湾岸掲示板
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夜叉が池.9
立ちばな・な 投稿日:2018年08月06日 16:56 No.6057
 今年の梅雨明けは早かった。おかげで真っ黒ジイイが出来上がり。
5月の湾岸春の大会が終了した5月10日ころから本格的にラン練を再開し、「大崎上島マラニック」の熱中症リタイヤを経て毎日太陽がのぼってからのロード練習を繰り返した。梅雨の最中ならまだしも梅雨明けからの暑中訓練は、さすがに体に変調をきたした様です。5.6.7月それぞれ300km弱を走破したのだが、フツーここまで走ると、脚づくりの出来具合いが第一段階のぼったな、とか一皮剥けたかな、とか実感するものなのだが、今回それが全くないのですよ。残ったのは重く沈むような疲労感と倦怠感。走り込んだあとの体のキレというのが備わらないままに大会直前まで来てしまった。また練習中に鼻血が頻繁に出る。仕事をしていると目眩を感じることが多くなった。脚にキレがもどらないのは加齢のせいばいね〜と、思っていた。それと右足ハムストリングが痛み出した。大会10日前に、大会用の制胃酸製剤(タケプロンあるいはガスター20など)を処方してもらう為病院に行くと、かかりつけの医師に「あんた、血圧が160〜120もあっぞ〜。」「いつも正常値なのに、なんか悪かことしよらん?」
この医師に日射ランをしている事を告げると、「あ〜たね、体がオーバーヒートしとる状態やから明日からその練習やめなされ。」という事で、暑中ランは終了。
 レース後KIZENNさんとビールをのみのみ聞いたところ、彼はそんな無謀な練習なんてしないし、レース中は各エイドにふんだんに置いてある氷にも一切手をつけないそうな・・・・。まぁ、KIZENNさんは本物のモンスターやからおらたち凡人とは体や脚の造りが違うから参考にはでけませんがね〜〜〜。
夜叉が池.10 立ちばな・な 投稿日:2018年08月06日 16:58 No.6058
 そんなこんなで日射暑中ラン練を終えいざ大会へ。第一日目45kmに突入。
体のキレなし。脚も回転しない。それどころか、右足ハムストリングの付け根の痛みが増してくる。臀部の付け根に鈍い痛みが出てきて、要するにケツイタでんな・・・。踏んばるとすっこ〜んと脚が抜けるような感覚も出てきた。歩く分には支障がないのだが、走ると右足で蹴ることができなかった。こういう時に左足でカバーするようになるのだが、それは左足も故障してしまう可能性があるので、行く所まで行って途中でやめようと思った。
 んでね、途中で止めるには距離45kmは短かすぎるのな・・・。ぶつくさぶつくさ独り言を言いながら最後にKIZENNさんに支えられながら初日は何とかゴールしたのでした。走れたのは35kmまで。あとの10kmは歩き倒した。

この故障の事実を事前に湾岸の仲間たちに話すと、「リタイヤの予防線でっか?」「大会前の恒例事由」とか大いに茶化されるしからかわれるので、このことはKIZENNさんにしか告げていなかった。脚を故障して大会に臨むことはそれだけで痛恨事のなのである。「二日目はたぶんスタートに立てんやろな〜。」とKZENNさんと半ばやけ酒をあおった。でもなんか楽しいのな・・・・。
 35km地点の横川ダム(奥揖斐湖)にある道路のシェッド。湾岸島原コースの加津佐の道路シェッドと同じような作り。そいがですよ、てっきり落石防止のための物かと思いきや、積雪防止シェッドと指標に明記されている。これには驚いた。九州の人間には想像できないからである。
夜叉が池.11 立ちばな・な 投稿日:2018年08月07日 14:52 No.6059
 揖斐郡、弥生期から文献に表れる濃尾平野北西部。
近隣には揖斐川、長良川、木曾川などの大河があり肥沃な濃尾平野に位置するこの地は古くから日本の歴史の中心地であったので、歴史好き郷土史好きには堪えられない地域の一つではありましょう。特に近世戦国時代には大垣城、関ヶ原などの歴史的なスポットも数多くあり、できれば前後に休みをとってゆっくり歴史散歩をしたい所ではあります。
 気候とは申しますと、日本一暑い地域のひとつ。先日も岐阜県多治見市で41度Cを記録。冬は北陸地方なみに積雪もあって、かなり寒いらしい。なのでこの日本一暑い場所での暑熱ウルトラの大会とは、これだけでクレージーな大会として話題にもなろうというものです。
夜叉が池.12 立ちばな・な 投稿日:2018年08月07日 14:55 No.6061
