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    (5) 揺れる世界と日本 2 (2025年12月~2026年1月)

     前回は、同じタイトルで2017年初頭の日本経済新聞の社説を見てきました。今回は、うつりゆく時代という視点から、2026年に関する日本経済新聞の記事を取り上げてみます。

     日本経済新聞は、昨年2025年の12月22日~30日までに「2026年を読む 混沌の先に」というタイトルで、日本経済新聞のコメンテーターによる以下の7回シリーズの記事を載せていました。
     12月22日 政策覆う「極端の競争」: 現実主義で経済停滞破れ
     12月23日 漂流する世界の経済秩序: 波乱の米国に「耐性」を
     12月24日 AIエージェントの時代: 技術国家の素地生かせ
     12月25日 マネー、日本の決断問う: AI駆使し成長つかめ
     12月26日 平時と戦時、崩れる壁: 紛争がいつもある世界
     12月29日 メード・バイ・ジャパンへ進化: 世界水準の競争絶やすな
     12月30日 AI覇権 電力が制する: 資源・エネ秩序、力学一変

     さらに、2026年1月には「海図なき時代に」という視点から、以下の社説を掲載していました。
     1月1日  混迷を好機にする行動の1年に
     1月3日  米中に翻弄されぬ多国間外交導け
     1月9日  危機感を高め高齢化に克つ日本を
     1月10日  民主主義の衰退を止める希望の灯を

     日本経済新聞(以下日経とする)は今年の元旦の社説で「未知なる年への希望と不安が交錯する2026年が明けた。戦後80年の間に確立したルールや枠組みが至るところでほころび、世界も日本も新たな秩序を手探りする『海図なき時代』を迎えた」(1/1)と書き出しています。(これまでと同じように( )内の数字は日経新聞の記事の掲載(月/日)を示します。)
     ここでは、前回に続いて、「うつりゆく時代」の視点から、日経の上記11の記事をまとめる形で以下のような項目に整理して順に考えてみようと思います。
     ① 崩れる国際秩序
     ② 問われる民主主義
     ③ 高齢化社会の実態
     ④ AIと経済成長

     ① 崩れる国際秩序
     第2次大戦後、世界はいろいろな困難を乗り越えて曲がりなりにも国連を中心とした世界秩序を作ってきました。しかし、日経が「トランプ米大統領は世界貿易機構(WTO)のルールを無視した高関税を全世界にかけ、自由貿易体制をディール(取引)で翻弄した。米主導で発足した国連を『我々のために存在していない』と酷評し、気候変動を詐欺とみなす。地球規模の課題解決への国際協調は崩れ続けている」(1/1)というように、また世界に起こっているいくつかの戦争を見ると「力による現状変更」の様相が強くなり、国連を中心としたこれまでの国際秩序が役に立たなくなってきたのではないかと感じます。
     このような状況の中で「トランプ氏は超大国の関係を『G2』と公言する。日米欧の主要7カ国(G7)の存在はかすむ」(1/1)なかで、さらに南半球をアメリカの勢力圏にしようとする新モンロー主義の考え方も出てきました。日経の社説は、「秩序崩壊の悪影響に気づかぬまま、人類は取り返しのつかない誤った道を進み始めたのではないか。そんな強い危機感を抱く」と警告しています。
     これに対して、アメリカ抜きの世界秩序を探る動きも出てきました。「(昨年)11月20日、オーストラリアのメルボルン。欧州連合(EU)と環太平洋経済連携協定(TPP)加盟12カ国の閣僚が初めて対話した」(12/23)。この2つの自由貿易圏の世界全体に占める割合は、2024年データでアメリカが26%に対し、EUの27カ国17%とTPPの12カ国14%で31%を占めることになります。このような動きが新しい世界秩序形成にどのような影響を与えるか、今後の動きを注視したいと思います。
     このような状況の中で日経は「日本の国力を内と外の両方向で高めねばならない」(1/1)とし、内の国力を経済成長等に、外の国力を他国との連携の強化に求め、サプライチェーンやAIのルール等の国際的な秩序や強化に貢献する努力をすべき、としています。
     さらに、10年前と違って最近問題になってきたのは、現在の世界は平時なのか、それとも戦時なのか、ということです。最近、以下のような侵攻や攻撃の紛争があり、現在も解決しないで続いています。
      2022年2月24日に始まる、ロシア・ウクライナ戦争
      2023年10月7日に始まる、イスラエル・ハマス戦争
      2026年2月28に始まる、アメリカとイスラエル・イラン戦争
     日経は、「世界がこれほど危険になったのは、主に二つの理由がある。第一に、13年にオバマ大統領(当時)が世界の警察役を担わないと宣言して以来、紛争の抑え役が消えた。トランプ米大統領がその流れに拍車をかける。第二に、戦争の姿が変わった。ドローンやサイバー攻撃、電子兵器が多く使われるようになり、戦場とそうでない地域の堺がぼやけてきた」(12/26)と説明しています。

