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コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4310 )
日時: 2024年01月15日 09:21
名前: はっちん [ 返信 ]
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『コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (3)』⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3708

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『コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (5)』⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4206

『コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (6)』⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4314
   
   
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Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4311 )
日時: 2024年01月15日 09:23
名前: はっちん [ 返信 ]
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岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)

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(2024.1.15)
Q&A 長引くワクチン副作用の正体がわかってきた?

「コロナワクチンの副作用による症状が、かなり長引くことがある」との見解が科学専門誌『サイエンス』に掲載された論文で示されました(文献1)。コロナ後遺症は英語でLong Covidと称されますが、これに倣ってLong Vaxと呼ぶ専門家もいる、ということです。Vaxはワクチンの略称です。

このような論文が一流の専門誌に掲載されるのは初めてのことですから、関連情報を探ってみました。

米国のある専門家は、「これまで医師たちは、ワクチン接種後に何らかの症状や病気の発症を認めたとしても、患者が1,2人しかいなかったため「単なる偶然」と考えてきた。しかし患者数が10人、20人と増えるにつれ、そうも言っていられなくなってきている。火のないところに煙は立たない」と同誌のインタビューに答えています。

同論文によれば、Long Vaxの特徴は、症状が接種後数日から数週間経って現れること、細い神経線維が炎症を起こしているため、ズキズキとした疼き、刺されるような痛み、焼けるような感覚などがあることです。また、血圧上昇、倦怠感、頭がもやもやするなどの症状を伴うことが多く、ときには立ち上がったときに脈拍数が急増する体位性頻拍症候群が認められます。

副作用のメカニズムについては、新たな理論もあります。ワクチンによって体内で過剰に作られた抗体が、異物とみなされ、抗体の抗体ができてしまうという新説です。一種の自己免疫反応と言えますが、これが細胞表面にあるACE2という名の酵素と結合して、結果的に血圧や脈拍変動を悪化させるのではないかというのです。その結果、生じる症状が体位性頻拍症候群であり、高血圧です。

ちなみにACE2はさまざまな細胞の表面にあり、血圧上昇を抑えたり、炎症を鎮める重要な役割を担っていますが、新型コロナウイルスのスパイク蛋白(トゲトゲ蛋白)が体内で最初に結合する部位として有名になりました(文献2)。そして前述した「細い神経線維」の表面には、このACE2が多数存在していることもわかってきました。

このように副作用のメカニズムにも新たな視点が加わり、治療法も一歩前進するのではないかとの期待が高まっています。ただし一連の症状は、すでに当ホームページでも報告してきた「ワクチン後遺症」にもよく似ています。その区別は、どうすればよいのでしょうか?

まず新型コロナウイルスの構造についておさらいです。ウイルスの本体であるRNAは、4種類の蛋白質に囲まれています。以下の図(画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/nprotein.jpg )は、その概要です。

ポイントとなるのはN蛋白です。RNAを畳み込んで遺伝子を保護するという役割の蛋白質ですが、mRNAワクチンの接種によって体内で作られることはありません。

幸い、S蛋白とN蛋白に対する抗体が人工的に作られていて、ネットでも購入できるようになっています。この2つが手に入れば、2023年9月18日付の当ホームページ記事(※1)で示した原理により、2種類の蛋白が体内に存在するかどうかを検査することができます。
(※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4206#4255 )

検査の結果、もし両方ともプラスであれば、過去、新型コロナウイルスに感染していたことになり、またS蛋白だけがプラスで、N蛋白がマイナスであれば、感染はなくワクチン接種後であることの証明になる、というわけです。

ただし国内では、すでに8割を超える人がコロナワクチンを1回以上接種していて、しかも無症状で気づかなかった人も含めると非常に多くの人が新型コロナウイルスに感染してしまっています。そのため、「ワクチンの副作用」と「感染の後遺症」の違いを研究しようとしても、適切な該当者を探し出すのが困難になっているという問題もあります。

それにもめげず、ワクチンの副作用と感染の後遺症のいずれかと診断された500人を集め、いくつかの治療法を試みるという臨床試験が始まっています(文献1)。その成果は、発表がありしだい当ホームページで報告の予定です。

【参考文献】
1) Vogel G, et al., Rare link between coronavirus vaccines and long Covid-like illness starts to gain acceptance. Science, Jul 3, 2023.
2) Sriram K, et al., What is the ACE2 receptor? ASBMB Today, May 16, 2020.

【付 録】
 北海道放送報道部 道警ヤジ排除問題取材班 著 『ヤジと民主主義』(ころから社、2022年)は、「おかしいことはおかしいと言う」というジャーナリズム精神が全編を貫く啓もう書で、コロナワクチン問題にも共通する背景が感じられます。同書には、重要証言者が2021年12月、間質性肺炎で亡くなったという、気になる記述もありました。この時期は、ほとんどの国民が1回目か2回目のコロナワクチン接種を受け終わったころであり、間質性肺炎という病気も代表的な副作用のひとつだからです。

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4336 )
日時: 2024年01月22日 09:30
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2024.1.22)
Q&A 世界を牛耳る医学専門誌の横暴?

当ホームページが参考文献としてきた論文の多くは、臨床医学の3大専門誌と称される「ニュー・イングランド・オブ・ジャーナル」、「米国医師会誌(JAMA)」、それに「ランセット」に掲載されたものでした。医師や研究者が注目する論文が多く掲載されている専門誌です。

人目を引く論文が多いかどうかは、評価指標のひとつであるインパクトファクターを見ればわかります。もし掲載された論文が有益なものであれば、その後の研究にも影響を与え、結果的にほかの専門誌に掲載された論文で引用される頻度も高まるはずです。このように引用回数の多い論文をたくさん掲載した専門誌ほど、大きな値となるよう工夫した数値がインパクト・ファクターです。

さて今回は、そんな有名専門誌に掲載された論文のひとつを取り上げて、コロナワクチンの関連情報がいかに歪められてきたかを検証します。

3大専門誌のひとつ、JAMAに掲載された『ワクチン施策は危険な転換点に向かっているか?』は、内容がワクチン礼賛に終始した論文です(文献1)。コロナ禍が始まって以来、医学専門誌に掲載されてきた数々の論文を代表するような内容となっていますので、検証の対象として取り上げることにします。以下、これを著者の名から「マークス論文」と呼びます。

論文の冒頭、「ワクチン接種は公衆衛生上、もっとも有用な施策であり・・・」との記述が、まずありました。コロナ関係の論文は、内容はどうあれ、このような文章をどこかに入れておかないと、審査で門前払いとなってしまうのです。

そのあと、「接種を拒否する人が増えており、集団免疫が低下している。このままでは、多くの命が再び失われることになるだろう」などの記述が延々と続き、最後に「これまでワクチンのお陰で千万人単位の命が救われてきたことを示す確かな証拠がある。SNS上の間違った情報に振り回されないことが大切」との言葉で締めくくられています。

論文の記載が正しいかどうかを判断する方法のひとつは、引用されている文献と、さらにその文献が引用している文献を調べ、それらのすべてが正当なものかどうかを確認することです。

マークス論文で、ワクチンの有効性を示す文献として引用されていたのは、コンピュータ・シミュレーションの結果を報じたものでした。次の図(グラフ⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/faultsimulation.jpgは、その引用文献に提示されていたグラフのイメージを、私が手書きで再現したものです。

「もしワクチンがなかったとしたら」との架空の条件で予測計算を行っているようなのですが、学術論文ではなく、正体不明のサイトに掲載された感想文のようなものでしかなく、どのような計算を行ったのかは不明でした。2023年12月4日付の当ホームページ(※1)コンピュータ・シミュレーションの危うさを解説しましたが、そのレベルの話と考えてよさそうです。
(※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4314#4327 )

<根拠のないシミュレーション!!グラフ画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/faultsimulation.jpg

この引用文献が、さらに引用したデータの出処は、当ホームページでも参照してきたOur World in Dataというサイトでした(文献3)。そこには、上のグラフの元となった思われるデータの一部が確かに掲載されています。

このサイトは、英国オックスフォード大学の支援で運営されており、医療に限らず、教育や農業から戦争にいたるまで、客観的な数値データが掲載されているはずでした。しかし引用されていたデータは、「ワクチンを接種しない人は、接種した人に比べあきらかに死亡率が高い」と、あたかも読者を洗脳するかのような説明になっていました。しかし、うしろ向き調査でえられた数値でしかなく、結論が当てにならないのは、すでに繰り返し述べてきたとおりです。

この記事を書き終えたころ、3大専門誌のもうひとつ「ランセット」に、何から何までそっくりな論文『ワクチン接種とコロナ重症化・死亡との関係』が掲載されました(文献4)。

世界中の医師や研究者たちが注目している専門誌が、いまだこのような状況ですから、コロナワクチンの問題点を追及していくのは、なかなか大変です。

【参考文献】
1) Marks P, et al., Is vaccination approaching a dangerous tipping point? JAMA, Jan 5, 2024.
2) Fitzpatrick MC, et al., Two years of U.S. COVID-19 vaccines have prevented millions of hospitalizations and deasths. Commonwealth Fund, Dec 13, 2022.
3) Mathieu E, et al., How do death rates from COVID-19 differ between people who are vaccinated and those who are not? OurWorldInData.org, 2021.
4) Gulliford MC, et al., Access to COVID-19 vaccination and COVID-19-related hospital admissions and mortality. Lancet, Jan 15, 2024.

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4339 )
日時: 2024年01月29日 10:27
名前: はっちん [ 返信 ]
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岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)

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(2024.1.29)
Q&A 死亡統計にコロナワクチンは影響を与えたか?

