ゴム動力模型飛行機掲示板


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滝機と優秀F1Bの上昇性能比較
松本@GPF 投稿日:2022年10月17日 17:37 No.108 【Home】
ゴム動力機の3次元運動解析は長くなったので新規スレッドにします。

滝機の基礎データは
機体質量22gゴム3g
獲得高度35m ゴムエネルギーの位置エネルギー(高度)への変換効率47%

国際級ゴム動力機F1Bの規格は
http://www.jmaf.jp/ff/manyfiles/f1abc_2022.pdfの3.2.2 伸縮性モーター付き模型飛行機 F1B の規格によれば
翼面積 (St) 17-19 dm²
モーターを含まない模型の最小重量 200grams
潤滑油つきのモーターの最大重 30gram

優秀F1Bの性能については旧CFFC画像掲示板への小池先生の投稿(下記引用)があります。
ゴムの性能については添付図、これは旧ゴム動力模型飛行機掲示板の
FFQのゴムエネルギー測定記事 1 投稿者:松本@GPFメール 投稿日 : 2011年 4月26日
オ ーストラリアで発行されているFree Flight Quarterly (FFQ) の38号に出ているRubber Testing part 1, by Paul Rossitter
10グラムのゴムを実際に巻いて(引き伸ばしではなく)、その戻りのトルクを測定して計算したエネ ルギーです。

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いつも強い人はなぜ強いのか 投稿者: 小池勝 投稿日: 2022年 2月23日 (水) 13時13分44秒
檀上さんのご質問に私見を。 私はF1Bを少しかじっていますが、 AndriukovとKulakovskyは (最近話題の) ウクラ イナの人、 ただしAさんは2000年頃からアメリカに移住しています。 世界選手権で何回も優勝しています。 このお二方はF1Bの完 成機や可変ピッチプロペラの開発、製造元で有名、 たぶん世界中でトップシェアで、 彼らと同じ機体は世界中の人が持っていま す。 ホームページから簡単に購入できます。 したがって彼らが競技会で強い要因は ①良い機体を選ぶ、 ②調整、 ③ ゴムの巻き方、 ④気流の読みに分類できます。 負けることもあるので④は無いだろう。
獲得高度が抜群 (静気流で120~130m) で、 私は追いつ けません。要因は ①~③と思います。 本人は細かいことの積み上げ、と言ってますが、 具体的には謎です。 少しのヒントでも知りたい ところです。


滝 敏美 投稿日:2022年10月19日 08:03 No.109
松本様

データを示してくださり,ありがとうございます.こういう具体的なデータに興味があります.自分のデータや計算が果たして正しいのかどうか検証するのに役立ちます.

ゴムのエネルギーデータの単位がFt-lb/lbとなっていますが,この単位は1ポンドの重量のゴムが蓄えるエネルギーが1フィート-ポンドということを表しているということでしょうか?もしそうでしたら,F1Bのエネルギー効率を計算すると以下のようになります.

この単位をSI単位系に変換すると,
1 ft = 0.0254m/inch×12inch
1 lb = 0.4536 kg(質量)
1 lbf = 0.4536 kgf = 0.4536kg×9.80665m/s^2 = 0.4536×9.80665 N(重量,または力))
したがって,
1 ft-lbf/lb = 0.0254×12×0.4536×9.80665/0.4536 N-m/kg = 2.989 N-m/kg

ゴムが蓄えるエネルギーの平均を4000 ft-lbf/lb とすると,12,000 N-m/kg となります.
ゴムの質量を30gとすると,蓄えるエネルギーは,12,000×30/1000 = 360 N-m です.
質量 230g(機体のみ200g + ゴム30g)の機体を120mの高さまで上げるために必要なエネルギーは,
0.230kg×9.80665m/s^2×120m = 271 N-m
271÷360 = 0.75 となり
F1Bを120mの高度まで上げるには,ゴムのエネルギーの75%を使っていることになります.この値は妥当でしょうか?
F1Bのプロペラの効率はどの程度でしょうか.
わたしの計算で使っているプロペラの効率は最大約70%で,動力飛行時はだいたい60%程度です.


松本@GPF 投稿日:2022年10月20日 15:55 No.110 【Home】
滝さん
早速性能計算して頂きありがとうございます。
Ft-lb/lbは滝さんの解釈の通りです。

ここで滝さんの計算の繰り返しになりますが、ゴムと機体の質量が関係しているので直感的な重力単位系(gf=g重使用)で計算してみます。
ゴムの1g当たりの蓄積・放出エネルギーについては
4000Ft-lb/lb=4000Ft-gf/g=4000*0.3048m-gf/g=1219m-gf/g
これからゴム30gの放出エネルギーは1219m-gf/g*30g=36570m-gf

