雑銭掲示板Ⅱ


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天保銭といつまでも
禿山のカンタロウ 投稿日:2023年03月01日 09:42 No.472
パッと見たところ薩摩の広郭離足寶なのかな~と思ったのですが、睨めっこしているうちに、雰囲気がちょっぴり出しゃばった水戸接郭に見えてきました。浩泉丸氏の接郭の説明を読んでいると、接郭は沢山の種類があるらしいので、水戸接郭と自分なりに判断してみましたが。。。

32.36mm, 48.91mm, 20.68g

昔から歌ってる“君といつまでも”の歌詞

君はそよ風に 髪をとかせて
やさしく この僕の しとねにしておくれ

ずっと意味わからず歌ってましたが、昨日やっと“しとね”に付いて調べてみました。
まだいまいちピンと来ない言葉です。


浩泉丸 投稿日:2023年03月02日 07:44 No.474 【Home】
パッと見で薩摩っぽくないですね。接郭でもない雰囲気です。とはいえ、私は最近は古銭をあまり見てないので、銭文径を銭文径を計測してくださいね。接郭は刔輪で背當が輪から離れます。(書体がよく似ている額輪額輪本体はあまり離れない・・・例外あり→ 異當)
本座広郭の中にも寶足が離れるものがあります。本座にも刔輪と言えるような鋳ざらいされたものが存在します。

接郭は主として3種程度に中分類できます。(もっと細分類もできますが、それはお好みで・・・)微妙な差なのでひとくくりに接郭とされてしまう傾向にありますが、よく考えると「不知広郭手 覆輪強刔輪」というすごい種類なのです。
土佐額輪本体も同じように覆輪刔輪でしかも嵌郭の技術まで使用されています。なんでこんな面倒なことをしたのかと言えば・・・なんなんでしょうかね?
初期のころは母銭を調達するのが難しかったからだと個人的には思うのですが、定かではありません。見つからないように偽装する・・・という行為の中に、母銭を簡単に作り、いざとなったら隠ぺいできるという目的があったのかも。

画像の品上は 2015年4月15日に掲載した「不思議な細郭手」 です。今では不知ではなく本座だろうと推定しています。背が細縁に刔輪される強刔輪銭なのですが銭文径・規格は本座。細郭は母銭が流出した可能性があるので不知としても良いかと思います。

画像下は額輪刔輪異當 額輪本体系で背の刔輪が強烈なもの。珍しいと思います。2020年の制作日記11月4日の記事にあり、七時雨山様からの投稿画像です。私はまだ見たことがありません。


禿山のカンタロウ 投稿日:2023年03月02日 10:24 No.475
浩泉丸様

いつも丁寧で、詳しい説明をありがとうございます。良い勉強になります。

そうですか、パッと見ても睨んでも、薩摩や水戸接郭ではないのですね。(笑)

浩泉丸様からの教えをもとに見直して、出直してまいります。


禿山のカンタロウ 投稿日:2023年03月03日 10:39 No.476
これって、ただ仕上げのゴツイ本座広郭なのかしら?こんなに鑢の入った本座銭ってあるのでしょうか?銭文径は41.45mmほどでした。自分の知識では、やっぱりはっきりとは分類分けができませんでした。やばい!この銭にだれか名前を付けてやって下さい。

浩泉丸 投稿日:2023年03月04日 09:05 No.477 【Home】
やはり銭文径大きいですね。製作に目を付けたのは良いと思います。私を含む古銭家の多くはやすり目と言っていますが、正しくは面背の筋目は砂磨きの条痕、側面のみやすり目です。これは鋳銭図解などを見ればわかる工程なのです。広郭の末期は政情不安で房州からの鋳砂の入手が困難になりました。館山北条地区で獲れる白色の石英質山砂を房州砂と言い、磨き砂・化粧砂として珍重されました。この砂は江戸時代は歯磨き粉として重宝され、昭和時代までクレンザーの原料として採掘されていました。(房州砂のことを九十九里浜の砂と誤っている文献も多いと思います。九十九里浜は砂鉄が良く採れるので混同されたのかも。)館山は徳川家康の母方の家系であり、千葉は徳川ゆかりの小大名が多く、天領も多かったので幕末から明治初期にかけては佐幕派の拠点でした。そのため房州砂の入手が途絶え、代わりに王子産の砂が代用されたとともに、作業工程が省略されて規格外の天保通寶が量産されたのです。・・・とまあ、知ったかぶり知識ですね。これを水戸正字銭としたり、秋田本座写しとか佐渡本座写しとかにかつてはしていましたが、最新分類では本座に統合されています。私のHPでも製作上の違いがあるので分類として一部がまだ残っているので混乱させてしまってしまったと思います。
接郭は覆輪刔輪なので銭文径が1㎜以上縮みます。したがって文字が小さくなりとくに背當の位置が下がるほか、郭が細くなる傾向があります。覆輪刔輪マニアック講座の下に天保銭物産展というコーナーがありますので時間があれば読んでみてください。


禿山のカンタロウ 投稿日:2023年03月05日 09:33 No.480
浩泉丸様

また色々と教えていただき、ありがとうございます。

そうだったのですね。幕府の終わりに近づくと共に本座では色々と手抜きをしていたとは。。。今までそれは考えたことも無かったです。言われてみれば、あ~なるほど、と思いました。

覆輪刔輪マニアック講座のページは何度も読みましたが、正直言って、専門的すぎて理解をするのは難しいです。でも、それも時間の問題、あと5年もすれば少しづつ分かってくるでしょう。

やすり目(やすりめ)に付いては浩泉丸様の古銭用語の基礎知識で読ませていただきました。




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