投稿者:松本@GPF
マッコム氏の貢献3 V尾翼の効率 http://www.ll.em-net.ne.jp/~m-m/linksToBBS.htm#マッコム貢献3
でも紹介しましたがV字尾翼の有効翼面積は尾翼展開面積をS、上反角をθとすれば
有効水平尾翼面積=S*cosθ*cosθ
有効垂直尾翼面積=S*sinθ*sinθ
です。常識的に考えていた投影面積(垂直尾翼ならS*sinθ)ではありません。
例えばS=10dm^2, θ=30°の場合 投影面積は10*sin30°=10*0.5=5dm^2
ですが実際の有効垂直尾翼面積=S*sin 30°*sin 30°=10*0.5*0.5=2.5dm^2
になります。
この情報はMaking Scale Model Airplane Fly, by W. F. McCombsのAppendix Bとその勝山訳: 「こうすれば飛ぶ模型飛行機」の付録に出ています。
その付録の関連情報を抜粋添付しました。
興味深いのはその中の実データです。
例11では尾翼展開面積S193.6cm^2=有効垂直尾翼面積80.0cm^2+有効水平尾翼面積113.5cm^2
で展開面積と有効面積の合計が一致しています。
その次の29.5°の例でも193.6=51.6+161.3で完全に一致しています。
この2例の完全一致は偶然ではありません。
直角3角形の斜辺の長さを1とするとたの辺の長さはsinθとcosθでピタゴラスの定理により
1*1=sinθ*sinθ+cosθ*cosθ
なので
V字尾翼では上反角の角度に関わらず、
尾翼展開面積=有効水平尾翼面積+有効垂直尾翼面積
の関係が維持されましす。