近畿植物同好会 掲示板
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オーギョーチ 相良真佐美 投稿日: 2023年08月25日 12:21:05 No.810 【返信】

NHKドラマ「らんまん」は次週から第22週「オーギョーチ」になります。
初耳でどんな植物か分からず、手持ちの図鑑にも載っていなかったのでネットで調べました。

小学館の月刊誌「サライ」のサイトに、日本では「愛玉子」、台湾語の発音「オーギョーチー」の呼び名で浸透、と紹介されていました。

【サライ】台湾で「愛玉」オーギョーチーを見つけた日本の植物の父・牧野富太郎と、彼を描いた池波正太郎 (2020/10/8)
     https://serai.jp/tour/1005946

史実では、牧野富太郎は1896年10月20日に植物調査団として船で基隆港から台湾入り、約2カ月台湾を縦断するように植物の調査や採集を行ったそうです。

京都市の山科植物資料館のサイト↓ には、カンテンイタビ (アイギョクシ)として画像があります。
https://tinyurl.com/4nuzmjae
植村 修二 投稿日: 2023年08月25日 13:00:22 No.811
 2011年、台湾に行った際、台北市内の夜市で撮影しました。

 私がこの植物を初めて見たのは、大阪市立大学(現:大阪公立大学)付属私市植物園の温室内でした。今から40年ほど前なんで、今もあるかは不明。日本にもあるオオイタビみたいなツル植物です。


カンテンイタビ、オオイタビについて 藤井俊夫 投稿日: 2023年08月25日 18:09:01 No.814
オーギョーチ(愛玉子)
和名:カンテンイタビ(オオイタビの変種とされている)
分布:中国南部、台湾、ベトナムとされている(Flora of Chinaより)

カンテンイタビとオオイタビの識別点
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=233500650

カンテンイタビの図
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=50279&flora_id=2
Fig.78
1-5:オオイタビ
6-8:カンテンイタビ(愛玉子)
葉の形が違うことと、果実が球形かラグビーボール状かで、見分けるようです。
日本でも、植物園などで良く植えられています。
果実が稔らないと、識別できない(変種なので、厳密な区別はつかない)

いわずと知れた、雌雄異株で、イチジクコバチの仲間が花粉媒介するので、本州では結実しないと考えられる。
オオイタビと同じコバチが花粉媒介するかは、不明です。
(誰か調べてください)

以前兵庫県赤穂市の赤穂御崎海岸の人家の塀に緑化で飢えているのを見たことがある。
数年間かかって調べると、カンテンイタビでした(果実の形がラグビーボール状になったことが決め手)。
そういえば、11月のひとはくの観察会で行く予定にしていた(当日は、近植の観察会と重なっていた)
日本では、果実が稔らないので、寒天を作ることができない。
(オオイタビで作れるか、試してみたいと思っている)

奄美大島だったかな、ラグビーボール状の果実をつけたオオイタビを見かけたことがあった。
(多分、雌雄ともに同じ形状の果実をつけるはず。もしかしたら、奄美のオオイタビで寒天ができるかもしれない)。
日本では、カンテンイタビが十分に認識されていないので、詳しく調査すればカンテンイタビが見つかるかもしれない。

中国では、カンテンイタビで作った寒天の缶詰が販売されています。
神戸の中華街の輸入品店などでも扱っています。
通販でも売っています。愛玉子で検索すれば、1缶500円ぐらいで売っています。

園芸用でFicus pumila (フィクス・プミラ)と呼んで売られているのが、オオイタビです。
もしかしたら、この中にカンテンイタビが混ざっているかもしれません)
壁面緑化用のオオイタビは箕面の滝や、兵庫県の三田でも見ています。
(冬に雪が降り、シモバシラまでできる寒いところでも、オオイタビはたくましく育っている)
オオイタビ、ついでに奄美大島のタマムラサキ 藤井俊夫 投稿日: 2023年08月26日 08:21:57 No.815
奄美大島のオオイタビ写真が出てきました
2022.Nov.28
鹿児島県奄美市大字須野あやまる岬

