映画同好会
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PLAN 75 組長 投稿日: 2023年07月04日 17:33:46 No.475 【返信】

《これが長編デビュー作となる早川千絵監督が、是枝裕和監督が総合監修を務めたオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の一編として発表した短編「PLAN75」を自ら長編化。
75歳以上が自ら生死を選択できる制度が施行された近未来の日本を舞台に、その制度に翻弄される人々の行く末を描く。
少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。
満75歳から生死の選択権を与える制度「プラン75」が国会で可決・施行され、当初は様々な議論を呼んだものの、超高齢化社会の問題解決策として世間に受け入れらた。
夫と死別し、ひとり静かに暮らす78歳の角谷ミチは、ホテルの客室清掃員として働いていたが、ある日突然、高齢を理由に解雇されてしまう。
住む場所も失いそうになった彼女は、「プラン75」の申請を検討し始める。
一方、市役所の「プラン75」申請窓口で働くヒロムや、死を選んだお年寄りにその日が来るまでサポートするコールセンタースタッフの瑶子らは、「プラン75」という制度の在り方に疑問を抱くようになる。
年齢による命の線引きというセンセーショナルな題材を細やかな演出とともに描き、初長編監督作にして第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品。
初長編作品に与えられるカメラドールのスペシャルメンション(次点)に選ばれた。
ミチ役で倍賞千恵子が主演。磯村勇斗、たかお鷹、河合優実らが共演する。》

超高齢化社会での一つの解決策。
いわゆる姥捨て山政策です。
申し込むと自由に使える10万円がもらえ、共同なら葬儀費用は無料。
住民票もいりません。

年相応の役を躊躇なく演じる、倍賞千恵子が素晴らしい。
皴皴の素顔を臆面もなく見せます。
1941年生まれです。
ここら辺が吉永小百合と異なるところです。

さてこういう話、米映画では「ソイレント・グリーン」。
でも大きく違うのは、ハリウッドはエンタメに徹します。
実は裏に陰謀があるというような。

本作は陰謀ではなくて、あくまでお役所のやりそうなこと。
それに声高に主張することもありません。
全般的にセリフは少なく、派手なシーンは皆無です。

つまり、登場人物たちの行動は、観客が想像するしかありません。
そこはいいのですが、若干不明なシーンがあるところが残念です。
私の頭が悪いだけでしょうが。

彼女の登場シーンはいいのですが、ステファニー・アリアンというフィリピン人の出稼ぎのシーンは、なんかとってつけたみたいでした。
対比するのはわかりますが、どうもピンときません。

ラストも特に解決していません。
これも観客にゆだねられています。

身につまされる歳になってきた私、選ぶかなあ、どうかなあ。
ちょっと上品すぎる作品ではあります。

2022年。112分。WOWOW。3.7。



《長編デビュー作「14歳の栞」で注目を集めた竹林亮が監督を務め、タイムループに陥った小さなオフィスの社員たちが脱出を目指して奮闘する姿を描いたコメディ。
小さな広告代理店に勤める吉川朱海は、憧れの人がいる大手広告代理店への転職を目指しながらも、仕事に追われる多忙な日々を過ごしていた。
ある月曜日の朝。
彼女は後輩2人組から、自分たちが同じ1週間を何度も繰り返していることを知らされる。
他の社員たちも次々とタイムループに気づいていくが、脱出の鍵を握る永久部長だけが、いつまで経っても気づいてくれない。
どうにか部長に気づかせてタイムループから抜け出すべく悪戦苦闘する社員たちだったが……。
主人公・吉川を「コントラ KONTORA」の円井わん、永久部長をマキタスポーツが演じる。》

