雑銭掲示板Ⅱ


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高頭通類の削花押 他
関西のT 投稿日:2024年03月09日 19:19 No.1055
私事ながら、最近は転職してやりたい仕事につけたはいいが大忙しです。
オマケに兄弟の結婚式や庭に住み着いた猫の保護やらで古銭どころではありませんでした。
話はかわり、ちらっと耳に挟んだ話ではタジ様と私は同じ年齢だとか...
何かとは言いませんが私も急がなくては...
とりあえず顔見知りでは御座いませんが、おめでとう御座います!
※以上は私の想像です。

さて本日久しぶりに溜まった古銭の整理をしたついでに久々の投稿です。
張り切って本日は3題を紹介...

先ずは不知長郭手 高頭通と同座の削花押銭。
この銭座には花押の特定部分だけが部分的に削字されているものが存在しているのを確認し、意味的にも発覚しない為というより、シークレットマークの意味合いがあるのではないかと私は考えています。
一番目にするのは右の天尾足元に凹みかつ當左の輪に打ち込みのあるもの(左)。
なお右の方は詳細不明です。
当然ながら2枚含め、高頭通らと同じ刻印です。
類品も多数確認し、以前おおまかな出現場所を含め全貌の分からない不知銭座として立ちはだかっています。
が、最近耳にした話で秋田や盛岡あたりからチョロチョロと出現しているという噂が...

画像は手持ち2枚と浩泉丸様のHPから引っ張ってきた同族と思われる品々です。


関西のT 投稿日:2024年03月09日 19:37 No.1056
2題目は背郭右上の欠けたこの一群。

私は寳王の縦棒が折れ曲がっていることから倒玉寳とよんでいますが...
なかなか無理がありますね。いいネーミング募集中です。

画像は、
上2枚が刔輪倒玉寳、左下は覆輪刔輪の繊字倒玉寳、右下は覆輪刔輪次鋳の肥字倒玉寳です。
それぞれ背郭の同一箇所が欠け、天字の左上輪三箇所の同一箇所にタガネによる打ち込みが3箇所あります。
※今年の収集2月号にも細郭手刔輪として掲載があったかと、おもいます。

不思議なのは右下は母銭から母銭を作ったというより通用銭から母銭を作ったというくらい製作が劣ること。
途中で母銭を没収されたのかな?

刻印はこれでもかというくらい細かでデザインされた桐とかけ離れた異刻印。


関西のT 投稿日:2024年03月09日 19:46 No.1057
3題目は水戸近辺の粗造銭座。

画像の左は短足寳写し、右は大字写し。
いずれも砂目が荒く、無刻印、これでもかというくらい火で炙って黒く爛れているのが特徴。
大字写しに至っては花押くらいしか読み取れる箇所がありませんね。

これほど製作が劣り、手順がメチャクチャなものは藩などの後ろ盾のない民間鍛冶屋によるものではないかと予想。
いずれも茨城と千葉の両県から出現しています。

なお短足寳写しに関しては本物よりも大きく、縦49.75mm、銭文径41.05mmあります。
その割には軽いので火に入れたことによる影響だと思います。


穴銭初心者 投稿日:2024年03月10日 09:18 No.1058
関西のT様
いつも貴重品の画像をご掲載いただき、ありがとうございます。
関西のT様、とら様の画像とその解説のご投稿は大変に有意義でありがたく思っています。

今回、ちょっとわからない所があるので、質問してもよろしいでしょうか?

>これでもかというくらい火で炙って黒く爛れているのが特徴。
とありますが、製造過程にて火であぶる理由とはどういった事なのでしょうか?

素人考えですが、完成品を肌がただれるまであぶるのは何か無駄な事のように思えます。
何か理由があっての事なのでしょうか?


とら 投稿日:2024年03月10日 13:43 No.1059
穴銭初心者様

T様がお手すきに成られたらたら、回答があると思われるので、ちょっと間に書き込ませて下さい。

関西のT様
タジさんと同年代とは驚きでした。
不知銭みたいな地味な物に造詣が深く、てっきり自分と同年代か、その上と思っていました。
師の一人が、子供たちより若いとは世の中分らぬものです。
タジさんにご慶次があったようで、おめでとうございます。
このような地味なことやってて大丈夫かと心配していましたが、一安心です。