******************************************
●参考:Flora of Chinaのイラスト(Flora of China)
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=50278&flora_id=2
左の丸い果実がオオイタビ:Ficus pumila(2)。
右の楕円形の果実がカンテンイタビ:var. awkeotsangです(8)。

●牧野富太郎の原記載(カンテンイタビ):Pious (Eusyce) Awkeotsang Makino sp, nov.
①Makino,T. 1904.Observations on the Flora of Japan. (Continued from p.146.). B.M.T. 18(215):151-158.
  p151-152.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/18/215/18_215_151/_pdf/-char/ja
Nom. Jap. Aigyokushi-itabi (愛玉子イタビ)
Hab. FORMOSA

新種として記載し、和名を「アイギョクシイタビ」としている。
現地(台湾)では愛玉子(ai-yu-tze)と呼び、ゼリーにして利用すると記述している。
awkeo-tsang(愛玉湯?)として利用している。
「愛玉湯」はゼリーに加工した商品名か?
******************************************
「愛玉子」の由来(以下のsiteに記述がある:小学館発行の雑誌:サライのsite)
https://serai.jp/tour/1005946
愛玉という名の少女が屋台で売り始めて評判を呼び、彼女の名前で台湾中に広まったとも伝えられている。

******************************************
牧野は、
②オオイタビ(Ficus pimila)も記述している。
③ワセオオイタビ:Ficus hanceana、現在はオオイタビのsynonymとされている。

*********************●ついでに奄美に調査に行った目的の植物●********************
タマムラサキ(Allium pseudojaponicum Makino:B. M. T. 24: 30 (1910))
●牧野の原記載
Makino,T. 1910. Observations on the Flora of (Continued from p. 22.)。B.M.T.24(277): 28-35. (p30)。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/24/277/24_277_28/_pdf/-char/ja

●最近の報告
田中伸幸・藤井伸二。2012.タマムラサキの分布と四国での生育環境。(新産地報告)。分類。12(2):153-157.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunrui/12/2/12_KJ00008194393/_pdf/-char/ja
分布図が載っている。(図2)
藤井注:内陸に分布する地点として、秋田県、滋賀県伊吹山が示されているが、疑問です。
おそらく、複二倍体ではない四倍体の別系統の種だと考えているタイプです。

●下記文献に報告(きづいてから、もう10年もたっているのに、コロナの影響などで、あまり進んでいない)。
藤井俊夫(2018)兵庫県新産のタマムラサキ(ユリ科).兵庫の植物.28:5-6. 
 (タマムラサキではない!別系統の変種か?)
藤井俊夫,2020.03,「兵庫県産のヤマラッキョウ類について(おぼえがき)」兵庫植物同好会々報.36:24-26.
 (仮称:巨大ヤマラッキョウとした)
藤井俊夫. 2020.05. ヤマラッキョウの認識について. 兵庫の植物.30:51-52.兵庫県植物誌研究会.
 (葉の断面構造について記述)
藤井俊夫.2020.07. ヤマラッキョウの地域的変異(地域と向き合う).in人と自然、地域と向き合う。
 (上記、報告のまとめ。以下の書籍に解説しています)
●神戸新聞総合出版センターから出版されています(2200円)。
https://kobe-yomitai.jp/book/1520/
兵庫県立人と自然の博物館・編(2023)人と自然のワンダーランドへ、ようこそ。神戸新聞総合出版センター(2200円)。
「ひとはく」の研究員が伝える自然科学の不思議とおもしろさ―。
身近な昆虫や動植物、化石、地域の風景や自然環境、生物多様性など、多岐にわたる研究の成果を37のテーマで紹介します。
☆人と自然の博物館 30周年記念出版。

******************************************
写真は、去年、奄美大島にタマムラサキ(ヤマラッキョウの複二倍体(4倍体)の系統:現在は独立腫とされる)の調査に行ったときに撮影。
2022.Nov.28
鹿児島県奄美市大字須野あやまる岬
1.オオイタビ(カンテンイタビ?:果実が長い)
2.オオイタビ(カンテンイタビ?:果実が長い)黒く熟しているので、多分雌株です。
3.オオイタビの上に、ソテツが生えている。隆起サンゴ礁の風衝草地。
4.海岸性の複二倍体:タマムラサキ
5.海岸性の複二倍体:タマムラサキ
6.奄美大島、あやまる岬(草地と樹林の境界付近にタマムラサキが見られる)

