ジョージ・セル談話室


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究極・至高のタンホイザー序曲
やっぱりセルが好き! 投稿日:2023年06月05日 03:56 No.579
66年12月8の定期公演のプログラムは

①ストラヴィンスキー プルチネッラ組曲
②モーツアルト ピアノ協奏曲21番
③ファリャ スペインの庭の夜  ピアノはロベール・カサドシュ
④ワーグナー タンホイザー序曲

カサドシュの演奏活動何十周年?記念だったので、この様な変則的なプログラムになった様です。
この日の演奏モーツアルトとファリャは合わせてCD化されており、プルチネッラ組曲も音源を所有していましたが、タンホイザー序曲は未聴でした。
実際手持ちの資料でもNo Recordingとなっており録音は存在しないものと思っていました。

ところが‥ 一月程前に浅野様の御好意でAppleMusicが提供している当日の録音を頂いたのですが、何とタンホイザー序曲が含まれておりました!

そして100回近く聴きましたが、これこそ究極・至高のタンホイザー序曲ではとの思いを強くしています。
ワグネリアンとまではいきませんがワーグナーの楽劇、特にタンホイザーはお気に入りでセルのメトとの42年・54年を含め、全曲盤ではコンヴィチュニーやショルティ等々
序曲だけなら数え切れないほどの演奏を聴いて来ましたが、それらを全て凌駕するのがこの演奏だと思っています。

以前セルの音楽が素晴らしいのは「全ての音があるべき場所に立体的に収まっているから」と投稿した事がありますが、それを正しく実感出来るのがこの演奏です。

テンポ感・微妙な強弱・弦楽器の厚みとうねり・管楽器の力強さと安定感・後半最強奏部でも音が潰れず立体的に迫って来る様 等々‥

この演奏の素晴らしさを上手く表現する事が出来ずもどかしいのですが、以前エッシェンバッハがインタビューの中で影響を受けた指揮者としてセルとカラヤンを上げ
曰く「カラヤンは油絵画家・セルは建築家」と答えたのを思い出しました。

このタンホイザー序曲はセルとクリーヴランド管弦楽団の演奏芸術の頂点を示すひとつではないかと考えています。

セルを聴いた事が無い人から「セルとクリーヴランド管弦楽団の凄さ・素晴らしさを30分位で」と聞かれれば「ベートーヴェン交響曲第2番の第一楽章とヴルタヴァそしてこのタンホイザー序曲を」と答える事になるでしょう。
(一時間位でと聞かれれば、これに67年英雄の第二楽章を加えますが)

これを聴いてセルとクリーヴランド管弦楽団の凄さ・素晴らしさを感じる事が出来ない方とは残念ながらお友達には‥あくまで私見です(笑)

ノイシュバンシュタイン城がローエングリンの城ならば、リンダーホーフ城はタンホイザーの城と言えるでしょう。

ルートヴィッヒ2世は城の庭園の裏山に《タンホイザー》の情景を模した洞窟を造らせ、その中の池に船を浮かべてワーグナーの世界にひとり耽ったそうです。

残念ながら私には築城するだけの権力と財力がありませんが、ルートヴィッヒ2世と同じ世界に浸らせてくれるのがセルのこの演奏です。


孫弟子 投稿日:2023年06月06日 16:43 No.580
セルのタンホイザー序曲のスタイリッシュで腰の据わった優秀録音はハイティンク&コンセルトヘボウと並んで50年来の愛聴盤ですが、このライブ録音のテンポは似ていますか?

やっぱりセルが好き! 投稿日:2023年06月08日 03:44 No.581
孫弟子 様

62年正規録音の演奏時間は13:20 対してこのLiveの演奏時間は12:50(実測)です。
演奏時間はそれ程変わりませんが、テンポやダイナミクスを大きく動かすというLiveならでは。

精緻な正規録音によりスケール感を加えたというのがこの演奏だと思います。

62年1月26日から66年12月8日まで約5年の歳月が流れている訳ですが、
この間にセルとCOの実力はもう一段レベルアップしたという事でしょうか。

各パートの上手さを実感出来ますし、中間部ドルイアンとマーセラスの掛け合いも絶妙です。

私もセルを聴く様になって40年になりますが、今になってシューマンの4番やヴルタヴァ等と共に「誰が何と言おうがセルの演奏が一番。これさえあれば他は不要!」
と言える演奏に新たに出会えた事に感謝です。


孫弟子 投稿日:2023年06月08日 15:39 No.582
遅いテンポの部分が多い曲ですから、セルなら30秒の違いは出るでしょうね。そうでした「タンホイザー」や「リエンツィ」等を「誰がなんと言おうとセルが一番」の範疇に加えるのを忘れてました。



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