     ② 問われる民主主義
     日経は「ことしこそ、民主主義の衰退を食い止める転機にしなければならない。それは内からむしばむポピュリズムと、外から押し寄せる権威主義の荒波を乗り越えられるかどうかにかかっている」(1/10)とし、「ポピュリズムは庶民の不満に財政拡張と敵をつくることで留飲を下げさせる。そこで社会は分断され、政治は多党が乱立し、決められない政党政治から強権的な権威主義に傾く国が相次ぐ。第2次大戦前夜に世界が見た光景だ」(1/10)とし、それにSNSのデジタル社会になると不満は可視化しやすくなり、ポピュリストが力を握り「政党やメディア、アカデミズムといった中間組織がないがしろにされる」(1/10)と説明しています。そのうえ権威主義的な指導者ほどSNS利用がうまいので「ポピュリズムとデジタル技術を連動させるデジタル権威主義は大きな脅威だ」(1/10)と警告しています。
     このような状況の中で、選挙を通じて民主主義国の権威主義化が始まっているようです。
     日経は、国連機関の選挙は新興国を取り込む中国が優位に立ち、グローバルサウス(新興・途上国)にも民主主義への幻滅が広がり、中国やロシアなどの権威主義国との競争でも民主主義国は劣位にある、と言っています。
     スウェーデンのV-Dem研究所によると、権威主義の国・地域は91、民主主義の国・地域は88とのこと、日本は後手に回っているがSNS情報の質を高めて強権政治にならないようにすべき、とし「民主主義は幾多の試練を生き延びてきた。あらゆる手を尽くし、海図なき時代が大戦へと向かうのを阻止しなければならない」(1/10)と結んでいます。

     ③ 高齢化社会の実態
     国連は、高齢化した国・地域を65歳以上の人口の比率から以下のように定義しています。
     人口比7%を超えた国・地域・・・高齢化社会
     人口比14%を超えた国・地域・・・高齢社会
     人口比21%を超えた国・地域・・・超高齢社会
     日経は「高齢化率29%の日本はこれらをはるかにしのぎ、『重老齢社会』とも呼ぶべき社会構造になっている」(1/9)とし、2026年の日本の人口の6人に1人が75歳以上の後期高齢者となり、若年層の減少で2042年には5人に1人を超えると言っています。そして「最も重要なのは年齢による線引きをやめることだ。高齢者を一律に弱者として扱うのはやめ、能力のある人には社会を支える側に回ってもらう必要がある」(1/9)と指摘しています。
     この「能力に応じた負担」を徹底するために以下のような提案をしています
     * 負担は所得だけでなく、株式などの保有資産も考慮したルールにすべき。そのためにマイナンバーで保有資産を確認できる仕組みを急ぐべき。
     * 現在の高齢者医療制度ができたときと比べると高齢者の健康状態は5歳ほど若返っているとして「2割負担、1割負担の対象年齢を5歳ずつ引き上げたり、すべての年齢で3割負担とし、高額医療には月額上限の設定で対応したりする改革に踏み込むときだ」(1/9)と言っています。
     * 高齢者を支える体制としても、労働供給不足の中、人工知能(AI)やセンサー、遠隔診療などのデジタル化を進めることや少子化対策も必要だとしています。
     「海図なき時代に必要なのは変える勇気だ。変化や摩擦を恐れて古いルールや慣習に固執していては人口危機には克(か)てない」(1/9)と結んでいます。

     (4) 揺れる世界と日本 1 (2017年2月18・25日)

      ―――――【2017年2月18・25日の「揺れる世界と日本」の要約】―――――
     (10年ほど前の2017年初頭に)イギリスのEU離脱、アメリカの新大統領選出、I o T やAI を中心にした第4次産業革命、日本における少子高齢化社会の到来などの変化をみると、世界や日本の歴史が大きく変化する時代に入ったのではないかという問題を持ちました。この問題意識のもとで、新年(2017年)に入ってからの日本経済新聞の記事をもとに、「断絶の時代」、「大転換の時代」を見てきました。さらに日本経済新聞は、「揺れる世界と日本」という共通タイトルのもとで以下のような社説のシリーズを載せていました。
      1月1日 「自由主義の旗守り、活力取り戻せ」
      1月3日 「アジアの安全保障に新しい息吹を」
      1月4日 「中間層が希望を失わない社会に」
      1月6日 「危険な保護貿易主義の拡大を防げ」
      1月8日 「企業は社会問題解決を推進力に」

     日本経済新聞の社説の問題提起は、
    「2017年が明けた。米国のトランプ大統領の就任、英国の欧州連合 (EU ) 離脱交渉の開始、仏独の選挙、韓国の大統領弾劾など、不確実性という言葉がこれほど似合う年はない。混迷する世界で日本はどんな役割を果たせばいいのだろうか。」(1/1)
    ということでした。この社説のシリーズを、ここでの問題「うつりゆく時代」という視点から以下のようにまとめてみました。