(文献は検索ができるが、撮りためた写真は未整理で探すのが大変)


愛玉子を買ってきました 植村 修二 投稿日: 2023年10月29日 19:32:53 No.980
 先日<2023年10月26日>、久しぶりに私が以前勤めていました農芸高等学校の先生に会うため、大阪の天王寺に出かけました。

 あべのハルカス10Fに台湾のお土産品が販売されているお店があり、のぞいてみますと、愛玉子が売られていましたので買ってきました。

 芽がでるか。ダメもとで播いてみようと思います。


H-matsumoto 投稿日: 2023年10月29日 20:07:05 No.981
私も、2週間前に同じ店で愛玉子の種を買ったところです!
同じ職場の人に見せたら、ここの会社の他の種は芽が出たそうなので
可能性はあるかもとのことでした!
 
 
相良真佐美 投稿日: 2023年10月29日 21:36:14 No.983
「らんまん」で放送された押し葉標本は、山科植物資料館で栽培している「カンテンイタビ」を使ったそうです。
  https://yamashina-botanical.com/column/ranman/
植村 修二 投稿日: 2023年10月30日 12:25:39 No.984
H-matsumotoさん、相良真佐美さん

 愛玉子(カンテンイタビ)の情報、ありがとうございます。

 私も播いてみます。

 以前、タネを水につけとゼリー状になるチアシードSalvia hispanica L.を購入したことがあり、このタネもよく発芽し、開花しました。


愛玉子ゼリー 磯野久美子 投稿日: 2023年11月03日 22:08:30 No.991
今日は咲くやこの花館でインドネシア・フェスティバルを楽しんで来ました。
屋台は大盛況で、私も色んな物を食べて来ました。
まだ「らんまん・フェア」もやっていて、愛玉子ゼリーも食べることができました。
今日は暑かったので、冷たいレモネードソーダに沈むツルンとした食感の愛玉子ゼリーは美味しかったです。
寒天とは全然違って、あんなに固くはなく、と言って、ゼラチンのゼリーほど水分が多い感じでもなかったです。
看板のメニューの写真とは異なり、浮かんでいるのは氷で、ゼリーは無色透明でカップの底に沈んでいたので、うまく撮れませんでした。


愛玉子ゼリーと台湾ソーセージ 植村 修二 投稿日: 2023年11月05日 08:43:56 No.992
磯野久美子さんへ

 愛玉子ゼリー美味しそうですね!

 私は、台湾で食べた経験がありますので、磯野さんと情報が共有できました。

 世の中、なんでんかんでもデジタル化の時代になりました。音や映像はデジタルで共有できても、味や食感は伝えにくいですよね。

 私が「あべのハルカス」で農芸高校で一緒だった先生にお会いした際、10階の台湾レストランで簡単な食事をとりました。

 お会いした先生は学生時代、農芸高校で肉加工を学ばれておられたので、「台湾のソーセージ」(香腸)を注文しました。見た目は、スーパーでよく目にするソーセージ、でも味は全然違っていて甘いです。パリパリ感もあまりないです。

 デジタルでは、「台湾のソーセージ」(香腸)、どんな食べ物か皆さんに伝えにくいですね。
愛玉子ゼリー 磯野久美子 投稿日: 2023年11月05日 12:37:28 No.993
植村様

食レポはホント難しいと思いました(^^)


秋の京都府立植物園 相良真佐美 投稿日: 2023年11月02日 12:12:03 No.990 【返信】

11月1日に京都府立植物園に行きました。秋晴れで暑いぐらいです。
タケササのエリアでは、スエコザサに大きな立札が建ててありました。
どこかのツアーガイドが説明していましたが、団体客の反応は今一でした。皆さんドラマの記憶は薄れているようでした。

