投稿者:滝 敏美
翼幅400mmの小型ゴム動力飛行機の動力ゴムとして,輪ゴムを使えないかを検討するため,輪ゴムの破断巻き数とトルク曲線を計測してみました.TAN Super Sportの3.2mm幅のデータも計測し,比較しました.
(1)試験条件
使用した輪ゴムは,オカモト(株)の「スリーBAND」#18 です.1箱100g入りで約100円です.
フック間距離200mmの機体用として,輪ゴム4本をつないで約270mmとなります.4本(1条),8本(2条),12本(3条),16本(4条)の場合を計測しました.潤滑無しとしました.
TAN Super Sport 3.2mm幅は,270mmの1ループ(2条)としました.こちらは潤滑あり(アーマーオールオリジナル)です.重量で換算すると,輪ゴム10.4本に相当します.
どちらも釣り竿用リールを改造したワインダーを使って巻いています.
トルクデータは各1体のゴムループを使って3回ずつデータをとりました.使用最大巻き数は破断巻き数の80%としました.
(2)試験結果
巻き数:当然のことながら,TAN Super Sportは圧倒的に高性能です.
トルクカーブ:巻き数400回までは輪ゴム12本(3条)とTAN Super Sportはほぼ同じカーブですが,Super Sportはそこから50%増しの巻き数まで使え,最大トルクはほぼ同じです.
輪ゴムも思ったより良い性能でした.3回目の巻きもトルクは変わらず,4回目に破断まで巻きましたが破断トルクも下がりませんでした.
(3)考察
TAN Super Sportの性能のよさは明らかですが,輪ゴムも価格と入手性を考えると場合によっては使えるのではないでしょうか?
1gが1円ですので,コストは圧倒的に勝っています.
1日で使い捨てと考えれば,潤滑をしなくてもよいと思います.
ライトプレーン競技で飛びすぎて機体の条件を厳しくしなければならないという話を聞きますので,わざわざ高価なゴムを使う必要はないような気もします.(F1Bへのステップアップを考える場合にはこうはいかないとは思いますが.)娯楽としてゴム動力機を飛ばしたり,子供がやる場合には輪ゴムを使用することもありではないでしょうか.
動力に輪ゴムを使用されておられる方があれば使い方の注意等をお教えください.