     (1)イギリスのEU離脱とトランプ現象はなぜ起きたのか
     世界のグローバル化や産業のIT(情報技術)化の流れに乗れない人にとって生活は良くならず、未来への夢も持てず、特に中間層と富裕層との格差も大きくなり、それがエスタブリシュメント(支配層)や政治への不満となって表れたことが考えられます。さらに、移民や難民が増えたことに対する不安や反発があります。

     (2)保護主義の拡大の可能性はあるのか
     トランプ氏の政策には自由主義経済に反する政策も入っています。アメリカが関税引き上げなどの保護貿易的な政策をとれば、金融・資本市場にショックが走ることになります。また、開放経済と民主主義を維持してきたEUもテロや移民問題で揺らいでいます。
     アメリカやEUのこのような動きは、中国やロシアのような強権主義の国を利する可能性もあります。

     (3)アジアの安全保障への影響は
     トランプ大統領の駐留経費等に関する同盟批判は、トランプ氏の事実誤認によるものもありますが、アメリカ主導の世界の安全保障にほころびが見え出したことも考えられます。約25年前にソ連が消滅し、冷戦が終わった今、アメリカだけが「世界の警察」であり続ける理由もなくなってきたという面もあります。

     (4)デジタル革命をどうとらえるか
     トーマス・フリードマン氏は、デジタル化の衝撃を「スーパーノバ」(超新星)と名付け、「iPhone」や「Android」が生まれた2007年をグーテンベルク以来の技術的な転換点の年と指摘しているそうです。現在ではデジタル技術を使うコストも著しく下がりました。20世紀にはブルーカラーの肉体労働に代わる技術が生産性を上げてきましたが、これからはホワイトカラーの頭脳労働に代わる人工知能(AI)の時代になりそうです。

     (5)企業の行動と社会のニーズの整合性は
     昨年の企業の不祥事として、国内では、三菱自動車が軽自動車の燃費性能を偽った事件、電通の女性社員が過労自殺した事件、ディー・エヌ・エーのまとめサイトのずさんな運用、東芝の巨額損失などが挙げられています。海外では、独フォルクスワーゲンの排ガス不正事件、欧州当局による米グーグルなどサイバー空間の巨人の監視、製薬大手の米ファイザーの節税目的の巨大買収計画の批判などが挙げられています。 
     企業と社会の歩みが歩調をあわせないと、経済成長が達成できなくなる可能性があります。

     では、これらの問題に対して日本はどうあるべきかという日本経済新聞の主張を見てみます。

     まず、(1)のイギリスのEU離脱とトランプ現象を引き起こした中間層の行動に対しては、社会の重要な柱である中間層が希望の持てないような社会は明るい未来を考えにくいが、といって、グローバル化やIT化に反対しても経済成長を阻止するだけだ、として次のように言っています。(以下の(1/4)は1月4日の新聞の掲載を指します。)
     「正規社員と非正規社員との待遇格差是正や、新しい技術や知識を学んで技能を向上できる機会の提供など、働く意欲を高め、中間層を分厚くする工夫が大切だ。
     女性やシニア層が活躍できる環境づくりや、外国人労働者の活用も進める必要がある。
     豊かで活力あふれる国であり続けるために重要なのは、開放的な経済であり、中間層が希望を持てる社会だ。欧米社会の揺らぎは日本にも警告を発している。」(1/4)

     つぎに、(2)の保護主義に向かう懸念については、「日本は自由主義の旗を掲げ続ける責務を負っている。戦後、資源のない小国が豊かになれた理由を忘れてはならないし、未来を貿易に託す新興国をサポートする役割もある。・・・安倍晋三首相はトランプ氏にTPPへの参加を粘り強く説くべきだし、並行してEUや中韓との協議を急ぎ自由貿易協定 (FTA)で合意を目指すべきだ」(1/1)、と言い、「米国が内向き志向を強め、欧州が英国の欧州連合(EU)離脱や移民問題に揺れる中で、日本に求められる役割は増している。日本が国際協調の推進役としての責任を果たすことは世界だけでなく、自身の繁栄にとっても不可欠だ」(1/6)と主張しています。

     (3)のアジアの安全保障については、「同盟国は米国に対し、これからも『安全保障の傘』を提供するよう求める一方で、防衛のための自助努力も増やしていかざるを得ない」(1/3)と言っています。しかし、日本だけ努力してもアジア太平洋の安全は保てません。これまでも日米同盟を軸として日米とオーストラリア、日米とインド、日米韓の3カ国の対話や共同訓練は進んでいますので、「同じような協力をさらに東南アジアにも広げていきたい。こうした面の連携が拡大すれば、将来、米国主導であっても、米国におんぶにだっこではない、緩やかな安全保障協力網を築けるはずだ」(1/3)、また、軍事だけでなく政府開発援助 (ODA) を使うことも重要だと指摘しています。そして、「そのうえで重要なのは、中国と安定した関係を築く努力だ。互いに恩恵を得やすい経済や環境の協力を積み重ね、領土や歴史問題があっても揺るがない関係をつくりたい」(1/3)と提案しています。

