近畿植物同好会 掲示板
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マンボ 伊吹寛子 投稿日: 2023年06月10日 16:55:51 No.691 【返信】

先日来コウホネが掲示板で何度か話題になっていて、オグラコウホネの地に住みながら何も知識がないことを恥じ入って、勉強しなければと思います。

コウホネは提示して下さっている膨大な資料が難しく不勉強なのですが、今日、山本様のご投稿を拝見して、コウホネを凌ぐパワーで私の琴線を震わせたものがありました。植物に関係ない話で申し訳ありませんが、稲作関係で無関係とは言えないかも知れないと言い訳をしながらの投稿、お許しください。

写真の中にあった掲示板の「マンボ」なのです。実はつい最近ですが40-50代の頃、私はイランにどっぷり浸かっていました。そのころの恩師であった岡崎正孝氏の著書で、私の大切な一冊に『カナート イランの地下水路』(論創社1988年)というのがあり、その中に三重県のマンボが、氏がマンボで写された写真と共に言及されているのです。それを読んで以来ずっと「三重県のマンボ」は私の心の中に住み続けていました。

京都の蹴上にもご存知のようにマンボと呼ばれるトンネルがあり、あれが過去にどのように使用されたものかは不勉強で分かりませんが、上述の岡崎氏はマンボはイランの地下水路カナートがアケメネス朝ペルシャの勢力拡大、更にはイスラム圏の拡大と共に世界に広がり、中国ではカレーズとして同様の物が見られると言っておられます。また韓国の同様の導水暗渠「萬能ポ(ポはサンズイに伏)」と日本のマンボとの音の類似も指摘しておられます。同書で、ご自身が三重県鈴鹿市のマンボで写された写真の掲載と共に「織豊時代および江戸時代初期における大陸からの技術の奔流と、マンボとカナートの掘削技術の類似を考慮すれば、カナート技術が、トルファンから朝鮮半島に伝わり、そして、「マン・ヌン・ポ」を通して日本にもたらされた、とは言えないだろうか」と書いておられます。

余計な話で恐縮ですが、心が古に、そして大陸に飛んだご投稿でした。

貼付の写真は、岡崎正孝氏が三重県鈴鹿市のマンボに行かれた時のもので、上述の書に掲載されているものです。




外来のオオヤマフスマ 植村 修二 投稿日: 2023年06月04日 11:11:04 No.666 【返信】

 オオヤマフスマArenaria lateriflora L.は,やや冷涼な山地や亜高山帯に多い多年草とされている在来種です。日当たりのよい草地を好み、時には明るい林の中にも生えるようです。

 近畿植物同好会の長野観察会で宿泊したホテルルートイン塩尻の近くでは、帰化植物のフランスギク、ムシトリナデシコ、ハルジオンなどが生えている路傍の最前線の路面間隙にオオヤマフスマが生えている場所がありました。おそらく、外来の系統だと思います。

 この観察会の案内をお願いした藤田淳一さんのお話だと、ナガハグサの仲間(ブルーグラス)の輸入種子に混じって入ってきたオオヤマフスマの外来系統が長野県にあるとのことです。

 大阪府でもずっと以前に、和泉市信太山で清水千尋さんがオオヤマフスマを採集され、周囲の状況から帰化と話されていました。この個体は自宅で栽培しておりましたが、大阪北部地震で絶やしてしまいました。

 私がオオミミナグサに一応あてている植物が今回の観察会で見られました。この侵入経路も同じと思われます。藤田さんのお話だと、「田んぼの畦などにあったミミナグサは絶滅寸前なのだが、この外来の「オオミミナグサにあてた植物」をミミナグサとして収蔵された標本が多いとのことで、アノテーションカード(標本にコメントする用紙)を多数書いたことがある」と話されていました。

 ただ、私は「オオミミナグサにあてた植物」のいい画像を撮ることができませんでした。もし、今回の参加者で撮影された方がおられましたら、この掲示板に載せていただければありがたいです。


オオミミナグサの写真 福島いずみ 投稿日: 2023年06月04日 16:00:42 No.668
オオミミナグサの写真です。長野から持ち帰ったものを今写真に撮ったのですが、こんなのでは役に立たないでしょうか。