いかにも日本映画らしいタイムループもの。
狭い空間、少ない登場人物、無名の俳優たち。
脚本のアイデア勝負です。

同じシーンをいかに何度も見せるか。
くどくなく、見せていけるのがうまいです。
そして、キーワードは鳩。

テーマはもう自明。
みんな同じ毎日、同じ一週間を繰り返す。
抜け出すにはどうするか、どうしたらいいのか。
自分一人では困難で、周囲の協力も不可欠。

でも、それを否定するわけではありません。
タイムループも悪くないのかな。
「ジュリア(s)」と同じ。

それにしても最近こういう設定の話ばっかりです。
過去改変やら、マルチバースやら、タイムループやら。
人生やり直したいのか、いや人生を肯定したいのか。

やり直すのに年齢は関係ないのか。
少し考えてみてもいいのかもしれません。

軽い作品ではありますが、ちょっといいテーマではあります。

2022年。82分。WOWOW。4.0。



《ハリソン・フォード演じる考古学者インディ・ジョーンズの冒険を描くアドベンチャー映画の金字塔「インディ・ジョーンズ」シリーズの第5作。
前作から15年ぶりの新作となり、過去4作でメガホンをとったスティーブン・スピルバーグはジョージ・ルーカスとともに製作総指揮を務め、「LOGAN ローガン」「フォードvsフェラーリ」のジェームズ・マンゴールド監督にメガホンが託された。
考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズの前にヘレナという女性が現れ、インディが若き日に発見した伝説の秘宝「運命のダイヤル」の話を持ち掛ける。
それは人類の歴史を変える力を持つとされる究極の秘宝であり、その「運命のダイヤル」を巡ってインディは、因縁の宿敵である元ナチスの科学者フォラーを相手に、全世界を股にかけた争奪戦を繰り広げることとなる。
宿敵フォラー役を「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」「アナザーラウンド」など国際的に活躍するデンマークの名優マッツ・ミケルセン、インディとともに冒険を繰り広げるヘレナ役をドラマ「Fleabag フリーバッグ」「キリング・イヴ Killing Eve」のクリエイターとしても知られるフィービー・ウォーラー=ブリッジが務める。
そのほか、「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」にも登場したサラー役のジョン・リス=デイビスがカムバック。
スペインの名優アントニオ・バンデラスも出演する。
シリーズおなじみのテーマ曲を手がけた巨匠ジョン・ウィリアムズが引き続き音楽を担当。》

第1作「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」が1981年です。
42年ですか。
長い付き合いです。
第1作を観た時の興奮、今でも鮮明に覚えています。
意外と劇場は空いていて、何故? と思ったことを覚えています。
それはさておき、本作は朝1ですが、さすがにほぼ満員でした。

さて始まりは、1941年またまたナチとの闘い、アクションのつるべ打ち、懐かしいやら楽しいやら、ファンにとってはもうたまりません。
えっ、ハリソン・フォードの若いころどうなん?
1942年生れですよ、いや最新技術はすごい、違和感ありません。
今までの映画の場面を用いて撮影されたといいますが、見事な出来です。

お話は、アルキメデスの作った「運命のダイヤル」争奪戦、そしてそれを作動させるとどうなるか。
えーっ、そういう展開、インディよお前もか。
そして、インディとはお別れか、と思いきやそう来ましたか。

解説通り、前作等に登場したキャラも登場、シリーズのファンにはたまらない描写やセリフ、ウルウルします。
「レイダースマーチ」が流れるだけで、もう満足。
監督は変わりましたが、基本線は変わりません。

蛇や虫もありです。
残酷描写はなかったなあ。
そこはディズニーになったからでしょうか。

もう80歳という、ハリソン・フォード、ちゃんとアクションしています。
若いなあ、ジョン・リス=デイビスは痩せているし、カレン・アレンは老けたなあ。

十分アクション映画として面白いですし、花道としてちゃんと終わりました。
「スター・ウォーズ」の体たらくに比して、本作は良かったです。
ただ、女優がダメなのを引き継がなくてもいいのに。

ちょっと長いですが、ハリソン・インディとのお別れ、お疲れさんでした。

2023年。154分。TOHOシネマズなんば。3.9。


ザ・フラッシュ IMAX 組長 投稿日: 2023年06月29日 11:06:24 No.471 【返信】

《DCコミックス原作のヒーローが集結した「ジャスティス・リーグ」で本格的にスクリーンに登場した地上最速のヒーロー、フラッシュを主人公に描くアクションエンタテインメント。
地上最速のヒーロー、フラッシュことバリー・アレンは、そのスピードで時間をも超越し、幼いころに亡くした母と無実の罪を着せられた父を救おうと、過去にさかのぼって歴史を改変してしまう。
そして、バリーと母と父が家族3人で幸せに暮らす世界にたどり着くが、その世界にはスーパーマンやワンダーウーマン、アクアマンは存在せず、バットマンは全くの別人になっていた。
さらに、かつてスーパーマンが倒したはずのゾッド将軍が大軍を率いて襲来し、地球植民地化を始めたことから、フラッシュは別人のバットマンや女性ヒーローのスーパーガールとともに世界を元に戻し、人々を救おうとするが……。
フラッシュ/バリー・アレン役は「ジャスティス・リーグ」から引き続きエズラ・ミラーが担当。
1989年の「バットマン」と1992年の「バットマン リターンズ」でバットマンを演じたマイケル・キートンが約30年ぶりに同役に復帰して出演を果たした。
「マン・オブ・スティール」でスーパーマンの宿敵ゾッド将軍を演じたマイケル・シャノンも同役で再び出演。
スーパーガール役には長編映画初出演となる新鋭サッシャ・ガジェを抜てきした。
メガホンをとったのは「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」のアンディ・ムスキエティ。》

