二紫会~良心全身充満丈夫 2022.8-


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     マネックス証券がChatGPTやClaudeとの連携を始めたようです。
     今の段階では、自分の保有資産の確認やシミュレーションの機能が利用できるものの、取引はできないそうです。

     マネックスは専用アプリでリアルタイムで資産を確認できますし、取引ができないのならば、なぜAIをわざわざ使うのか理解できませんが、多機能な証券アプリを別に立ち上げるより、お昼ご飯の相談や旅行計画・トラブルの相談が全てできる生成AI一本、と面倒くさがりにはいいのかもしれません。
     NISAの構成やポートフォリオの計画の相談をしたい時、改めて現況をプロンプトに書かなくてもいいので、便利かもしれません。
    https://news.yahoo.co.jp/articles/d3c6ceeef6d28cbe7933fa31ab57335ae21eddfe

     「ギュられる」ということばを、春先から見かけるようになりました。まだ耳から聴いたことはありません。
     来年の今頃は「ギュられた」と聴くようになっているかもしれません。
     そういえば、今日、Claudeを立ち上げたら、Coworkを使いませんか、と新機能を紹介していました。多機能になって、チャットツールからエージェント化が進んでいきます。

     今日は、「八重の桜」再放送が第29話。会津城が陥落、開城となりました。
     8年前に会津城へ行きましたが、お城を管理しているスタッフの方が、こちらから見る会津城、いいですよ、と案内してくださいました。

    (5) 揺れる世界と日本 2(続き)

     ④ AIと経済成長
     日経の記事によると「日本の名目GDP(国内総生産)は26年にインド、30年には英国に抜かれ、世界6位に後退する公算が大きい。国の豊かさをより的確に示す1人当たりの名目GDPでみても、鎖国下の江戸時代末期、第2次世界大戦の前後に続く深刻な低迷状態を抜け出せない」(12/22)が、「国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、17分野の先端技術が33年に生み出す市場は16.4兆ドル(約2500兆円)、AIだけで4.8兆ドルに膨らむ」(12/22)とのこと。したがって、低迷している日本経済をこれからの成長軌道に乗せるためには、AIの導入が必要だと思います。以下では、経済に与えるAIのいくつかの特徴を見てみます。

     * 企業経営におけるAIエージェントの時代
     日経は「人の指示や目標を理解し、計画を立て実行するAIエージェントが普及期に入った。コード生成や顧客対応、研究開発もこなす。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)によると26年の世界市場は120億ドル(約1.9兆円)、30年に4倍超に膨らむ」(12/24)とし、このような競争が地球規模で始まると言っています。
     さらに「あなたにとってAIエージェントとは(道具ですか、同僚ですか)」という世界116カ国へのBCGの調査では、道具が24%、同僚が76%という結果でした。またBCGの調査では、「(日本は)業務にAIエージェントが組み込まれていると回答した人は7%と世界の平均13%を下回る」(12/24)とのことで、人材の流動性を高め発想の硬直化を解くべきと提案しています。
     このような「起業ルネサンス」のときに、企業経営をまひさせるサイバー攻撃者の乗っ取りとスパイ化への警戒と、特定の国のAIやルールに依存せずソブリン(主権)の視点を忘れないことの二つを注意点として挙げています。

     * 「Kチャート」の矛盾とAIの役割
     過去20年にわたるOECD加盟国における日本の就業者一人当たりの労働生産性の順位と日経平均株価(年末、円未満は切り捨て)のデータを5年ごとに調べると以下のようになりました。

            2010年  2015年  2020年  2025年
      加盟国数    33    35    38    38
      生産性順位   22    22    28    29
      日経平均   10,028  19,033  27,444  50,339

     横軸に時間(年)を取り、縦軸に生産性の順位を上から下方に増加するようにし、日経平均株価は通常の上に増える形で折れ線グラフを書くと、生産性の順位は低下しているのに株価は上昇しているのでK字型のグラフになります。日本は他の国と比べて生産性の順位が下落しているのになぜ株価は上昇しているのかという疑問が出てきます。これが「Kチャート」の矛盾です。
     日経は「AIは日本企業のチャンスだ。(アメリカの投資会社ブラックストーンは)今年、プログラマーなどの技術者を派遣するテクノプロ・ホールディングスを約5000億円で買収した。・・・同社の投資は日本経済の縮図だ。少子化は日本の成長を阻むが、AIで生産性を高めれば補え、成長国に変われば世界のマネーが集まる。期待を抱き始めた外国人投資家は今年、日本株を約6兆円も買い越した」(12/25)と説明しています。
     株価の上昇は、金利差と為替相場、物価変動、世界経済の動きなど様々な要因があり、これだけでは説明できませんが、日経は、1990年代のIT(情報技術)を成長につなげたアメリカやコロナ禍で低迷していた街をオープンAIで復活させたサンフランシスコの例を挙げて説明しています。そして、「『Kチャート』の矛盾はいつか解消する。企業が生産性を高め、株高を正当化するのか。失望した投資家が日本売りに転じ、株価を大きく下げるのか。決めるのは日本の企業と政府だ」(12/25)とコメントしています。