植村 修二 投稿日: 2023年06月04日 19:58:50 No.669
福島いずみさん

 外来のオオミミナグサの画像ありがとうございました。
藤田淳一 投稿日: 2023年06月07日 10:56:42 No.676
植村 様

 5月27日の会の際に採集した標本写真を上げておきます。
 ご参考にして頂ければ幸いです。


植村 修二 投稿日: 2023年06月09日 13:40:25 No.681
藤田淳一さま

 外来オオミミナグサの標本画像ありがとうございました。

 藤田さんには、近畿植物同好会の長野観察会で大変お世話になりました。お陰様で、長野県のフロラについて、野外でさまざまなことを学ばせていただきました。本当に感謝しております。参加された皆さん、満足して帰られたと思っております。
外来のオオヤマフスマとオオミミナグサ(学名も混乱していた) 藤井俊夫 投稿日: 2023年06月09日 13:54:32 No.682
両種で、学名の混乱が見られます。

●オオヤマフスマ(花弁の先端は2裂しない。種子表面は平滑)
Y-listの学名
Arenaria lateriflora L.

Plant working listでは、Moehringia lateriflora のsynonymとされている。
Kew gardenの、POWO(Plants of the world on line)では、
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30124057-2/images
Flora of China:
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200007053
(線画あり)

●オオミミナグサ(花弁の先端が2裂する。種子表面はコブ状突起がある)
Y-listの学名
Cerastium fontanum Baumg. subsp. vulgare (Hartm.) Greuter et Burdet var. vulgare (Hartm.) M.B.Wyse Jacks

Plant working listで,accepted.
Kew gardenの、POWO(Plants of the world on line)では、Cerastium holosteoides Fr.の、synonymにされている。
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:152312-1
Flora of China:
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=242000274
(線画あり)

★両種で、種子表面の模様が違う。
(Flora of Chinaの、イラスト参照)
まず、それぞれの種が、どの学名の植物を指すのか、明らかにするところから始めないと、何を議論しているのかわからなくなります。

●ミミナグサ
Y-listの学名
Cerastium fontanum Baumg. subsp. vulgare (Hartm.) Greuter et Burdet var. angustifolium (Franch.) H.Hara
上記、オオミミナグサの変種とされている。
Flora of Chinaでは、オオミミナグサと区別していない。

原記載:Hara,1977. J. J. B. 52: 258 (1977)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/52/9/52_52_9_6785/_pdf/-char/ja
以下、原(1977)の抜粋。

16) ミミナグサ 日本に古くから知られているこの雑草は分類学上の取扱いが非常に難かしいもののーである。
ヨーロッパ産の Cerastium triviale Linkにごく近縁であるが,苞が葉質であるなど少し異った点があり, これらについては原 (1941),水島(1963)が本誌上で詳しくのべた。
その結論としてミミナグサはヨーロッパ種の地方的変種として扱うのが妥当であるということになった。

★ここで、問題になるのがC.fontanum(=C.holosteoides:オオミミナグサ)と、原(1977)のいう、C.trivialeの関係です。
Plants of the world onlineでは、C.trivialeは、C.holosteoidesのsynonymにされています。

ようやく、日本在来のミミナグサ(Cerastium fontanum Baumg. subsp. vulgare (Hartm.) Greuter et Burdet var. angustifolium (Franch.) H.Hara)は、ヨーロッパ産のオオミミナグサ(Cerastium fontanum Baumg. subsp. vulgare (Hartm.) Greuter et Burdetおよび、(=C.holosteoides:オオミミナグサ)と、原(1977)のいう、C.trivialeを含む)の変種として扱い、苞葉の質が違うことで区別していることが分かった。
ヨーロッパのオオミミナグサの苞葉は、硬いのか?(変種ランクの違いを、標本で区別できるのか?)。新たな疑問がわいてきた。
葉から、苞葉へと連続的に変化しているような気がします。
「外来のオオミミナグサ」について 植村 修二 投稿日: 2023年06月09日 15:50:01 No.684
 藤井俊夫さま