「新型コロナウイルスが大流行していたころ、統計上の死亡者数があきらかに増えていた」と、結論している論文が世界的に多くなっています(文献1,2)。このテーマについて、最新情報を交え改めて検証してみました。

次のグラフ(画像①⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/choukasibou.jpgは、過去18年間の日本人の死亡者総数を厚生労働省のデータからまとめたものです(文献3)。グラフには、75歳以上人口の推移も点線で表示し、単位を右端の目盛りに付記してあります(文献4)。

<グラフ①:1年間の総死亡者数(2005年~2022年)⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/choukasibou.jpg

棒グラフで示した死亡者数は、右肩上がりに増加してきたことがわかります。新型コロナ感染症が世界中に広がったのが2020年、コロナワクチンをほとんどの人が接種したのが2021年でした。2023年以降のデータはまだ公表されていません。

右端の2022年は、死亡者数が少し増えているように見えます。理由として思いつくのは、「新型コロナ感染症で亡くなった人が多かったから」、あるいは「コロナワクチンの副作用で亡くなった人が多かったから」ということではないでしょうか。

しかし、このような人口動態のグラフを解釈する際には、気をつけるべき点が2つあります。

まず第1に、人口動態の変化には、さまざまな要因が複雑に絡んでいることです。棒グラフで示した死亡者数の変化は、点線で示した75歳以上人口とほぼ比例していますので、高齢者が増えてきたことによる、単なる自然増かもしれません。次のグラフ(画像②⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/nenrenbetusibo.jpgは、年齢ごとの死亡率を表わしたものですが、確かに死亡者のほとんどが75歳、あるいはそれ以上の世代となっています。

<グラフ②:年齢層別1年間の総死亡者数(2005年~2022年)⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/nenrenbetusibo.jpg >   

第2に考えるべきことは、死亡者数の推移には不規則な凹凸があり、理由もはっきりしないことです。例外は、2011年に死亡者数が少し増えていた点です。この年は東日本大震災があり、行方不明者と震災関連死を含めて22,294人の死亡者が確認されたと発表されていました。

2022年も、死亡者数が増えているように見えます。厚生労働省が発表している死亡診断書の分析によれば、病名欄のどこかに「新型コロナ感染症」との記入があった事例が計60,820人でした(文献5)。

この2つの年における「特別な出来事による死亡者数」を、それぞれオレンジ色に変えたのが次のグラフ(画像③⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/choukasibou2.jpgです。どちらも実測データが残されていたために言えることであり、それ以外の隠れた要因をこのグラフの変化から読み取るのはきわめて困難です。

<グラフ③:1年間の総死亡者数(2005年~2022年)⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/choukasibou2.jpg >      

とくにコロナワクチン接種が原因で死亡した人がどれくらいなのか、真実をあきらかにする必要があります。しかし厚生労働省の発表によれば、2023年9月現在で「新型コロナワクチン健康被害補償認定」を受けたのは269件に過ぎません。国民の8割以上がコロナワクチンを打ったいま、新型コロナ感染症が原因なのか、あるいはワクチン接種が原因だったのか、判別の難しさも背景にあります。

さらに、コロナ禍にあって、死亡者数の増減には以下のような要因も影響を与えていたと分析されていて、事態はいっそう複雑なのです(文献1)。

 ・ 医療機関がコロナ感染者の対応に追われ、一般診療が十分に行われなかった
 ・ 感染を恐れて、受診を控えた人が多かった
 ・ 過剰なPCR検査により脳卒中、がん、心臓病など真の病名がコロナ死にされた
 ・ マスク着用などの対策が徹底され、インフルエンザなどによる死亡が減少した
 ・ 人々の行動が制限され、結果的に大気汚染などが一時的に改善した

本テーマは、当ホームページのQ0「超過死亡という言葉にご注意!」(※1)でも取り上げました。その折、正しい解釈には高度な統計処理が必要である点について述べた上で、「死亡統計だけから軽々しく結論を出すのは控えるべき」とのまとめを行いました。この記事に対しては、今日にいたるまで、さまざまなご意見が寄せられています。
(※1:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ0 の(2)を参照)
(※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page2041#2673 )

このような死亡統計からワクチンの被害をあきらかにしたいとの願いは、やはり叶えるのが難しいようです。

【参考文献】
1) Paglino E, et al., Monthly excess mortality across countires in the United States during the COVID-19 pandemic, March 2020 to February 2022. Sci Adv, Jun 23, 2023.
2) Lewnard JA, et al., Attributed causes of excess mortality during the COVID-19 pandemic in a south Indian city. Nat Commun, Jun 15, 2023.
3) 『e-Stat 統計で見る日本』, 政府統計の総合窓口, 2024年1月アクセス.
4) 『性・年齢階級別にみた死亡数・死亡率(人口10万人対)の年次推移』, 厚生労働省, 2024年1月アクセス.
5) 『人口動態統計における死因別死亡数との比較』, 厚生労働省, https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001196409.pdf, 2024年1月アクセス.

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4343 )
日時: 2024年02月05日 09:19
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2024.2.5)
Q&A コロナワクチンを巡る世界の裁判:その後?

2023年11月ころ、米国のメディアは、コロナワクチンによる健康被害に対して補償を求める申請が1万件を超えたこと、そしてその審査が大幅に遅れていることを報じていました(文献1)。状況は日本と大差ないようです。

その申請を取り仕切っているのが、米国保健福祉省の「対抗傷害補償制度」です。「対抗」という言葉は、あまり使われることのない英語の直訳ですが、「消費者が市販品を使用して何か不利益が生じた際の対応」という意味で用いられています。言葉からイメージされるように、どちらかというと企業側を守るための制度です。

そのため、ワクチン被害に理解を寄せる国会議員や法律家たちは、法改正に向けた活動を始めたところですが、いずれ製薬企業を直接、裁判に訴えることも考えなければならないだろうと述べています。日本では、すでに国とファイザー社を相手にした訴訟が始まっていますので、米国より一歩先んじていることになります。

そのような記事が出回った直後の12月、コロナワクチン製造メーカーの不正を、司法当局が告発したとのニュースがありました。ファイザー社が販売しているコロナワクチンの有効性に関するする説明に偽りがあった、との理由で米国のテキサス州司法長官が同社を提訴したのです(文献2)。

ファイザー社のワクチンが有効率95パーセントを誇っていることは広く知られているところですが、同長官の主張は「有効率は95パーセントではなく、0.85パーセントでしかない」というものでした。この点は、すでに2021年10月9日付の当ホームページ(Q10(7) ※1)で指摘したとおりで、正しい主張ということになります。
(※1:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ10 の(7)を参照)
(※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page2172#2435 )

主張はもうひとつあり、ファイザー社のコロナワクチンを市民が広く接種し始めたころから、新型コロナウイルス感染症のパンデミックがむしろ拡大してしまった、とも述べているのです。その根拠がどのようなものかわかりません。

そこで、米国における「ワクチン接種者数の推移(青線)」と「新型コロナ感染者数の推移(赤線)」をグラフにしてみましたが、両者の関係からどのような考察が成り立つのか、ご意見をお寄せください(Our World in Dataのデータをもとに作図)。

グラフhttps://okada-masahiko.sakura.ne.jp/shihouchoukan.jpg >   

その上で同長官は、「ファイザー社は、有効率について一般市民に対し間違った情報を意図的に与え、真実を語ろうとした市民の声を封じた」、「人々はウソで固めた欠陥品の接種を強制された」として、テキサス州が定める消費者保護の法律にもとづく罰金として1,000万ドル(約13億円)の支払いを求めました。

これに対してファイザー社は、「すべての年齢層で安全性が確認されており、コロナ感染症の重症化を防いできた」と早速、反論しています。

なお米国には、たとえワクチンの副作用で重大な健康被害が生じても、故意の不正がない限り企業側の責任はいっさい問わない、という法律が以前からありました。ただし、新しいワクチンが世の中に登場した折々に、保健福祉庁が期限を定めて発令するという特殊な法律です。2020年2月、「新型コロナウイルスのワクチンと治療薬について、この法律を4年間発動する」との宣言がなされていました。

4年経った2024年、この法律がどうなるのか、企業による不正を証明することはできるのか、また日本政府がファイザー社とどのような密約を交わしたのかなど、裁判の行方を大きく左右する情報が不明のままとなっています。

【参考文献】
1) Lopez I, Covid vaccine injury suit may fuel federal overhaul, litigation. Health Law & Business, Nov 3, 2023.
2) Stempel J, Pfizer is sued by Texas over COVID vaccine claims. REUTERS, Dec 1, 2023

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4353 )
日時: 2024年02月12日 08:42
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(2024.2.12)
Q&A コロナワクチンは脳に影響を与えるのか?

