（公社）日本ローイング協会（安全）インシデントレポート掲示板

旧掲示板記事：385 外部の救助を仰いだ沈の事例について【漕艇技術的な要素】安全環境委員会・堀晃浩 2020/10/8 安全環境委員会：堀晃浩 投稿日: 2022年06月25日 11:10:10 No.375 【返信】

385 外部の救助を仰いだ沈の事例について【漕艇技術的な要素】安全環境委員会・堀晃浩 2020/10/8
外部の救助を仰いだ沈の事例について【漕艇技術的な要素】
　　　日本ボート協会安全環境委員会　委員長　竹内　浩
　　　　　　　　　　　　　　担当　スタッフ　堀　晃浩

今回の事故では、1Xの方向転換時のバックロウによる切込みによる沈が発端でした。バックロウの際に切り込んでバランスを崩す例は時折耳にいたします。

その原因の一つとして、「バックロウ時にオールを裏返して漕ぐ」方法のリスクをアドバイザ小沢さんが指摘してくださいました。

【アドバイザ小沢さんのコメント】
最初の沈が，バックロウでの切込みとのことなので，もし「ブレード裏返してバックロウ」であれば，添付画像が参考になるかと思います．

バックロウで裏返すことを基本・習慣とするクラブも多いかもしれませんが，その場合，特に切り込みやすくなることを十分理解し，注意する必要があります．

（資料画像は，安全講習会スライドおよび小沢著・漕艇譜５より．）

旧掲示板記事：384 外部の救助を仰いだ沈の事例について【概要報告】安全環境委員会・堀晃浩 2020/10/8 安全環境委員会：堀晃浩 投稿日: 2022年06月25日 11:07:45 No.374 【返信】

384 外部の救助を仰いだ沈の事例について【概要報告】安全環境委員会・堀晃浩 2020/10/8
外部の救助を仰いだ沈の事例について【概要報告】
　　　日本ボート協会安全環境委員会　委員長　竹内　浩
　　　　　　　　　　　　　　担当　スタッフ　堀　晃浩

アクシデントレポートのご提出ありがとうございました。
高校男子1X及び2Xの沈、そして外部（海上保安庁）による救助事例が発生しました。選手は無事救助されました。

本件につきまして、本記事にて事実経過を報告いたします。
また別記事にて、【漕艇技術的な要素】、【安全確保のための要素】についてコメントいたしますので、ご参考になさってください。

【事実経過】
場所：河川（河口～海）
日時：2020年9月5日土曜日16時15分頃
該当艇：高校男子1X, 2X。1年生。
一般的な状況：顧問による監視―あり。沈回復の訓練経験―なし。救命具の携行―なし。救助艇－配備せず。

人的損害：3名の選手にけが等はなかった。沈から約1時間後に、海上保安庁及び生徒の保護者保有のモーターにより救助された。
物的損害：なし。

【状況】（顧問の先生の報告書をもとに掲載、一部表現を変えています。）
　15時20分頃から乗艇を開始し、シングルスカル2艇、ダブルスカル1艇が出艇した。シングルスカル1艇は浮輪付き、シングルスカル1艇は浮輪なし、ダブルスカル1艇もフロートなしだった。
A橋とB橋間の500m程度の距離の往復で練習していた。2往復した後、A橋上にいた私（顧問の先生）の所へ帰って来て、進行方向を変えようとしたときにフロートなしのシングルスカルの者が落水した。落水後すぐ横にいたダブルスカルで救助（注：曳航を試みる）していたが、沖へ出てから浜へ帰艇させようとした時に、ダブルスカルも沖で落水した。水面の流れは少し沖へ向かっていたため、2艇3名は流されてしまった。

（注）A橋の真下で1Xの沈が発生しました。この沈は方向転換時のバックロウのオールの切込みを起こしたものです。その後、2Xで1Xの曳航を試みました。2Xの整調が1Xを保持し、2Xのバウが艇の操作を行っていました。A橋から150-170m程度海側に曳航したところで、2Xのバウがバウサイドのオールを切り込んで2Xも沈をしました。その結果、2艇3名が流されてしまいました。

　練習当時、生徒はライフジャケットを未着用で、水上に救助艇がない状況であった。私（顧問の先生）は陸上にいたが、助ける手段がないため、警察、レスキューに助けを要請した。その後、船を持っている保護者とレスキューが救助し、落水（16時20分頃）から1時間弱後に怪我や艇の破損もなく無事、救助された。

（注）3名が救助されたのはA橋から230m程度海側の地点でした。

その後、9月9日に海上保安庁から呼び出しの連絡があり、教頭とともに2名で訪問。海上保安庁からの指導内容は、①乗艇時、ライフジャケットが未着用だったこと②救助艇がない状態で水上練習をしていたことについて厳しく指導された。