 今、思い出せないのですが、「ハコベやそれに近い属の分類をやると、迷路に入り、わからなくなるのでやめた方が良い」とどこかで聞いたことがあります。

 ミミナグサの仲間も、とても分類が難しいです。私がオオミミナグサとしたのも、「多型なCerastium fontanumで一番近いのはこれかな?」という程度で、これを発表したいと話された水田光雄さんに私が描いた図と共に伝えました。これも今私は確認できませんが、水田さんが兵庫の雑誌に報告されたと思います。

 種レベルなのか、それとも種以下のランクで違ってくるのか、最新の次世代DNA分析で明らかにしてほしいです。
藤井俊夫 投稿日: 2023年06月09日 16:47:18 No.685
以下の文献が見つかりました
ナデシコ科の進化にかかわるサボテン科からウツボカズラ科までのRNAによる系統関係の解析

●INVITED SPECIAL ARTICLE
Joseph F. Walker, Ya Yang, Tao Feng, Alfonso Timoneda, Jessica Mikenas, Vera Hutchison, Caroline Edwards, Ning Wang, Sonia Ahluwalia, Julia Olivieri, Nathanael Walker-Hale, Lucas C. Majure, Raúl Puente, Gudrun Kadereit, Maximilian Lauterbach, Urs Eggli, Hilda Flores-Olvera, Helga Ochoterena, Samuel F. Brockington, Michael J. Moore, and Stephen A. Smith,
From cacti to carnivores: Improved phylotranscriptomic sampling and hierarchical homology inference provide further insight into the evolution of Caryophyllales.
May 2018.American Journal of Botany 105(3)。446-462.
DOI:10.1002/ajb2.1069 LicenseCC BY-NC 4.0
https://bsapubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1002/ajb2.1069

Fig.3の、右上。Centrospermae(ナデシコ目)の一番上に、Cerastium(ミミナグサ属)と、Arenaria(ノミノツヅリ属)が来ています。
Arenariaが基部近くで分かれているので、祖先に近く、Cerastiumより古い系統であることがわかります。
しかし、Arenaria sepylifoliaと、Arenaria proceraが、大きく離れた位置に出現し、その間にSchiedea, Honckenya, Scleranthus, Colobanthus, Velezia, Dianthus, Gypsophila, Saponaria, Silene, Agrostemmaなど、多くの属が挿入された形になっています。
これは、Arenariaが単系属ではないことを示しているものと思われます。
日本でよく見られるDianthusや、Sagina、Stellariaなどのサンプル数を増やして解析すれば、信頼度が上がると思います。

形態で分類した現行の属の定義自体が問題で、系統関係を反映した自然分類ではなく、人為分類になっている可能性があります。
植村 修二 投稿日: 2023年06月10日 07:28:59 No.687
藤井俊夫さま

 いろいろご教示くださり、ありがとうございます。

 私は種内の分類が外来種も含めてこれでいいのかと、ミミナグサ属、ツメクサ属などで思っておりましたが、ナデシコ科では属のレベルで分類の再検討が必要なことは知らなかったです。

 Arenaria属が1つのまとまりではないのですね。


ヤクシマシャクナゲとサクラツツジとハイノキの花 磯野久美子 投稿日: 2023年06月09日 23:49:12 No.686 【返信】

5月26~29日、屋久島を歩いて来ました。
何か月も前から予定していて、毎年楽しみにしている近植の合宿が後から同じ日に決まったのがものすごく残念でしたが、屋久島に行けるのは体力的にもう最後のチャンスだと思って、泣く泣く合宿を諦めました。 

着いたその日、26日は滝とか巨大なガジュマルとかの観光、翌27日に宮之浦岳登頂(ピストンで16km、10時間のコース)、28日に縄文杉(これもピストンで22km、10時間のコース)、29日に白谷雲水峡(3時間半のコ-ス)を歩いて帰阪。
ツアー客5人に1人ずつ現地の登山ガイドさんがついて下さり、我々のグループにはたまたま一番博識な方が当たり、ラッキーでした。自然のこと、文化のこと、なんでもよくご存知で、とりわけコケ・シダの専門家だということで植物全般に詳しく、興味深いお話が沢山聞けました。全部メモっておけたら良かったのですが、歩くだけで精一杯で、そのような余裕はありませんでした。その上、雨空での植物写真はピントすら合っていないようなイマイチのものばかり。なんとか撮れた写真を見ながらボチボチ教えていただいたことを振り返るよりほかありませんが、連日長い時間大自然の中に身を置き、五感で色々感じることができただけでもう十分だとも思っています。
とりあえず、少しでもタイムリーに、せめてヤクシマシャクナゲの花の写真だけでもと思って投稿致しました。
屋久島が世界自然遺産になった一番の理由は、屋久杉ではなく(屋久杉は二番目の理由だそう)、まるで日本列島が縦になったかのように亜熱帯から冷温帯までの植生が垂直に分布することだそうですから、もし屋久島の植物をちゃんと観察して歩くとなると、何日滞在しても足らないと思いました。