     * 世界水準の競争を維持せよ
     GAFAMやエヌビディアをもつアメリカと高い工業生産力をもつ中国に挟まれて、日本企業はどうしたらよいかをEV、ロボット、半導体を中心に考えてみます。
     +EV:「日本の国内自動車生産が世界の3割に迫った1980~90年代初め、『メード・イン・ジャパン』を象徴したのがトヨタだった。・・・中国の車生産は現在、世界の34%を占める。トヨタも競争力の源泉を中国ほか世界に求める『メード・バイ・ジャパン』に発想を変える時が来た可能性がある」(12/29)と日経は提案しています。
     +ロボット:日本はもはやロボット大国ではなく「頭脳部分は米国と中国で市場を分けあう」が、「AIでロボットを動かすには開発・製造現場で生まれる膨大なデータの学習が要る。製造業の歴史が長い日本は中国と遜色のないデータの量を蓄えており、上手に活用すれば産業ロボットの覇権、製造業自体の競争力も奪回できよう」(12/29)と日経は説明しています。
     +半導体:「産業のコメ、半導体も後がない。鍵は『回路線幅2ナノ(ナノは10億分の1)』と呼ばれるAI時代の最先端半導体であり、その受託製造会社を目指すラピダスが握る」(12/29)と日経は指摘しています。
     2023年のデータでみた日米中のAI開発への民間投資額は、アメリカが672億ドル、中国は78億ドル、日本は7億ドルとのことで、日本の見劣りが目立ちます。日経は「競争力を左右するEV、ロボット、半導体で日本は世界水準の競争を絶やすわけにはいかない」(12/29)と結んでいます。

     * AIの拡大に対する制約
     日経は「人工知能(AI)をめぐる覇権争いが資源・エネルギーの国際秩序を揺らし、世界の力学を変える。2026年はこのうねりがさらに大きく、速くなるだろう」(12/30)といっていますが、そのうねりに制約をかける問題もあります。
     日経によると、最大の制約は電力で、「AIの開発や利用に必要となるデータセンター整備が電力需要を押し上げ、需給逼迫が起きているからだ」(12/30)と説明しています。英調査会社のウッドマッケンジーは「日本の電力需要が40年までに20%増え、データセンター向けは足元の2%から34年に最大7%まで増える」(12/30)と試算しているそうです。
     さらに国際エネルギー機関(IEA)によると、電気自動車や風力発電機のモーター、蓄電池、半導体など電力・エネルギーインフラに欠かせない20種類の重要鉱物を調査すると、そのうち19種類において、中国は精錬後の市場シェアで平均70%占めているそうです。日経は「国際エネルギー市場の分断が進み、各国が自国中心主義に傾くなかで経済安保を意識した柔軟なエネルギー戦略の見直しが欠かせない」(12/30)とコメントしています。

     以上、2017年と2026年の日経の記事を利用して「うつりゆく時代」を見てきました。この10年ほどで世界の政治・経済・社会そして技術が急速に変化し、現代は時代の転換期に入っているのではないかと感じます。そのなかでもAIを中心とする技術の変化は急速で、これからの世界のいろいろな分野の「在り方」が変わることが予想されます。このために次回からは、AIを中心にして考えてみたいと思います。どれだけAIの進歩や変化をフォローできるか自信がありませんが、できれば皆さんの協力もお願いする次第です。

     なおこの書き込みは、8月はしばらく休んで、次回は9月以降から始める予定です。

     標記の人物、同志社にも関わりがあったようです。設立発起人として。なんと立命館にも。
     京都商工会議所や京都電灯(京都市電)にも関わりがあり、銀行も設立していた実業家。