コロナワクチンの副作用、あるいはコロナ後遺症のせいで、「頭がもやもや」するなど脳の症状で悩まされている人が少なくありません。そのような人たちに脳の画像検査を行ったところ、あきらかな変化を認めたとする論文が発表されましたので、概要をまとめてみました(文献1)。

何らかの理由で脳の画像検査(MRI)をたまたま受けていて、その後の4ヵ月以内にオミクロン株に感染し2回目の検査を受けた、という人たちが対象でした。26~60歳の男性ばかり(理由は不明)です。気になるのは、ほとんどの人がコロナワクチン接種も受けていたことです。

MRI検査のあと、認知機能や睡眠状況など調べる4種類のテストが行われました。そのひとつは「ベック不安尺度」というテストで、不安に関連する気持ちや身体症状を21項目の質問で調べるものです。たとえば「何か最悪なことが起きるような気がする」、「死ぬかもしれないという不安がある」、「体がほてる」、「呼吸が苦しくなったりする」などの項目に対して、「まったくない」から「ひどく悩まされている」までの4つの選択肢から答えるようになっています。

分析の結果、多くの人で、オミクロン株に感染したあとベック不安尺度の悪化が認められたということです。タバコを吸っている人も含まれていましたが、ベック不安尺度の変化とは無関係でした。身体的症状で多かったのは、微熱、疲労感、咳、筋肉痛などです。

2回目の検査の3ヵ月後、17人に対してアンケート調査を行ったところ、症状は大幅に改善していました。

では、脳の変化はどうだったのでしょうか。

前後2回の検査結果を比べたところ、脳の何ヵ所かに委縮が認められ、そのひとつは「楔前部(けつぜんぶ)」と呼ばれる部位でした。ベック不安尺度が悪化した人ほど委縮が進んでいることもわかりました。

<大脳の楔前部(けつぜんぶ)イラスト⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/postomicron.jpg >   

この部位は、自分の体の位置関係を記憶していて、手足などを動かそうとする意識や感情との調整を行っていると考えられています(文献2)。大脳は左右にわかれていますが、その2つが接する内側の隠れた場所にあって、脳卒中やケガなどで損傷を受けることも少ないため、詳しい働きはまだわかっていません。

さて、この研究結果から何が言えるのかは、難しいところです。まず、対象となった人の大部分がコロナワクチンを受けていたことから、オミクロン株に感染したためなのか、それともワクチンの副作用なのかが判然としません。

また、研究で用いられた検査装置は比較的高性能(3テスラ、32チャンネル)であり、画像の変化も2回分を比べてかろうじてわかる程度のものでした。したがって症状が出てから慌てて病院に駆け込んで検査を受けても、あまり役に立つことはないかもしれません。

一方、時間の経過とともに、症状も回復に向かうことがわかりました。ワクチンの副作用やコロナ後遺症は、たとえ時間がかかっても徐々に回復していくものであることは多くの論文が示しているところです。この研究結果も、そのことを暗示しており、つらい症状で悩んでいる人たちにとっては救いです。

脳の機能は、部分的に衰えたとしても、周辺の神経回路の再学習によって補われていくと考えられるのです(文献3)。

【参考文献】
1) Du Y, et al., Gray matter thickness and subcortical nuclear volume in men after SARS-CoV-2 omicron infection. JAMA Netw Open, Nov 30, 2023.
2) Cavanna AE, et al., The precuneus: a review of its functional anatomy and behavioural correlates. Brain, Jan 6, 2006.
3) 岡田正彦, 医療AIの夜明け, AIドクターが医者を超える日, オーム社, 2019.

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4355 )
日時: 2024年02月19日 08:48
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(2024.2.19)
Q&A 新たなウイルスの脅威にどう対処すればいいのか?

過去、さまざまなウイルス感染症が流行し、人類を脅かしてきました。新型コロナウイルスが終息しても、ウイルスによる新たな流行がこれからも繰り返されていくと考えられます。新型コロナウイルスの発見にまつわるエピソードも交えながら、今後を占ってみることにしました。

新型コロナウイルスの遺伝子構造(塩基配列)を報じた最初の論文が、有名な科学専門誌ネイチャーに投稿されたのは、2020年1月7日でした(文献1)。しかし厳しい審査もあり、オンラインでの出版は2月3日まで待たなければなりませんでした。

この論文投稿と並行して、著者のひとりが米国の遺伝子データベース(GISAID)に完全な塩基配列を投稿したのが1月10日(文献2)。このデータは、2日後の1月12日、世界に向けて初公開された、・・・というのが定説とされてきました。

ところが米国のニューヨークタイムズ紙によれば、事実はいささか違っていたようです(文献3)。さかのぼる2019年12月28日、米国政府が管理する別の遺伝子データベース(GenBank)に、実は第一報が投稿されていたのです。中国湖北省武漢市の病院に「謎の肺炎」で入院した65歳の男性から分離した「未知のウイルスの塩基配列」との説明つきでした。

遺伝子データベースの管理者は、仮登録された未公開のデータを見つけましたが、日々、無数の投稿もあり、とくに気に留めることはありませんでした。3日後、投稿者に対し「分析方法についての説明を加え、再投稿するように」とのコメントを送りましたが、返事はありません。世界で最初の新型コロナウイルスの塩基配列は、時間切れとなり自動的に消去されてしまいました。

つまり、塩基配列決定のニュースが世界を駆け巡った1月10日より2週間も前に塩基配列は確定され、公表されようとしていたことになります。この2週間の遅れが、もしかしたら致命的な対策の遅れにつながったかもしれない、というわけなのです。

遺伝子データベースの管理者から説明を求められた中国の研究者が、返答をしなかった理由については、政府の圧力で研究室を閉鎖されてしまったためとも言われています(文献4)。一方、この情報の重大さを、データベースの管理者が気づかなかったという問題も指摘しておかなければなりません。

日々、膨大な遺伝子情報がデータベースに登録され続けているため、重要かどうかを区別するのが不可能になってきているのです。あるウイルスの専門家は「渓谷で見つかった新種のデンデン虫の塩基配列も入り混じっているデータベースから、どうやって危険なものを見つけ出せと言うのか!」とコメントしていたそうです。

人間の脅威となりうるウイルスは、無数に存在します。エボラ出血熱のように突発的に流行するものがあれば、デング熱のように数年の周期で流行を繰り返しているものもあります。

デング熱は、2024年に入り南米で大流行していますので、今後の対策を考える上でヒントになるかもしれません。この病気は、蚊、とくにネッタイシマカが媒介するデングウイルスが原因で、インフルエンザのような症状と全身の発疹が特徴です。デングウイルスは、新型コロナウイルスと同じタイプ(1本鎖プラス鎖RNAウイルス)で、なぜかオリンピックと同じ4年ごとに流行を繰り返しています。

これまではインドネシアなど東南アジア、中南米など熱帯地域が流行の中心でしたが、いま世界的に拡大しています。日本でも、2014年に東京の代々木公園で蚊に刺された人が感染し、大きな話題となったのは記憶に新しいところです。

デング熱に限れば、予防策は蚊の撲滅に尽きます。しかし流行を繰り返してきた地域では、殺虫剤の使い過ぎで、蚊のほうが耐性を獲得してしまい駆除ができない、との予想外の事態も起こっています。
     
では、これから続々遭遇することになるであろうウイルスの脅威に、どう対処すればよいのでしょうか?

新型コロナ感染症では、中国の科学者がわずか4日間でウイルスの塩基配列を決定し、公表してくれました。それにもかかわらず中国当局の隠ぺい体質のせいで、公開までに致命的ともいえる時間が無為に費やされました(文献5)。一方、国際社会のほうでは、危険なウイルスの情報が登録されても、それらを的確に判断する仕組みがなかったことも露呈しました。

デング熱には不活化ワクチンがありますが、昔から流行を繰り返してきたウイルスであったことから、開発にじっくり時間を費やすことができたのです。しかし、この先、もし未知のウイルスが突然、現れた場合、短期間にワクチンを作るには、いまのところメッセンジャーRNAの技術に頼るしかありません。加えて、ワクチンは、どのような作り方をしても、繰り返しの接種で免疫力にブレーキがかかり、感染者がむしろ増えてしまうという宿命も負っています。

<イラスト⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/novaccine.gif >     

今後は、ワクチンに代わる新技術の開発や医療体制のあり方など、あらゆる面で発想を変えた取り組みが必要です。過去の反省と今後の努力がなければ、地震などの自然災害と同様、同じ悲劇を繰り返していくことになります。

【参考文献】
1) Wu F, et al., A new coronavirus associated with human respiratory disease in China. Nature, Feb 3, 2020.
2) Holmes EG, Novel 2019 coronavirus genome. https://virological.org/t/novel-2019-coronavirus-genome/319, Jan 10, 2020.
3) Mueller B, Before the coronavirus pandemic, overlooked clues from Chinese scientists. New York Times, Jan 18, 2024.
4) 岡田正彦, 本当に大丈夫か新型ワクチン,明かされるコロナワクチンの真実. 花伝社, 2022
5) Zhang Y-Z, et al., A genomic perspective on the origin and emergence of SARS-CoV-2. Cell, Apr 16, 2020.
6) Takeda's QDENGA (Dengue tetravalent [live, attenuated]) approved in Indonesia for use regardless of prior dengue exposure, Takeda Pharmaceutical Company, Aug 22, 2022.
7) Kallas EG, et al., Live, attenuated, tetravalent Butantan-Dengue vaccine in children and adults. N Engl J Med, Feb 1, 2024.

