ほたるの字 - 王子うたごえ広場

ほたるの字

Ｍｒ．ジョー投稿日：2023年08月16日 19:10 No.490

　　アニメ映画「火垂るの墓」をご覧になった方は多いと思います。直木賞受賞作の原作を読まれた方は、どのくらい居られるのかな？　文庫本で３５ページほどの短編です。１時間もあれば、充分に読むことができます。量は少ないのですが、１文が短くて３行から８行です。長いものは数ページにわたっての長文があります。ちょっと、読みづらいですね。最近は．２行からどんなに多くても４～５行で句点（これで１文）が普通になっています。各国で翻訳されているらしいです。翻訳者は非常に苦労されたことでしょう。
　　アニメ監督の高畑氏が亡くなられた４月あるいは終戦の８月にテレビで放映されることが多いですが、今年は放映がないみたい。
　　この物語の中に出てくる妹が蛍の墓を作る場面。前日、蛍を捕まえて、夜に蚊帳の中に蛍を放つ。妹は大変喜びで感激する。翌日の朝に死んだ蛍を見て、妹がお墓を作ってあげる。生きている時間が非常に短い昆虫でも、死んだらきちんと葬ってあげることの人間としての優しさ、その心の大切さ。そして自分の幼い妹を見送らなければならなかった悔しさを、野坂さんが強く言いたかったことかなと思うのです。
　　「火垂る」をすぐに「ほたる」と読まれた方はすごいな。「ひたれる」じゃないの？　なぜ「蛍」の字を使わなかったのでしょう。本の中では「蛍」の字が使われています。題を「ほたるの墓」とした理由とこの漢字（火垂る）にした理由を、生前野坂さんに聞いた人は居ないのでしょうか？

　　名人さん、「積極的平和主義」の解説、ありがとうございました。問題ある言葉ですね。

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