開花中のもの、結実しているものなどいろいろありました。




花明山植物園 辻本 穣 投稿日: 2023年10月31日 21:57:40 No.985 【返信】

23日に花明山植物園に行ってきました。
決して広くない面積に、初見の植物が多くて驚きました。
展示していないような鉢物の植物にも楽しめました。
また行きたい植物園です。

1枚目 キタコブシ
※ヒトツバタゴの実を初めて見ました。

2枚目 タカサゴシダ
※個人的にシダも同定できるようになりたい

3枚目 ユキミバナ
※ユキミバナは9月の観察会で自生地を見ましたが、現地では花が咲いたことないよですが、こちらでは咲いていました。


ダウンロードタカサゴシダ ( .heic / 456.7KB )
相良真佐美 投稿日: 2023年10月31日 23:33:18 No.986
辻本様

タカサゴシダの画像ファイルは、iOSデバイスで撮影されたファイル形式のHEICファイルで投稿されています。
ただ、この形式では一部のWindowsのシステムでは対応できない可能性があります。
誰でも閲覧できるように今後はjpg形式のファイルで投稿をお願いします。(掲示板管理者)
辻本 穣 投稿日: 2023年11月01日 11:34:51 No.987
相良 様

申し訳ありません。
以後、気をつけます。
標本に学ぶ:大本花明山植物園の標本庫(ハーバリウム) 藤井俊夫 投稿日: 2023年11月01日 14:54:50 No.988
大本花明山植物園で長年植物を採集し、標本をつくってきた津軽さんの分類学会賞受賞論文です。

津軽 俊介.2008.標本に学ぶ(第7回日本植物分類学会賞受賞記念論文)。分類。8(2):109-122.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunrui/8/2/8_KJ00005013327/_article/-char/ja

何故標本を集めるのかを、現場から見た視点で記述しています。
1.和名による混乱(一つの和名が二つの植物種を指している例)
2.思い込みで間違う例(私もよくやりました、例:淀川のコツブヌマハリイ)
3.分布(日本海側、太平洋側で変種関係にある思い込みなど)

雑草ほど変異が大きい、地域変異を知るために各地で同一種(例:オオバコ)を集めるなど。
辻本 穣 投稿日: 2023年11月01日 22:44:24 No.989
藤井 様

貴重な資料をありがとうございます。
当園にもあてはまことかなと思います。


センチペードグラスの貼り芝から生えてきたハリビユ 植村 修二 投稿日: 2023年10月29日 20:15:27 No.982 【返信】

 大阪府吹田市にあった国立循環病センターの跡地に複合商業ゾーンができ、スーパーマーケット、薬局、飲食店などが次々できています。

 そこにある緑地の緑化にセンチペードグラス(チャボウシノシッペイ)Eremochloa ophiuroides (Munro) Hack.の貼り芝が植栽されており、そこから多数のタチスズメノヒエPaspalum urvillei Steud.が生えているのをバスの車窓から見えたので、近くのバス停で下車し、見てみました。以前、この辺りではタチスズメノヒエは見られなかったです。

 その時は時間があまりなく、植え込みの低木の間にマルチング資材に由来する「外来のクマツヅラVerbena officinalis L.」を見つけただけでした。

 その後、再度現地を訪れたところ、ハリビユAmaranthus spinosus L.が1株、センチペードグラスの貼り芝から生えてました。




イヌキビでした。今日の植物分類学会:日中韓国際シンポ 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月28日 16:00:14 No.979 【返信】

脱粒性についてご教示いただきありがとうございました。
作成中の標本を見ると、まだ若い果実なのに脱落しているのが多数確認できました。
雑草の栽培化に脱粒性の有無が関与していることを改めて認識しました。
こんなことは形態分類では認識できないことです(標本は果実の着いた若い植物で作ることが多い)。