     また、(4)のデジタル革命については、「そうした第4次産業革命を担うのは、デジタルネーティブと呼ばれる、物心ついたときからデジタルに親しんできた若手人材だ。・・・日本はこの150年、明治維新と敗戦という2つの断崖を乗り越えてきた。どちらも若い世代が活躍し、新しい日本をつくりあげた。それをいまこそ思い出そう」(1/1)と、若者を前面に押し出すことを提案しています。

     最後に、(5)の企業と社会の関係について社説は、「かつて近江商人は『売り手よし、買い手よし、世間よし』を商売の基本に掲げた。モノを売買する当事者だけでなく、商いを通じて社会(世間)の発展に尽くすことの大切さを説いた。その精神は今の時代にも通用する」(1/8)と言い、下水が完備していない場所でも使える安いトイレを開発してアフリカでの普及に力を入れているLIXILグループ、自動ブレーキなどの安全技術を開発している日産自動車、紅茶葉やバーム油などの原材料調達に詳細な調達基準を決めている英蘭ユニリーバの例を挙げています。
     そして「各国政府も『アンチ・ビジネス(反大企業)』の風潮に流されることなく、民の力を建設的な方向に引き出す『賢い政策』『賢い規制』を望みたい」(1/8)と提案しています。
                    ―――――【2017年2月18・25日の要約終】―――

     万博二紫会の際に乗車したeMoverが万博後に大阪シティバスに転用される予定でしたが、未だ転用はされていません。1台も。なぜ再利用されないか以前に、eMoverは森ノ宮の空き地に駐車され、次々に富山のリサイクル施設に搬入されています。
     そうなったのは、eMoverに不具合があるために転用が不可能と判断されたためです。そのため、eMoverを購入した大阪メトロは巨額の特別損失を計上。えらいこっちゃ。
     今日記者会見で大阪市から説明があるようですが、バスは入札条件の日本製ではなく、中国製、しかも実績を伴わない部品メーカーの製品を使っており、大阪市内や、スクールバスに使用した福岡市内で事故又は異常が発生。
     大事に至らないうちに大阪シティバスへの転用を中止したのはある意味賢明でしたが、そもそもなぜそのような不良品の導入契約を行ったか。
     結果として、代金67億円の回収を履行できていないので、これは大阪市民の負担になる可能性が大。

     それにしても、自動運転バスでの運用を目指していたというのに、なんたるお粗末。運用が始まっていたら、大事故に至っていたかも。AIの利用以前の問題。
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF3171D0R30C26A3000000/

     AIは日々進化している、と何度も書いていますが、そもそも5種類くらいしか使ったことがありません。Chat GPT、Gemini、Copilot、Claudeくらいは多くの人が使っていると思いますが、会話型の生成AIに限っても他の選択肢があります。
     見かけは似ていても、ディープリサーチが得意なAI、さらにはそれを分析して図表を高度なレベルで作ってくれるGensparkのような便利ツールがありますし、調査・整理・資料作成などを自動実行してしまうManusというものもあります。先日紹介したGrockはXの膨大な投稿から特定のトレンドやトピックを抽出したりすることができるので、ニュースの先触れになったり、株価動向の参考になりそうです。
     とにかく使ってみないことには、性能やメリットがわからないというのが正直な感想です。

     最近は、家ではClaude、職場ではGeminiとNotebooKLMの連携を繰り返し試しています。

     AIの進歩は月単位で注目すべき状況になっています。
     イーロン・マスク氏によるスペースXもAIを開発をしてきましたが、昨日、Grock4.5を発表。プログラミングやデータ集計が得意とのこと。個人的には、大丈夫か、と思いますが。笑
     マルチモーダルな生成AIだけでも、どれを選んだらいいものやら。日本でも開発する話があるようですが、他国任せにしておくと、思わぬ所で障害が起こり生活インフラのダウンや、開発国に便益を搾取されることが起こりそうなので、日本発は必要だと思いますが、開発資金や人材を調達できるのかどうか。

     AIはいいところばかりでなく、商業上の権利を侵害する案件が万単位で発生していると報じられています。例えば、芸能人の顔や声を権利者に断りなく生成AIで別のコンテンツに利用するなど。
     また、最近は、飲食店にAIが自動で予約を入れるサービスもありますが、ネット予約ではなくAIが電話で予約を入れてくるそうです。しかし、人手不足の店舗では、仕込み時間帯や営業真っ盛りに電話が鳴り続けたりして対応に苦慮しているというか、仕込みの邪魔になっているそうです。そのサービスを企画運営している*ートリザー*社は「法的に問題はない」とコメントしているそうですが、同社が勝手に店舗登録している問題もあって、業界としては混乱しているそうです。

     迷惑と言えば、AIとは関係ありませんが、全東信の破産は、中小事業者にとって深刻な問題ですね。これでまた行きつけの店の経営が行き詰まったりしないか心配です。
     私も現金をたくさん持ち歩かず、カード決済にしてわずかなポイントを稼いでいるのですが。