     住まいは、というと、元・中立小学校(現・新町小学校)の辺りだったようです。新町丸太町上る、とも言われていますが、現在の京都府庁や京都ブライトンホテル(元・橘女子高校)など、確かに広い敷地があります。京都の番組小学校が明治初期にできたことを考えると、元・中立小学校ではなかったように思いますが、如何。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/浜岡光哲

    いずれにしても、「鉄人」のお住まいの近所です。

     一昨日、次男家族とクルマで移動中に偶然お会いしました。

    (5) 揺れる世界と日本 2 (2025年12月~2026年1月)

     前回は、同じタイトルで2017年初頭の日本経済新聞の社説を見てきました。今回は、うつりゆく時代という視点から、2026年に関する日本経済新聞の記事を取り上げてみます。

     日本経済新聞は、昨年2025年の12月22日~30日までに「2026年を読む 混沌の先に」というタイトルで、日本経済新聞のコメンテーターによる以下の7回シリーズの記事を載せていました。
     12月22日 政策覆う「極端の競争」: 現実主義で経済停滞破れ
     12月23日 漂流する世界の経済秩序: 波乱の米国に「耐性」を
     12月24日 AIエージェントの時代: 技術国家の素地生かせ
     12月25日 マネー、日本の決断問う: AI駆使し成長つかめ
     12月26日 平時と戦時、崩れる壁: 紛争がいつもある世界
     12月29日 メード・バイ・ジャパンへ進化: 世界水準の競争絶やすな
     12月30日 AI覇権 電力が制する: 資源・エネ秩序、力学一変

     さらに、2026年1月には「海図なき時代に」という視点から、以下の社説を掲載していました。
     1月1日  混迷を好機にする行動の1年に
     1月3日  米中に翻弄されぬ多国間外交導け
     1月9日  危機感を高め高齢化に克つ日本を
     1月10日  民主主義の衰退を止める希望の灯を

     日本経済新聞(以下日経とする)は今年の元旦の社説で「未知なる年への希望と不安が交錯する2026年が明けた。戦後80年の間に確立したルールや枠組みが至るところでほころび、世界も日本も新たな秩序を手探りする『海図なき時代』を迎えた」(1/1)と書き出しています。(これまでと同じように( )内の数字は日経新聞の記事の掲載(月/日)を示します。)
     ここでは、前回に続いて、「うつりゆく時代」の視点から、日経の上記11の記事をまとめる形で以下のような項目に整理して順に考えてみようと思います。
     ① 崩れる国際秩序
     ② 問われる民主主義
     ③ 高齢化社会の実態
     ④ AIと経済成長

     ① 崩れる国際秩序
     第2次大戦後、世界はいろいろな困難を乗り越えて曲がりなりにも国連を中心とした世界秩序を作ってきました。しかし、日経が「トランプ米大統領は世界貿易機構(WTO)のルールを無視した高関税を全世界にかけ、自由貿易体制をディール(取引)で翻弄した。米主導で発足した国連を『我々のために存在していない』と酷評し、気候変動を詐欺とみなす。地球規模の課題解決への国際協調は崩れ続けている」(1/1)というように、また世界に起こっているいくつかの戦争を見ると「力による現状変更」の様相が強くなり、国連を中心としたこれまでの国際秩序が役に立たなくなってきたのではないかと感じます。
     このような状況の中で「トランプ氏は超大国の関係を『G2』と公言する。日米欧の主要7カ国(G7)の存在はかすむ」(1/1)なかで、さらに南半球をアメリカの勢力圏にしようとする新モンロー主義の考え方も出てきました。日経の社説は、「秩序崩壊の悪影響に気づかぬまま、人類は取り返しのつかない誤った道を進み始めたのではないか。そんな強い危機感を抱く」と警告しています。
     これに対して、アメリカ抜きの世界秩序を探る動きも出てきました。「(昨年)11月20日、オーストラリアのメルボルン。欧州連合(EU)と環太平洋経済連携協定(TPP)加盟12カ国の閣僚が初めて対話した」(12/23)。この2つの自由貿易圏の世界全体に占める割合は、2024年データでアメリカが26%に対し、EUの27カ国17%とTPPの12カ国14%で31%を占めることになります。このような動きが新しい世界秩序形成にどのような影響を与えるか、今後の動きを注視したいと思います。
     このような状況の中で日経は「日本の国力を内と外の両方向で高めねばならない」(1/1)とし、内の国力を経済成長等に、外の国力を他国との連携の強化に求め、サプライチェーンやAIのルール等の国際的な秩序や強化に貢献する努力をすべき、としています。
     さらに、10年前と違って最近問題になってきたのは、現在の世界は平時なのか、それとも戦時なのか、ということです。最近、以下のような侵攻や攻撃の紛争があり、現在も解決しないで続いています。
      2022年2月24日に始まる、ロシア・ウクライナ戦争
      2023年10月7日に始まる、イスラエル・ハマス戦争
      2026年2月28に始まる、アメリカとイスラエル・イラン戦争
     日経は、「世界がこれほど危険になったのは、主に二つの理由がある。第一に、13年にオバマ大統領(当時)が世界の警察役を担わないと宣言して以来、紛争の抑え役が消えた。トランプ米大統領がその流れに拍車をかける。第二に、戦争の姿が変わった。ドローンやサイバー攻撃、電子兵器が多く使われるようになり、戦場とそうでない地域の堺がぼやけてきた」(12/26)と説明しています。