現場で生育状況などを確認する重要性を改めて認識しました。
そういえば、2-3年前からイヌキビの生育を確認していましたが、スズメが食い散らかした(こぼれ落ちた)果実がたくさん落ちているのが不思議でした。
脱粒性の特徴を知って、納得しました。
山口裕文(編著)雑草の自然史、または栽培植物の自然史(文一総合)を思い出しました。
ダイズとアズキの雑草から栽培化への道のりがDNA解析で明らかになりつつあったと思います。

今朝、生えている場所で脱粒性を見ました。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

植物分類学会の国際シンポに参加中(途中で早引き)。(当日参加:3000円)
JSPS:日中韓シンポ: 10th East Asian Plant Diversity and Conservation Symposium 2023。

●プログラム
https://2023sym.e-jsps.com/?page_id=109

●会場:大阪市立大、杉本キャンパスの田中記念館
https://2023sym.e-jsps.com/?page_id=113
 併設のレストランの名前は、メタセコイア。(土日は休業)
 三木茂博士のメタセコイア発見の逸話を聞いて、この名前になったという逸話を着たことがある。
 そういえば、三木茂の映画でクラウドファンディングをやっていたが、目標額を達成したようです。
 目標額:80万円だった。
https://camp-fire.jp/projects/view/689329

●写真は、大阪市立大(教養)の新しい学舎(建築中)
 スライドは、以下の発表から
S4. The phylogenomic study in Carex (Cyperaceae) and their MADS-box gene evolution based on genome data
Sangtae Kim (Sungshin Women’s University, Korea)
★最近はDNAを調べて、系統樹を作り、地理的分布と合わせて祖先系からどの時代に分布拡大するかのシミュレーションばかりで、形態比較が少ないので面白くない。
最近はLGM(Last Glacial Maximum: 最終氷河期)だの、HGT(Horizontal Gene Transfer:遺伝子の平行進化)だの、地質学や遺伝学の最新の知見が必要だ。




洛西竹林公園 相良真佐美 投稿日: 2023年10月27日 23:15:32 No.977 【返信】

10月26日に、親しいメンバーと京都市洛西竹林公園に行きました。雲一つない快晴でした。
バスを降りてモウソウチクが群生する「竹の径」を1kmほど歩くと竹林公園に到着します。
  https://chikurin-park.com/

タケ・ササ類は分子系統学的解析でイネ科タケ亜科の下に熱帯性(バンブーサ連Tribe Bambuseae)と温帯性(アルンディナリア連Tribe Arundinarieae)に分類されるようになり、その下に属が並ぶようになりました(Keichner & BPG,2013)。

ポイントとして

 (1) 熱帯性と温帯性の葉脈を見ての区別の仕方
 (2) タケとササの植物学上の区別
 (3) アルンディナリア連で一番身近なマダケ属(節から2本の枝)と他の属との見分け方
 (4) マダケ属の内、三大有用竹といわれる、モウソウチク、マダケ、ハチクの節の輪状による見分け方
 (5) タケノコや竹の皮の違い

など初心者向きの説明で、現物を見て確認しました。

なお、メダケのエリアでは、4年前は一斉に開花していましたが、今は名札だけで、メダケはすっかりなくなっていました。

竹林公園のパンフレットには庭園には110種の展示とありますが、実際に確認できるのは30種ほどでした。
その内20種ほどをじっくりと観察し、いろいろ学べました。
皆さん、また新しい知識が増えたと、満足していました。

参考文献:小林幹夫「日本のタケ亜科植物」北隆館(2017) 
     内村悦三「タケ・ササ総図典」創森社(2014)


洛西竹林公園 -2 相良真佐美 投稿日: 2023年10月28日 15:38:14 No.978
●シホウチク
 タケノコが生えていました。タケノコは秋に生え食用にもされます。稈を触るとゴワゴワで四角い形をしています。

●ヤダケ
 節はほとんどふくらまず、節間は長いので矢や筆軸に利用されます。
 稈鞘(竹の皮)が節間の2/3ぐらい長さで稈に残ります。
 そのためタケと名がついていますが、植物学上はタケ類でなくササ類になります。節が少し傾いているのも特徴です。