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4358 )
日時: 2024年02月26日 10:47
名前: はっちん [ 返信 ]
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岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)

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(2024.2.26)
Q&A コロナワクチンに関するエビデンスの中間まとめ

これまで当ホームページでは、新型コロナワクチンにかかわる話題を多方面から紹介してきました。その情報量も非常に膨大なものとなってきましたので、今週以降、数回に分けて「中間まとめ」を行います。今週は、その第一回目として、新型コロナワクチンの生物学的な脆弱性を示すデータを、過去の記事から厳選しました。

(1) ワクチンは免疫力を低下させる
 まず次のグラフ<①>は、マウスを使った実験の結果を示したものです。ワクチン接種を繰り返しながら、トゲトゲ蛋白(スパイク蛋白)に対する「抗体量」を測るという実験です(文献1)。ワクチン接種を5回以上繰り返すと、期待に反し抗体量がむしろ減少してしまうことがわかります。(ただし、この実験では、mRNAワクチンではなく、試験管内で人工合成したスパイク蛋白を直接、動物に注射するという方法が取られています)

<グラフ①⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/immunetolerance.jpg >    

抗体にもさまざまな種類があります。IgGと呼ばれるたんぱく質がその正体で、IgG1~IgG4の4種類から成っています。血液中ではIgG1が大部分を占めており、上のグラフも主にIgG1を測ったものでした。

次の左側のグラフ<②>は、mRNAワクチン(ファイザー社)を2回接種したあと3回接種後までの間に変化した血液中の各IgGの値です。右側のグラフ<③>は、接種回数が増え、時間も経つにつれ、IgG4が増えていく様子を示しています(文献2)。

<グラフ②⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/igg4_1.jpg
<グラフ③⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/igg4_2.jpg >  

IgG4は、中和抗体がウイルスに結合して無毒化するのを妨げる役割を担っているため、これが増えると免疫反応が止まってしまうのです。IgG4は、免疫反応が過剰にならないよう、ほどほどのところでブレーキをかける役割を担っていると考えられるのですが、ワクチンを繰り返すと、必要な免疫反応まで止めてしまうことになります。

次のグラフ<④>は、mRNAワクチン(ファイザー社)接種によってできた中和抗体が、ウイルスの増殖を抑制できるかどうかを、本物のウイルスを使って調べた実験の結果です(文献3)。横軸は「年齢」で、縦軸が「中和抗体の強さ」となっています。青色のグラフは中国武漢市で発生した初期の新型コロナウイルス、赤色のグラフはその後に出現したガンマ変異株です。

変異株による差はあるものの、高齢者ほど中和抗体の力が著しく減弱している様子が、グラフからよくわかります。高齢者には、ワクチンがほとんど効いていなかったのです。

<グラフ④⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/agedepend2.jpg >    

(2) ワクチンに予防効果なし
 では、ワクチン接種によって免疫力が低下した結果、何が起こっていたのでしょうか?

次のグラフ<⑤>は、新型コロナにウイルスに感染したことが確認された人たちを対象に、唾液中のウイルス量を測定した結果です(文献4)。調査は、デルタ株が隆盛だったころ、米国カリフォルニア州の2つの町(A地区とB地区)で行われたもので、「ワクチンをまったく打っていない人」と「2回接種した人」を比べています。なおワクチンの種類は論文中に明記されていませんが、米国ではほぼmRNAワクチンしか使われていません。

<グラフ⑤⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/viralroad.jpg >    

グラフの縦軸は、PCR検査の結果を表わすCtという値になっていて、ウイルス量が少ないほど大きくなります。A地区は、2回接種した人たちのほうでウイルス量がわずかに多く(棒グラフが低い)、B地区では逆になっていて、両者を合わせると統計学的な差はない、という結論でした。ワクチンを接種していても他人への感染は防げない、ということになります。

最後のグラフ<⑥>は、世界68ヵ国を対象に「国民のワクチン接種率」と「新規感染者数」との関係を調べた結果を示したものです(文献5)。デルタ株が優勢だったころで、国名は一部を除き省略してあります。

<グラフ⑥⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/vaccination.jpg >    

ワクチン接種率が高い国ほど新規感染者数が多いという、予想に反する傾向が認められます。大きなばらつきもありますが、詳細は不明です。使われていたワクチンは国によって異なりますが、たとえばイスラエルでは、mRNAワクチン(ファイザー社)だけが使われ、有効率がわずか39パーセントだったと計算されています(製薬企業が発表した論文では95パーセント)。

同じ現象はほかの多くの調査でも確認されており、とくに英国の政府機関が発表したデータは、ワクチン接種者のほうで感染率が高いことを明確に示すものでした(文献6)。


以上、中間まとめの第一回目として、新型コロナワクチンの生物学的な脆弱性を示すデータをまとめました。「繰り返しの接種で免疫力が低下すること」、そのため「感染予防の役には立っていなかったこと」があきらかです。次回はワクチンの副作用について、中間まとめを行う予定です。

【参考文献】
1) Gao F-X, et al., Extended SARS-CoV-2 RBD booster vaccination induces humoral and cellular immune tolerance in mice. iScience, Dec 22, 2022.
2) Irrgang P, et al., Class swithch toward noninflammatory, spike-specific IgG4 anitbodies after repeated SARS-CoV-2 mRNA vaccination. Sci Immunol, Jan 27, 2023.
3) Bates TA, et al., Age-dependent neutralization of SARS-CoV-2 and P.1 variant by vaccine immune serum samples. JAMA, Sep 7, 2021.
4) Acharya CB, et al., Viral load among vaccinated and unvaccinated, asymptomatic and symptomatic persons infected with the SARS-CoV-2 delta varinat. Open Forum Infect Dis, Mar 17, 2022.
5) Subramanlan SV, et al., Increases in COVID-19 are unrelated to levels of vaccination across 68 countries and 2947 counties in the United States. Eur J Epidemiol, Sep 30, 2021.
6) Public Health Scotland COVID-19 and Winter Statistical Report, as at 17 January 2022, Public Health Scotland, Jan 19, 2022.



Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4360 )
日時: 2024年03月04日 14:19
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2024.3.4)
Q&A エビデンスの中間まとめ:第二回目

これまで当ホームページでは、新型コロナワクチンにかかわる話題を多方面から紹介してきました。その情報量も非常に膨大なものとなってきましたので、数回に分けて「中間まとめ」を行っています。今週は、その第二回目として、新型コロナワクチンに明らかな副作用が存在することを示すデータを、過去の記事から厳選しました。

まず次の表<①>は、イスラエルで行われた調査の結果です(文献1)。180万人近くの住民を対象に、「ワクチンを接種した人たち」と、「接種していない人たち」の症状を比べたもので、使われたのはファイザー社のワクチンです。接種後42日目の症状を調べたところ、もっとも増えていたのは心筋炎、心外膜炎、心不全でした。

<表①⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/sideeffect_table.jpg >   

次の表<②>は、心筋炎と心外膜炎に着目して、副作用の頻度を調べた米国のデータです(文献2)。「ワクチン使用開始1年前」と「接種開始後(2021年2月~同年5月)」の発病者数を比べたものですが、ワクチン接種開始後、心筋炎と心外膜炎の発病者数があきらかに増えていました。

<表②⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/carditis_table.jpg >      

次は、新型コロナワクチンの副作用として心筋炎が増えていたことを、より明確に示したイスラエルのデータ<グラフ③>です(文献3)。イスラエルには公的医療保険制度がいくつかありますが、そのうち最大規模の組織に加入していて、かつファイザー社ワクチンを打った256万人を追跡調査したものでした。

<グラフ③⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/carditis.jpg >   

グラフの横軸は、1回目の接種からの経過日数です。ファイザー社ワクチンは2回接種の間隔を21日と定めていましたが、その「21日目」の数日後、心筋症があきらかに増えていたことがグラフからわかります。ワクチンの副作用として生じる心筋症がどのようなものかは、文献4と5で提示された心電図やMRI画像であきらかです。

皮膚病変については、生々しい写真の数々が文献6と7に掲載されています。腎臓病も増えているのですが、海外を見渡しても文献が少なく、頻度は不明です。文献8と9には、副作用として生じた腎臓病の生検(バイオプシー)標本の顕微鏡写真が掲載されています。さらに、不活化ワクチンを使った場合でさえ、深刻な眼の異常(上強膜炎、前強膜炎、急性黄斑部神経網膜症、傍中心窩急性中間層黄斑症、網膜下液など)が生じる、と報告されています(文献10)。

新型コロナワクチンの副作用に関する学術発表は数多くあるのですが、ほとんどの論文は、最後に「副作用である可能性は高いが、頻度が非接種者と比べても、またコロナ禍前と比べても多いとは言えない」との言葉で締めくくられています。多くの専門誌には、ワクチンを根本から否定する論文は認めない、との編集方針があるからと思われます。

それにもかかわらず真実を伝えてくれた貴重な論文を、ここまで紹介してきました。なお新型コロナワクチンの副作用については、全体像とそのメカニズムが文献11に詳述されています。

さて、死亡例のデータについてもまとめておくことにします。次の図<④>は、2021年1年間における「月別のワクチン接種後死亡数」のグラフに、同じ年のワクチン接種者数のグラフを重ねてみたものです(国内デ―タ:文献11,12,13)。ワクチン接種者数(赤色)のグラフは、死亡者数(青色)に比べて値が桁違いに大きいため、圧縮してあります。両者の正しい値は、左右の目盛でそれぞれご確認ください。

<図④⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/sibousha_sesshusha.jpg >    

4月から6月にかけて死亡者が急増し、ワクチン接種者数の増加と比例しているように見えます(点線で囲んだ部位)。いまのところ、このグラフがワクチンによって死亡者数が増えていることを示す、もっとも説得力のあるデータと考えられます。ただし、このような数値データは、因果関係の証明に利用するのが非常に難しく、容易に反論を許してしまうという宿命もかかえています(どのような反論がありうるか、ぜひご意見をお寄せください)。

最後のデータは、大きな病院で行われる特殊な検査「免疫組織染色法」についてです。皮膚などに針を刺して、組織の一部を取り出すバイオプーと呼ばれる方法で得られたサンプルに対して行われ、顕微鏡で確認がなされます。もし、以下の図<⑤>のようにトゲトゲ蛋白(スパイク蛋白)が認められ、そこに免疫細胞や炎症細胞が集まっていれば、ワクチンのせいで病気になったことの証明になります。

