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ゴム動力機のデータ
滝 敏美 投稿日:2023年03月09日 11:03 No.231
ゴム動力機のデータを整理しましたので紹介します.
スレッドNo.208の増補版です.

(1)一覧表
データの出典も示しました.備考(Notes)で「Mike's」とあるのは,Mike's Flying Scale Model Pagesから得たデータ(機体重量とゴムの情報)を使っていることを示しています.
仮定が多いのですが,傾向はつかめると思います.
ゴムはFAI TAN Super Sportとしました.


(2)図:水平飛行に必要なトルクと搭載しているゴムの平均トルク
平均トルクの定義はスレッドNO.208に示しました.
基本的には全機揚力係数 0.8,全機揚抗比は6,プロペラピッチ比は1.2と仮定しています.(一部の機体で異なる値を使っているものがあります.)
ゴムの重量の推定では,フック間距離の1.2倍を仮定しています.

(3)図:機体全備重量と搭載しているゴムの平均トルク

(4)図:機体全備重量と搭載しているゴムの断面積

(5)図:主翼幅とプロペラ直径

(6)図:主翼面積とゴム無し機体重量(おもりを含む)

(7)図:主翼面積と機体全備重量


(2)(3)の図と比べて(1)の図のほうがデータ点がよくまとまっているので,ゴムを選ぶ指標としてはトルクを使うのがよいと言えます.プロペラの大きさ,性能も考慮されているので当然と言えるでしょう.
しかし,いちいちトルクを計算するのは面倒ですので,(3)の図を設計に使えばよいと思います.

P30について:わたしはP30の機体が飛んでいるところを見たことがありませんが,これらのデータから見るかぎり急上昇ではないように思われます.本当にそうでしょうか?プロペラ直径が9.5インチに抑えられているためにこうなっていると思いますが.


ダウンロードゴム動力機データ ( .pdf / 440.7KB )
滝 敏美 投稿日:2023年03月09日 11:04 No.232
図のつづきです.

滝 敏美 投稿日:2023年03月09日 11:04 No.233
最後の図です.

松本@GPF 投稿日:2023年03月10日 00:02 No.234 【Home】
滝さん 大量のデータの収集分析ありがとうございます。

ミニクープとP-30の規格について。
ミニクープは石井英夫さんの発案です。名前の由来はF1G クープディヴェール(冬のカップ➡︎YSF主催の過去の寒中杯)の機体重量70g以上、ゴム10g未満を半減したミニクープでは機体重量35g以上、ゴム5g未満。それ以外の規定は一切ありません。武蔵野中央公園で最初の競技を開始し1990年代には隔月で20回以上の記録会を開催しました。
P-30は南カリフォルニアのOldenkamp氏の発案によるものhttps://freeflight.org/community/memorials/john-oldenkamp-1931-2014/。1980年代初めには全米に普及しています。規格は機体サイズは縦横ともに30インチ未満、機体重量40g以上、ゴム10g未満、23〜25cmの市販プロペラを無改造で使用です(詳細添付)。

P-30の緩上昇は事実です。YouTube ”P-30 model”で検索すれば実例があります。例えば: https://youtu.be/FS9_Dt-Dudo 上記の規格による制約から滑空時間への期待は小でモーターランを長くする必要性が大きくなっているのでしょう。


松本@GPF 投稿日:2023年03月14日 20:55 No.236 【Home】
No. 231ではプロペラピッチ比は1.2と仮定してありますが実態から相当外れていると思われます。

石井さんのミニクープでは滝さんの参照文献の図面に310x400と表記してありますがこれはプロペラ直径=300mm プロペラピッチ=410mmの意味で、ピッチ直径比を計算すると400/310=1.29になります。

直径24cm, 23cm, 8cm, 15cmのプラスチックプロペラのピッチも実測しました。

数値は全て半径の75%位置のもの。
最初の写真のP30に使用する24cmはチェコ製で残りは日本製、3個全てピッチ角19度、ピッチ直径比 (P/D) 0.81
です。同じく23cmは日本製でピッチ角18度、P/D 0.79です。
次の写真は18cmと15センチで黄色のチェコ製以外は全て日本製で下記の1枚以外は全てピッチ角20〜23度、P/D 0.86〜1.00です。例外は緑色のツバメ18cmでピッチ角27度、P/D 1.20です。
緑色のツバメの15cm、18cmは手でひねるだけでピッチが変更できる利点もあります。入手方法はオモチャ屋でツバメのキットを買うか https://backyard.jpn.com/ec/html/products/list?category_id=15 から入手です。

最後の写真はピッチ測定の様子です。


滝 敏美 投稿日:2023年03月15日 10:08 No.237
松本様

コメントをありがとうございます.
市販のプラスチックプロペラのピッチ比はずいぶん小さいのですね.
わたしの自作プロペラは,ピッチ比1.2を基本としています.

ピッチ比の影響を調べるために,2つの機体について,ピッチ比と水平飛行に必要なトルクの関係を計算してみました.


①ライトプレーンの代表
機体名         翼幅  翼面積 プロペラ直径  全備重量
            (mm)  (mm^2) (mm)      (g)
竹ひごライトプレーン  420   30000 180       23.0

CL   CL/CD  P/D  必要トルク
            (N-m)
0.8   6   1.0   0.00156
0.8   6   1.2   0.00166
0.8   6   1.4   0.00178


② ミニクープ
機体名         翼幅  翼面積 プロペラ直径  全備重量
            (mm)  (mm^2)  (mm)     (g)
石井英夫氏ミニクープ  670   53600  310      42.3

CL   CL/CD  P/D  必要トルク
            (N-m)
0.8   8    1.0   0.00488
0.8   8    1.2   0.00494
0.8   8    1.4   0.00515

ミニクープのほうが抵抗が小さいとして,揚抗比 CL/CD を8と仮定しています.

このように,ピッチ比 P/Dの影響はあまり大きくありません.計算してみると,プロペラ直径の影響のほうが大きいことがわかりました.




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