を蒔いてみたことがありますが、発芽率はとても良かったです。
ひょっとして、深泥池のナンキンハゼはあの並木の実を食べた鳥が運んだ種子から生えて来たものかな?と思いました。なにしろすぐ近くなので。

深泥池は北山駅からまっすぐ北に歩いて10分ほどの道路沿いにありますから、誰でもいつでも迷うことなくすぐに行けます。
朝は鹿がズラッといるそうです。子供を産んだりもしているそうです。

写真
1枚目 タヌキモ
2枚目 ジュンサイとタヌキモ
3枚目 タヌキモ
4枚目 タヌキモ(捕虫嚢)
5枚目 オオバナイトタヌキモ
6枚目 オオバナイトタヌキモ(捕虫嚢)
7枚目 オオバナイトタヌキモ(夥しい数の花)
8枚目 ヒメコウホネ
9枚目 クロミノニシゴリとその果実


深泥池は採取禁止です。 磯野久美子 投稿日: 2023年10月03日 23:27:07 No.910
深泥池は簡単に行ける場所ですが、採取は禁止されていますので、念のため、お知らせ致します。
先の投稿の写真3~6枚目については、調査の方が我々への説明のために採って見せて下さったものを撮らせていただいたものです。


深泥池のムジナモについて 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月04日 10:53:55 No.911
牧野富太郎が、ムジナモ発見物語に「三木茂」が巨椋池で発見した経緯を報告しています。
また、深泥池は国の天然記念物なので、三木茂が巨椋池からムジナモを深泥池に移植したことが問題になっていました。
**********************************************************
牧野富太郎。ムジナモ発見物語り。
https://www.aozora.gr.jp/cards/001266/files/47239_29289.html
●三木茂が巨椋池でムジナモを発見したいきさつも記述されている。

「更に大正十四年一月二十日に山城の巨椋おぐら池でも見出された。この発見者は当時京都大学の学生だつた三木茂博士であつた。この池のムジナモは干拓のため不幸にして、その影響を蒙り、惜しいことには、遂に絶滅してしまつた。」

底本:「日本の名随筆94 草」作品社
   1990(平成2)年8月25日第1刷発行
   2000(平成12)年4月20日第6刷発行
底本の親本:「草木とともに」ダヴィッド社
   1956(昭和31)年11月発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2007年12月19日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。
入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
***********●三木茂●*******************************
●三木茂:
メタセコイアを発見したことで有名。論文発表は1941年。
京都大学在籍時は巨椋池を中心に水草研究を行い、その成果である「山城水草誌」(1937)は、日本の水草研究のバイブルとなっている。
大阪市立自然史博物館の前身、大阪市立自然科学博物館の後援会(1955年5月2日設立:大阪自然科学研究会に名称変更。)1971年から会長を務める。
https://www.omnh.jp/tokuten/2005naniwa/virtual/chrono/frame.html

●塚越実。2016.メタセコイアの発見と普及―三木 茂博士の発見から75年―。化石。100:1-2.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kaseki/100/0/100_1/_pdf
*************●深泥池の植物の報告●****************************
三木茂(1955)深泥池にムジナモ.コタヌキモを移植した事情について 京都植物 2: 63-64

国の天然記念物である深泥池に京都大学の学生であった三木茂が外部(巨椋池:干拓される運命)から植物を移植したことが問題になっていた。
(巨椋池が干拓されるので、緊急避難として深泥池に持ち込んだということになっている)

●深泥池団体研究グループ。1976.深泥池の研究(1)。地球科学。30(1).15-38.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/agcjchikyukagaku/30/1/30_KJ00005299564/_pdf/-char/ja
当時、深泥池で見られた植物の目録がある。ムジナモは確認されなかった。

●現在の深泥池では、ムジナモは確認されていない。
京都府レッドデータブック
https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/flo0009.html
深泥池水生植物群落
https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/eco/db/sys0035.html
コウホネ、タヌキモについて 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月04日 16:05:54 No.916
深泥池のタヌキモとコウホネについて

以前にも掲示板で書いたと思いますが、
近畿地方のヒメコウホネとされていた植物は、真のヒメコウホネではなく、
ヒメコウホネとコウホネ、オグラコウホネの複雑な雑種起源であることがわかっています。
ヒメコウホネは三重県の伊勢志摩地方に局限されています。

志賀さんの河骨愛を参照
●コウホネの話
http://www.ed.niigata-u.ac.jp/~shiga/

志賀隆, 角野康郎。2015.中部日本から西日本に分布するコウホネ属(スイレン科)の1新種サイコクヒメコウホネ。
植物研究雑誌/90 巻 (2015) 1 号/22-28.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/90/1/90_90_1_10549/_article/-char/ja
*********************************************************
タヌキモについて
亀山 慶晃, 外山 雅寛, 大原 雅。2004.Jun.
水生植物タヌキモ類における雑種形成と集団の維持機構。
第51回日本生態学会大会 釧路大会。セッションID: P1-095。ポスター発表。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/esj/ESJ51/0/ESJ51_0_180/_article/-char/ja/