<図⑤⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/spikeprotein.jpg >      

この図は、私がイメージを描いたものですが、実際の顕微鏡写真は、文献15で見ることができます。

来週の第三回目では、論文の不正操作についての情報をまとめる予定です。

【参考文献】
1) Barda N, et al., Safety of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine in a nationwide setting. N Engl J Med, Aug 25, 2021.
2) Diaz GA, et al., Myocarditis and pericarditis after vaccination for COVID-19. JAMA, Aug 4, 2021.
3) Witberg G, et al., Myocarditis after Covid-19 vaccination in a large health care organization. N Engl J Med, Oct 6, 2021.
4) Mouch SA, et al., Myocarditis following COVID-19 mRNA vaccination. Vaccine, May 28, 2021.
5) Kim HW, et al., Patients with acute myocarditis following mRNA COVID-19 vaccination. JAMA Cardiol, Jun 29, 2021.
6) McMahon DE, et al., Cutaneous reactions reported after Moderna and Pfizer COVID-19 vaccination: a registry-based study of 414 cases. J Am Acad Dermatol, Apr 7, 2021.
7) Merrill ED, et al., Association of facial pustuler neutrophillic eruption with messenger RNA-1273 SARS-CoV-2 vaccine. JAMA Dermatol, July 28, 2021.
8) Lebedev L, et al., Minimal change disease following the Pfizer-BioNTech COVID-19 vaccine. AJKD, Apr 8, 2021.
9) Sekar A, et al., ANCA glomerulonephritis after the Moderna COVID-19 vaccination. Kid Int, May 17, 2021.
10) Pichi F, et al., Association of ocular adverse events with inactivated COVID-19 vaccination in patients in Abu Dhabi. JAMA Ophthalmol, Sep 2, 2021.
11) Seneff S, et al., Worse than the disease? reviewing some possible unintended consequences of the mRNA vaccines against COVID-19. IJVTPR, May 10, 2021.
12) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou_youshikietc.html
13) https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/qa/detail/more-detail/qa_05_a04.html
14) Coronavirus (COVID-19) vaccinations. Our World in Data, Feb 13, 2024.
15) Baumeier C, et al., Intramyocardial inflammation after COVID-19 vaccination: an endomyocardial biopsy-proven case series. Int J Mol Sci, Jun 22, 2022.

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4362 )
日時: 2024年03月11日 09:33
名前: はっちん [ 返信 ]
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岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)

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(2024.3.11)
Q&A エビデンスの中間まとめ:第三回目

当ホームページでは、新型コロナワクチンにかかわる話題を多岐にわたり紹介してきました。その情報量も非常に膨大なものとなってきましたので、3回に分けて「中間まとめ」を行っています。今週は、その第三回目として、新型コロナワクチンの有効性を示したとされる学術論文にデータの改変や印象操作が行われていたことを示す証拠を、過去の記事から厳選しました。

いかなる医療行為も、ランダム化比較試験によって初めて効果と副作用を実証することができます。対象者を公平に2群にわけ、その一方にたとえば本物の薬を、他方には偽薬(プラセボ)を使いながら追跡して、結果を見届けるという方法です。ファイザー社とモデルナ社のワクチンの場合、どちらも論文はひとつずつしかありません(文献1,2)。

次の表<①>は、有名な「有効率95パーセント」の根拠とされるファイザー社の論文で提示されたものです。このデータから (1-(8÷18198)÷(162÷18325))×100という計算をすると、約95パーセントになります。

<表①⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/effect1.jpg >  

しかし、この論文に対しては、発表後、無数のクレームが寄せられました(文献3など多数)。そのひとつは、新型コロナの症状がありながら、PCR検査を行っていなかった事例が「ワクチン接種ありの群」で1,594例、「接種なしの群」で1,816例もあり、これを含めて有効率を計算し直すと19%になってしまう、という指摘でした。この指摘が正しいことは、ファイザー社が当局に提出した資料からもあきらかです(文献4)。次表<②>は、この人数を加えて私が修正したものです。

<表②⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/effect2.jpg >  

次に、同論文には「ワクチンは重症化を防いだ」とも書いてありました、その根拠は、重症化した人が「ワクチン接種なしの群」で9人だったのに対して 「接種ありの群」で1人だったから、というものでした。この記述が間違っていることは、私もすぐに気づき当ホームページで指摘したところです。

<表③⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/effect3.jpg >  

正しくは、上の表<③>で示したように、「ワクチン接種ありの群」では、感染した8人中1人が重症化していたため重症化率は1÷8で12.5%です。一方、「接種なしの群」では9÷162で5.6%です。つまり正しい解釈は、「ワクチンを接種した人が感染すると、より重症化しやい」ということだったのです。その後、この問題は、世界中の多くの研究者によって指摘されるところとなりました(文献5など多数)。

この論文には、ほかにも問題がいろいろあります。ファイザー社がとった有効率の計算法を、次図の1つ目の例題<図④>に当てはめてみます。(1-(5÷100)÷(10÷100))×100という計算から答えは50%となりますが、2つ目の例題<図⑤>のように調査対象が1,000人でも、答えは同じになってしまいます。たとえ100万人だったとしても同じになるのですから、おかしな話です。

<図④,⑤⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/absolute.jpg >     

この計算法で得られる有効率は、相対リスク減少率と呼ばれます。実は、有効率の計算には別の方法がもうひとつあり、上図の1つ目の例題に対しては、次のような計算を行うものです。

 (10÷100 - 5÷100)×100 = 5%

上図の2つ目の例では0.5%となり、1,000人にワクチンを打っても5人しか予防することができないことがわかり、よい現実感があります。この計算法でえられる有効率は絶対リスク減少率と呼ばれます。

どちらも間違いではなく、教科書にも載っている計算法なのですが、ファイザー社の論文で前者が採用されたのは、あきらかに見た目をよくするため、はっきり言えば人心を惑わすためだったでしょう。この点も、その後、多くの学術論文で批判を浴びることになりました(文献6など多数)。

製薬企業は、このように人々の信頼を裏切る行為を行ってきたのですが、極めつけは、論文発表の後、食塩水を注射したプラセボ群の人たち全員に、ワクチンを接種していたことです(文献7)。

この行為が何を意味しているかと言えば、いつの日かワクチン接種群の人に重大な異常を認めたとしても、比べる相手がすでにありませんから、「単に年のせい」にして、異論を封じることができます。生き証人ともいえる大切な存在が、いわば意図的に消されてしまったのです。

次の表<⑥>は、妊娠中に新型コロナワクチンを接種すると、流産が増えるかどうかを報じた別の論文から再現したものです(文献8)。赤枠で囲んだ数値から、妊娠20週以内で接種した場合の流産は、過去の報告値に比べて多くはないことを示しています。

<表⑥⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/abortion.jpg >   

しかし、この論文にも世界中から批判が殺到しました(文献9など多数)。論文中、表の下に「827人中、700人は妊娠20週以降に接種した」と、小さな文字で記述されていたのです。したがって、正しくは827人から700人を除いた127人が分母となり、流産の率は82%と計算すべきだったのです。

さらに「過去の統計値」のほうも間違っていました。過去の報告値は、どの文献を調べても10%くらいとしか書かれていません。つまり正しい結論は、「妊娠10週以内に新型コロナワクチンを接種すると流産が8倍以上も高まる」というものだったのです。

<表⑦⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/abortion2.jpg ←論文改訂後 >   

ワクチンメーカーに限らず、世界の巨大製薬企業は、健康に対する人々の期待を裏切る行為を繰り返してきました。そのため消費者から無数ともいえるほどの裁判が、米国を中心に起こされています。その多くは原告勝訴となり、企業側には巨額の賠償金支払いが命じられてきました。具体的な事例は枚挙にいとまがなく、文献10,11に詳述されていますので省略します。

2つのランダム化比較試験の論文が発表されたあと、「新型コロナワクチンは有効」と主張する研究が多数行われましたが、すべてテスト・ネガティブ分析(後ろ向き調査のひとつ)によるものでした。この分析法については、令和5年9月4日付の当ホームページ(※1)で解説したとおり、正当性が科学的に保証されないものであることを、改めてつけ加えておかなければなりません。
(※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4206#4243 )

さて、3回にわたる「中間まとめ」はこれで終了です。いずれも裁判を想定し、取り上げた参考文献も証拠書類として利用できるように説得力のあるものを厳選しました。これまで当ホームページで紹介した際には若干の誤用もあったため、改めて各文献を精読し、正しい解釈をここにまとめたものです。

次回からは、再び最新情報をご紹介していく予定です。

【参考文献】
1) Polack FP , et al., Safety and efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine. N Engl J Med, Dec 31, 2020.
2) Baden LR, et al., Efficacy and safety of the mRNA-1273 SARS-CoV-2 vaccine. N Engl J Med, Feb 4, 2021.
3) Doshi P. Pfizer and Moderna’s “95% effective” vaccines – we need more details and the raw data. BMJ Opinion, Jan 4, 2021.
4) https://www.fda.gov/media/144246/download. Dec 10, 2020.
5) Pharm XW. Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine, To the Editor. N Engl J Med, Feb 17, 2021.
6) Olliaro P, et al., COVID-19 vaccine efficacy and effectiveness - the elephant (not) in the room. Lancet. Apr 20, 2021.
7) Thomas SJ, et al., Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine through 6 months. N Engl J Med, Sep 15, 2021.
8) Shimabukuro TT, et al., Preliminary findings of mRNA Covid-19 vaccine safety in pregnant persons. N Engl J Med, Jun 17, 2021.
9) Sun H, On preliminary findings of mRNA Covid-19 vaccine safety in pregnant persons. N Engl J Med, Oct 14, 2021.
10) 岡田正彦, 『本当に大丈夫か、新型ワクチン―明かされるコロナワクチンの真実』, 花伝社, 2022.
11) マーシャ エンジェル著/栗原千絵子, 斉尾武郎共監訳, 『ビッグ・ファーマ 製薬企業の真実』. 篠原出版新社, 2005.

