| (4)生成AIについて(続き) 今回も、前回も取り上げたNewton(別冊)『よくわかる人工知能のすべて』株式会社ニュートンプレス(2024年7月)の「2 ChatGPTと生成AI(協力 松尾豊/横田理央)」の(52~59頁)とNewton(別冊)『よくわかる人工知能のすべて 最新版』株式会社ニュートンプレス(2026年8月)「2 生成AIとは何か?(監修 松尾豊)」の(50~55頁)を紹介する形でまとめてみます。 ③ 生成AIと画像の生成 画像を生成するAIとは、「インターネット上にある大量の画像を読みこんでその特徴を学習し,ユーザーが打ちこんだ指示文(プロンプト)に合致するようにそれらの画像を再構成してくれるAI」(24年52頁)ということです。同書では、このことをイギリスの企業 Stability AI の「Stable Diffusion」が23億枚の画像データを使った例(2022年8月)を以下のように紹介しています。 ⅰ ある画像をOpen AI が開発した CLIP という技術を採用したAIに読み込ませる ⅱ CLIPはその画像に対応する言葉を自動生成する ⅲ 画像生成のときには、ノイズまみれのダミー画像を用意し、ノイズを少しずつ取り除く方法で元の画像を再現することによりAIに画像復元の方法を学習させる、これは「拡散モデル(Diffusion Model)」といいます ⅳ この方法、つまり多くのいわば「画像の穴埋め問題」を解かせる このようにして、「Stable Diffusionは言葉の指示だけで多様な画像を生成できるようになる」(24年53頁)とのことです。 画像生成AIは、Stable Diffusion以外にも、Open AI によって開発されたDALL・Eシリーズや、Discord とよばれるチャットツールを通じて画像を生成する Midjourney などもあるとのことです。 ④ マルチモーダル生成AI マルチモーダルAIとは、これまでの単一の形態(モーダル)の学習だけでなく、「文章や音声,動画,さらにはセンサーで感知した情報など,二つ以上の種類のことなるデータを学習でき,それらを統合して処理することが可能になる」(24年58頁)AIのことをいいます。 2023年にGoogle社がマルチモーダルAIとして 「Gemini 」を発表、2024年2月には 「Gemini Advanced」 が公開されました。 また、Microsoft社の「Copilot」もマルチモーダルのサービスに付け加えることができるなど、マルチモーダルAIは「従来の大規模言語モデル(LLM)ではなく,さらに大量で複雑な情報をあつかうことを目的とした『マルチモーダル大規模言語モデル(MLLM)』に支えられ」て、それ以降では「人工知能の能力は,今後もますます進化し,成長していくことが見こまれる」(24年59頁)という状況にあります。 ⑤ 「動画」と「空間」の生成 生成AIの技術は、「静止画」から「時間」と「空間」をあやつる技術に進化しようとしています。具体的には、「2025年に登場した「Veo3」(Google)や「Gen-4」(Runway)といった動画生成AIは,たんに『動く絵』をつくるだけではない。重力による物体の落下,液体のはね方,あるいは複雑な光の反射といった『物理法則』を,映像の中で表現する」(26年、52頁)までに進化しています。 この進化の理由は、画像生成で使われた「拡散モデル(Diffusion Model)」とGPTなどの基礎となった「Transformer」の技術を融合し、AIが膨大なデータを学習する過程で「物体がどう動くのが自然かという,『物理的な一貫性』を統計的に学習したとみられている。・・・この進化は,3次元空間の構築にも波及している」(26年53頁)ということにあるようです。 2026年現在のAIの動きは、「生成AIは今,デジタルな夢を見る段階をこえ,私たちが生きる現実世界の物理的構造をデジタル空間に再構築しようとしている」(26年53頁)までに進化していることになります。 ⑥ マルチモーダルから推論型へ 上記 ④ でマルチモーダルを見てきましたが、2026年版では、「これにより,AIに人間のような『知覚』がもたらされた」(26年、54頁)と付け加えて、「近年のAI開発では『強化学習』を用いた論理的な推論能力の向上が進められている」(26年、54頁)としています。さらに推論とは、たんなる「予測 (inference)」ではなく、思考の連鎖を経て答えを導き出す「推論(reasoning)」だとコメントし、AIが筋道を立てて回答を導き出すアプローチが注目されているとしています。 2024年の「Claude3」(Anthropic社)やOpenAI社の「GPT-5」シリーズの「thinking(思考)モード」などが「推論型AI」とよばれています。 2026年版の「第2章 生成AIとはなにか?」では、「この進化により,AIは『検索代行』や『翻訳機』,『チャトポット』から,人間の複雑な意図を汲み取り,自律的にタスクを遂行する『エージェント』としての活躍が期待されはじめている。文章や画像といった『情報の形』を問わずに理解し,そこに論理的な思考を組み合わせることで,生成AIは人間の知的な営みを支えるパートナーとしての役割をにないはじめているのだ」(26年、55頁)と結んでいます。 以上、AIの誕生から今年の7月までのAIの「歴史」を、雑誌『Newton(ニュートン)』の記事を参考にしながら「うつりゆく時代(9)~(12)」の4回をかけて大急ぎでみてきました。ところが、今年の7月以降、AIの想定外の驚くべき行動が報告されました。次回からは、この問題を整理しながらAIの問題と将来について考えてみようと思います。 |
| 先月、トランプ大統領が、AIをSIと呼べ、と突然言い出しましたが、唐突過ぎるし、変えなければならない理由が不明です。笑 https://news.yahoo.co.jp/articles/210d1a0463d49ba964691f7361b82487e23c2145 |