北大、首藤さんのブログ。
https://kohshutoh.wixsite.com/home/blog
タヌキモ種複合体が難しい
タヌキモ種複合体が難しい (kohshutoh.wixsite.com)
ホロムイソウ 磯野久美子 投稿日: 2023年10月05日 00:43:03 No.919
藤井様

色々ご教示いただき、ありがとうございました。

載せて下さっていた文献「深泥池団体研究グループによる深泥池の研究(1):地球科学, 30(1), 15 (1976)」に、深泥池でホロムイソウを発見された宮本水文さんのお名前を見つけ、嬉しく思いました。
お目にかかったことはありませんが、在学中にこの大発見をされたので、母校京府大で同じ生物愛好会に所属した者たちには伝説の大先輩です。
今も深泥池で活動されておられるそうです。
なお、ホロムイソウはシベリアの湿原には普通にあるそうです。
サイコクヒメコウホネ 磯野久美子 投稿日: 2023年10月19日 00:55:25 No.957
京都府のレッドデータブックも「ヒメコウホネ」から「サイコクヒメコウホネ」に名称変更されていました。
https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/flo0232.html
ホロムイソウ 磯野久美子 投稿日: 2023年10月19日 01:00:22 No.958
深泥池でホロムイソウが発見された時の報文です。ご参考までに。
植物分類, 地理(現Acta Phytotax. Geobot.), 25(4-6), 187(1973)
https://www.jstage.jst.go.jp/pub/pdfpreview/bunruichiri/25/4-6_25_KJ00001078120.jpg
このページの一番下に書かれています。


(仮称)フシネコニシキソウについて 岩槻秀明(わぴちゃん) 投稿日: 2023年10月15日 13:37:30 No.944 【返信】

帰化植物友の会の岩槻秀明です。
ちょっと掲示板をお借りしますm(_”_)m

タイトルのフシネコニシキソウは、コニシキソウ類似の不明種で、
以前から帰化植物友の会MLのほうには投稿させていただいていました。

※当初はコニシキソウの生態型程度にしか考えていなかったもので^-^;

昨日の観察会で、再びフシネコニシキソウを見つけたので
写真を共有したいと思いつつ、ブログ記事にするほどでもないため、
今回掲示板をお借りさせていただきました(失礼いたしました)。

未だ正体が不明なもので情報お持ちの方のご教示、目撃情報ともに大歓迎です。

******************
★(仮称)フシネコニシキソウについて補足

「コニシキソウに似るが、全体大型で葉の斑紋は無いか弱い。
また茎は地をはうように長くのびて「節々から発根」する。
果実などの特徴はコニシキソウと同じ」

という特徴があり、毎年同じ性質のものが出てくる上に、
複数の場所で見出していて、どれも同じ形質なので、
「別な個体群」の可能性があります。

過去の写真等については…
◆コニシキソウみたいだけど…(2020年7月28日)
https://ameblo.jp/wapichan-official/entry-12614028557.html

◆(仮称)フシネコニシキソウ再び(2022年10月08日)
https://ameblo.jp/wapichan-official/entry-12768387426.html


コニシキソウ? みほ 投稿日: 2023年10月15日 16:25:44 No.946
いつも勉強させていただいています!昨日、たまたま不思議なコニシキソウ?を見つけました。画像がよくなく申し訳ありません。葉の様子はコニシキソウなのですが、こんな実のつき方は普通でしょうか?確認場所は、千葉県八千代市です。

大阪や兵庫でも、見ています 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月15日 18:12:14 No.947
大阪や兵庫でも最近、見ています。
いつどこでと言われても、思い出せないが。。。
コニシキソウに比べて節間が詰まり、花序当たりの花が多いようです。
多分、大和川周辺(大阪公立大学、杉本キャンパス)の道端(市大と府大が統合したので、教養学舎の建築工事が始まっている)。
兵庫県三田市の人と自然の博物館(去年コレクショナリウム:新収蔵庫棟)が建設された。
上記、2地点周辺で見ています。標本を採ったか忘れました。
藤井俊夫 投稿日: 2023年10月16日 16:43:50 No.956
岩槻 様

気になって、Y-listで Euphorbia を検索してみました。
http://ylist.info/ylist_simple_search.html
ハイコバノコニシキソウという植物があるようです。

前掲の黒沢(2001)では、以下の2種を混同している可能性がある。
黒沢.2001.日本産雜草性ニシキソウ属(トウダイグサ科)植物の分類と分布。植物分類地理。51(2):203-229.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/51/2/51_KJ00001077469/_article/-char/ja/

***********●以下は、Flora of North Americaより●*******************

●コバノコニシキソウ
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=242321474

Figure 345. 1-4. Euphorbia makinoi(コバノニシキソウ)
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=109302&flora_id=2


●ハイコバノコニシキソウ
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=242321518

Figure 344. 7-12. Euphorbia serpens(ハイコバノニシキソウ)
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=109301&flora_id=2
図から、節ごとに明らかな発根が認められます。

※和名は、Y-listより。


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