評価は高いのですが、米では大コケです。
日本でも同様、なんでかなあ。

出だしが最高。
バットマンもワンダーウーマンも登場して、ワクワクです。
これは面白そう。

本筋は過去改変、でマルチバースです。
又ですか。
いささか食傷気味。

面白いのは面白いのですが、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」ですでにマーベルが先んじている面白さです。
なぜかスーパーマンではなく、スーパーガールが出てきます。
敵がゾッド将軍というのもちょっとね。

また、本作は「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」とテーマがかぶっています。
運命は変えられるのか、本作は駄目だという立場です。
ですから、ラストの戦いも消化不良でした。

DCコミックの映画やTVを全く知らないと本作の面白さはちょっとわからないのがしんどいところです。
「バットマン」や「スーパーマン」は観てないとね。

DC映画の最高傑作とまでは言いませんが、観て損はない作品です。
ヒットしなかったんで、DC映画大丈夫ですかね。
「アクアマン」の2作目は間違いないと思うんですけど。

2023年。144分。TOHOシネマズなんば。4.1。



《ピーター・パーカーの遺志を継いだ少年マイルス・モラレスを主人公に新たなスパイダーマンの誕生を描き、アカデミー長編アニメーション賞を受賞した2018年製作のアニメーション映画「スパイダーマン スパイダーバース」の続編。
マルチバースを自由に移動できるようになった世界。マイルスは久々に姿を現したグウェンに導かれ、あるユニバースを訪れる。
そこにはスパイダーマン2099ことミゲル・オハラやピーター・B・パーカーら、さまざまなユニバースから選ばれたスパイダーマンたちが集結していた。
愛する人と世界を同時に救うことができないというスパイダーマンの哀しき運命を突きつけられるマイルスだったが、それでも両方を守り抜くことを誓う。
しかし運命を変えようとする彼の前に無数のスパイダーマンが立ちはだかり、スパイダーマン同士の戦いが幕を開ける。
オリジナル英語版ではシャメイク・ムーアが主人公マイルス、ヘイリー・スタインフェルドがグウェン、オスカー・アイザックがミゲルの声を担当。》

絶賛に次ぐ絶賛、米では興収1位に返り咲きです。
前作の映像表現にさらに磨きがかかり、もはやアートの域に達しています。
1秒間24コマを3種の媒体、あるいは3分の1にしての表現とか。

水彩画であったり、油絵であったり、3Dであったり。
縦横無尽、観客に休息を与えません。
今回は実写やレゴまで登場します。

まあ、この映像表現だけでも十分見る価値ありです。

テーマはシンプル。
親と子の愛情、絆。
本作はグウェンにもかなり比重が置かれます。
親の愛情が子供に届くのか。

「愛されてることを疑わないで」

もう一つのテーマは、スパイダーマンになったことによる運命は変えられないのか、ということ。
運命は自分で切り開けるのか。
一人を助けるか、世界を救うか。
運命に逆らおうとする、マイルスはどうなる?

というところで、次作に続くって、それはないです。
来年まで待ってって。
「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」。