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4366 )
日時: 2024年03月18日 08:32
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2024.3.18)
Q&A コロナの隔離期間が短縮された?

2024年3月1日、米国疾病対策センター(CDC)は「新型コロナ感染症の隔離期間を大幅に短縮する」との記者発表を行いました(文献1)。その背景を探るとともに、この先、新型コロナウイルスとどのように向き合っていけばよいのかを考えてみました。

隔離解除の新しい条件は以下のようなものでした。
 ・発症後の日数にかかわらず解熱剤を使わずに発熱のない状態が24時間以上続くこと
 ・さまざま症状が回復に向かっていること
 ・隔離解除後の5日間はマスク、手洗いを励行し、咳エチケットや換気に努めること

このような決定を行うに至った根拠はいろいろありましたが、まず重症化して亡くなる人の数が圧倒的に少なくなったことです。次のグラフ<※1>は、文献2で公表された米国の統計データから私が作図したものです。

<グラフ※1⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/isolation.jpg >   

2023年以降は死亡者の人数がインフルエンザと同程度となっていることがわかります。ただしインフルエンザの場合、「インフルエンザが原因で死亡した」ことを判断する基準が不明確で、届出義務もあいまいなため、正確な人数がわかっていません。そのためCDCは、毎年、数式モデルを使って死亡者数の推測値を発表してきました。公表されている推測値には幅があり、上図で示した赤色の棒グラフは上限と下限の中間の値にしてあります。

隔離期間を短縮した、もうひとつの理由は、すでに米国民の98パーセント以上が防御免疫を獲得しているから、としています。厚生労働省による地域住民の調査によれば、日本でもスパイク蛋白に対する抗体の保有率が98パーセント以上とされています(文献3)。厳密に言えば、厚生労働省が示した「抗体保有率」と、CDCが用いた「防御免疫」という言葉は必ずしも同じものでありませんが、大同小異と考えてよいでしょう。

感染症は、ほかにもRSウイルスによるもの(風邪のひとつ)など多数あります。病気の種類ごとに対応がばらばらでは、混乱が生じてしまい、むしろ対策が徹底しないので、単純化してひとつにまとめたほうがいいから、というのもCDCの考え方でした。

米国では、多数のメディアがこの声明をビッグニュースとして報じました。ある新聞には、賛否のコメントが紹介されていますが、「人々が新型コロナ感染症を軽くみてしまうのが心配」との懸念を表明する専門家の意見もありました。今さらマスクは嫌だという人も多く、また換気が悪い場所はいくらでもあり個人でどうすることもできない、などが反対理由だそうです。

現在、日本では、少なくとも5日間の自宅療養、かつ2日以上熱がないことを解除の条件としており、その間は出勤や登校を控えることが求められています。また治癒した旨を記した医師の診断書を求める会社や学校もいまだにあり、社会生活の妨げになっているという声も少なくありません。

「コロナ」という言葉に過剰に反応してしまう雰囲気が、いまだ世の中に蔓延しています。多くの感染者の診療にあたってきた経験もふまえて言えば、米国CDCの新らたな基準を日本でも取り入れてよい時期にきているように思われます。

【参考文献】
1) Respiratory virus guidance update FAQs. CDC, Mar 1, 2024.
2) Background for CDC's updated respiratory virus guidance. CDC, Mar 1, 2024.
3) 第6回抗体保有調査(住民調査)速報結果, 厚生労働省 第120回(令和5年4月5日) 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード, 資料2-4, Apr 5, 2023.
4) Mandavilli A, C.D.C. shortens isolation period for people with Covid. New York Times, Mar 1, 2024.

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4368 )
日時: 2024年03月25日 09:30
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2024.3.25)
Q&A 一方的に取り消された論文: 露骨な反ワクチン弾圧?

2024年1月24日にネット掲載された論文『新型コロナmRNAワクチン:臨床試験データとその後のワクチン推進キャンペーンから学んだこと』が物議をかもしています(文献1)。公開の1か月後、一方的に掲載の取り消し処分を下されてしまったのです。いったい何があったのか、背景を探ってみました。

現在、この論文については、取り消し処分になった理由が、編集長名で以下のように記されています。「この論文が掲載されたあと、批判が殺到した。そこで複数の編集責任者で再度、論文を検証したところ、引用文献が不適切であったり、あるいはデータの解釈に間違いがあることを確認した。なお著者らは、この決定に同意していない。」

その後、論文を執筆した著者らは、専門誌を出版しているシュプリンガー・ネイチャー社に対し、2億5千万ドルの懲罰的損害賠償を請求する裁判を起こす、と発表しました(文献2)。このような損害賠償の仕組みは日本になく、とにかく天文学的な金額になるのが特徴です。ただし、裁判所に対して実際に訴訟手続きがなされたどうかは、3月25日現在不明です。

執筆者は、裁判を起こすに至った経緯を次のように述べています。「私たちの論文が公開されたあと、編集部には、悪意に満ちた6通の手紙が届いたと聞く。それを信じ込んでしまい、私たちを”悪意ある反ワクチン主義者”と決めつけ、科学的な裏づけのないまま、掲載取り消しを決めた。これは掲載に伴う契約違反であり、悪意ある誤解であり、誹謗中傷だ!」と。

論文を批判した一人の名前が判明したことから、著者は、この批判者と直接、メールのやり取りしました。しかし、「弁護士と相談するから、もう連絡はしないでほしい」というメールを最後に、音信不通となりました。

一方、この論文に賛意や高い評価を与える専門家もいて、著者たちのもとには激励の手紙もたくさん届くようになりました。文献2には、具体的なメールの内容が掲載されています。

さて、問題となった論文は、いったいどんな内容だったのでしょうか?

全体が50ページからなり、参考文献が293件もある大作で、読むのも大変です。内容をひとことで言えば、当ホームページ『新型コロナのエビデンス』が、足掛け5年にわたってお伝えしてきた情報とほぼ同じものでした。つまり、この論文が世間から否定されてしまうのであれば、当ホームページの存続も危ういことになります。

論文の記述はきわめて正確で、参考文献も適切に選ばれていて、かつ解釈に間違いはありません。そこで、この論文に寄せられた批判を詳しく分析してみることにしました。代表的な批判のひとつは、「(ワクチンは危険という)結論が先にあり、それに合わせてデータを集めただけ!」というものでした。このような意見は、学問的な論争の場面でよく交わされる、いわば定番の批判です。

しかし考えるまでもなく、その逆の見方、つまり「(ワクチンは体に良いという)結論が先にあり、それに合わせてデータを集めただけではないか」という批判にまず答えてもらう必要があるでしょう。しかし、当ホームページで明らかにしてきたように、「ワクチンが安全で有効であることを、科学的に正しい方法で示したデータ」は存在しないのです。

この論文でひとつだけ気になるのは、冒頭、次のような記述がなされていたことです。「米国民の税金から巨額のお金がワクチン・メーカーに事前に支払われていて、引っ込みがつかない状態にあった。そのため政府は、不利なデータが出る前にランダム化比較試験を早期に終了させるなど圧力をかけた」。

純粋に科学の立場から主張を展開すべきところでしたが、その枠を一歩踏み外したこの記述が権力者(?)の虎の尾を踏んでしまったのかもしれません。SNSでの誹謗中傷事件でよく語られることですが、悪意ある書き込みの火元は一か所でも、それが企みとして、あるいは無責任な追随によって拡散し炎上したりします。今回のゴタゴタもそのような流れだった可能性があります。

<イラスト⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/antovaxx.jpg >   

いずれにしても、新型コロナワクチンの真実を世に訴える道のりが、さらに遠のいてしまったかと思わせる、気の重い出来事でした。

なお本件については、複数の方から情報提供をいただきました。ご協力に感謝いたします。

【参考文献】
1) Mead MN, et al., (Retracted) COVID-19 mRNA vaccines: lessons learned from the registration trials and global vaccination campaign. Cureus, Jan 24, 2023.
2) Kirsch S, We're suing Springer Nature for $250M in punitive damages for the unethical restraction of our COVID harms paper. Steve Kirsch's newsletter, Mar 6, 2024.

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4371 )
日時: 2024年04月01日 08:42
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2024.4.1)
Q&A 人間が有する本来の治癒力とは?

これまで当ホームページでは、新型コロナワクチンの有効性に重大な疑義があり、かつ深刻な健康被害をもたらしている実態を、多方面からあきらかにしてきました。今回から数週間は、人間の体が備えている本来の治癒力と、それに抗するような過剰な現代医療を主題に、ワクチン問題にも通じる背景を深掘りすることにしました。

日本も含む先進諸国では、死亡原因の上位3つがほぼ共通していて、がん、心臓病、脳卒中、肺炎、老衰のいずれかとなっています。ただし順位は国により、また時代により入れ替わりがあります。ところが米国で行われた複数の研究から、死亡原因の第3位は前述した病気のいずれでもなく、「過剰な医療」によるものであることがあきらかになりました。

調査でわかったのは、 まず医療行為が原因となって死亡する人が、米国だけで年間25万人もいるということでした。ちなみに、がんによる死亡者数が59万人です(文献1、2)。理由で多いのは、不必要な薬の使用で生じた副作用です。米国の病院では、年間10万6,000人がそのために死亡していることがわかりました。

不要な手術による死者も多く、年間1万2,000人になると推計されました。また勘違いや伝達ミス、処置の不手際など、いわゆる「医療ミス」による死亡では、7,000人が命を落としていて、これらも含めて全部を合計すると、死亡原因の第3位になるというのです。

ただし、これは2016年に発表されたデータであり、病院内の出来事に限定した調査によるものでしたが、その後も多くの調査が行われ、病院外も含めると、たとえば薬剤の副作用だけでも19万9,000人が死亡しているとの報告も出てきました。

<イラスト⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/overtreatment.jpg >     

米国で、医師2,106人を対象に過剰医療に関する意識調査が行われ、医師4人に1人が「自分が行った医療の30~45%が本当は必要がないものだった」と考えていることがわかりました(文献3,4)。必要がなかったと考える理由として、「あとで患者から訴えられないようにするため」、あるいは「患者から強い希望があったから」という回答が多くなっていました。

では、必要がなかったとされた医療とは、いったいどのようなものだったのでしょうか?

