ゴム動力模型飛行機掲示板


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輪ゴムのトルクデータ
滝 敏美 投稿日:2023年01月18日 11:03 No.169
翼幅400mmの小型ゴム動力飛行機の動力ゴムとして,輪ゴムを使えないかを検討するため,輪ゴムの破断巻き数とトルク曲線を計測してみました.TAN Super Sportの3.2mm幅のデータも計測し,比較しました.

(1)試験条件
使用した輪ゴムは,オカモト(株)の「スリーBAND」#18 です.1箱100g入りで約100円です.
フック間距離200mmの機体用として,輪ゴム4本をつないで約270mmとなります.4本(1条),8本(2条),12本(3条),16本(4条)の場合を計測しました.潤滑無しとしました.

TAN Super Sport 3.2mm幅は,270mmの1ループ(2条)としました.こちらは潤滑あり(アーマーオールオリジナル)です.重量で換算すると,輪ゴム10.4本に相当します.

どちらも釣り竿用リールを改造したワインダーを使って巻いています.

トルクデータは各1体のゴムループを使って3回ずつデータをとりました.使用最大巻き数は破断巻き数の80%としました.

(2)試験結果
巻き数:当然のことながら,TAN Super Sportは圧倒的に高性能です.
トルクカーブ:巻き数400回までは輪ゴム12本(3条)とTAN Super Sportはほぼ同じカーブですが,Super Sportはそこから50%増しの巻き数まで使え,最大トルクはほぼ同じです.
輪ゴムも思ったより良い性能でした.3回目の巻きもトルクは変わらず,4回目に破断まで巻きましたが破断トルクも下がりませんでした.

(3)考察
TAN Super Sportの性能のよさは明らかですが,輪ゴムも価格と入手性を考えると場合によっては使えるのではないでしょうか?
1gが1円ですので,コストは圧倒的に勝っています.
1日で使い捨てと考えれば,潤滑をしなくてもよいと思います.

ライトプレーン競技で飛びすぎて機体の条件を厳しくしなければならないという話を聞きますので,わざわざ高価なゴムを使う必要はないような気もします.(F1Bへのステップアップを考える場合にはこうはいかないとは思いますが.)娯楽としてゴム動力機を飛ばしたり,子供がやる場合には輪ゴムを使用することもありではないでしょうか.

動力に輪ゴムを使用されておられる方があれば使い方の注意等をお教えください.


松本@GPF 投稿日:2023年01月19日 21:21 No.170 【Home】
武蔵野中央公園公園の状況ですがカタパルトグライダーでは30年前から#16の輪ゴム1本を動力にする競技会が年数回続いています。参加機のほとんどは小型の紙飛行機です。昨年の最後の回の結果は: http://club-harappa.tokyo/link030.html

ゴム動力でも同じく#16輪ゴム1本を動力にする競技会が10数年前に数回開催れましたが、参加者が伸びずに立ち消えになりました。旧ゴム動力模型飛行機掲示板の関連投稿2編を添付します。

輪ゴムは確かに入手が容易で国産の模型飛行機キットなどに入っている黒いゴムの代替(またはベター)になりそうです。
「輪ゴムでもちゃんと飛ぶよ」のメッセージは一定の価値があると思います。

一方模型飛行機は高性能も魅力の一つ。その点ではTanSSと輪ゴムでは差が大きすぎかも。
TanSSも1ポンド箱で入手すれば1グラム10円前後ですから経済的負担はわずかです。


檀上 投稿日:2023年01月21日 00:11 No.172
このテストは巻き側でのテストですよね。
ゴムのテストは戻し側が重要です。実際に使うのはこっちですから。
輪ゴムを潤滑剤無しで使うとヒステリシスロスが非常に大きくなります。巻きと戻しの違いの大きさに驚くでしょう。
このロスは潤滑の有無だけではなく、ゴムの種類にもよるようで、輪ゴムの場合は非常に大きく感じます。
また、輪ゴムの場合、使い方として難しいのはその巻き方です。
伸ばして巻き込むと確かに巻き数は増えるのですが、トルクがすっからかんになります。実際に飛ばしてみると、ワインダーでしっかり巻くと高度が取れず、タイムが下がってしまうこともあります。
以上、かつて某放送局の某番組向けに少し輪ゴムを使ってみた時の経験です。
そう、初級模型飛行機は出来たら輪ゴムで飛ばしたいのです。


滝 敏美 投稿日:2023年01月21日 10:13 No.173
コメントをありがとうございます.

(1)巻き数とトルクのデータは戻し側でとっています.2~3倍伸ばして巻いています.

(2)この巻き数ートルク曲線を使ってゴム動力機の3次元飛行解析を試行しています.
発進直後の高トルクと途中のトルクの差が大きいので飛行調整が難しいという結果になりました.
一度巻いて,発進前に数十回巻き戻し,初期のトルクを下げることによって飛行調整がやりやすくなるようです.

(3)今度は潤滑ありで計測して差を見てみます.


(4)翼幅400mm程度の小型機ではゴムの重量が小さいので,輪ゴムにしてもそれほどデメリットがないのではないかと期待しています.


松本@GPF 投稿日:2023年01月21日 13:53 No.174 【Home】
巻き戻しで過大トルクを避けるのは室内機で昔からやっている対策です。
屋外機ではVIS (variable incidence stabilizer)なども使われていますが、
滝さんの解析ではダウンスラスト増でどこまでトルクバーストに対処できるか、さらにその時の獲得高度の損得(巻き戻しと比べて)も解明して頂ければありがたいです。
小池先生のフリーフライトF1Bにはダウンスラストを増やすと機首を上向けると言う不思議な現象も紹介されていてダウンスラストの働きには大変興味があります。

小池先生の本は岡本正人先生の風洞実験の本と一緒に紹介を予定していましたがこのスレッドが落ち着くまで待ちます。


滝 敏美 投稿日:2023年01月21日 15:00 No.175
室内機で巻き戻しを適用しているとは知りませんでした.
ゴム動力機初心者ですので,こういう情報をいただけるとうれしいです.
解析結果については,でき次第お知らせします.
ただし,わたしの解析が本当に正しいかどうかはまだ検証ができていません.
解析結果をみなさんにお見せして,実際と違わないかどうか確認してもらいたいと思っています.
プロペラのパワー効果は入れていますが,のジャイロ効果はいれていません.どの程度影響があるか不明です.




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