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マトリックススピーカーについて2
アールefu 投稿日:2022年08月22日 18:16 No.38
続きです
長岡氏オリジナルのMX-1は左右が42度の傾斜でした。
それをすぐFOSTEXがキット化したものは45度になっていたのですが、
そのキットでは同じ様な効果が得られない。わずか3度の違いです。
すぐに42度に修正して解決したという経緯があります。

何が違うかというと、すべてのユニットの軸上後方が等距離で一点に集まるのは42度だったと云うことです。
(もちろん前面のユニットは上下の中間を一つのユニットと見なします。)
つまりすべての音が1点から放たれるのが正しい理論なんです。


くすのき 投稿日:2022年09月11日 15:55 No.76
MX-1は大変謎の多いスピーカーで、
長岡鉄男さんが、マトリクススピーカーに対してどう書かれていたか?という記事を
見つけることはできなかったのですが、
全図面集の中にMX-1の図面を見つけたので、いまさらながらですが、寸法関係を洗って
みました。
(図1参照)

まず、角度の42度ですが、正確には42°16′でした。
これで、正面と側面のスピーカーの軸線が交わるまでの距離を計算すると、正面が200.4mm、
側面が208.9mmでまずまず一致していました。

では、45度の場合がどうなるかですが、キットの寸法はわかりようがないのですが、
箱の幅400mmと正面バッフルの180mmを守った場合は、側面スピーカーバッフルの
幅が156mmになり、それで計算すると軸線の交点まで正面が200.3mm、側面が
205.3mmでわずかの差ではありますが、むしろ45度の方が等距離に近いことになりました。

ややこしい話になってきたので、寸法関係を単純化してみたのが図2で、Cと言う底辺を
共通として接する二つの直角三角形で、各々の一つの辺が90mmと75mmで、AとBが
一致するかという問題になり、下に書いた式のとおり、角度いかんにかかわらず一致はしません。
45度の場合は、75mmが78mmになるため少しだけ近づくということが判ります。

この等距離と言うことを実現しようとするならば、問題は角度ではなく側面バッフルの幅で、
正面と同様の180mmとなるように、箱の幅を拡大するのがいいと思います。
(42度を守った場合は、おおよそ444mmになる)

このMX-1というスピーカー、まだまだ解けない謎があるようです。

失敗作と言われ全図面集に載っていないMX2~8までの図面もあれば検証してみたいですね。

また、この全図面集を見るとバランス出力のアンプにも使える方法として、「MX11太郎」
という作例が示されていて、気にはされていたようですね。


アールefu 投稿日:2022年09月11日 19:52 No.78
MX-1のオリジナルは27×182㎝(t=15㎜)のラワン単板で正面ユニットの中心は12㎝離れていました。
つまり6㎝程ずらした仮想軸て距離を測るとピッタリと側面ユニットと等距離に成るはずです。
誤差は1㎜位だったような記憶があります。


くすのき 投稿日:2022年09月12日 10:03 No.80
考え方として、両側面のユニットを通る水平な平面上に交点を求めるとということなんですね。
図1のような感じで。(図は高さ方向を誇張して書いてあります)

幾何的な関係を取り出したのが図2で、これに基づいて計算した結果が図3の表になり、確かに
42度の場合は正面と側面のスピーカーからの距離はたった0.3mmしか差がないという結果になり、
45度の場合は3.8mm差があるということになりました。

この「理論」、長岡鉄男さんがMX-1を発表された当時からあった話なのでしょうか?
そうだとすると、わたしの勉強不足ですねえ。


アールefu 投稿日:2022年09月12日 17:15 No.82
当時発表された記事を見ると、正面と側面のユニットの間隔は人の顔の幅の
18㎝が最適であると発表されています。
その時、第1図にあるように右側面の音と正面の音が同時に右耳に届く時に
正しく音が合成されると解説もされています。左も同様に。
正信号も差信号も仮想空間の1点から放たれることで時間軸が揃うというのが
出発点にあったようです。
MX-1の別案として発表されたのが第4図の形ですが、
「反射板というのはわりと扱いにくいものであるし、使用状態での幅が意外と
広くなってしまうので、今回は見送る」と有ります。
これを見るとすべての音が仮想の1点から放たれることが前提にあるように思います。
MX-1の寸法は偶然上手くいったのかも知れませんが、
そこが長岡先生の凄いところですね。