     ② 問われる民主主義
     日経は「ことしこそ、民主主義の衰退を食い止める転機にしなければならない。それは内からむしばむポピュリズムと、外から押し寄せる権威主義の荒波を乗り越えられるかどうかにかかっている」(1/10)とし、「ポピュリズムは庶民の不満に財政拡張と敵をつくることで留飲を下げさせる。そこで社会は分断され、政治は多党が乱立し、決められない政党政治から強権的な権威主義に傾く国が相次ぐ。第2次大戦前夜に世界が見た光景だ」(1/10)とし、それにSNSのデジタル社会になると不満は可視化しやすくなり、ポピュリストが力を握り「政党やメディア、アカデミズムといった中間組織がないがしろにされる」(1/10)と説明しています。そのうえ権威主義的な指導者ほどSNS利用がうまいので「ポピュリズムとデジタル技術を連動させるデジタル権威主義は大きな脅威だ」(1/10)と警告しています。
     このような状況の中で、選挙を通じて民主主義国の権威主義化が始まっているようです。
     日経は、国連機関の選挙は新興国を取り込む中国が優位に立ち、グローバルサウス(新興・途上国)にも民主主義への幻滅が広がり、中国やロシアなどの権威主義国との競争でも民主主義国は劣位にある、と言っています。
     スウェーデンのV-Dem研究所によると、権威主義の国・地域は91、民主主義の国・地域は88とのこと、日本は後手に回っているがSNS情報の質を高めて強権政治にならないようにすべき、とし「民主主義は幾多の試練を生き延びてきた。あらゆる手を尽くし、海図なき時代が大戦へと向かうのを阻止しなければならない」(1/10)と結んでいます。

     ③ 高齢化社会の実態
     国連は、高齢化した国・地域を65歳以上の人口の比率から以下のように定義しています。
     人口比7%を超えた国・地域・・・高齢化社会
     人口比14%を超えた国・地域・・・高齢社会
     人口比21%を超えた国・地域・・・超高齢社会
     日経は「高齢化率29%の日本はこれらをはるかにしのぎ、『重老齢社会』とも呼ぶべき社会構造になっている」(1/9)とし、2026年の日本の人口の6人に1人が75歳以上の後期高齢者となり、若年層の減少で2042年には5人に1人を超えると言っています。そして「最も重要なのは年齢による線引きをやめることだ。高齢者を一律に弱者として扱うのはやめ、能力のある人には社会を支える側に回ってもらう必要がある」(1/9)と指摘しています。
     この「能力に応じた負担」を徹底するために以下のような提案をしています
     * 負担は所得だけでなく、株式などの保有資産も考慮したルールにすべき。そのためにマイナンバーで保有資産を確認できる仕組みを急ぐべき。
     * 現在の高齢者医療制度ができたときと比べると高齢者の健康状態は5歳ほど若返っているとして「2割負担、1割負担の対象年齢を5歳ずつ引き上げたり、すべての年齢で3割負担とし、高額医療には月額上限の設定で対応したりする改革に踏み込むときだ」(1/9)と言っています。
     * 高齢者を支える体制としても、労働供給不足の中、人工知能(AI)やセンサー、遠隔診療などのデジタル化を進めることや少子化対策も必要だとしています。
     「海図なき時代に必要なのは変える勇気だ。変化や摩擦を恐れて古いルールや慣習に固執していては人口危機には克(か)てない」(1/9)と結んでいます。

     (4) 揺れる世界と日本 1 (2017年2月18・25日)

