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プッシャー機の3次元解析の試行
滝 敏美 投稿日:2023年11月17日 07:51 No.346 【Home】
プッシャー形態の機体の3次元運動解析を試行しました.
興味深い結果が得られたので報告します.

まず,Zaic年鑑 1964-65年,p.195に載っているカナード形態のプッシャー機の図面を示します.
カナードも主翼も左翼のほうが長いことに注目してください.
このため,最初から右旋回するようになっています.右ロールするようにエルロンを操舵していることと同じになります.
プロペラは市販プロペラを逆にして使っています.したがって後ろから見て時計回りに回転します.ゴムのトルクは機体を左にロールさせる効果があります.
図の左下の注記と左端の図を見てください.真上に向けて発進すると,らせん状に上昇すると書いてあります.

運動解析は次のように行いました.
機体の空力微係数と慣性データは翼幅328mm,ゴムを含む重量15gの通常形態の機体のデータをそのまま使い,プロペラだけをプッシャータイプに変更しました.ゴムはFAI TAN Super Sport 3.2mm幅,2条で,740回巻きです.
この条件で解析すると,どうしても機体が上昇しないことがわかりました.そこで,カナード図面を参考にして,上反角効果を50%増,方向安定を40%減にし,エルロンを右ロールにとりました.スラスト角はダウンスラストをゼロ度(機体重心とプロペラ中心を結ぶ線を基準),サイドスラスト右1度にしました.発進角度は80度とほぼ真上に向けました.

この条件で解析した結果を図に示しました.
この図からわかるように,図面に書いてあるとおり,らせん上昇していることがわかります.獲得高度はトラクタータイプと同等です.
なお,エルロン舵角をとる代わりに,ラダー舵角で代用しても同じような結果になります.

以上,プッシャータイプにすると,上反角を増し,垂直尾翼を縮小する必要があることがわかりました.また,発進角度はトラクタータイプに比べて上に向ける必要があります.
Zaic年鑑に書いてあることと解析が合っていることがわかりました.




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