浅間会


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「女性学研究所」でGoogle検索すると… Moroccan mint 投稿日: 2021年05月15日 09:37:29 No.67 【返信】

こちらこそ本を読むきっかけを頂いて、ありがとうございました。次は『女性のいない民主主義』を読んでみようと思います。今度は全然違うものを読もうと思っていたのですが、たまたま目についてしまったので、女性学シリーズ?2冊目です。図書館で本のタイトルの他に、「女性学」でも検索してみたら、1990年後半から2001年までの出版物は幾らかヒットするのに、そこから2021年までの出版の本はあまり置いていない印象でした。1冊目江戸の〜を読み始めた頃、1990年代からジェンダーについての議論は止まっていたのでは?という気がしましたが、もしかすると、女性学全体の研究の方も(研究者の方々には失礼ながら)凍っていたのかも…と思い始めています。この本は1997年の論文を参考に書かれた、という批判もあるようですが、私が知りたい日本で議論されることの多い問題は網羅しているようなので、楽しみです。この投稿のタイトルの続きですが…母校のサイトが真っ先に出てきます。


Moroccan Mintさんへ Bookworm 投稿日: 2021年04月28日 20:47:53 No.66 【返信】

現代の私たちのジェンダー問題と対比させて深く読まれたのですね。読みごたえがありました。ありがとうございました。


『江戸の乳と子ども』とジェンダー問題その5 Moroccan mint 投稿日: 2021年04月26日 15:01:44 No.65 【返信】

 ジェンダー問題は男女の雇用機会や賃金における不平等として語られることが多く、その原因に出産・育児・月経の女性の負担が挙げられることが多いけれど、それらが女性だけの問題になったのは思ったより近年の問題のようだと、感じました。
 生活が安定してから結婚した、比較的余裕のあった小林一茶でさえも、産後からなくなるまでの妻の介護・乳飲み児の乳母の手配をほぼ一人でこなしていました。命をつなぐために、男女の別なくがむしゃらに生きていた江戸時代の生活と、未来への不安の中で忙しく生きる現代人の生活は、男女が支え合わなければいけないという点で違いがないのではないか、そう思うに至りました。
 最近、「生理の貧困」という言葉があるようですが、生理用品を持って江戸時代に逆戻りしたら、それこそ出産管理(人口増加、捨て子・間引き防止)策として、女性の労働生産性アップ策として、行政(男性)が配り歩くのではないでしょうか。
 個人的には読みづらい部分がありましたが、乳を基点に歴史を考えるという本書の視点は、まだまだ新しい研究成果が期待できる興味深いものでした。
 また、余談ですが、本書からミクロ・ストリアというものの重要性を感じ、今のコロナの時代もこうして日々投稿される人々の感情や心理の変化が、のちのち歴史の転換点として研究される時、きっと役に立つ、と思いました。
 現代のジェンダー問題の方も、徴兵制がない日本では、男性が自分だけでなく妻子も、女性が夫と子供も、家族皆が健康で幸せであることが自分の生活の質にも直結しているとお互いに感じられれば、あっと言う間に解決しそうな気がするのですが、どうなんでしょう?成功している職場や海外の事例をもっと知りたいです。


『江戸の乳と子ども』とジェンダー問題その4 Moroccan mint 投稿日: 2021年04月26日 14:59:21 No.64 【返信】

 探っている転換点以前の、このような人々の状況を考えると、転換点から現代までには、生きることの困難さが減り、生活様式の劇的な変化がおこると、そこから心境に変化がおとずれ、男女共に育児への関わり方を変えていくことになったのではないか、という推測ができました。
 医療や食糧生産技術が進歩し、お産や伝染病で命を落とすことが減り、母乳・ミルクを含む食糧事情がよくなると、出産時の母子・成長期の子ども・高齢期の親族、どんどん人が死ななくなっていったこと。ミルクの登場で貰い乳、乳母が不要になり、自分の体のことだけで精一杯の妻に代わって男性が奔走する必要が無くなったこと。交通手段、新たな職業、便利な道具が現れたこと。それらから、育児にかかる人手は少なくて済むようになり、また夫以外の元気な親族という新しい人手が育児に加わるように。乳が命綱ではなくなり、母乳として母子を結ぶシンボルとなった?ことで、女性を家庭にという思想が生まれ、それまで同じように働いてきた男女が、男性のみ新たな職業につくという構図に。育児が母や祖母という女性だけで解決できるようになると、戦後の高度経済成長、それに続く24時間戦えますか?の時代に男性が出産・育児まして月経について知ったり、考えたりする必要も時間も無くなったこと。色々と想像ができてきました。


