浅間会


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『江戸の乳と子ども』とジェンダー問題その2
Moroccan mint 投稿日:2021年04月26日 14:55 No.62
どんなに賢いメンバーを揃えても男性だけで行う会議では生理用品の重要性に気付かない、という表現を聞いたことがあるのですが、それは現代の話だと感じました。
 江戸では母の乳がないか不足する場合、父親が乳のあてを探し、行政(男性)が乳の粉という催乳薬を配り、捨て子の貰い手(乳のある者)を探す。子どもの生命に関わること(乳をめぐる様々な事項)に男性が大いに関わっていました。現代では母乳やミルクについて家庭外で話題にする時、話す相手として多いのは女性です。実際、私の居住地のサイトには「母子健康相談は,保健師・助産師・管理栄養士などの専門職による…」とありますが、約10年前、長女の時も、次女の時も男性相談員はゼロでした。
 つい200年前まで男性が乳の量がどうの、子の育ちがどうの、と言っていたのに、いったいどの時代から育児において男性が蚊帳の外に置かれて(逆に蚊帳の中に入ってしまった?)のか、読み進めるうちに、どんどん興味が湧いてきました。
 また、現代では女性特有と表現される事象、月経についての経験を夫婦で共有していたことは驚きでした。薬を用意し医者を呼ぶ、近所の女性に相談するのも夫。これは流産か月経不順か過去数年の妻の様子から自分なりの判断をして日記に記しているのも下層武士の夫。月経と家族計画(江戸では≒一家の経済)を切り離して考えられなかった時代には、男性が月経について躊躇なく話題にし、妻の体調について情報を蓄えて自分なりに解釈していました。




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