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V字尾翼の有効翼面積とピタゴラスの定理
松本@GPF 投稿日:2022年12月29日 16:56 No.160 【Home】
マッコム氏の貢献3 V尾翼の効率 http://www.ll.em-net.ne.jp/~m-m/linksToBBS.htm#マッコム貢献3
でも紹介しましたがV字尾翼の有効翼面積は尾翼展開面積をS、上反角をθとすれば
  有効水平尾翼面積=S*cosθ*cosθ
  有効垂直尾翼面積=S*sinθ*sinθ
です。常識的に考えていた投影面積(垂直尾翼ならS*sinθ)ではありません。
例えばS=10dm^2, θ=30°の場合 投影面積は10*sin30°=10*0.5=5dm^2
ですが実際の有効垂直尾翼面積=S*sin 30°*sin 30°=10*0.5*0.5=2.5dm^2
になります。

この情報はMaking Scale Model Airplane Fly, by W. F. McCombsのAppendix Bとその勝山訳: 「こうすれば飛ぶ模型飛行機」の付録に出ています。
その付録の関連情報を抜粋添付しました。

興味深いのはその中の実データです。
例11では尾翼展開面積S193.6cm^2=有効垂直尾翼面積80.0cm^2+有効水平尾翼面積113.5cm^2
で展開面積と有効面積の合計が一致しています。
その次の29.5°の例でも193.6=51.6+161.3で完全に一致しています。

この2例の完全一致は偶然ではありません。
直角3角形の斜辺の長さを1とするとたの辺の長さはsinθとcosθでピタゴラスの定理により
   1*1=sinθ*sinθ+cosθ*cosθ
なので
V字尾翼では上反角の角度に関わらず、
   尾翼展開面積=有効水平尾翼面積+有効垂直尾翼面積
の関係が維持されましす。


松本@GPF 投稿日:2022年12月29日 22:36 No.162 【Home】
上記の本にはV字尾翼の評価も出ています:
「V尾翼はFF耐空機にはよく働き、むしろベストとも考えられる。FF耐空機には下反角がベストになるーこれが実際には機体がスパイラルに入っていく時に正の上反角効率をもたらすためです。」
FF耐空機に有利な理由は尾翼のアスペクト比が大きくなり、それが誘導抵抗の低減をもたらすためです。
https://rara.jp/rubbermodel/page151 で紹介した円弧翼ライトプレーンが図らずもV尾翼と同じ誘導抵抗の低減をもたらすのは我が意を得たりです。
なお引用文の最後の部分には同意出来ません。下反角は下向きのウイングレットになり常時下反角効果を発生するからです。

引用を続けると
「滑空旋回のためには、FF耐空機の場合はV尾翼を傾けてセットする(普通の尾翼でもそうする様に)。」
スタブチルトが使えると言うことです。




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