早速、同様なもの無いか調べてみました。
今回はB級品なので沢山あるかなと思いましたが、思いのほか少ないようです。

1枚目など所有していないかと思ったら、天上刔輪・背刔輪不整輪とタグにあり、英泉譜1161番現品でした。高頭通と気づいていませんでした。
2枚目は、2題目の4番目の姉妹のようです。これはよく見ればもっと所有していそうです。肉眼ではわからないが、スキャンして比較すると玉の2画目が斜めになっていました。
サイズは
左・長径48.14mm、短径31.58mm、銭文径40.9mm、内径44.0mm、量目19.61g。
右   48.81mm、  32.80mm、   40.5mm、  43.2mm、  21.90g。

3題目は膨大な山をあされば出てくる可能性もありますが、火中品と思い無視してしまっていそうです。
鋳造地ですが、これが単なる火中品でなく、あえて鋳造したものであるとすると、水戸を除く茨城、千葉はありえないと思います。
江戸周辺は、上方ほどではないにせよ、貨幣経済の先進地です。
また、19世紀初頭には、関東取締出役(八州廻り)が創設され、御領、私領、寺社領の区別なく取り締まりが行われていました。
千葉などは、天領、小大名、旗本、相給地など混在し、現在で言ったら町内に殿様が何人もいるところもあったのです。
水戸領も斉昭公など健在なら、贋金など作れなかったでしょうが、維新前後は大混乱で、何があったか分かりません。明治になりさらに混乱していました。

インフレが進んだ時代、小規模の天保銭の鋳造など採算が合うはずがありません。地域経済がめちゃくちゃにされた、東北、水戸ぐらいだったら?

天保銭の製造は儲かったなどの説がありますが、それは誤りです。
現在の貨幣でも、1円5円は赤字、10円でチャラぐらい、500円なら大儲け。
でも、日本政府は500円玉で大儲けというでしょうか、1万円札はさらに大儲け。
でも限界を超えて発行したら価値がなくなります。
通貨の発行は公儀の専管業務です。発行できぬと経済が回りません。
赤字でも鉄1文銭・4文銭の発行が必要です。
水戸の当百銭も1・4文銭鋳造の赤字の補填の許可になったと記憶しています。

当初の薩摩などは公儀に対する対抗もあったかも知れないが、基本は転戦する末端兵士の手当の為ではないでしょうか。女郎屋やはたごは偽物の2分金では払えないし、藩札など受け取ってもらえないでしょう。
何れにしても、儲けようと思ったら、高額通貨や紙幣です。
ですから、高額通貨や紙幣が使えるなら、当百銭などいらぬのですが、当百銭が発行されているところは、紙幣が乱発されその価値が著しく低い地域なのです。
また、経済が破綻し、収入が少ないが、原材料を確保できる地域なら、明治になっても1枚8厘になるなら、鋳造したはずです。
ただ、水戸の当百銭を請け負っていた川崎八右衛門は八大財閥の一つ、川崎金融財閥と成長しました。


とら 投稿日:2024年03月12日 12:02 No.1063
添付した画像は、上記の花押に加刀のあるものと、通常の花押の物です。
左は、T様の記事を拝読するまで別物と思っていました。
右は以前から、高頭通と記憶していたもので、銭文径から次鋳の様です。
私の、不知銭の知識など、現物を比較することで得ている事がほとんどの為、枚数を所有していない高頭通の知識はほとんど有りませんでした。
大きな特徴のある物ではないので、手に入れるのはツキだけのようで、私の者は何時手に入れたか記憶に有りません。

高頭通と言えるものには、花押が加刀されている物がある。
通用母銭による製作が認められ、花押に加刀されたもの、されてないものどちらにも次鋳の物がある、ということでしょうか。
浩泉丸様の品や、私の次鋳品を見ると、初鋳の物に比較し覆輪により、サイズが大きくなっているようです。
サイズの比較は
左・長径48.14㎜、短径31.58㎜、銭文径40.9㎜、内径44.0㎜、量目19.61g。
右   48.34㎜、  31.95㎜、   40.3㎜、  43.1㎜、  20.00g。


関西のT 投稿日:2024年03月16日 13:51 No.1071
穴銭初心者様

自分の投稿にも関わらずお返事遅くなりすみませんでした。
実は粗造水戸写しであるこれらの品は最近見かける様になった不思議な品です。
真贋は私も判断しかねていますが、ご質問の炙りに関しては当時の南部銭座や他粗造銭座でも多々用いられていますので回答致します。