本作は「スター・ウォーズ」エピソード5の立ち位置です。
スパイダーマン同士が戦う、ジェダイとシスです。

米国のコミック、グラフィック・ノベルがそのまま動き出したような表現、画期的なアニメです。

でも、ちょっと長いかな。

2023年。140分。TOHOシネマズなんば。4.4‼。


告白、あるいは完璧な弁護 組長 投稿日: 2023年06月27日 11:34:45 No.467 【返信】

《密室殺人の容疑をかけられたIT企業社長が事件の真相を追う姿を予測不能な展開で描いた韓国製サスペンススリラー。
IT企業の社長ユ・ミンホの不倫相手であるキム・セヒが、ホテルの密室で殺害された。
第一容疑者となったミンホは犯行を否認し、敏腕弁護士ヤン・シネを雇って事件の真相を探り始める。
ミンホは事件前日に起きた交通事故がセヒの殺害に関係しているかもしれないと告白し、事件の再検証が始まるが、目撃者が現れたことによって事態は思わぬ方向へと転がっていく。
「Be With You いま、会いにゆきます」のソ・ジソブがミンホ役で主演を務め、テレビドラマ「LOST」シリーズのキム・ユンジンが弁護士シネ、女性アイドルグループ「AFTERSCHOOL」のメンバーで俳優としても活躍するナナが被害者セヒを演じた。
監督・脚本は「マリン・ボーイ」のユン・ジョンソク。》

スペイン映画「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」のリメイクです。
イタリアでもリメイクされています、「インビジブル・ウィットネス 見えない目撃者」。
ことほど左様に面白いわけです。

何が面白いか。
それはもう、練に練られた脚本です。
派手な描写はないのですが、観客を見事に引きずり回します。

何が真実、誰が正直、さっぱりわかりません。
というか、なるほどそういうことね、えーっせやなかったの。
これが連続してたまりません。

いったいどこに落ち着くんでしょう。
ややこしそうでいて、実は登場人物はさほど多くなく、犯人もその中にいる?
伏線回収もお見事で、うかうか観ていられません。

女性弁護士のカーナビの操作だとか、愛人が髪の毛を切った理由とか。
ただ、殺人に至る動機が少し弱い気はします。
不倫以外特に犯罪を犯していないのに。

二転三転とはこういう作品のことです。
ミステリー好きにはたまらない作品でした。

愛人役のナナ(1991年生)は、「2014年と2015年の2年連続で『TC Candler』が発表している『世界で最も美しい顔100人』ランキング1位に輝いた超美人。
彼女を観るだけでも本作の価値はあります。

機会があれば、オリジナルも観ないといけませんね。

2022年。105分。シネマート心斎橋。3.8。




スパイダーマン:スパイダーバース 組長 投稿日: 2023年06月26日 10:54:37 No.466 【返信】

《おなじみのスーパーヒーロー、スパイダーマンがもしも6人もいたら……。
そんなユニークなアイデアをアニメ化し、第91回アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞した傑作。
それぞれ個性が異なる6人のスパイダーマンが力を合わせるという斬新なアイデアもさることながら、映像をコミックのタッチに近づけるという技術面でのアプローチも秀逸。
個性がばらばらな6人のスパイダーマン(日本のアニメに出てきそうなペニー・パーカーなど)が同じ画面に同居している光景は驚異的で、興奮もユーモアも最高潮に高まっていく。
まさにアメコミ好き・映画好きの夢を叶えたような傑作だ。
スピーディーな冒険に加え、最初はばらばらだった6人のスパイダーマンが互いを認め合っていく展開も見ものだ。》

≪ヒーローのスパイダーマンであるピーター・パーカーが闇社会のボス、キングピンに殺されて人々が落胆する一方、NYのブルックリンで暮らす中学生マイルスは1匹のクモにかまれたのをきっかけに、自分にスーパーパワーが備わったと気付く。
そんなマイルスの前に、別次元のスパイダーマン5人、ピーター・B・パーカー、スパイダー・グウェン、スパイダーマン・ノワール、ブタのスパイダー・ハム、ペニー・パーカーが現われて……。≫

続編の「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」を観る前に復習です。
面白かった記憶はあるのですが、内容がほぼ忘却の彼方です。
ほんとに観たのかなあ。

それはさておき、やっぱりこれは面白い。
主人公が黒人なのはやっぱり今風なのかな。
まあ、他にも5人出てくるのですが。

それにしても、マルチバースものの作品が多いです。
「エブエブ」はわかりにくかったですが、本作は誰でもわかります。
しかし、この手を使うと何でもありになっちゃうんで、あまりやりすぎるのもいかがかと。

アニメの長所を生かしての表現力の見事さ、静止しているシーンのない手抜きのなさ、コミックタッチ(吹き出し)も。
実写で表現できないところがないとアニメの意味はないですから。

さて、続編はどうなっていくのでしょう。

2018年。117分。アマゾンプライム。4.2。


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