　救助艇について以前は所有していたが、壊れており、長らく救助艇の出艇しない状態で部活動を行っていた。

（注）救助艇を修理しなかったのは、修理ができないくらい壊れていたからとのことでした。

【安全環境委員会より】
事故の発端となった「1Xのバックロウによる沈」についてはページを改めてコメントいたします。

本事案では、複数のクルーによる練習、顧問による監視と素早い救助要請を出せたという点で、最悪の事態を回避できたと思います。その一方で、救助まで約1時間を要し、外部の救助を仰がなければならなかった点については見直す点も多々あると思います。

同様の事故を繰り返さないポイントとして、操船技術（バックロウ）の習得に加えて、安全装備（救命具：ローイング安全マニュアルP.22、以下マニュアルと略します）、（救助艇：マニュアルP.60）を具体的に検討することをお願いしたいと思います。救助艇に装備する船外機は信頼性のあるY社の2馬力のもので定価12万円程度で入手できます。およそスカルオール（スキニー）1セットの価格といったところです。

　またマニュアルP.46-P.69まで自助・救助について24ページにわたって解説していますので、改めて熟読をお願いいたします。その際のポイントは、「今出艇している状況で、救助が必要になった場合安全に実行できるかどうか」です。ぜひ今回の事故を他人事とせず、自分の学校・クラブで発生した際にどう対処できるかについてご検討ください。具体的な本事故の教訓については頁を改めてコメントしたいと思います。

地図の説明。緑矢印が本事故の発端となった１X沈の地点。１X沈後にそばにいた2Xで曳航を試みる。２X整調が１Xを保持し、２Xバウが操船した。A橋から150-170m東側（地図で右側）に曳航した地点で2Xも沈した。海上保安庁及び生徒保護者のモーターによる救助場所は２Xの沈地点から東側に約70mの地点であった。

旧掲示板記事：383 掲示板セキュリティ強化について安全環境委員会 2020/10/7 安全環境委員会：堀晃浩 投稿日: 2022年06月25日 11:05:35 No.373 【返信】

383 掲示板セキュリティ強化について安全環境委員会 2020/10/7
いつもお世話になっております。

さて、先般から続いております迷惑書き込み対策として、この度当該掲示板をアップグレードし、セキュリティ面を強化いたしました。
主な改善点としては下記の通りです。

・掲示板の投稿ですが、全て管理者が承認の上、掲示板に反映されます。（そのため、投稿と実際の掲示板への反映にタイムラグが生じますのでご承知おきください）

・掲示板内に表示されていた広告は全て非表示となります。

掲示板に関するご質問、ご要望有りましたら、また安全環境委員までご連絡いただけますと幸いです。

旧掲示板記事：381 悪戯投稿の問題について ozawa 2020/8/30 安全環境委員会：堀晃浩 投稿日: 2022年06月25日 11:04:33 No.371 【返信】

381 悪戯投稿の問題について ozawa 2020/8/30
掲示板書き込み通知登録されている方各位
当インシデントレポート掲示板は，安全情報の共有のために有用なものですが，残念ながら，悪意のある悪戯投稿が時々あり，不快な思いをされている方も少なくないと思います．
その都度，本掲示板の管理を担当されている安全環境委員会のＫさんがすぐに削除してくれています．今後，投稿を管理者が確認の上配信するなどの対策もあるかもしれませんが，今しばらくご受忍いただき，悪戯メールについては無視してください．
安全環境委員会　アドバイザ　小沢哲史

旧掲示板記事：379 参考：軽度の熱中症事例 ozawa 2020/8/11 安全環境委員会：堀晃浩 投稿日: 2022年06月25日 11:03:32 No.369 【返信】

379 参考：軽度の熱中症事例 ozawa 2020/8/11
2020-8-9午前(昼前），地方の大会でのスタッフの軽度の熱中症（兆候）事例．
ボランティアで参加のＯＢ（男性・４０代後半）がボートホルダーに従事中，体調不良となり，仲間の車で休養し大事には至らず．軽度の熱中症兆候と推定．当時の気象状況；気温３２．６℃，湿度５８％，平均風速２．１m/s　その他選手・スタッフでの体調不良は見聞していない．大会の運行体制等に特に懸案も感じる事案ではなかったので，詳細は把握しなかった．
ただ，この種の軽度の事例を含め，イベントや日常練習でのインシデントを共有することで，注意喚起～ロウイングの安全活動につながると思うので，事例を蓄積していきましょう．
小沢哲史　日ボ・安全環境　アドバイザ

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