      ―――――【2017年2月18・25日の「揺れる世界と日本」の要約】―――――
     (10年ほど前の2017年初頭に)イギリスのEU離脱、アメリカの新大統領選出、I o T やAI を中心にした第4次産業革命、日本における少子高齢化社会の到来などの変化をみると、世界や日本の歴史が大きく変化する時代に入ったのではないかという問題を持ちました。この問題意識のもとで、新年(2017年)に入ってからの日本経済新聞の記事をもとに、「断絶の時代」、「大転換の時代」を見てきました。さらに日本経済新聞は、「揺れる世界と日本」という共通タイトルのもとで以下のような社説のシリーズを載せていました。
      1月1日 「自由主義の旗守り、活力取り戻せ」
      1月3日 「アジアの安全保障に新しい息吹を」
      1月4日 「中間層が希望を失わない社会に」
      1月6日 「危険な保護貿易主義の拡大を防げ」
      1月8日 「企業は社会問題解決を推進力に」

     日本経済新聞の社説の問題提起は、
    「2017年が明けた。米国のトランプ大統領の就任、英国の欧州連合 (EU ) 離脱交渉の開始、仏独の選挙、韓国の大統領弾劾など、不確実性という言葉がこれほど似合う年はない。混迷する世界で日本はどんな役割を果たせばいいのだろうか。」(1/1)
    ということでした。この社説のシリーズを、ここでの問題「うつりゆく時代」という視点から以下のようにまとめてみました。

     (1)イギリスのEU離脱とトランプ現象はなぜ起きたのか
     世界のグローバル化や産業のIT(情報技術)化の流れに乗れない人にとって生活は良くならず、未来への夢も持てず、特に中間層と富裕層との格差も大きくなり、それがエスタブリシュメント(支配層)や政治への不満となって表れたことが考えられます。さらに、移民や難民が増えたことに対する不安や反発があります。

     (2)保護主義の拡大の可能性はあるのか
     トランプ氏の政策には自由主義経済に反する政策も入っています。アメリカが関税引き上げなどの保護貿易的な政策をとれば、金融・資本市場にショックが走ることになります。また、開放経済と民主主義を維持してきたEUもテロや移民問題で揺らいでいます。
     アメリカやEUのこのような動きは、中国やロシアのような強権主義の国を利する可能性もあります。

     (3)アジアの安全保障への影響は
     トランプ大統領の駐留経費等に関する同盟批判は、トランプ氏の事実誤認によるものもありますが、アメリカ主導の世界の安全保障にほころびが見え出したことも考えられます。約25年前にソ連が消滅し、冷戦が終わった今、アメリカだけが「世界の警察」であり続ける理由もなくなってきたという面もあります。

     (4)デジタル革命をどうとらえるか
     トーマス・フリードマン氏は、デジタル化の衝撃を「スーパーノバ」(超新星)と名付け、「iPhone」や「Android」が生まれた2007年をグーテンベルク以来の技術的な転換点の年と指摘しているそうです。現在ではデジタル技術を使うコストも著しく下がりました。20世紀にはブルーカラーの肉体労働に代わる技術が生産性を上げてきましたが、これからはホワイトカラーの頭脳労働に代わる人工知能(AI)の時代になりそうです。

     (5)企業の行動と社会のニーズの整合性は
     昨年の企業の不祥事として、国内では、三菱自動車が軽自動車の燃費性能を偽った事件、電通の女性社員が過労自殺した事件、ディー・エヌ・エーのまとめサイトのずさんな運用、東芝の巨額損失などが挙げられています。海外では、独フォルクスワーゲンの排ガス不正事件、欧州当局による米グーグルなどサイバー空間の巨人の監視、製薬大手の米ファイザーの節税目的の巨大買収計画の批判などが挙げられています。 
     企業と社会の歩みが歩調をあわせないと、経済成長が達成できなくなる可能性があります。

     では、これらの問題に対して日本はどうあるべきかという日本経済新聞の主張を見てみます。

     まず、(1)のイギリスのEU離脱とトランプ現象を引き起こした中間層の行動に対しては、社会の重要な柱である中間層が希望の持てないような社会は明るい未来を考えにくいが、といって、グローバル化やIT化に反対しても経済成長を阻止するだけだ、として次のように言っています。(以下の(1/4)は1月4日の新聞の掲載を指します。)
     「正規社員と非正規社員との待遇格差是正や、新しい技術や知識を学んで技能を向上できる機会の提供など、働く意欲を高め、中間層を分厚くする工夫が大切だ。
     女性やシニア層が活躍できる環境づくりや、外国人労働者の活用も進める必要がある。
     豊かで活力あふれる国であり続けるために重要なのは、開放的な経済であり、中間層が希望を持てる社会だ。欧米社会の揺らぎは日本にも警告を発している。」(1/4)