120m上昇した230gのf1bの位置のエネルギーは
120m*230gf=27600m-gf

従って上昇に関するエネルギー効率は
1219*30/(120*230)=27,600 ÷ 36,570 = 0.754
つまり75%で滝さんの計算と一致します。

ただ滝さんの計算の前提データについては2、3コメントがあります。
まずF1Bのトップフライヤーは最高のゴムを使っているはずです。従ってゴムのエネルギー値は4000ftよりも4500か4600Ftが妥当でしょう。
もう1点は120メートルの解釈です。滝さんのシミュレーションの結果図にも反映されている実際の機体の発進高度約2メートルに加えて最先端のF1Bではプロペラのdelayed startが採用されていて、プロペラをフェザリング状態にして発進した機体は約1秒後?に回転を始めますです(https://youtu.be/mDNK-F9lsMs)。この間の獲得高度が4メートル?とすれば120m-6mがゴムが寄与した獲得高度になります。
この2点を織り込んで効率を再計算すると
(120-6)m*230gf/(4500*0.3048m-gf/g*30g)=0.643
つまり64%になりまず。

F1Bのプロペラの効率の数値は知りませんが、滝さんのプロペラと比べるとレイノルズ数大、アスペクト比大による性能向上と可変ピッチによるゴムトルクの有効活用によりプロペラ効率は向上しているはずです。
機体についても主翼のレイノルズ数、アスペクト比大による性能向上と機体の洗練があります。
これがF1Bの64%と滝機の47%の原因でしょうか。

もう一点、滝機のゴム効率47%から使用ゴムのエネルギー密度を求めてみます。
該当ゴムのエネルギー密度をxm-gf/gとすると
(35-2)m*25gf/(x*3g)=0.47 から
x=(33*25)/(3*0.47)=585.1m-gf/g
Feetに換算すると585.1/0.3048=1919Ft-lbs/lb
になります。
私の計算ミスがまければNo.108のゴムの表の実質最低値4000Ft(注)の半分以下。ゴムの巻き込みが大幅に不足している様です。
ただしゴムを巻き込んでもゴム効率47%が大幅改善する訳ではありませんーー効率の式の分母:ゴム性能が向上すると分子の獲得高度も向上するので。

(注)旧掲示板の本文を読めばわかりますがJan 09(box2)からTan SSの性能は向上安定して現在に至っているので4000FtはTan SSの性能下限と考えて良い訳です。


滝 敏美 投稿日:2022年10月21日 14:19 No.113
松本様

わたしの機体質量22.0gはゴムの質量を含めたものです.(正確に書かずに申し訳ありませんでした)
また,ゴムの仕様は,
FAI TAN Super Sport 2.4mm幅,重量3.0gf,2ループ,ループ長320mm,巻き数700回(係数 K = 7.0)
です.
わたしのゴムの計測結果では,この巻き数のエネルギは 15.8 N-m で,ポンド,インチに換算すると,
15.8 N-m/0.003kg = 15.8/0.003/2.989 ft-lbf/lb = 1760 ft-lbf/lb
となり,4000 ft-lbf/lfの半分以下で,ご指摘のとおり,巻き込みが大きく不足しています.
ゴムが切れるまでのデータをとっていないので,少ない巻き数で飛ばしていたようです.
上の仕様でどのくらい巻くのが普通なのでしょうか?

こういうデータを見ると国際級の競争の厳しさがよくわかります.
空力抵抗,プロペラ効率等のそれぞれ1%,2%の差が勝負を決めるようですね.

わたしの機体は全機の形状抵抗係数0.06(プロペラの抵抗含まず)と仮定していて,主翼が低アスペクト比であることもあって効率が悪いのは納得できます.


松本@GPF 投稿日:2022年10月22日 22:40 No.115 【Home】
グラム数とループ数が与えられて何回巻けるか、一般的な解答はないと思います。
理由はどれだけ巻き込むかは別にしてもFAIのごむはバッチにより厚みが微妙に違っていてこれがループ長に反映する、硬いゴムと柔らかいゴムがあるなどです。事前にブレークインをやるかどうかも影響します。

私が今年の8月に平城京の梶原さんのから聞いたデータは一つの参考になるかも知れません。
3グラム、3.2mm3ループで300〜310回巻きです。
これは滝さん3グラム、2.4mm2ループに比べてループ長1/2、断面積2倍になっています。
一般に「巻き数は長さに比例し断面積の平方根に反比例する」とされています。
このルールを適用すると梶原さんのゴムは2.4mm2ループにした場合
300〜310*(2^1.5)=849〜877回になります。

私の場合専ら使っているのは2グラム2ループです。ギリギリまで巻かずにゴムにより1000回巻き、1250回巻き、850回巻きと色々です。
ループ長は滝さんと同じ断面積は1/1.5です。(1/1.5)^0.5=0.816なのでわたしのゴムを梶原機に適用すると
816回巻き、1020回巻き、694回巻きに相当します。

滝さんの場合はテストピースで何回巻いたら破断するかのテストをしてみてはいかがですか?
その場合、リューブリカントを十分につけて6倍か7倍に伸ばして巻きましょう。
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