くすのき 投稿日:2022年09月12日 17:38 No.83
アールefuさんの返信を見て、鳥肌が立ちました。
長岡先生は当時すでに、この理論がわかってたなんて・・・・
本当に天才ですね。

で、それがわかった上でMX2~8を失敗するなんて・・・
何が足りなかったのか?

引かれた資料は、なんという雑誌でしょう?
どこかで、手に入れたいと思います。


アールefu 投稿日:2022年09月12日 19:14 No.84
MX-1はリスナーの耳さえも判定する、といわれていました。
つまり玄人耳と素人耳に分けてしまうと云う恐ろしいスピーカーです。
一般向きとしてのマトリックススピーカーに取り組んでみたけど
結局、今ひとつ越えられなかったと云うことだと思います。

僕が持っている資料は「週間FM」のスクラップです。
今回の資料が載っているのは、たぶん79年7月9日号(私の手書きメモ)だと思います。
間違っていたらごめんなさい。


くすのき 投稿日:2022年09月12日 22:17 No.85
アールefuさん、調べていただいてありがとうございます。
70年代でしたか・・・・

今日、夕方からずっと残っているスクラップをひっくり返してました。
80年の週刊FMfan別冊のアンプテストにある母屋の写真にMX-1がすでに写っていましたので、
それ以前だということはわかりましたが、わたしの手持ち資料には、何度か断絶がありそれが、
80年なんです。
その年に、就職し学生時代に持っていた雑誌類をまとめて処分しました。その冊数は200冊以上ありました。
ただ、MX-1を83年以後に作っているのは間違いないので、何か残ってないかと探しましたが、
見つけられませんでした。もう一つの95年の断絶の時にかなりまとめて処分しましたので、
おそらくその時に捨ててしまったのだろうと思います。
実は、わたしの中でMX-1というのは異様なほどの音場再生能力と共に、とてもオーディオには
使えない程、低音が出ないダメなスピーカーの烙印が押されていて、作って1か月も立たないうちに
分解されてしまっていたからです。
それと、スワンの存在。
スワンを作って、ここまでの音場感が出るならもうMX-1はもういらないじゃないかと。
ただ、MX-1では頭の後ろや上の方まで音場が広がっていたのに対し、スワンは定位はみごとな物の
そういう音場の出方ではないと記憶しています。

今回手持ちのスクラップ類を漁って、アールefuさんが載せてくれた2枚の図と同じものは
見つけました。「MX-11太郎」の解説の中に同様の物が使われていました。

これはもう、自分の記憶に頼るだけでなく実際にMX-1を作ってみるしかないなと思っています。
もちろん、いまさら16オームのFE103をかき集めるなんてできませんので、パイオニアの
ダブルコイルユニットがまだ手に入りますので、このコイルを直列に繋げば12オームになり、
3パラにしても4Ωと現実的な値になります。

