投稿者:くすのき
MX-1は大変謎の多いスピーカーで、
長岡鉄男さんが、マトリクススピーカーに対してどう書かれていたか?という記事を
見つけることはできなかったのですが、
全図面集の中にMX-1の図面を見つけたので、いまさらながらですが、寸法関係を洗って
みました。
(図1参照)
まず、角度の42度ですが、正確には42°16′でした。
これで、正面と側面のスピーカーの軸線が交わるまでの距離を計算すると、正面が200.4mm、
側面が208.9mmでまずまず一致していました。
では、45度の場合がどうなるかですが、キットの寸法はわかりようがないのですが、
箱の幅400mmと正面バッフルの180mmを守った場合は、側面スピーカーバッフルの
幅が156mmになり、それで計算すると軸線の交点まで正面が200.3mm、側面が
205.3mmでわずかの差ではありますが、むしろ45度の方が等距離に近いことになりました。
ややこしい話になってきたので、寸法関係を単純化してみたのが図2で、Cと言う底辺を
共通として接する二つの直角三角形で、各々の一つの辺が90mmと75mmで、AとBが
一致するかという問題になり、下に書いた式のとおり、角度いかんにかかわらず一致はしません。
45度の場合は、75mmが78mmになるため少しだけ近づくということが判ります。
この等距離と言うことを実現しようとするならば、問題は角度ではなく側面バッフルの幅で、
正面と同様の180mmとなるように、箱の幅を拡大するのがいいと思います。
(42度を守った場合は、おおよそ444mmになる)
このMX-1というスピーカー、まだまだ解けない謎があるようです。
失敗作と言われ全図面集に載っていないMX2~8までの図面もあれば検証してみたいですね。
また、この全図面集を見るとバランス出力のアンプにも使える方法として、「MX11太郎」
という作例が示されていて、気にはされていたようですね。