宮之浦岳で丁度ヤクシマシャクナゲの花が満開だったのは本当にラッキーでした。お天気も、登り始めは小雨が降っていてとても寒く暗かったのですが、これも幸いなことに少しずつ晴れて来て、上の方では快晴になりました。
ヤクシマシャクナゲは、標高の低い所では、咲き終わりの白っぽい花が多かったですが、標高の高い所では濃紅色の蕾や咲き始めのはっきりしたピンク色の花が多く見られました。
山のあちこちに濃紅色、濃いピンク、淡いピンク、白色の花が入り混じって咲いているのが青空と緑に映えてとても美しい明るい光景でした。晴れて本当によかったです。
地元の方々も、このヤクシマシャクナゲの時期だけは宮之浦岳に登るのだそうです。

宮之浦岳の登り始めに雨の中で見た、ヤクシマシャクナゲの明るい美しさとは趣の全く異なるサクラツツジも清楚な日本美人のようでとても美しいと思いました。もう咲き終わりの様子でしたが、あちらこちらに淡い桜色の花がまだ沢山咲いていました。
また、おびただしい数の白い花をつけたハイノキもあちこちにあり、これもとても美しく、これらの花のおかげで長丁場も乗り切ることができました。花の力は絶大です。

良い写真がありませんが、いずれも5月27日撮影。
1~4枚目:ヤクシマシャクナゲ(宮之浦岳)
3枚目の写真で花冠5裂、おしべ10本であることが確認できます。
4枚目の写真では、宮之浦岳の高い所が笹で覆われていることも分かります。これはヤクシマダケ(ヤクザサ)というそうで、ササ属ではなくヤダケ属で、牧野富太郎命名植物とのこと。
5枚目:サクラツツジ(宮之浦岳での写真はまともなものが一枚もなかったので、この写真は宮之浦岳下山後に寄った「紀元杉」の所で撮影したものです。)
6枚目:ハイノキ(宮之浦岳)




兵庫県三田市のカザグルマの報告 藤井俊夫 投稿日: 2023年06月02日 14:29:16 No.659 【返信】

兵庫県のカザグルマ生育地の調査報告がありました。

●石田弘明・服部 保・永吉照人・鈴木 武/・小舘誓治・菊田穣・赤松弘治・山戸美智子.1996.
三田市のカザグルマ群落に関する報告.人と自然.7:97-104.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hitotoshizen/7/0/7_97/_pdf
三田市は、湿地に生える白花だけです。

7地点の調査地のうち、現在も残っているのは半数ほどです。道路工事や、河川改修などで消滅しています。
北摂カザグルマ保存会が中心になって保護活動をしています。

博物館で、系統保存の株が残っています。
https://www.hitohaku.jp/research/farm.html
https://www.hitohaku.jp/publication/newspaper/96-2-3.pdf
●奈良県宇陀市のカザグルマ(天然記念物)は、紫色です。
https://www.city.uda.nara.jp/kouhoujouhou/shisei/kouhou/kouhou/2017/documents/2907_36.pdf
各地のカザグルマ(栽培品)と兵庫県産の野生カザグルマ 植村 修二 投稿日: 2023年06月09日 14:56:39 No.683
 2018年4月29日、大阪市の長居公園で、クレマチス展があり、各地のカザグルマだけ集めて展示されている所がありました。今日、ようやくその画像を見つけましたので紹介いたします。カザグルマには紫、白の2色の花色タイプがあるようですが、同じ白花でも色が微妙に違うんですね。長野産の白花は透き通るようなピュアな白色でした。

 兵庫県宝塚市の自生地は、水田光雄さんに連れて行っていただきました。




六甲高山植物園に植えている河骨は、サイコクヒメコウホネ? 藤井俊夫 投稿日: 2023年06月05日 23:02:04 No.675 【返信】

六甲高山植物園に植えている河骨は、サイコクヒメコウホネ?