天保通宝の多くは密造品です。
密造すれば死罪もあり得た重罪ですので如何に誤魔化すかというのは密造者の死活問題でした。
さて、炙りもしくは実際に火に入るとどうなるかですが、
体積が僅かに大きくなり、写しによるサイズ縮小を誤魔化すことが可能になります。
過去に火中品の例を見た事がありますが、本座長郭(標準49.0mm前後)が52mm以上まで拡大した現物を見た事があります。まあ変形し過ぎて、過去に天保銭だったという事くらいしか分からない状態でしたが。
また火に入れて煤がつき、肌が爛れれば、正規品は黄褐色だが密造品は黒や赤という場合でも焼けれるからそのせいで色が変わっているだけかもと思わせる事が出来るわけです。
要するに発覚しない為ですね。

ただサイズは高くなっても質量が増えるわけではないので大きさの割に軽いとか、ある程度の判別は可能かと思います。

以上、参考になりましたら幸いです。


関西のT 投稿日:2024年03月16日 14:20 No.1072
とら様

お返事遅くなり申し訳御座いません。
やはり調子に乗って連投するべきではありませんでしたね。

ただ師というのはあり得ません。
私もとら様からかなりの事をおそわっておりますので...
なお画像の細郭手は兄弟銭ですね。
この品に限り何故か赤っぽいものが多く、深淵などの名称でも掲載されている可能性もあります。
他の親戚銭は大体黄色く製作も端正なのに不思議です。

そして、左の方は削花押の特徴を捉えていながら高頭通類の刻印と少し違う様に思います。
因みにこの画像を見て驚きました。
この削花押なら刻印は大きめで葉脈の太い一手のみと思っていたにも関わらず、東北系の張足寳や会津、秋田のような刻印の事例が出てきたからです。
今後果たして同族か?も含めて検証の余地があると思います。場合により東北地方鋳造説がより濃厚になるか?

なお高頭通類は確認しているだけでも、
①ただの本座鋳写し類
②削頭通をした鋳写し類
③②に覆輪や刔輪を加えた類
④覆輪刔輪削花押をした類
など色々。勿論④だけでも4枚以上の母銭を確認していますので以前全貌は分かりません。

もう一点の水戸写しですが、実は私も判断しかねています。
なんせここ1年で見かける様になり、大字写しは本品も含め2枚確認しました。まあまだ計3枚しか見ていませんので詳細は不明です。
が、余りにも出来が悪過ぎて売れないだろうから偽物3割、本物の粗造銭座7割というのか自分の中の本音です。
また、ものが移動する現在での出現地ですので、真の考察は最低10品以上確認してからですね。

※画像は過去にとら様が投稿した高頭通類の①に該当する品です。
まだ手元にございますか?
加えて③の覆輪高頭通、花押傷なし、削花押なしという品です。覆輪1回写しなので長径49.20mm、銭文径41.15mmあります。


とら 投稿日:2024年03月16日 17:48 No.1074
高頭通の覆輪銭、次鋳と異なり立派なのに驚きました。
注意し手に入れてみようと思っています。

過去に投稿した画像との事ですが、この銭は結構真鍮っぽい材質で、一目見た時新物かと思ったほどでした。
しかし、よく見ると制作に違和感が無く、少なくとも昭和の物では無さそうなのでゴミ箱行きにはなりませんでした。
所謂真鍮銭は評価が分かれる品ですが、英泉師は比較的高評価を与えていたようです。
2枚目もやや怪しそうな品ですが、製作に違和感がありません。
3枚目は、英泉師旧蔵でタグが6枚もついており、数々の泉譜を飾った上に、下値は10万などとかいてありましたが、そこまでの価値は無さそうです。
私には成分分析までは出来ませんので、大正以降、近代工業的に作られた亜鉛を用い製造された現代の真鍮製なのか調べられません。
状況によっては、明治に入ってから、廃仏毀釈の仏具でも溶かして、8厘と交換するため制作された物という可能性もあるかも知れません。
サイズは、中・長径48.54mm、短径31.67mm、銭文径41.0mm
     右・  48.39mm、  31.88mm、   41.0mm。  


とら 投稿日:2024年03月17日 17:12 No.1075
関西のT様

左右を取り違えトンチンカンな事を書いてしまいました。
極印から左の火中品みたい品ですね。
右のほうが、マが高く見えたので。

若いって良いですね。私には戻れぬ世界です。
もっと楽しいこと幾らでもあるので、仕事に遊びに頑張ってください。
仕事を一生懸命やれば古銭などいくらでも買えます。
古銭から離れて仕事に打ち込む事も大事な気がします。
弟子としては寂しい気がしますが。
30年以上前なら、飲む、打つ、買う忙し過ぎて古銭等考えられなかったです。




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