それでやってみます。


アールefu 投稿日:2022年09月13日 22:23 No.86
パイオニアのダブルコイルでのMX-1とは楽しみですね。

自分にとってMX-1は音離れの良さ、通りの良さも魅力です。

例えばMX-3はFE-203(16Ω)4発ですが、
「MX-1の特徴を80%位は引き継いでいるし、レンジが広く、
パワーも入る。低音も結構よく出る。」とかなりのもの。
それよりも気になるのはあの紙臭いFE-203が「音色一変、
なめらかでつややかになるから不思議である。これは
筆者だけでなく多くの人が実際に聴いて首をかしげた点である。」
と書かれています。
それは私もMX-1で体験しました。
当時あまり好きではなかったFE103がつややかに浪々と鳴ることに衝撃を受けたことが忘れられません。
福岡の「カホ・サウンドパーツ」店内での体験でした。
棚だらけの広い店内に凄く良い音でFM放送が流れていたのですが、その発生源が分からず店内を隅々までウロウロ。
随分歩き回って、この辺なんだけど…分からない。
ふと30㎝位視線を上げると目の前にMX-1が鳴っていました。
「何なんだこいつは!」
もう一度店内をウロウロしてみて「やっぱりこいつだ!」
どんなに離れて聴いても音量が下がらないから、何処にあるのか分からなかった。
恐ろしく音離れが良く、通りが良い。スピーカーらしくない自然でつややかな音。
その後30分位その場に釘付け状態で聴いていました。
忘れられない体験です。


くすのき 投稿日:2022年09月15日 21:22 No.88
MX-1できました。

が、シングルエンドのアンプが手元にない!
とりあえず、差信号を使わずに音を出してます。(涙)

あほちゃうか!

オーディオルームを探窟して使えるアンプを掘り出さないといけない・・・


くすのき 投稿日:2022年09月16日 11:12 No.89
たまたま、オーディオルームのドアに近いところにクラウンのパワーアンプがあったので、リビングに
持ち上げました。たぶん、20年近く使ってないので動くかどうか心配でしたが、DC漏れも発振もなく
正常に動作しました。このあたり、さすがは業務用アンプ。ですが、すこしトランスが鳴きます。
ここも、さすがは業務用(笑)
で、両チャンネルのゲインを合わせ(これをやらないとマトリクス接続は本来の動作をしない)
プリに繋いで音出し。
おーーー、久しぶりに聞くアナログアンプで柔らかく雄大な音です。デジタルアンプでこのタイプの音は
聞いたことがない。とてもいやされる音。

で、MX-1の音ですが、やっぱり見事に低音が出ない。ジャズトリオを聴くとピアノとハイハットしか鳴ってない。
バスドラもベースもどこにもいない・・・
レンジ感で言えば、ダイソーの300円アンプをパソコンにつないだのに劣る。
そのかわり、低音がない分、音の粒立ちは結構な物です。
ここでの問題は、今回使ったパイオニアのスピーカーで、中高域のキャラクタで聴かせるタイプの
スピーカーでしたので、高域がそれにマスクされ、部屋を満たす感じにはなりません。
いろいろと欠点は目立ちますが、マトリクスとしての効果はなかなかのもので、アールefuさんが
言われるように、スピーカーから音が出ている感が少ない。さらには意外なほど逆相感がしない。
音がピュア。

確かに、もう少しバランスのいいスピーカーを使い、低音を出してやれば独特のポジションがありそうです。

今回MX-1を再作成してみて、いいところはある物の、欠点はストレートに実感しました。

欠点
1.ユニットの制約。このパイオニアのダブルコイルが無くなったらもう作れない。
2.真中に1個だけというのは、物凄く置き難い。
3.バランスアンプでは使えない。今回、バランスアンプ用の接続と言うのもやってみましたが、
  デジタルアンプの場合は、それでもだめだということが判りました。明らかに歪んだ音が、
  出て来てしまいます。たぶん、プラス側とマイナス側の波形が揃ってないのでしょう。で、
  ちょっとボリュームを上げたらプロテクトがかかりました。やっぱりダメです。

作ってみて初めて分かる長所もありました。
なにしろ、作るのが簡単。箱1個だけでいいので材料費が格安。
(そのかわり、ユニット代が、倍かかりますが・・・、パイオニアのダブルコイルが安くて助かった)

F特はマトリクススピーカーのF特ってどう測ればいいのかをよく考えから測ります。

このスピーカーは10月の例会に持って行きます。




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