多分、近畿地方中部から南部、中国・四国・九州に分布しているコウホネとされている植物は、サイコクヒメコウホネだと思います。
本当のコウホネは、近畿地方では、兵庫、京都、滋賀の北部から北に生育する、抽水葉が大きく、直立する系統だと思います。
高山植物園のコウホネの写真は、抽水葉が楕円形で、水上に大きく突き抜けていないので、サイコクだと思います。
コウホネの抽水葉は、長楕円形で先端に行くにしたがって徐々にとがっていく、また抽水葉の葉柄は長く、水上に大きく突き出す傾向がある。
原記載者いわく、「サイコクの抽水葉は、だらしなく枝垂れるが、コウホネは長楕円形から先端がとがる矢尻のようになり、直立する」との事。
このような生態的特性は標本ではわからないので、現地で生育状態を確認する必要があります。

●サイコクヒメコウホネ:雑種起源だが、繁殖能力がある。

新潟大:河骨愛 :ヒメコウホネの分類学的な問題→河骨の話→ヒメコウホネの分類学的問題
http://www.ed.niigata-u.ac.jp/~shiga/
西日本型ヒメコウホネとしているのが、サイコクヒメコウホネとして新種記載されています。
近植の講演会で原記載者の志賀さんが発表していたと思います。(10年以上前?)
志賀隆。2010.水生植物コウホネ属(スイレン科)における「種」のあり方について。近畿植物同好会会報 ( 109 ) 13 - 15。
購入方法:http://kinshoku.eco.coocan.jp/

●Wikipediaのサイコクヒメコウホネを参照
https://ja.wikipedia.org/wiki/
サイコクヒメコウホネはコウホネとヒメコウホネ、オグラコウホネが関わった複雑な交雑に由来すると考えられている。
オグラは愛知県以西、近畿、中国、四国、九州のため池などに出現する。
ヒメコウホネは三重県南部(伊勢志摩地方周辺)の限られた地域にだけ生育する。
コウホネは近畿北部以東の冷涼な地域に分布する。

日本のコウホネ(Nuphar japonica)と、中国およびヨーロッパに広く分布する(ユーラシア大陸)、Nuphar lutea(セイヨウコウホネ)との関係が良くわかっていない。
参考:Wikipediaのセイヨウコウホネも参照のこと。
おそらく、セイヨウコウホネの分布の東端で温帯季節風気候(気温が高く、夏に多雨になる)の環境に適応した生態品種(エコタイプ)が、日本のコウホネになったと考えている。
抽水葉の着けないオグラコウホネやネムロコウホネは、水位変動の激しいため池や、流れの激しい河川に適応してきたグループと考えることもできます。

文献
Shiga, T. & Kadono, Y. (2004). “Morphological variation and classification of Nuphar with special reference to populations in central to western Japan”.
Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 55 (2): 107-117.
doi:10.18942/apg.KJ00004622816.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/apg/55/2/55_KJ00004622816/_article

藤井俊夫. 鈴木 武. 麻生 泉.瀧華佐和子・高島貴聖・小野 一.1999.
兵庫県三田市における絶滅危惧植物オクラコウホネ(スイレン科)の分布,生育環境と形態・人と自然。10:41-48.
https://www.hitohaku.jp/publication/r-bulletin/No101999041.pdf
報告の中で、コオウホネ、ヒメコウホネとしているものは、雑種のサイコクヒメコウホネです。
サイコクヒメコウホネ? 山本和子 投稿日: 2023年06月07日 15:11:03 No.677
藤井俊夫様

長い間ヒメコウホネと思っていましたが、藤井様のご投稿でサイコクヒメコウホネを知り調べてみますと、特徴が一致するように思いました。三重県レッドデータブック(2015)P.564、ヒメコウホネは絶滅危惧Ⅱ類(VU)、既知の生育地点数は10未満、県内では四日市市、伊賀市、志摩市数か所、南伊勢町で記録があるとされています。

