THE SUIMYAKU

ちなみに私のBest 3 を　思いつくままに

●元首相の死
ほぼ9年間　この国を劣化・衰退させてきた世襲政治家が　支持していた宗教団体によって家や家族を壊された一青年の手で斃された。この世襲政治家とその政権を　われわれ国民の手で倒せなかったことは本当に悔やまれるし、われわれの政治的な力がそれほどに非力で貧弱なものであることが如実に示された事件でもあった。むしろその非力こそが　疲れ切ったこの青年を　絶望的なテロルに追い込んだのだと考えた方が当たっていると思う。
この世襲政治家が斃されたことで出来た空洞は　劣化した政治・社会情況に大きな影響を与えているし、おそらく来年以降もそれは続くことだろう。壊滅的な劣化の持続にではなく、少しでもまともな国民のための政治情況に転換させられなければ　われわれは本当に滅びの道に至ってしまうことだろう。

●『東京の生活史』　　岸政彦編　　2021年　筑摩書房刊
この本の感想は　前に何回かここに書いた。150人の市井の人々の人生（生活史）を　これまた同数の人々が丹念に聞き書きした　愉しくも重厚なドラマだった。この分厚い本の中に本当はどういう真実が集積されたのか、答えは未だ出されていないような気がする。
一期一会。〈東京〉で巡り会った話者・聴者のみなさんの　一人ひとりに幸多かれ！

●矢沢永吉　　日本武道館　昨年末のステージvideo l’m back‼︎
今年私が観た音楽シーンの中で　掛け値無し　抜群のパフォーマンス（表出）だった。心の底からロックンロールしまくり、時には聴く人一人ひとりの胸の底にストレートに語り掛けた全22曲　2時間半の　圧倒的な舞台だった。最初から最後まで　たるみは一つもない。矢沢永吉は　これまでの年齢という常識の籬を　もう超えてしまっている。