雑銭掲示板Ⅱ


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鮫肌の天保銭
とら 投稿日:2023年12月28日 14:27 No.978
本年も残すところ僅かとなりました。
天保仙人様をはじめ諸先輩、諸先達から様々な教えを授かり、またご紹介などにより、本年は結構珍品を手に入れることが出来ました。

しかし、不知銭の一方の醍醐味はB級の雑多な物にもあります。
画像中央の細郭手ですが、先日、ヤフオクに出品されていたものです。このサイト常連の方も入札されていたようです。
私の節穴のような目では、不鮮明な画像から珍品を拾うことなど不可能なのですが、贋物と疑うほどのザラザラ、とにかく怖いもの見たさで頑張り手に入れました。
B級天保であることは変わりませんが、物は確かで気に入りました。
サイズは、長径48.04mm、短径31.74mm、銭文径40.2mm、輪の内径43.7mm、量目19.25mm。

比較の画像は、左、仙台長足宝小様・天保銭図譜現品。比較すると仙台銭がつるつるに見えます。
右は、長郭手の覆輪銭、結構ザラザラですが、勝負になりません。
本品は一見、単なる2度写しの小さいものに見えますが、輪の内径が大きく、刔輪されていることは確かで、もしかすると覆輪もされている可能性もあります。
評価は大したことが無いでしょうが、私にとっては、心の踊る一品でした。
出品者の居住地はあまり参考にしていないのですが岩手県で、その辺りで作られた物かもしれません。


七時雨山 投稿日:2023年12月28日 16:16 No.979
とら 様
2020.9.27くりさんが従前の雑銭掲示板に不知細郭手を投稿しています。岩手のリサイクルショップで入手したようです。
幕末に秋田仙北郡の者が盛岡藩と仙台藩の境の千貫石あたりで天保銭を密鋳したという記録が残っているようですが、詳細は不明です。
もしかしたらその時のものかもしれませんね。


とら 投稿日:2023年12月28日 17:16 No.980
七時雨山様

貴重な情報有難う御座います。早速見てみました。
2枚は間違いなく別物で、兄弟でも無さそうですが、砂目はほとんど同じで、使用している鋳砂が同じだとすると鋳造した場所も同じ気がします。
浩泉丸様の地元、内房の砂が最高とすると、この砂は最低ということになるのでしょうか。
岩手の銭は面白いものが多く最高ですね。


とら 投稿日:2023年12月30日 13:06 No.981
七時雨山様のご教示に、「千貫石」と言う地名が出てきたけど知らなかったので、ネットで調べてみました。
その中で、人柱の娘「お石」を千貫文で買ってきたとあるが、元禄小判が出る前、銭相場が安く、1両5000文くらいの時代なので、あまり器量の良くない娘200両は高すぎじゃないかなどと、真っ先に金のことを考える自分が情けなくなります。
このような大きなため池を作り、その東側に広大な水田が広がり、仙台領はコメの収穫が多かったのでしょう。
岩手県は、盛岡領と、取り上げられた仙台領が混在し、政治的空白などもあり贋金が横行する下地があったのでしょうか。
上方からの占領軍も政治的には正しかったとは言い切れず、レジスタンス的な意味合いもあったかも知れません。
また、失業した石ノ巻銭の職人などもいたことでしょう。

件の細郭手ですが、天保銭の小部屋にも類似品が掲載されており、結構の規模の銭座であったかもしれません。
左右の物は兄弟銭などでなく全く別のものです。
特に左は手触りは似ていても、かなり遠いもののようです。
右も濶縁で極印なども異なり、別座でしょうが、不知の母銭はすり減っても何度も使うので、凹凸が無くなり、面が右のようになることも考えられます。
そのため、実際は同座で、見た目は全く違うというものが存在することも否定できません。

不知銭は色々想像を働かすことが可能で、面白い遊びです。




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