掲示板 > 記事閲覧


牧野富太郎命名植物 番外編 マルバマンネングサ Sedum makinoi Maxim.

1: 坂本彰:2023/06/17 22:51 No.119
マルバマンネングサ Sedum makinoi Maxim.

「らんまん」の来週の植物はマルバマンネングサのようですね。マルバマンネングサは牧野富太郎の命名植物ではないですので番外編の番外になります。

マルバマンネングサは牧野富太郎が1885年に佐川町で採集し、マキシモヴィッチに送った標本に基づき、マキシモヴィッチが1888年に新種として記載した植物です。
牧野富太郎はこの植物をヒメレンゲと考えていたようで、マキシモヴィッチに送った標本のラベルにはSedum subtile Miq.、Japanese name Marubanoman-nengusaとか書かれています。マキシモヴィッチはこれがヒメレンゲでなくて新種であると判断し、新種の記載をしたものです。マキシモヴィッチは種小名をmakinoiとしました。彼の牧野富太郎に対する姿勢がよくわかります。

マルバマンネングサは、高知では海岸から高地まで、岩場に普通に生育しています。

写真1は、いの町の笹ヶ峰の山腹で2022年8月に撮影したもの、写真2は高知市の宗安寺で2013年7月に撮影したもの、写真3は2022年5月に土佐市宇佐の海岸で撮影したものです。

※今回の原稿は高知県立牧野植物園発行の「牧野富太郎とマキシモヴィッチ」の内容を基に書きました。


2: 坂本彰:2023/06/22 18:01 No.120
マルバマンネングのサタイプ標本(画像)

マキシモヴィッチが牧野富太郎から送られた標本を基に新種記載した際のタイプ標本です(牧野植物園発行「牧野富太郎とマキシモヴィッチ」に掲載されている写真を引用しました)。

この写真には牧野富太郎が作成したラベルが2枚(No.93とNo.246)張られています。
下段のラベル(No.246)には学名としてSedum makinoi Maxim.?とAlfredii Hance?が書かれています。

推測するに、マルバマンネングサが新種記載された後に、下段右側の植物が、Sedum makinoi Maxim.かS. alfredii Hanceか確認するために、富太郎からマキシモヴィッチに送った標本が、新種記載した標本とまとめられて張られているものと、考えました。

この時期、牧野富太郎はsedum属の植物の同定に確信が持てていなかったことが覗えます。


3: Norisan:2023/06/24 10:17 No.121
マルバマンネングサは高知城の石垣でも見られます。この写真は6月15日に撮ったものですが、雄しべのヤクが赤くなっています。ヤクが赤くなるのはマンネングサの中でもマルバマンネングサだけでしょうか?
それと、花弁の数は基本5枚ですが、この写真をよく見ると4枚のものがいくつか見られます。


4: 坂本彰:2023/06/24 22:53 No.124
高知城の石垣にはマルバマンネングサが多いですね。
葯の色は裂開直前で比較しないと難しいですし、花弁の数も5数性と言いながら、結構4枚のものが出て、説明がややこしく成りますね。

昨年秋に、ガイドボランティアの方向けの研修会で、牧野関連植物として紹介させていただいたのですが、ドラマの中でこんなに注目されるのであれば、もっときちんと話をしておけばよかったなと反省しています。

ほぼ1年中見られますので、高知城に訪れる方に、これがらんまんに出てきたマルバマンネングサと紹介するプレートでも設置すれば、喜ばれるのではないでしょうか。

名前: E-mail:
| 特大 | | | 下線 | 取消線 | 点滅 | | 動画

Powered by Rara掲示板