『江戸の乳と子ども』とジェンダー問題その3 Moroccan mint 投稿日: 2021年04月26日 14:57:12 No.63 【返信】

 出産・育児・月経が女性だけの問題と捉えられるようになったのはいつなのか?本書ではエピローグに「江戸時代から近代への展開の過程を明らかにする課題が残されている。」とあり、「いのちをつなぐ営み」の展開の過程の解明には、やはり乳の問題が重要な手がかりになると書かれています。私は残されている課題、そこが気になってしまい、転換点を探るべく、昨年、国立歴史民俗博物館で「性差(ジェンダー)の日本史」という企画展示があったようなので、WEBサイトに目を通してみました。「近世になると『職人』から女性が排除され…『女職人鑑』のように『女』というジェンダー記号が付されるように…」、「政治の場から女性の排除を決定づけたのは、明治憲法体制でした。」などの記述から、ジェンダー問題の転換点については少し想像ができました。しかし、私が興味を持った育児に特化してのターニングポイントについては分からず終いとなったため、本書から得た知識から自分なりに推測してみました。
 まず、本書から気付いたこと。
・年齢・性別に関わらず、病気や貧困で死と隣り合わせの日常の中では懸念事項は常に自分たちはどうやって生きるか、子どもをどうやって生かしていくか、であった。
・本書全体を通して、大家族の資料や祖父母の出番が少ない。祖父が乳母の手配をすることはあっても、祖母は出てこない(ミルクで育てる、という方法がない)。そもそも生きていなかったり、親族も生活が苦しかったり、遠方に住んでいる場合は交通手段がなかったからか?
・貧富の差に関わらず、女・子どもの命は特にはかなかった。出産・育児期の妻子は死と隣り合わせており、男性の妻子に対する気持ちは現代より強い場合が多かった?


『江戸の乳と子ども』とジェンダー問題その2 Moroccan mint 投稿日: 2021年04月26日 14:55:49 No.62 【返信】

どんなに賢いメンバーを揃えても男性だけで行う会議では生理用品の重要性に気付かない、という表現を聞いたことがあるのですが、それは現代の話だと感じました。
 江戸では母の乳がないか不足する場合、父親が乳のあてを探し、行政(男性)が乳の粉という催乳薬を配り、捨て子の貰い手(乳のある者)を探す。子どもの生命に関わること(乳をめぐる様々な事項)に男性が大いに関わっていました。現代では母乳やミルクについて家庭外で話題にする時、話す相手として多いのは女性です。実際、私の居住地のサイトには「母子健康相談は,保健師・助産師・管理栄養士などの専門職による…」とありますが、約10年前、長女の時も、次女の時も男性相談員はゼロでした。
 つい200年前まで男性が乳の量がどうの、子の育ちがどうの、と言っていたのに、いったいどの時代から育児において男性が蚊帳の外に置かれて(逆に蚊帳の中に入ってしまった?)のか、読み進めるうちに、どんどん興味が湧いてきました。
 また、現代では女性特有と表現される事象、月経についての経験を夫婦で共有していたことは驚きでした。薬を用意し医者を呼ぶ、近所の女性に相談するのも夫。これは流産か月経不順か過去数年の妻の様子から自分なりの判断をして日記に記しているのも下層武士の夫。月経と家族計画(江戸では≒一家の経済)を切り離して考えられなかった時代には、男性が月経について躊躇なく話題にし、妻の体調について情報を蓄えて自分なりに解釈していました。


『江戸の乳と子ども』とジェンダー問題その1 Moroccan mint 投稿日: 2021年04月26日 14:54:21 No.61 【返信】

 色々と感想をメモしながら読んでいたら、内容・量ともに中学生の作文くらいになってしまい、どうしようかと思ったのですが、そのままつなげてしまいました。分けて投稿します。
 日本の歴史研究というのは記述も日本式に曖昧になるのか、解説と資料がきっちり対応していない(文中にデータがあるのに表にない)ところが多かったり、せっかく章に分けたはずのテーマが中で混ざったり、など読みにくかったです。また、江戸の貨幣制度が複雑で、解読に苦労しました(口入屋が捨て子の預り賃「銭3貫500文」と口入料「銀50匁」をもらい、子をもらう百姓が「銀200目」を行政から受け取る、など)。
 私は今年、朝日新聞のジェンダーに関する企画を偶然ネットで見つけ、幾つかオンラインで視聴しました。そこで自分が「ジェンダー」という語を大学で知った‘90年代半ばから世の中は少しずつ変わったけれど、声高にジェンダーについて議論されていたかと言うと、あまりされていなかったことを再認識しました。また、視聴当時、奇しくも2/4の森発言と一連の騒動があり、3/8の国際女性デーに向け、世間でこの数十年なかったほどジェンダーを議論する熱気が高まっていたため、私はこの本を乳のある女とない男という目線で読み始めました。


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