     つぎに、(2)の保護主義に向かう懸念については、「日本は自由主義の旗を掲げ続ける責務を負っている。戦後、資源のない小国が豊かになれた理由を忘れてはならないし、未来を貿易に託す新興国をサポートする役割もある。・・・安倍晋三首相はトランプ氏にTPPへの参加を粘り強く説くべきだし、並行してEUや中韓との協議を急ぎ自由貿易協定 (FTA)で合意を目指すべきだ」(1/1)、と言い、「米国が内向き志向を強め、欧州が英国の欧州連合(EU)離脱や移民問題に揺れる中で、日本に求められる役割は増している。日本が国際協調の推進役としての責任を果たすことは世界だけでなく、自身の繁栄にとっても不可欠だ」(1/6)と主張しています。

     (3)のアジアの安全保障については、「同盟国は米国に対し、これからも『安全保障の傘』を提供するよう求める一方で、防衛のための自助努力も増やしていかざるを得ない」(1/3)と言っています。しかし、日本だけ努力してもアジア太平洋の安全は保てません。これまでも日米同盟を軸として日米とオーストラリア、日米とインド、日米韓の3カ国の対話や共同訓練は進んでいますので、「同じような協力をさらに東南アジアにも広げていきたい。こうした面の連携が拡大すれば、将来、米国主導であっても、米国におんぶにだっこではない、緩やかな安全保障協力網を築けるはずだ」(1/3)、また、軍事だけでなく政府開発援助 (ODA) を使うことも重要だと指摘しています。そして、「そのうえで重要なのは、中国と安定した関係を築く努力だ。互いに恩恵を得やすい経済や環境の協力を積み重ね、領土や歴史問題があっても揺るがない関係をつくりたい」(1/3)と提案しています。

     また、(4)のデジタル革命については、「そうした第4次産業革命を担うのは、デジタルネーティブと呼ばれる、物心ついたときからデジタルに親しんできた若手人材だ。・・・日本はこの150年、明治維新と敗戦という2つの断崖を乗り越えてきた。どちらも若い世代が活躍し、新しい日本をつくりあげた。それをいまこそ思い出そう」(1/1)と、若者を前面に押し出すことを提案しています。

     最後に、(5)の企業と社会の関係について社説は、「かつて近江商人は『売り手よし、買い手よし、世間よし』を商売の基本に掲げた。モノを売買する当事者だけでなく、商いを通じて社会(世間)の発展に尽くすことの大切さを説いた。その精神は今の時代にも通用する」(1/8)と言い、下水が完備していない場所でも使える安いトイレを開発してアフリカでの普及に力を入れているLIXILグループ、自動ブレーキなどの安全技術を開発している日産自動車、紅茶葉やバーム油などの原材料調達に詳細な調達基準を決めている英蘭ユニリーバの例を挙げています。
     そして「各国政府も『アンチ・ビジネス(反大企業)』の風潮に流されることなく、民の力を建設的な方向に引き出す『賢い政策』『賢い規制』を望みたい」(1/8)と提案しています。
                    ―――――【2017年2月18・25日の要約終】―――

     万博二紫会の際に乗車したeMoverが万博後に大阪シティバスに転用される予定でしたが、未だ転用はされていません。1台も。なぜ再利用されないか以前に、eMoverは森ノ宮の空き地に駐車され、次々に富山のリサイクル施設に搬入されています。
     そうなったのは、eMoverに不具合があるために転用が不可能と判断されたためです。そのため、eMoverを購入した大阪メトロは巨額の特別損失を計上。えらいこっちゃ。
     今日記者会見で大阪市から説明があるようですが、バスは入札条件の日本製ではなく、中国製、しかも実績を伴わない部品メーカーの製品を使っており、大阪市内や、スクールバスに使用した福岡市内で事故又は異常が発生。
     大事に至らないうちに大阪シティバスへの転用を中止したのはある意味賢明でしたが、そもそもなぜそのような不良品の導入契約を行ったか。
     結果として、代金67億円の回収を履行できていないので、これは大阪市民の負担になる可能性が大。

     それにしても、自動運転バスでの運用を目指していたというのに、なんたるお粗末。運用が始まっていたら、大事故に至っていたかも。AIの利用以前の問題。
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF3171D0R30C26A3000000/

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