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投稿者:はっちん
新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)  テレビでは語られない世界の最新情報を独自に分析  正しい情報を偏りなく 今週の新情報 (2024.1.15) Q&A 長引くワクチン副作用の正体がわかってきた? 「コロナワクチンの副作用による症状が、かなり長引くことがある」との見解が科学専門誌『サイエンス』に掲載された論文で示されました(文献1)。コロナ後遺症は英語でLong Covidと称されますが、これに倣ってLong Vaxと呼ぶ専門家もいる、ということです。Vaxはワクチンの略称です。 このような論文が一流の専門誌に掲載されるのは初めてのことですから、関連情報を探ってみました。 米国のある専門家は、「これまで医師たちは、ワクチン接種後に何らかの症状や病気の発症を認めたとしても、患者が1,2人しかいなかったため「単なる偶然」と考えてきた。しかし患者数が10人、20人と増えるにつれ、そうも言っていられなくなってきている。火のないところに煙は立たない」と同誌のインタビューに答えています。 同論文によれば、Long Vaxの特徴は、症状が接種後数日から数週間経って現れること、細い神経線維が炎症を起こしているため、ズキズキとした疼き、刺されるような痛み、焼けるような感覚などがあることです。また、血圧上昇、倦怠感、頭がもやもやするなどの症状を伴うことが多く、ときには立ち上がったときに脈拍数が急増する体位性頻拍症候群が認められます。 副作用のメカニズムについては、新たな理論もあります。ワクチンによって体内で過剰に作られた抗体が、異物とみなされ、抗体の抗体ができてしまうという新説です。一種の自己免疫反応と言えますが、これが細胞表面にあるACE2という名の酵素と結合して、結果的に血圧や脈拍変動を悪化させるのではないかというのです。その結果、生じる症状が体位性頻拍症候群であり、高血圧です。 ちなみにACE2はさまざまな細胞の表面にあり、血圧上昇を抑えたり、炎症を鎮める重要な役割を担っていますが、新型コロナウイルスのスパイク蛋白(トゲトゲ蛋白)が体内で最初に結合する部位として有名になりました(文献2)。そして前述した「細い神経線維」の表面には、このACE2が多数存在していることもわかってきました。 このように副作用のメカニズムにも新たな視点が加わり、治療法も一歩前進するのではないかとの期待が高まっています。ただし一連の症状は、すでに当ホームページでも報告してきた「ワクチン後遺症」にもよく似ています。その区別は、どうすればよいのでしょうか? まず新型コロナウイルスの構造についておさらいです。ウイルスの本体であるRNAは、4種類の蛋白質に囲まれています。以下の図(画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/nprotein.jpg )は、その概要です。 ポイントとなるのはN蛋白です。RNAを畳み込んで遺伝子を保護するという役割の蛋白質ですが、mRNAワクチンの接種によって体内で作られることはありません。 幸い、S蛋白とN蛋白に対する抗体が人工的に作られていて、ネットでも購入できるようになっています。この2つが手に入れば、2023年9月18日付の当ホームページ記事(※1)で示した原理により、2種類の蛋白が体内に存在するかどうかを検査することができます。 (※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4206#4255 ) 検査の結果、もし両方ともプラスであれば、過去、新型コロナウイルスに感染していたことになり、またS蛋白だけがプラスで、N蛋白がマイナスであれば、感染はなくワクチン接種後であることの証明になる、というわけです。 ただし国内では、すでに8割を超える人がコロナワクチンを1回以上接種していて、しかも無症状で気づかなかった人も含めると非常に多くの人が新型コロナウイルスに感染してしまっています。そのため、「ワクチンの副作用」と「感染の後遺症」の違いを研究しようとしても、適切な該当者を探し出すのが困難になっているという問題もあります。 それにもめげず、ワクチンの副作用と感染の後遺症のいずれかと診断された500人を集め、いくつかの治療法を試みるという臨床試験が始まっています(文献1)。その成果は、発表がありしだい当ホームページで報告の予定です。 【参考文献】 1) Vogel G, et al., Rare link between coronavirus vaccines and long Covid-like illness starts to gain acceptance. Science, Jul 3, 2023. 2) Sriram K, et al., What is the ACE2 receptor? ASBMB Today, May 16, 2020. 【付 録】  北海道放送報道部 道警ヤジ排除問題取材班 著 『ヤジと民主主義』(ころから社、2022年)は、「おかしいことはおかしいと言う」というジャーナリズム精神が全編を貫く啓もう書で、コロナワクチン問題にも共通する背景が感じられます。同書には、重要証言者が2021年12月、間質性肺炎で亡くなったという、気になる記述もありました。この時期は、ほとんどの国民が1回目か2回目のコロナワクチン接種を受け終わったころであり、間質性肺炎という病気も代表的な副作用のひとつだからです。        
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