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コンクリート構造物の"部分補修"箇所周辺での再劣化!<マクロセル電流による鉄筋腐食速度は2倍> ( No.612 )
日時: 2019年03月24日 12:38
名前: 小心者 [ 返信 ]
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 コンクリート構造物は、100年以上前から現在に至るまで幅広い年代に建設されています。経年が100年程度でも、現在も健全に使用されているものもあれば、例えば高度経済成長期に施工され40年を経ずして、塩害や中性化、アルカリ骨材反応などと呼ばれる、様々な劣化が顕在化しているものもあります。このようなコンクリート構造物では、その状態を調査・診断し、必要に応じた補修・補強を施しています。

 コンクリート構造物の補修の一つとして、劣化した箇所を部分的に断面補修する方法があります。近年、この補修箇所の周辺で鉄筋腐食による劣化が認められる事例(図1)がありその対策が求められています。そこで、コンクリート構造物の現地調査と供試体試験から、部分断面補修箇所周辺の鉄筋腐食による再劣化のメカニズムを明らかにするとともに効率的な補修について考えてみました。



元記事:https://bunken.rtri.or.jp/PDF/cdroms1/0004/2012/0004005629.pdf
 
 
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Re: コンクリート構造物の"部分補修"箇所周辺での再劣化!<マクロセル電流による鉄筋腐食速度は2倍> ( No.614 )
日時: 2019年03月24日 12:40
名前: 小心者 [ 返信 ]
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●部分断面補修
 コンクリート構造物の「部分断面補修」とは、部分的な浮きなどの変状の対策として用いられるもので、変状箇所とその周辺のコンクリートをはつり取り、ポリマーセメントモルタルなどの断面修復材を用いて直す工法を指しています(図2)。 

●再劣化の状況調査
 再劣化の状況を調べるためにコンクリート構造物の現地調査をしました。
 調査では、外観・打音調査、鉄筋かぶり(コンクリート表面から鉄筋までの距離)調査と、採取したコンクリート試料を用いた塩化物イオン量の測定などを行いました。また、表層のコンクリートを除去して鉄筋を露出させ、その腐食状況も調べました。
 コンクリート構造物の再劣化は主に補修箇所の近傍で認められました(図3)。調査したコンクリートの塩化物イオンの量は1.5~2.3kg/m3と多く、これは海で採った砂から十分に塩分を除かないまま使ったことが原因と考えられます。
 はつりによる鉄筋腐食調査の結果、補修箇所と未補修箇所の施工境界近くで鉄筋腐食が認められました(図4)。鉄筋腐食の範囲は、補修箇所側に80mm程度、未補修側に160mm程度の範囲で鉄筋の一部が欠損している状態で、マクロセル腐食と呼ばれる現象が起きている可能性があります。なお、今回の調査では補修箇所の近くで劣化が認められた箇所の多くは、補修後10年程度を経過した箇所でした。

●マクロセル腐食
 マクロセル腐食とは、図5に示すように、自然電位の異なる箇所(自然電位が卑な部分をアノード部(陽極部)、貴な部分をカソード部(陰極部)と呼ぶ)が互いに離れた位置にあり、この間でマクロセル電流が流れ、アノード部で局部的に腐食する現象です。コンクリート構造物において、部分断面補修の施工によりマクロセル腐食が生じると、補修箇所に隣接する未補修箇所で腐食が促進されることが考えられます。

●劣化を模擬した供試体試験
 このような再劣化のメカニズムを探るために、現地調査結果を踏まえた供試体試験を行いました。現地調査から、コンクリート供試体は、塩化物イオンを含むものとしました。また、劣化位置が部分断面補修箇所と未補修箇所の境界付近で生じており、マクロセル腐食の可能性があることから、マクロセル腐食の有無を探るために、鉄筋を分割してリード線で接続し、それぞれの区間に流れる電流を測るようにしました(図6)。作製した供試体は、炭酸ガス濃度5%の促進中性化試験槽に入れて、経年による劣化を模擬しました。この時の鉄筋腐食状態は、例えば次頁図7のように、塩化物イオン量が多いほど腐食が進行する傾向と同じでした。そこで、コンクリート構造物の補修と同様に、供試体の一部をはつり、鉄筋を露出させた後、鉄筋をケレンして、実際に使用されている市販のポリマーセメントモルタルを使用して部分断面補修を模擬しました。

Re: コンクリート構造物の"部分補修"箇所周辺での再劣化!<マクロセル電流による鉄筋腐食速度は2倍> ( No.615 )
日時: 2019年03月24日 12:45
名前: 小心者 [ 返信 ]
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 前頁の図6で作製した供試体は、炭酸ガス濃度5%の促進中性化試験槽に入れて、経年による劣化を模擬しました。この時の鉄筋腐食状態は、例えば図7のように、塩化物イオン量が多いほど腐食が進行する傾向と同じでした。そこで、コンクリート構造物の補修と同様に、供試体の一部をはつり、鉄筋を露出させた後、鉄筋をケレンして、実際に使用されている市販のポリマーセメントモルタルを使用して部分断面補修を模擬しました。
 