今日、四日市市のヒメコウホネ(とされているもの)が生育する池に行き、葉と花を撮りました。葉を1枚採取し測ると、長さ25、5cm、幅(広い部分)13、5cm、花は目測で4cmほどです。平凡社「改訂新版・日本の野生植物」でヒメコウホネとサイコクヒメコウホネを調べ比べると、四日市市の池のヒメコウホネとされているものは、サイコクヒメコウホネの可能性が高いことが分かりました。調べるきっかけを作って頂きどうもありがとうございました。

サイコクヒメコウホネの分布は中部以西で、水上葉は水面から抽出するか浮葉となり、広卵形から狭卵形。長さ10-30cm、幅7-20cm、花径は3-4cm、花期6-10月。(一部引用)


コウホネ 相良真佐美 投稿日: 2023年06月07日 17:17:32 No.678
参考までに、六甲高山植物園で6月4日の同時刻に撮影したコウホネと思われるものの別角度からの画像を添付します。
また、10年前に同じ場所で撮影した画像と、そこにあった展示解説カードも添付します。


サイコクは、雑種なのでDNA判定が必要です 藤井俊夫 投稿日: 2023年06月07日 19:51:04 No.679
高山植物園の名札を掲載しても、何の解決にもならないと思います。
名札を撮影したのは、2013年。
志賀さんのサイコクヒメコウホネの原記載は2015年です。
(撮影後に、新種記載されています)

●以下の論文を参照。
Takashi Shiga, and Yasuro Kadono. 2015.
Nuphar saikokuensis (Nymphaeaceae), a new species from central to western Japan.
Journal of Japanese Botany 2015 Vol.90 No.1 pp.22-28 ref.11
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/90/1/90_90_1_10549/_pdf/-char/ja

雑種起源なので、コウホネに似た個体から、ヒメ、オグラなどに似た個体が連続的に出現します。
サイコクは地下の根茎の太さが、コウホネとオグラの中間を示すが、決定的な区別点ではありません。
最終的にはDNA鑑定をして、雑種かどうかを判定することになります。
●参考
西宮の湿生植物の、こうほね、オグラコウホネ、ヒメコウホネ、サイコクコウホネを参照のこと。
http://plants.minibird.jp/hydrophytes/plants/ukiha/sa_gyou/saikokuHimeKouhone/saikokuHimeKouhone.html


ニッコウキスゲなど 相良真佐美 投稿日: 2023年06月05日 11:04:46 No.672 【返信】

6月4日、ニッコウキスゲを見に六甲高山植物園へ行きました。植物園は晴天の日曜日で駐車場は満車でにぎわっていました。
ニッコウキスゲの標準和名はゼンテイカですが、圧倒的にニッコウキスゲの方が有名です。
初夏は信州や北陸の高原などで咲き誇っていますが、こんな近場でも楽しめます。今の時期は植物園の目玉になっています。

イブキトラノオにも人が集まっていました。イブキトラノオは立派な草丈で、いつも思うのですが本場の伊吹山のよりも元気です。
自生地が東北のヒメサユリは、そろそろ終わりのようでした。コアジサイは、赤茶色い今年の若い枝が伸び蕾が生長していました。クリンソウも人が集まっていました。


六甲高山植物園(2) 相良真佐美 投稿日: 2023年06月05日 13:41:20 No.673
フタリシズカ 花穂が1~5本ですが、ここのは1本が多かったです。
ヤマオダマキ 花弁のように見えるものは萼片で、距は直線的です。普通紫褐色ですが、ここのは色が薄かったです。
ヤグルマソウ 6~7月頃、小さい白い花が密生して咲きます。
チョウジソウ 自生は近畿地方では絶滅危惧Ⅰ類ですが、北アメリカ原産種の園芸品も出ています。
ハマナス   耐寒性が強く海岸などに自生し、初夏に花をつけます。北海道で最も多くみられます。
カキノハグサ 一株だけ咲いていました。2019年6月の神戸市丹生山系観察会でも観察しました。