さまざまな検査を定期的に行えば、病気の早期発見や早期治療ができ健康増進に寄与できるのではないか、というアイデアが最初に提唱されたのは150年ほど前のことでした。その後、1970~1980年代に入り、「定期的な健康診断を受けた人たち」と「受けなかった人たち」の健康寿命を比べてみるという調査が世界中で行われるようになりました。

なかでも信頼性が高かったのは、6千人を超えるボランティアを同数の2群にわけ、9年間にわたり追跡したという調査でした(文献5)。ところが結果は意外なもので、(理由を問わず)亡くなった人の数が、むしろ「健診群」のほうで8.6%も多くなっていたのです。病気を早く発見し、早期に治療すれば、死亡率も下がり元気に長生きできるはず、という人々の期待に反する結果でした。

同じ目的で行われた調査は、ほかにも多数ありましたが、結果はどれも同じでした。しかし、なぜか人々の関心を呼ぶことはなく、しだいに忘れ去られていきました。前述した論文発表から四半世紀も経ったころ、国際疫学協会誌が、当時の論文のひとつを見直し、原文のままもう一度掲載するという前代未聞の処置を行いました(文献5)。

専門誌によるこの決定を受け、カナダと米国の2つの専門家会議は、それぞれ独立に「定期的な健康診断は中止すべき」との宣言文を公表するに至りました。「頭のてっぺんからつま先まきまで舐めるように行う検査」はナンセンスであり、ときに危険と断じたのです(脚注)。

しかし、このような話は、世間にまったく伝わっていませんし、当ホームページをご覧いただいている方もご存じなかったのではないでしょうか。それどころか、日本では「労働安全衛生法」という法律のもと、働く者はすべて年1回以上の健診が義務づけられているのです。このような法律を設けている国はほかにありません。

それはなぜなのか? そして、なぜ誰も真実を語ろうとしないのか? 次週以降、その謎に迫ります。


脚注: 英語でnon-evidence-based, head–to-toe examinationsと表現されている。

【参考文献】
1) Cha AE, Researchers: medical errors now third leading cause of death in United States. Washington Post, May 3, 2016.
2) Makary MA, et al., Medical error – the third leading cause of death in the US. BMJ, May 3, 2016.
3) Lyu H, et al., Overtreatment in the United States. PLOS ONE, Sep 6, 2017.
4) Carroll AE, The high costs of unnecessary care. JAMA, Nov 14, 2017.
5) The South-East London Screening Study Group, A controlled trial of multiphasic screening in middle-age: results of the South-East London Screening Study. Int J Epidemiol, 6: 357-363, 1977, and 30: 935-940, 2001.
6) Howard M, Should we abandon the periodic health examination? Can Fam Physician, Vol 57, Feb, 2011.

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4373 )
日時: 2024年04月08日 09:34
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2024.4.8)
Q&A 人間が有する治癒力とは: 過剰医療のエビデンス?

絶対に有効だと思われていた医療行為が、よく調べてみたら実は「やっても、やらなくても同じだった」、あるいは「むしろ命を縮めてしまっていた」という研究データが無数に存在します。今回は、過剰医療の存在を示す証拠をまとめてみました。

まず紹介するのは、心臓病治療のトピックスについてです。日本人の死亡原因の第2位が「心疾患」で、その大部分を占めているのが「虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)」です。心臓は血液を全身に送るためのポンプとして働いていますが、自身の筋肉にも酸素や栄養が必要です。心臓の表面には、そのための血管があり、冠(かんむり)に似ていることから「冠動脈(かんどうみゃく)(※1)」と呼ばれています。

(※1)冠動脈(イラスト)⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/PCI.jpg >      
(※2)冠動脈内皮細胞(写真)⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/cells2.jpg

冠動脈が詰まって起こる病気が虚血性心疾患です。この病気を治療するために決定的に重要だとされ、世界中で行われている方法があります。

手首や足の付け根の血管から細いチュープ(カテーテル)を入れ、エックス線テレビで確かめながら冠動脈まで先端部を送り、詰まった場所を広げたり金属のリング(ステント)を留置したりする方法で、経皮的冠動脈形成術(PCI)と呼ばれています。2020年の統計によれば、国内で年間25万件ほどが実施されています。

2007年、このPCIについて、2287人を対象にした大規模なランダム化比較試験が行われ、結果が発表されました。「PCIを行った群」と「薬だけを使った群」を追跡したところ、その後の死亡率に統計学的な差がなく、それどころか、PCIを行ったほうで死亡率がわずかながら高いという、予想外の結果となりました(文献1)。別の研究者グループもほぼ同様のデータを発表しています(文献2-4)。

このような結果になる理由はあきらかです。上の顕微鏡写真(※2)は、私が研究に用いていた冠動脈の内側にある内皮細胞ですが、非常にデリケートで簡単につぶれてしまいます。細胞分裂で再生はされるのですが、限度があります。つまり血管内に挿入された硬い異物(カテーテル)によって内皮細胞は傷つき、その寿命を縮めてしまうのです。

PCIという治療法に死亡率を下げる効果はないことは、すでに1990年代から指摘されていました(文献5)。それにもかかわらず、ほとんどの心臓病専門医たちは、まるで気がつかなかったかのような態度を取り続けてきました。

話題を変えて、次は薬の話です。とくに慢性疾患で長期にわたり服用するものが気になりますが、あらゆる医薬品を通じて歴史がもっとも古く、また世界中でもっとも多くの人が服用しているのが血圧の薬です。厚生労働省の集計によれば、日本で血圧の薬を服用している人は1千万人を超えており、かりに全員が40歳以上だとすれば、2人に1人以上が服用している計算になります。

高血圧が原因で起こりやすくなる病気の代表は脳卒中です。次の表(※3)は、現在、もっとも多く使われている2種類の薬について、海外で行われたランダム化比較試験の結果をまとめたものですが、いずれも期待を裏切る結果となっています(文献6,7)。新しい薬ほど血圧を下げる作用は強いのですが、半面、副作用も多く、心臓病や腎臓病が増えたり、あるいは血圧が下がり過ぎて転倒したり、認知症が悪化したりしてしまうことがわかっています。

(※3)表⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/antihypertension.jpg >   

表中、赤字で示した「総死亡」は、原因を問わず死亡した人の総数を意味しています。このような現象は、血圧の薬に限らず非常に多くの医薬品で認められているのですが、詳細は文献8をご参照ください。

心臓病治療や血圧の薬に対する研究の歴史から、2つの重要な問題点が浮かび上がってきます。まず、最先端の医療技術が否定されるようなデータが続々と公表されているにもかかからず、医師たちがその事実を認めようとしないことです。もうひとつは、過剰医療の背景に常に薬の害が存在していることです。

次回は、医師たちがなぜ見てみぬふりをしているのか、そして薬の多くがなぜヒトの体に悪影響を与えるのかを考えます。

【参考文献】
1) Boden WE, et al., Optimal medical therapy with or without PCI for stable coronary disease. N Engl J Med, Apr 12, 2007.
2) Al-Lamee R, et al., Percutaneous coronary intervention in stable angina (ORBITA): a double--blind, randomised controlled trial. Lancet, Nov 2, 2017.
3) Rajkumar CA, et al., A placebo-controlled trial of percutaneous coronary intervention for stable angina. N Engl J Med, Dec 21, 2023.
4) White HD, Changing the Orbit around percutaneous coronary intervention for stable angina. N Engl J Med, Dec 21, 2023.
5) 岡田正彦『治療は大成功、でも患者さんは早死にした』, 講談社+α新書, 2001.
6) PROGRESS Collaborate Group, Randomised trial of a perindopril-based blood-pressure-lowering regimen among 6,105 individuals with previous stroke or transient ischemic attack. Lancet, Sep 21, 2001
7) Lithell H, et al., The study on cognition and prognosis in the elderly (SCOPE): principal results of a randomized double-blind intervention trial. J Hypertens, May 2003.
8) 岡田正彦『薬なしで生きる―それでも処方薬に頼りますか』, 技術評論社, 2009.

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4376 )
日時: 2024年04月15日 09:28
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2024.4.15)
Q&A 人間が有する治癒力とは: クスリとは何なのか?

