浅間会


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『江戸の乳と子ども』とジェンダー問題その5
Moroccan mint 投稿日:2021年04月26日 15:01 No.65
 ジェンダー問題は男女の雇用機会や賃金における不平等として語られることが多く、その原因に出産・育児・月経の女性の負担が挙げられることが多いけれど、それらが女性だけの問題になったのは思ったより近年の問題のようだと、感じました。
 生活が安定してから結婚した、比較的余裕のあった小林一茶でさえも、産後からなくなるまでの妻の介護・乳飲み児の乳母の手配をほぼ一人でこなしていました。命をつなぐために、男女の別なくがむしゃらに生きていた江戸時代の生活と、未来への不安の中で忙しく生きる現代人の生活は、男女が支え合わなければいけないという点で違いがないのではないか、そう思うに至りました。
 最近、「生理の貧困」という言葉があるようですが、生理用品を持って江戸時代に逆戻りしたら、それこそ出産管理(人口増加、捨て子・間引き防止)策として、女性の労働生産性アップ策として、行政(男性)が配り歩くのではないでしょうか。
 個人的には読みづらい部分がありましたが、乳を基点に歴史を考えるという本書の視点は、まだまだ新しい研究成果が期待できる興味深いものでした。
 また、余談ですが、本書からミクロ・ストリアというものの重要性を感じ、今のコロナの時代もこうして日々投稿される人々の感情や心理の変化が、のちのち歴史の転換点として研究される時、きっと役に立つ、と思いました。
 現代のジェンダー問題の方も、徴兵制がない日本では、男性が自分だけでなく妻子も、女性が夫と子供も、家族皆が健康で幸せであることが自分の生活の質にも直結しているとお互いに感じられれば、あっと言う間に解決しそうな気がするのですが、どうなんでしょう?成功している職場や海外の事例をもっと知りたいです。




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