六甲高山植物園(3) 相良真佐美 投稿日: 2023年06月05日 17:33:13 No.674
キイジョウロウホトトギスの場所です。
毎年10月ごろには、約200株が植栽されていて壮観なスポットになりますが、さすがに今は緑一色でした。

昨年は、近植の観察会で10月1~2日に南紀方面に行き、現地で自生種を確認しましたが開花はまだでした。
その頃、六甲高山植物園では、9月30日に開花見頃のアナウンスをしていました。
https://www.hanshin.co.jp/company/press/pdf/20220930-rokko-kiijourouhototogisu.pdf




ササユリ 西村徹也 投稿日: 2023年06月04日 23:55:08 No.671 【返信】

本日、2023.6.4(日)、二上山(大阪府太子町)を歩いてきました。
ササユリ(笹百合)の花が咲いていました。
まだほとんどが蕾でしたが、数日前からぽつぽつ咲き始めたようです。
*ササユリ;{ユリ科、ユリ属}

【写真1枚目】;ササユリ(蕾)
【写真2枚目】;ササユリ(花)
【写真3枚目】;ササユリ(花)




姫路市の海岸でミズヒマワリが漂着していた 藤井俊夫 投稿日: 2023年06月04日 20:51:55 No.670 【返信】

姫路市の海岸でミズヒマワリが漂着していた

6月4日、姫路市の福泊海岸周辺で植物観察会をしました。
台風直後の大潮の影響もあり、潮がかなり引いていましたが、海岸にミズヒマワリが多数打ち上げられていました。
兵庫県姫路市的形町木場海岸、小赤壁の直下。
ミスヒマワリのちぎれた茎の塊が多数(写真のような塊が5-6個)海岸に打ち上げられていました。
海岸なので、このまま放置すれば枯れると推測される。
おそらく西に5km離れた夢前川からもたらされたと考えている。

ミズヒマワリ(Gymnocoronis spilanthoides):中南米原産のキク科、常緑の多年草。
1995年に愛知県豊橋市の河川で定着が初確認された。(須山・藤原,2003)。
ちぎれた、茎や葉の一部から再生できる能力を有するので、除去は困難です。

外来生物法による特定外来生物に指定され、栽培及び移動が規制されている。
特定外来生物に指定されるまではジャイアントグリーンハイグロという名称でアクアリウムで使用されていた。
(Wikipediaより)
●文献
須山知香・藤原直子(2003) 日本新帰化植物ミズヒマワリ(キク科)の脅威的増殖。
水草研究会誌 78: 1-5.

姫路市の標本情報(サイエンス・ミュージアム・ネットより)
https://science-net.kahaku.go.jp/
20071023:姫路市広畑区東新町夢前川歌野橋
20081012:姫路市広畑区蒲田、夢前川
20081012:姫路市飾磨区山崎、夢前川




『千葉県植物誌資料』が公開されました 植村 修二 投稿日: 2023年06月04日 11:47:16 No.667 【返信】

 私が所属している帰化植物メーリングリストに木村陽子さんが『千葉県植物誌資料』が公開されたとの投稿をされてました。

 
 公開のURLは下記のとおりです。

 千葉県植物誌資料(トップページ)
 https://sites.google.com/site/florachiba/

 同オープンアクセスのページ
https://sites.google.com/site/florachiba/journal_open_access


ハキダメギク、コゴメギクが今花盛り 植村 修二 投稿日: 2023年06月04日 10:02:44 No.665 【返信】

 大阪府北部の農家の方から、畑に堆肥を入れたら大型のイネ科植物が侵入してきて、手に負えない状況なので見に来てほしいとの連絡がありました。

 2023年6月1日、現地に行ってみますと問題のイネ科雑草はネズミムギで、堆肥に混じって入ってきたものではなく、畑の周囲に多く生育している個体が畑に侵入し、肥沃な土壌で育ったため大型化したものでした。周囲は草刈りされよく管理されていたので、同じ植物とは思えなかったのでしょう。

 その際、ジャガイモ畑でハキダメギク、コゴメギクが混生し、どちらも盛んに花を咲かせていました。長野県塩尻市では、ハキダメギクがまだ芽生え状態だったのに・・・




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