「なぜ日本人は薬が好きなのですか?」とは、週刊誌などの取材でしばしば問いかけられてきた質問です。以前、国会で同じ質問をした議員もいました。これが大きな誤解であることの説明から始めることにします。

次の2つのグラフは経済協力開発機構(OECD)が2023年に発表したデータをもとに、「国民一人当たりの年間医療費と寿命を比べたもの(左図)<※1>」と「一人当たりの年間薬剤費(右図)<※2>」です(文献1)。日本に比べ、とくに医療先進国を自認する米国は、医療にかけるお金が格段に多く、逆に寿命は先進各国の中で最低となっています。

国により医療の仕組みがまったく異なっていて、医療費の総額も薬剤費も厳密な計算ができませんので、データはあくまで参考です(文献2)。

<グラフ※1⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/iryouhi.jpg
<グラフ※2⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/yakuzaihi.jpg

この2つのグラフからわかるのは、少なくとも薬に限らず医療にかけるお金が高額なのは万国共通であることと、医療費も薬剤費も寿命となんら関係しておらず、むしろ寿命を縮めているかもしれないということです。

さて前回の記事で、「血圧を下げる最新の薬を使っても死亡率は改善しない」というデータを紹介しました。本物の薬を服用したほうで、わずかに死亡件数が増えていましたが、統計学的な有意差がなく、誤差範囲の違いしかなったというものでした(これらのデータには不正操作もあり著しく信頼性を欠くものですが、詳細は次回以降とします)。

血液は、心臓が押し出す力だけで体の隅々まで流れていくことができず、収縮と拡張を繰り返しながら血管壁を伝わっていく「振動波」のエネルギーが必要です。ところが年齢を重ねるうち、血管のしなやかさの元になっているエラスチンという物質が減少し、また堅牢さの元になっているコラーゲンが劣化し役割を果たさなくなっていきます。

すると、血液は心臓から遠く離れた臓器に届かなくなりますが、腎臓や首の血管など要所に「血管壁の振動を検知するセンサー」があり、血流の不足を知らせる信号を発します。これを受けて心臓はがんばり、血管は収縮して血流を回復しようとする反応が起きていきます。庭の草花にホースで水やりをするとき、先端を指でつまむと、水は遠くまで飛ぶようになりますが、それと同じ理屈です。結果的に血圧は上昇していきます。

血圧が上がるのは体が要求するからであり、薬で無理に下げるのは、その自然の摂理に逆らっていることになるのです。そのため脳の血管が詰まったり、認知症が進行したりしてしまいます(文献3)。

加えて、どんな薬もかならず副作用があります。たとえばARBという最新の薬は、これを服用した患者が胃や腸に炎症を起こし、激しい下痢や体重減少を訴えるという事例が相次ぎました。薬を中止すると症状が回復することから、因果関係もあきらかでした(文献4,5)。

つまり血圧の薬は、「あちら立てれば、こちらが立たず」という宿命から逃れられないのです。このような現象が多くの医薬品で認められることは、前回の記事で述べたとおりです(もちろん有用な薬も多く、その違いについては次回以降とします)。

副作用の多くは予測不能です。なぜならヒトの体内には薬が作用する可能性のある部位が無数に存在するため、開発者の想定を超えた反応がいくらでも起こりうるからです。次の動画<※3>でそのメカニズムを示しました。

<動画※3⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/sideeffect.gif

5万年とも30万年ともいわれる悠久のときを経て、われわれの祖先は地球環境の変化に対応しながら遺伝子を育み、絶滅することなく生き延びてきました。結果的に、人間の体には老化に対する備え、あるいはウイルスなどの外敵に遭遇したときの治癒力が出来上がっています。一方、現代人が最初の医薬品を発明してからまだ80年ほどしか経っておらず、知恵の至らなさから同じ失敗を繰り返しているのです(文献5)。

なお、前回の記事で予告した「医師たちがなぜ見てみぬふりをしているのか」については、次回、まとめることにします。

【参考文献】
1) https://www.oecd.org/tokyo/statistics/
2) 西沢和彦, 「国民医療費」における薬剤費統計の不備を改めよ. JRIレビュー, 4: 28-39, 2013.
3) Jongstra A, et al., Antihypertensive withdrawal for the prevention of cognitive decline (review). Cochrane Database Syst Rev, Nov 1, 2016.
4) Rubio-Tapia A, et al., Severe spruelike enteropathy associated with olmesartan. Mayo Clin Proc 87: 732-738, 2012.
5) Herman ML, et al., A case of severe sprue-like enteropathy associated with valsartan. ACG Case Rep J, Jan 16, 2015.
6) Avorn J, Learning about the safety of drugs - a half-century of evolution. N Engl J Med, Dec 8, 2011.

   
   
Re: コロナワクチンの仕組みとその問題点について ー 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)ー (7) ( No.4379 )
日時: 2024年04月22日 10:11
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2024.4.22)
Q&A 人間が有する治癒力とは: 医師の思い?

過剰な医療を加速してきた理由は、いろいろあって複雑です。今回は、その理由として考えられる背景を分析してみました。

≪背景:その1≫

医師たちが集まった飲み会での出来事です。ある医師がポケットから薬のシートをいきなり取り出し、私に「飲んでみて!」と言うのです。何かと聞いたところ、そのころ話題になっていたある新薬でした。服用を続けていたら体調が良くなったような気がするから、という説明です。しかし、その新薬については海外で多数の追跡調査が行われ、「わずかながら副作用としてがんが増える」との指摘がなされ始めていた頃でした(文献1)。

多くの医師は心底、最新の医療技術を信頼し、疑いを抱くことなく受け入れています。そこには金銭の授受もなく、誰に対しての忖度もありません。


≪背景:その2≫

企業が新しく開発した薬や医療器材の製造承認を得るには「治験」が必須です。著しく手間のかかる治験は、通常、大学医学部附属の病院に依頼することになり、担当した診療科(講座、あるいは医局と呼ばれる)には、その手数料に加えて莫大な寄付金も入ります。たとえばメタボ健診の基準作りに携わった大学教授11人はとくに高額で、最高3億円を超えていたと報じられました(文献2)

治験に限らず、有名医師たちが新製品についての講演会や研究発表を行うたび、見返りとしての寄付金や講演料、旅費なども支払われます。いずれも大学が定めた規則に従ってお金が処理されていれば合法なのですが、当然、忖度も働くため、製品の欠点には目をつぶり、意図せず新製品のPRに加担することになります。

大学病院で研鑽を積んだ若手医師たちは、やがて地域の病院に赴任し、あるいは自分でクリニックを開設して、最新の製品を当然のごとく使い続けることになるのです。


≪背景:その3≫

医師の多くは、基本的に新薬や最新の医療器材を真に優れたものと考えているのですが、最大の理由は、それらを評価した医学論文の多くが「有効である」ことを強調したものになっているからです。

たとえば虚血性心疾患の治療法(経皮的冠動脈形成術;PCI)は、ランダム化比較試験で否定的な結論が出されていることを前回の記事で紹介しました。しかし、医師の目に止まる論文の大部分は、信頼性を欠く後ろ向き調査のデータでしかないという共通点があります。この傾向は世界共通で、国内でも心臓の専門家がPCIの有効性を示すデータとして掲げるのは後ろ向き調査で得られたものです(文献3)。

なぜ後ろ向き調査の論文が、そんなに目立つのかと言えば、費用と人手を必要とせずコンピュータで計算するだけでできてしまうため、論文が簡単に書けて、圧倒的に数で勝ることになるからです。



後ろ向き調査の無責任



≪背景:その4≫

深刻なのは、論文の多くが薬や医療機材の企業から資金援助を受けて行われていることです。論文を発表する際、著者らがどこからお金を受け取ったかを必ず明記することになっておりこれを「利益相反の開示」と呼ぶことは、以前の記事で説明したとおりです。しかし、だからといって、これが免罪符になるわけではありません。

変形性股関節症や骨折などに対し、股関節を金属やセラミックでできた人工関節に置き換えるという治療法があります。この手術を受けた人は過去10年間で2倍にも増えているとされています。

この手術法の効果を報じた68編の論文を調べ、「良くなった」、「かえって悪くなった」、「どちらとも言えない」の3つに分けてまとめたところ、「良くなった」と結論していた論文は、人工関節を製造している企業がスポンサーになっていた論文で2倍以上も多かったということでした(文献4)。意図的なデータ操作が行われていたのはあきらかでしょう。

母親が4歳の次女を薬で殺害したというニュースがありましたが、そのとき使われたのは、母親が服用していたオランザピンという統合失調症の薬でした。この薬については、5つの学術調査が行われていましたが、製薬企業に不利となるデータが隠ぺいされ、都合の良いデータだけが公表されていました(文献5)。

その副作用を知らされないまま服用した人たちに重度の肥満や糖尿病の発症が認められ、1千件を超す訴訟が起こされるという騒動に発展しました。米国の司法は、1千700億円にのぼる賠償金の支払いを製薬企業に命ずる判決をくだしました(文献6)。この薬は、効果においても、昔から使われていた薬に比べ大差のないことが暴露されています。

医師は勉強熱心であり、専門医の資格更新のためもあって、しばしば学術講演会などに参加しています。しかし、そこで講師役を務める有名医師は、製薬企業などから講演料を受け取っていることが多く、話の内容にはバイアスがかかります。

医師たちは製薬企業などの手のひらで踊らされ、そこから逃れることができません。

今回の内容は、当ホームページQ13で紹介した記事(2022年1月31日付)(※1)に準拠しています。当時の記事は、漫画家の小林よしのり氏が『ゴマニズム宣言SPECIALコロナ論5』(扶桑社、2022年)で、刺激的な劇画として再現してくれました。
(※1:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ13 の(2)参照)

次回は、製薬企業によるデータ操作の手法と実態の核心に迫ります。

【参考文献】
1) Jing H, et al., Impacts of ezetimibe on risks of various types of cancers: a meta-analysis and systematic review. Eur J Cancer Prev 32:89-97,2023.
2) 読売新聞, 平成20年3月30日記事.
3) Uemura S, et al., Primary percutaneous coronary intervention in elderly patients with acute myocardial infarction. Cir J 83: 1229-1238, 2019.
4) Ezzet KA, The prevalence of corporate funding in adult lower extremity research and its correlation with reported results. J Arthroplasty 18: 138-145, 2003.
5) Berenson A, Eli Lilly said to play down risk of top pill. New York Times, Dec 17, 2006.
6) Office of Public Affairs, Eli Lilly and Company agrees to pay $1.415 billion to resolve allegations of off-label promotion of Zyprexa. U.S. Department of Justice, Jan 15, 2009.

   
   
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