●キンメイモウソウ
 マダケ属モウソウチクの園芸品種で、マダケの園芸品種のキンメイチクも節間に緑色の線が入ります。
 どちらも、節はモウソウチクの特徴の1輪状、マダケは2輪状と母種の特徴を受け継いでいます。
 
●熱帯性と温帯性
 ルーペで葉脈を見て、平行脈なら南の国から来た熱帯性で、スホウチク、ホウショウチクが該当し観察しました。
 地下茎が長く伸びないので、庭園などに植えられます。
 葉脈が網目状であれば、温帯性で、日本でも自生しています。普段、野山で目にするタケ・ササ類はこれがほとんどです。




イヌキビでしょうか? 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月26日 15:41:20 No.972 【返信】

イヌキビでしょうか?

2023年10月26日:大阪府大阪市住吉区
道端の空き地で、オオエノコロ、ヒエ、オヒゲシバなどが生えていたので、小鳥の餌を捨てたところから生えたと思われる。

●以下,Y-listより
学名: Panicum miliaceum L. var. ruderale Kitag.
和名:  イヌキビ
学名ステイタス: 標準
B.M.T. 51: 153, f. 3 (1937),
文献
Kitagawa,M. 1937. Contributio ad Cognitionem Florae MAnshuricae. X. Bot.Mag. Tokyo. 51(604):150-157.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/51/604/51_604_150/_pdf/-char/ja
p153-154.に原記載がある。
Panicum miliaceum var. ruderale Kitagawa var. nov.
最後に
「only in upright panicules and narrow floral glumes.」と記述している。
黍との違いは、花序が上向き(枝垂れない)で、小苞が狭いとしている。

Flora of Chinaの、キビ(Panicum miliaceum)の図。
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=95444&flora_id=2
(キビ属:Panicumは、世界に500種ぐらいある)
キビは、インド周辺が原産とされる。
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:412217-1

●イヌキビのタイプ標本は、東大総合研究博物館か?
タイプ標本のリストが順次公表されている。
https://www.um.u-tokyo.ac.jp/academics/material_report.html
イヌキビの原記載者:
北川政夫(きたがわ まさお、1910年2月 - 1995年8月4日)
日本の植物学者である。戦前は中国東北部の植物を研究した。

●以下の文献が見つかりました
木俣美樹男。2009.キビ Panicum miliaceum L. の栽培起源。国立民族学博物館調査報告 84:205-223。
file:///C:/Users/fujii/Downloads/CV_20231026_SER84_011.pdf
211p.20l.に、キビの雑草型として、P.miliaceum subsp. ruderaleに学名がある。
キビ(P.miliaceum)と、イヌキビ(P.miliaceum subsp. ruderale)の雑種の写真がある。

1-3枚目:生育状態
4-6枚目:花序の拡大(5-6枚目は、花序を開いた)


植村 修二 投稿日: 2023年10月27日 18:01:58 No.975
藤井俊夫さんへ

 キビとイヌキビとは、形態的にほとんど同じなので、画像で見分けるのは難しいです。

 藤井さんのスケールを入れた穂の画像の周りに、脱粒したものが写ってますので、イヌキビかもしれないです。

 イヌキビは「栽培化されたキビ」から生じた雑草とも考えられ、脱粒性があるのが特徴です。

 画像は自宅で栽培しているキビです(大阪府箕面市、2014年9月2日撮影)。




絶滅危惧ミズオオバコ大繁殖 山本和子 投稿日: 2023年10月27日 13:28:11 No.973 【返信】

昨日の朝刊「鈴鹿・亀山版」に、「絶滅危惧ミズオオバコ大繁殖」の記事が掲載されたので今日の午前中探しに行って来ました。下調べをして行ったので思ったより簡単に見つけることが出来ました。でも藻が絡んでいたり、葉が黒っぽくなっていて綺麗な状態ではありませんでした。来年はもう少し葉が綺麗な状態の時に観察に行きたいと思います。ミズオオバコは鈴鹿市の金生水沼沢と西庄内地区で記録がありますが、今日見た長太の水路では初めてのようです。写真は橋から撮った2枚と、1株全体と、花のみです。