     休憩  10年前と10年後と、いま

     2017年~2018年に、主として日本経済新聞の記事を基に「うつりゆく時代」というタイトルで、このホームページに30回の書き込みをしてきました。その内容を現在の2026年と比較することにより、この10年ほどの間の変化を見てみたいという意図で、最近「うつりゆく時代」のシリーズを復活させました。
     同じような趣旨で、2026年6月28日(日)の朝日新聞の「読者と記者のbe会議」(15頁)という欄に「ここのところ、インターネット上では『2016年』が一つのブームになっているようです」という書き出しとともに「10年前といま、どちらの時代が生きやすい?」という山本悠理記者の記事が載っていました。10年前と「いま」と10年後と「いま」について、比較のアンケート調査をしたものです。ここでは脱線になりますが、いっときの休憩として、今後の参考にもなるので、この記事の内容をみておきます(朝日新聞を読んでいる人には重複になりますが!)。

     「beモニターへのアンケートをもとにした企画です」との情報以外は調査方法の詳細は記されていませんが、記事によれば、回答者数は2389人で結果は以下のようでした。
     10年前と「いま」を比べたときどちらが「生きやすい」かについては、10年前が79%、「いま」が21%でした。
     10年後と「いま」を比べたときは、10年後が19%、「いま」が81%でした。

     10年前の方が生きやすいことの理由は、物価や生活費が安かった、国際関係の不安が少なかった、異常気象の影響が少なかった、などが挙げられています。
     10年前と比べて「いま」を選んだ理由は、様々な情報を簡単に得られる、多様な価値観が尊重される、AIで様々なことができる、などが挙げられています。

     10年後の方が生きやすいことの理由は、AIが合理的な解決策を提示してくれる、多様な生き方への理解が進む、今はより良い方向へ進む過渡期、などが挙げられています。
     10年後と比べて「いま」を選んだ理由は、生活面での不安が増す、AIの答えを正しいとして知識や経験が尊重されない社会、物価高も止まらない、などが挙げられています。

     過去・現在・未来で時間の経過とともに「生きやすさ」の比重が減少しています。傾向としては分からなくもない結果ですが、問題もあるように思います。
     先ず、「生きやすさ」とは何かという定義で、その解釈は主観的なものになり、各自の価値観とも関係してきます。
     次に、「昔は良かった」とよく言われますが、人間の心理として「いま」からみる過去と現在と未来はこのようになっているかもしれないということです。
     さらに、若者と中高年者とは違う結果が出るかもしれないということ、などです。

     データの結果に問題があるとしても、現在の国内外の政治と技術の急速な変化が人間の心理に大きな影響を与えていることも事実だと思います。今後の参考のために、同じ記事の「この10年で印象に残った出来事(全員が回答、複数回答)」を借用して以下に写しておきます。

      新型コロナの世界的流行(2020年)・・・・1811人
      ロシアのウクライナ侵攻(22年)・・・・・ 1315
      森友・加計問題(17年)・・・・・・・・・・850
      安倍元首相銃撃事件(22年)・・・・・・・・738
      熊本地震(16年)・・・・・・・・・・・・・627
      能登半島地震(24年)・・・・・・・・・・・596
      米で第2次トランプ政権発足(25年)・・・・ 474
      京アニ事件(19年)・・・・・・・・・・・・439
      やまゆり園事件(16年)・・・・・・・・・・383
      イスラエル・ガザ問題(23年)・・・・・・・364

     参考に、年代ごとの新聞購読率のデータです。
     Claude(生成AI)にデータを探させたうえでレポートを以下にコピーしました。

    以下引用:
    新聞通信調査会「メディアに関する全国世論調査」(2024年版、10歳刻み)のデータでは、月ぎめで紙の新聞を購読している割合が世代ごとにはっきり分かれています。月ぎめで紙の新聞をとっている世代を比較すると、30代がもっとも低く16.7%、70代以上がもっとも高い74.9%となっています 。

    別の調査(NHK国民生活時間調査系、2024年公開版)では「新聞利用者率」という切り口で見ており、10代で0.0%、20代でも1.8%にとどまるのに対し、60代では39.4% と、若年層と高齢層の差がさらに際立った数値になっています。

    補足すると:

    - **60代・70代以上**:習慣的な購読者が多く、依然として過半数〜7割超が購読
    - **40〜50代**:中間層で緩やかに減少
    - **20〜30代**:ほぼ購読していない層が大勢

    調査によって「購読率」の定義(月ぎめ契約 vs 実際に読む行為)が違うため数値の幅は出ますが、どの調査でも年齢が上がるほど購読率が高いという傾向は一致しています。

    もし特定の調査(新聞通信調査会、NHK、日本新聞協会など)の詳しい年代別グラフが必要であれば、そちらを深掘りして探すこともできます。
    (引用終わり)

