浅間会


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『江戸の乳と子ども』とジェンダー問題その3
Moroccan mint 投稿日:2021年04月26日 14:57 No.63
 出産・育児・月経が女性だけの問題と捉えられるようになったのはいつなのか?本書ではエピローグに「江戸時代から近代への展開の過程を明らかにする課題が残されている。」とあり、「いのちをつなぐ営み」の展開の過程の解明には、やはり乳の問題が重要な手がかりになると書かれています。私は残されている課題、そこが気になってしまい、転換点を探るべく、昨年、国立歴史民俗博物館で「性差(ジェンダー)の日本史」という企画展示があったようなので、WEBサイトに目を通してみました。「近世になると『職人』から女性が排除され…『女職人鑑』のように『女』というジェンダー記号が付されるように…」、「政治の場から女性の排除を決定づけたのは、明治憲法体制でした。」などの記述から、ジェンダー問題の転換点については少し想像ができました。しかし、私が興味を持った育児に特化してのターニングポイントについては分からず終いとなったため、本書から得た知識から自分なりに推測してみました。
 まず、本書から気付いたこと。
・年齢・性別に関わらず、病気や貧困で死と隣り合わせの日常の中では懸念事項は常に自分たちはどうやって生きるか、子どもをどうやって生かしていくか、であった。
・本書全体を通して、大家族の資料や祖父母の出番が少ない。祖父が乳母の手配をすることはあっても、祖母は出てこない(ミルクで育てる、という方法がない)。そもそも生きていなかったり、親族も生活が苦しかったり、遠方に住んでいる場合は交通手段がなかったからか?
・貧富の差に関わらず、女・子どもの命は特にはかなかった。出産・育児期の妻子は死と隣り合わせており、男性の妻子に対する気持ちは現代より強い場合が多かった?




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