●部分断面補修後の状態
 部分断面補修した後のマクロセル腐食の影響を調べるために、各供試体について分割した鉄筋間に流れる電流量を測定しました。図8に測定結果の一例を示します。この測定では、腐食電流量が大きいほど腐食が進行していることを示しています。また、腐食電流量が小さいと腐食は進行しませんが、周辺で腐食が進行している箇所に、腐食電流を送り込むため、周辺の腐食側(アノード側)ではマクロセル腐食が進行してさらに腐食量は大きくなります。また、いずれも補修境界から未補修側に80mm程度の範囲でアノード部になり、補修境界から補修側で若干カソード部(腐食電流量が小さい)になっている箇所も認められます。したがって、この箇所でマクロセル腐食を生じていることがわかります。このマクロセル腐食電流量は、塩化物イオン量が多いほど大きくなる傾向でした。
 また、マクロセル腐食が生じると、腐食速度が最大でその箇所の全面腐食の2倍程度になることがわかりました。

Re: コンクリート構造物の"部分補修"箇所周辺での再劣化!<マクロセル電流による鉄筋腐食速度は2倍> ( No.616 )
日時: 2019年03月24日 12:48
名前: 小心者 [ 返信 ]
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●再劣化のメカニズム
 供試体の試験結果から、再劣化のメカニズムは図9のように考えられます。
 ①コンクリートの中性化の進行および塩化物イオンにより鉄筋が腐食する、腐食により生成した鉄筋の錆は、体積膨張するので、経年により錆が累積するとコンクリートのはく離・はく落がおこる。
 ②コンクリートのはく離・はく落箇所を部分断面補修すると、この箇所がカソード部となり、補修境界周辺の未補修箇所がアノード部になって、マクロセル腐食が生じる。この箇所では鉄筋の腐食速度が全面腐食(ミクロセル腐食)の最大2倍程度まで腐食が促進する。
 ③補修境界周辺の未補修箇所で全面腐食とマクロセル腐食による錆が経年により累積してはく離・はく落などの再劣化を生じる。

●効率的な部分断面補修
 部分断面補修を実施すると、特にコンクリート中の塩化物イオン量が多い時にその周囲の未補修箇所側にマクロセル腐食が生じます。
 そこで、部分断面補修後に再劣化を生じるまでの期間を試算してみました。
 コンクリートの補修条件は図10の3ケースで、鉄筋が面錆状態の部分のみを補修した場合、点錆が認められる部分まで補修した場合、腐食していない部分まで補修した場合のそれぞれについて検討しました。劣化予測の算出条件は図10に示す値を用いました。
 算出した部分断面補修後の補修箇所周辺の供用年数と鉄筋の腐食減量の関係は、図10に示すとおりです。部分断面補修箇所周辺がケース1(面錆状態)のときは、補修後に鉄筋腐食が進行して、短い時間でコンクリートのはく離が生じると推測されますが、ケース2(点錆状態)、ケース3(腐食なし)になるにつれてはく離に達する時期が長くなることが推測されます。
 したがって、部分断面補修後に、補修部周辺の再劣化を抑制するためには、補修箇所と未補修箇所の境界部を点錆以下にする必要があると考えています。

●施工の留意点
 部分断面補修の施工にあたり、補修部周辺に生じるマクロセル腐食以外にも、補修境界に欠陥部があると、未補修箇所の状態が点錆以下であっても、鉄筋に水分や酸素が供給され、腐食が著しく速くなることが考えられます。特に、コンクリート中の塩化物イオン量が多い箇所についてはこの影響が大きくなるため、留意する必要があります。


5月から始まる「施工不良箇所の部分断面補修」工事・・・、(A組)大丈夫でしょうか!?



元記事:https://bunken.rtri.or.jp/PDF/cdroms1/0004/2012/0004005629.pdf

Re: コンクリート構造物の"部分補修"箇所周辺での再劣化!<マクロセル電流による鉄筋腐食速度は2倍> ( No.617 )
日時: 2019年03月24日 12:51
名前: 小心者 [ 返信 ]
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【参考工法】
・大規模修繕工事 コンクリート改修・長寿命化ガイド:https://www.inoueshoji.jp/inoueshoji-pics/10001382.pdf
 
Re: コンクリート構造物の ( No.620 )
日時: 2019年03月25日 11:17
名前: 小心者 [ 返信 ]
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【記事】鉄筋のかぶり厚さ不足 <RC造柱の帯筋が露出!>:https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page255

鉄筋かぶり厚さが元々5mm以下の施工不良(違法工事)箇所に対する躯体補修方法の詳細は未だに明示が無い。(基準値:最小かぶり厚さ30mm以上~70mm以上[図参照])


鉄筋コンクリート構造物の寿命は、鉄筋のかぶり厚さで決まる
 鉄筋コンクリートを構造として強くするための、
かぶりコンクリートの主な役割は下記の通り。

①鉄筋の発錆(腐食)防止・・・鉄筋を中性化(発錆・腐食)から守る。鉄筋の腐食進行⇒耐力激減。
 かぶりコンクリートの中性化速度式 T = 7.2x² (T:時間[年],x:かぶりコンクリートの厚さ[cm])

②鉄筋の耐火性の確保・・・強度の低下を防ぐ(鉄筋強度は600℃で常温の約1/3になる)

③鉄筋の座屈の防止・・・かぶりコンクリートは圧縮時の鉄筋の座屈を抑えるとともに、引張時の付着割裂破壊(※1)を抑える。

 (※1)付着割裂破壊とは、異形鉄筋のフシが周辺のコンクリートを押し広げることによって部材表面に生じるコンクリートの破壊で、付着割裂破壊が生じると柱の耐力は急激に落ちてしまう



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 かぶり不足は、法違反!。かぶり厚さは絶対に守らなければならない。

 この建物を見る限り、A組に、まともな解決能力があるとは到底思えない!


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