     さて、
     私の息子たち世帯も新聞を購読していませんし、次男はテレビの地上波放送を観ていません(65インチのモニターはある)。
     要するに、テレビや新聞のアンケート調査も統計上の母集団を見直す時期に来ているのではないか、ということです。
     我が家には、時々留守電にNHKや共同通信の無作為調査の痕跡が残っていますが、今や固定電話加入世帯も減少しており、年代に偏りがあるように想像します。



    (3)大転換の時代か? (2017年2月11日)

      ―――――【2017年2月11日の「大転換の時代か?」の要約】―――――
     前回は「断絶(disruption)を超えて」という日本経済新聞の特集記事を見てきました。今回は、変化する時代に対し、日本経済新聞の「経済教室」の欄で「大転換に備えよ」という共通のテーマのもと4回にわたって取り上げられた以下の論文をまとめる形で考えてみます(ただし、砂原氏の論文は本題とは少し離れますので割愛します)。
     1月4日「自由の気風・気概 羅針盤に」猪木武徳(大阪大学名誉教授)
     1月5日「アジアの経済減速  火種に」白石隆(政策研究大学院大学学長)
     1月6日「日米の政策、希望と節目の年」グレン・ハバード(コロンビア大学教授)
     1月9日「非主流派 政治に取り込め」砂原庸介(神戸大学准教授)

     猪木氏は、トランプ氏が環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱したことでアジア諸国は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)へ移る可能性があり、アメリカのアジアにおける政治的影響力は低下し中国の発言力が強まるだろうと言っています。
     トランプ氏は保護主義志向で短期の国内利益を優先し、自己利益第一主義を言っているが、「安直な言論は一時的に国民感情に訴える力はあっても、長期的利益や公共の福祉という点では社会に益することはない」と批判しています。
     このようなアメリカの変化の中で、ロシアの政治的台頭があり、中国とインドがどのように経済成長を続けるかという不確定な状況が続きそうです。これからは羅針盤のない状況なので、暗礁に乗り上げる危険さへあります。固定観念や思い込みを捨てていくつかのシナリオを描きながら常に改定し続ける力が必要だ、と猪木氏はコメントしています。そして、「自由の気風や気概があればこそ、アイデアと経済的進歩は生まれる。あらゆる政治論争、経済活動のベースとなる言論・思想の自由を尊ぶリベラルデモクラシーの精神の強さが、われわれ日本人に問われ始めていることは確かだ」と結んでいます。

     白石氏はこのような状況の中で、アジアに絞った2点について分析しています。
     第1点は、トランプ政権の外交・安全保障・対外経済政策についてです。
    白石氏は、トランプ氏は反グローバル化の立場をとると言われているので、民主化の動きには関心がないだろうし、自由化の流れもしばらく頓挫するだろう、しかし資本移動の自由はアメリカの利益になるので維持されるだろう、と指摘しています。
    白石氏は「まとめて言えば、トランプ新政権は自己中心的に国益重視のリアリズムの力の外交を展開する可能性が高い」と言っています。
     第2点は、アジアの政治経済的動向です
    最近の欧米では、生活水準が停滞し人々の期待も裏切られてそのため政治が悪いと言い出したのに対し、アジアでは、生活水準が向上し将来に対する期待も高く政治が悪いとも思わないし、グローバル化に反対する理由もない、ということになります。
     しかし、この状態はこれからも続くのでしょうか。経済成長が今までと同じように順調に続く保証はありません。特に中国はアジアの盟主になるつもりで中国中心の勢力圏を作ろうとしています。白石氏は「米国の新政権が力の政治を前面に押し出せば、米国は中国ナショナリズムの格好の敵となるだろう」と言っています。
     日本はどうするのかという問題があります。白石氏は「日本は右往左往することなく、この地域の安定勢力、予見可能性の高い信頼される国として、これまでの外交・安全保障・対外経済政策を推進していくことが肝要である」と結んでいます。

     ハバード氏は日本とアメリカの成長政策について触れています。
     経済成長率は次のように表すことができます。
      経済成長率 = 労働生産性の伸び率 + 労働の増加率
    したがって、この両者がどのように可能かということが問題になります。
     日本については、労働人口は近い将来に年0.5%ぐらい減少すると思われるので、その分、労働生産性を高める必要があります。税制・規制改革、研究開発・イノベーション支援などの政策手段を使って大幅に生産性を高めることが必要になります。また、労働市場の構造改革をして賃金上昇をもたらす必要もあります。
     他方アメリカの場合は、07~09年の金融危機の後、成長率は鈍化しています。ハバード氏は、トランプ氏の提案する最高税率引き下げ、高齢労働者の社会保障税改革、医療保険制度改革を通じて労働時間を増やす余地はあるし、法人税減税や金融サービス・エネルギー・インフラ部門の規制改革で生産性が一気に伸びる可能性はある、と言っています。
     また、両国ともこれまで金融政策に依存しすぎてきたが、成長を加速するためにはもっと構造改革を実行すべきだとも言っています。
     ハバード氏は、「日本と米国はともに経済政策の転換点に差し掛かっている。日本では安倍首相による大胆な政策転換が一定の成功を収めたものの、構造改革は遅れており、忍耐を強いられることになるだろう。米国では次期政権の誕生で、成長と包摂が進むとの楽観的見通しが浮上している。17年はアベノミクスにとっても、トランポノミクスにとっても、希望と節目の年になりそうだ」と結んでいます。
                     ―――――【2017年2月11日の要約終】――――