京都市伏見区巨椋池干拓地のミズオオバコ(2023) 伊吹寛子 投稿日: 2023年10月27日 15:45:22 No.974
京都でも「京都府改訂版レッドリスト2022」でミズオオバコは2015年のリストに引き続き絶滅危惧種に指定されています。幸い、私がよく歩いている京都市伏見区の巨椋池干拓地の田圃では、去年2022年に引き続き今年も群生して開花しているのが目撃されました。1927年の三木茂氏の記録見られ、干拓前から生育していた巨椋池干拓地の貴重な植物の一つです。

一年草(多年草とするサイトもある)と聞きますが、せめて種子繁殖して今年も咲いてくれないものかと、この掲示板にも投稿させていただいた物が去年群生していた場所を、今年も目を皿のようにして探したのですが、よう見つけませんでした。農道から見ただけですので、よう見つけなかっただけかも知れませんが、去年は農道のそばに群生していました。ただ、幸い、去年気づかなかった、かなり離れた別の場所で、群生して可愛い花を咲かせているのに出会い嬉しく思いました。どうしてこんなに去年の場所に全然見られないのか、素人の私には分かりません。

ミズオオバコは当地は田圃ですから、去年も今年も、稲刈り前の水がなくなる時期に田圃の土に張り付いて枯れてしまいますので、9月が見ごろで10月に見るのは難しそうです。

良く似たウリカワが「京都府レッドリスト2015」に準絶滅危惧種として新規に記載され、2022年版にも引き続き同様に記載されているのですが、探してもまだ出会っていません。先日、大阪府高槻市の田圃を歩いていた時に、その時の講師の先生がウリカワと同定される植物に出会い、とても羨ましく思いました。

今年も季節が進み、干拓地は秋景色です。霜がおりる迄見続けたい植物、来年の再会を期待する植物、今年は出会えなかったけれど来年は出会えたら嬉しいな~と思う植物。楽しみです。

写真1:今年のミズオオバコ 巨椋池干拓地 2023年9月9日
写真2:ウリカワ 大阪府高槻市 2023年10月5日




コキクモ 相良真佐美 投稿日: 2023年10月25日 21:00:37 No.971 【返信】

 京都市伏見区 巨椋池干拓地のキクモあるいはコキクモについては、伊吹寛子さんが昨年夏に見つけていました。
 その報告として、近畿植物同好会会誌 第46号 (2023)に「伊吹寛子:2022年 巨椋池干拓地で出会った植物について」の「6.キクモあるいはコキクモ」で述べています。
 その中で、キクモとコキクモ区別の仕方として、角野康郎著「日本の水草」(文一総合出版2014)から、キクモの果柄はほとんどなく、コキクモの果柄は2~10mmで、区別するには果柄の長さしかない、とありました。
 採集した標本はどちらとも言い難く、伊吹さんは大阪市立自然史博物館学芸員の横川昌史さんに相談し、博物館の標本と比較することになりました。

 今年の1月12日に私も加わり、標本庫のコキクモの確認をしました。そして、持参した標本を横川さんが、角野康郎先生へスキャニングデータをメールし、同定をお願いしました。
 しっかり確認するために、果柄が発達する秋に、巨椋池干拓地に横川さんと再度確認に行くことを約束しました。
 後日、角野先生からは、コキクモとのご返事をいただきました。

 秋になって、10月23日、京都市伏見区 巨椋池干拓地へ、横川さんと、伊吹寛子さんとで行きました。
 コキクモは、稲刈りのダメージで少なくなっていましたが、いつもの場所にありました。
 確認すると、ほとんどは果柄があり、ノギスで測定すると、平均3.5mmで、コキクモとしました。
 一部で果柄のないのも見つかりましたが、これはまだ若く、これから果柄が伸びるのではと、経過観察することになりました。
 観察したサンプルを添付します。

※前掲投稿の標本写真は、大阪市立自然史博物館植物標本庫の標本写真撮影のSNS等への掲載は原則禁止となっていますので削除しました。

 
 