     上記、2017年の書き込みは、アメリカのトランプ大統領が第1期目のときでした。「大転換に備えよ」のテーマで書かれた内容は、2026年現在の第2期トランプ政権を見ていると、示唆に富む内容であることが分かります。その評価は皆さんに任せて、以下では、今年のテーマと論文をとらえてこの間の変化を考えてみたいと思います。
     前回は、2017年1月の特集記事とそれに続く2026年までの特集記事の概略を見てきました。さらに日経は新年の初めに、テーマを決めて経済学者のいくつかの論文を掲載しています。2026年は、「新時代の扉を開く」という共通テーマのもとで以下の6つの論文が掲載されていました。ここでは、スペースと本題の関係で最初の3論文だけを取り上げます。
     なお、取り上げなかった2018~2025年までの年初のテーマと論文は、「うつりゆく時代」という観点から後日改めて整理してみたいと思っています。
     1月5日「文化で国際競争を勝ち抜け」吉川洋(東京大学名誉教授)
     1月6日「中国の『次の』威圧に備えよ」H.フォレル(ジョンズ・ホプキンス大学教授)
     1月7日「『最先端の知』で戦略決定を」清水洋(早稲田大学教授)
     1月8日「『改革中道』が政治のカギに」水島治郎(千葉大学教授)
     1月9日「社会保障制度を個人単位に」近藤絢子(東京大学教授)
     1月12日「事実を礎に『排外』抑えよ」仮屋剛彦(上智大学特任教授)

     吉川氏は、変化する時代に「文化」の重要性を指摘しています。
     1776年はアダム・スミスの『国富論』が刊行され、アメリカが独立宣言をした年です。今年で250年になるので、吉川氏はこの間を振り返って分析しています。
     先ず、18世紀のイギリスではじまる第1次産業革命については、「蒸気機関の力で伝統的な手工業を工場での大規模生産に変え、モノやサービスが市場で取引される資本主義経済を生み出した」とし、イギリスで蒸気機関車が走ったのは1830年だったが日本では1872年でその速さに「驚くべきこと」と言っています。
     次に、19世紀末にアメリカで第2次産業革命が始まり、「電気・化学・自動車など新産業が次々に誕生」し、「第2次産業革命は近代的な生活様式を確立し、平均寿命の伸長に大きく貢献した」とし、1950~60年代の日本の高度経済成長期はその典型だと言っています。
     21世紀になると情報通信技術、人工知能(AI)がけん引役となる第3次産業革命が始まります。吉川氏は「インターネット、電子メール、スマートフォンなどは国籍を問わずグローバルに受け入れられたモノである。しかしそれらが運ぶコンテンツは多かれ少なかれ個性を持つ。主役は画一的なモノではなく、個性を持ったコトになった」とし、コトを生み出す主体は個々の人や企業だが、国レベルで見れば「文化」である、そして「情報が瞬時にして世界中の人に送られる今日、それぞれの国の文化は毎日がグローバル競争の時代を迎えた」と言っています。
     この情報通信革命の第1ラウンドでは「企業がグローバルな視点を欠き、リスクを取らず保守的であったことから日本経済は「完敗」し」、失われた30年という長いトンネルに入ったが、第2ラウンドの文化のグローバル競争では前向きな兆しもあるとして、アニメやゲームなどのコンテンツビジネスやインバウンドの爆発的増加を挙げています。インバウンドの増加については「和食ブームとともに伝統的な発酵食品、日本酒などへの需要」増加は、日本文化への関心の高まりでもある、と言っています。
     文化の重要性はモノづくりでも決定的に重要であり、吉川氏は「第2次産業革命に誕生したモノが満たす消費者のニーズは普遍的だったが、21世紀のニーズはもはや自明ではない。人々は何に価値を見出すのか、それは多かれ少なかれ文化に依存する」とし、「250年の歴史を振り返ると、産業革命の波を生み出したのは単に科学技術の発達だけでなく、背後にそれぞれの国の文化があった。21世紀、日本は人類社会にどのような貢献ができるのか」と結んでいます。

     ファレル氏の論文は「現在の日本は困難な状況に置かれている。中国から強い圧力をかけられる一方、米国による保護は当てにならない。第2次トランプ政権は、同盟国を守るより締め上げる方に熱心だ」とし、このような状況の中で「中国が次の一手として準備する新たな対抗措置の方が警戒を要する」と言っています。
     中国は、国防と経済の能力強化のために、外国の技術を輸入し国内投資を奨励するかたわら、自前の技術力の開発にも取り組んできました。しかし、「2013年、米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン氏が米国による情報監視を暴露した。この件で、情報監視に対する中国の脆弱性が明らかになった」こと、と「18年以降、米商務省が中国の通信機器大手、ZTE(中興通訊)やファーウエイ(華為技術)への輸出を規制した」ことで2度のショックを経験して、この方法では米国のパワーに翻弄されるだけだと気付き、「中国は防衛と攻撃の両面で新しい政策と制度の開発に着手した」と指摘しています。それは、「中国は米国が対中制裁で使ってきた手段をまねて、独自の経済的威圧の手法を開発した。・・・特に重要なのは、中国が国境の外にまで自国の規制対象を拡大したことだ。・・・単に輸入を禁じるのでなく、世界の製造システムに規制の網をかけ、中国の有利になるように作り変えようとしている」と指摘し、他方「トランプ政権は現在も制裁や輸出規制を維持してはいるが、効果的に実行するシステムがない」と指摘しています。
     このような環境の中で、日本に対して中国は輸入や渡航の禁止よりももっと高度な手段をもっているのと、アメリカのメリットがない限り日本を保護してくれるかどうかわからないので、中国の日本への次の一手を警戒すべきと言っています。日本は「経済安保の統合に適した先進的な制度を備え、官民が緊密な関係を維持している点で他のどの大国よりも優れている」という優位性があるので、日本と同じようなジレンマを抱えた韓国やカナダや欧州連合(EU)などと関係を深めることが重要だと指摘しています。そして「日本が危険で困難な時期に直面していることはまちがいない。しかし活用できる手段もあれば、関係深化を期待できる友好国もいる点を忘れてはならない」と結んでいます。

     清水氏は、情報の非対称性を活用するために最先端の「知」を利用すべきだと主張しています。「天気予報が快晴を告げている日に、自分だけが「午後から土砂降り」という情報を(なぜか)知っていたとしよう。これはビジネス機会だ。雨具を大量に用意し、傘を持たない人々に提供すれば利益を得られる。」この「情報の非対称性」がビジネス機会の源泉だと言っています。このように、外部で生み出される情報の非対称性をビジネスに生かすことは重要ですが、「現在は情報拡散のスピードが速く情報に非対称性はすぐに霧消する」のと外部の変化がイノベーションにつながるとは言えない、という問題があります。そのために、重要になるのが研究開発(R&D)ということになりますが、これをビジネス機会の源泉と考えるときには、その成果と経営戦略の関係が問題になります。
     自社以外の外部との連携という方法もありますが、それを評価する能力があるかどうかという問題があります。まず経営戦略があり次にR&Dへというトップダウン型の方法は新しいビジネス機会を生み出すことが困難です。情報の非対称性の源泉が自社内にあればそれに越したことはありませんが、「グローバルに研究開発競争が行われていれば、常に自社が最先端だとは限らない。だからこそ、論文や特許になる前の段階での情報にアクセスできることは重要だ。博士人材の価値もここにある。自社の研究開発水準が低ければ、こうした最先端の輪に加わることはできず、結果として陳腐化した情報を基に開発を進めることになる」ということで、「最先端の知」が重要だということになります。
    清水氏は、「最近は日本企業にも中央研究所を再評価し、拡充する動きが徐々に見られる。新たに生み出された知識を経営の中核に据える企業もある。既存事業部の要請に応えるだけのR&Dでは大きなリターンは望めない。R&Dを「新しい製品や生産工程を開発する部門」から「情報の非対称性をつくり、より効果的な新しい戦略を得るための営み」に捉えなおすことが重要だ」と結んでいます。

     以上、2026年の3つの論文を見て来ました。「文化」から見る時代の変化は面白い発想ですが、文化の定義や概念が広すぎるという問題があるように思います。また、中国の「新たな対抗措置」については、中国について詳しい知識のない僕には具体的にイメージすることは困難ですが、大国の谷間で今後日本がどのように進むのかという点で重要な指摘だと思います。また「最先端の知」については、AIを中心とするこれからのデジタル社会を考えたとき、ますます重要になるのではないかと思われます。どれも、10年ほど前の2017年には特に問題にならなかった、新しい時代を特徴づけるテーマかもしれません。

     皆さんの感想や意見を歓迎しますので、【返信⇖】を使って、できるだけこの書き込みに参加してくれることを期待しています。

     二村先生、連載を拝見しています。全部を理解できているわけではありませんが。

     最近の記録的円安、物価上昇は、経済の波のフェイズの転換点となるのかもしれません。
     トランプ大統領による対外政策、ロシアによるウクライナ侵攻など、経済情勢のパラメーター以外の要素がかなり作用していますが、
    4月下旬からの11兆円を超える為替介入により一時少し円高にシフトしたものの、6月になってからの円安には為替介入の様子がありません。

     以前、先生が記されていた「転換の金融政策」の文面を少し思い出しつつ、今後どうなっていくのか、想像しました。
     学術的関心というより、わずかな老後資金や、仕事で抱える金融資産や契約を守るためですが。

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