教えてください。Euphorbia 外来種 藤井俊夫 投稿日: 2023年10月15日 19:59:14 No.949 【返信】

大和川周辺で、添付画像のようなEuphorbiaを採集しました。

田中光彦 投稿日: 2023年10月15日 23:11:46 No.950
藤井様
トウダイグサ科のニセシマニシキソウではないでしょうか。多くは地を這うようにしているが、なかには少し立ち上がっているものもあり、葉にはコニシキソウのような斑紋があったりなかったりしますが、各枝の先端のみに二個の花序が着くのが特徴です。シマニシキソウのようには立ち上がらないのでニセと名付けられたのではないかと思っています。北河内では数か所で見つかっていますが、巨椋池干拓地でも、岸和田市でも見つけています。詳しくは近畿植物同好会会誌第39号(2016)に載っています。


相良真佐美 投稿日: 2023年10月16日 00:49:06 No.951
近植の掲示板も参照されていますね。
「野の花・山の花」花かんざしさんのブログ 撮影日:2013.9.12
https://mienokaze.blog.fc2.com/blog-entry-1582.html

南フロリダ大学植物標本
https://cdn.plantatlas.org/img/specimens/USF/298938.jpg

Flora of North America
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=242437635
植村 修二 投稿日: 2023年10月20日 20:52:35 No.959
 水田光雄さんが大阪府岬町孝子(きょうし)で行われた近畿植物同好会の観察会で採集され、持ってこられた植物で、ニセシマニシキソウEuphorbia ophthalmica Pers.を初めて知りました。

 この植物は和歌山にもあるとのことで、稗田真也さんは分布状況の調査を、そして私は同定作業を共同で行っておりました。

 ただ、トウダイグサ属は同定が難しく、なかなか種名を明らかにできなかったです。

 ようやく学名が分かり、私はこの植物にナンカイシマニシキソウ(南海シマニシキソウ、難解シマニシキソウ)としようかと考えていたら、以下に先に発表されました。

土屋 守 2015. 野田市でChamaesyce ophthalmica ( ニセシマニシキソウ 仮称) を採集. 千葉県植物誌資料:299-300.

 NHK朝ドラ『らんまん』のトガクシソウの時の田辺教授のような気分だったですね。

 以前、相良真佐美さんに自生地を案内していただいたオオミヤマウズラについて、神戸大学の末次先生は韓国の学者に先に新種発表されたと、どこかで読んだ記憶があります。間違ってたらごめんなさい。

 学問の世界は早い者勝ちですから・・・

 以下の画像は後日<2015年9月20日>、水田さんに詳しい場所を教えていただき、孝子で撮影したものです。


横川昌史 投稿日: 2023年10月24日 11:40:42 No.969
普段はあまりコメントしていませんが・・・

ニセシマニシキソウ Euphorbia ophthalmica Pers. 僕も気になっています。

個人的には2022年7月に大阪府岬町、2023年9月に大阪市の長居植物園、2022年7月に三重県松阪市で見ています。

大阪市立自然史博物館の標本庫には
・2009年9月大阪府岬町
・2016年8月大阪府枚方市
・2020年10月大阪府大東市
・2022年7月大阪府岬町
・2022年7月三重県松阪市
・2023年9月大阪市長居植物園
で採られた標本が入っています。

すぐに詳細は出ませんが、2020年に大阪府内にシマニシキソウがあるという質問をもらいました。現地で確認していませんが、今から思うとニセシマニシキソウだと思います。

また、昨日、伊吹さんの案内で巨椋池干拓地に行きましたが、そこにはニセシマニシキソウが山ほどありました。

近畿圏でも各地拡がりつつあるのだと思います。

長居植物園で2023年9月2日に撮影したニセシマニシキソウを添付します。新しく造成した花壇のわきなので、資材に付いて入ってきたのではないかと思います。
僕が岬町で見たものは幹線道路沿いの植え込みの中で、これも資材についてきたのでは、と思っています。

よこがわ


相良真佐美 投稿日: 2023年10月24日 12:24:15 No.970
巨椋池干拓地では、生育地が広く散らばっていて、たくさん確認できました。



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