 さて二日目、コース変更カットになり、午前3時30分スタートが午前7時へと変更。台風による影響もさほどないようです。たぶんこの時間的余裕が右足の回復を促したのではないか。スタートしてから痛みは相変わらずだが、なんとか走れる。わたしは痛み止めのロキソンをいつもお守りとして携行しているがレースではほとんど使ったことがない。鎮痛薬を使う時はよっぽどの時と決めている。今回は微妙な状態だ。スタートしてからのぼりが続くので痛さが増し、ロキソニンを包装から取り出しポケットにそのまま放り込んだ。強風に閉口して走っていると、折からの雨と大汗でそのロキソニン、溶けて流れてしまっているではないか? で、おらは右足にロキソニンを飲んだぞ、ロキソニンを飲んだぞ、ロキソニンを飲んだぞ、と呪文のようにぶつくさいい続けたのでした。と、なんとしたことやろか?実際服用してないのにも関わらず、折り返しの横山ダム35km地点で胃がむかむかしているのに気を取られている内に脚の痛みが消えてしまっているのに気が付いた。不思議なこともあるもんだと、エイドでむかつきを押さえながら無理に食事を流し込んだ。
夜叉が池.13 立ちばな・な 投稿日:2018年08月08日 15:15 No.6062
 なぜ、脚が突然の如く復活したのは、おまじないが効いたわけに違いない、なんてこたあないです。
きっと何か原因があってのことだが、思い当たる節と言えばタケプロンと一緒に服用したビタミン剤が効いたのかしら・・・。
さて、大会の舞台になっている揖斐川をたどる国道303号線、滋賀県北部と岐阜ををつないでいるらしい。この国道やその側道をコースとして走るのですが、橋梁が実に多いのです。しかも眼下にはどこも谷深く、はるか下の方に揖斐川の流れがあり、景色としてはまるで幽谷の空を走っているような感覚なのですよ。暑くなければ余裕で楽しめるのですがね。湾岸L・Eコースのあぐりの丘手前のうさぎ橋やスポーツ橋がかなり谷が深いですが、それ以上の高度差で次から次と橋は巡ってきては揖斐川の急流を眼下に楽しめるのです。
 エイドはだいたい5kmごとに設営されています。提供されている飲食物は論評は控えますが、どのエイドにもかち割り氷が置かれている。これは暑中の大会では何よりの御馳走なんだとつくづく思う。暑いから固形物はそんなにいらない。何よりからだを冷やす氷がふんだんにあることがこの大会のエイドのホスピタリティを際立たせている。今回はコースの短縮で多少の混乱もあったのでせう、氷が切れているエイドもありましたがここまで氷を用意してくれている大会はないぞ・・・。
夜叉が池.14 立ちばな・な 投稿日:2018年08月08日 15:17 No.6063
 前後するが初日のゴールのあとにこの大会のスタッフの皆さんが、手作りのお風呂を用意してくれているのですよ。
風呂桶は軽四輪トラックの荷台と子供用のビニールプール。そのプールに浸かっていると、年配のスタッフが頭からお湯をかけてくれる。この時、子供にもどったような気分になって、思い出す度に涙が滲み出るような郷愁がよみがえり忘れがたいものになってくるのですわ・・・・。
 大会の当初はこの地点にスキー場の施設があったらしく、そのシャワー室を使っていたそうな。今ではそのスキー場施設も廃墟となって夏草だけが茂っている。そこをスタッフの皆さんが草を刈り、青シートで男女別の閉鎖幕をつくり、温泉水をバキュームトラックで搬送し、ランナーに簡易温泉として提供しているのです。ここまでする大会って聞いたことないぞ・・・。
それに各エイドの主要要員はわたしより先輩の方々が多いと思う。皆さん、70代でしょう。その先輩たちの気遣いがさりげなくて、素朴で、あったかくて、親切で、・・・なんかな〜 子供の時に父母の田舎に帰省してじいいちゃん、ばあちゃんに久しぶりに会ったような、そんな気分にさせてくれるんですわ・・・。今ではそのじいちゃん達の年齢に自分がさしかかっていますけどね・・・・。
夜叉が池.15 立ちばな・な 投稿日:2018年08月09日 15:56 No.6064
 普通、第一日はほぼ全員が完走できる時間設定。二日目は夜叉が池登山の後、90km地点の坂内エイドに正午までに到達すればゴールまでは何とかたどり着けるらしい。ゴール関門は19時である。残りの45kmを9時間であるから時間的に余裕があるようには見える。ところがこのレースは酷暑耐久レースであるのだ。初めて出場した昨昨年、この関門に2分足りずに涙を呑んだ。つ〜か、ここで間に合わなくてほっとしたのが本音。もし間に合ったなら、もう必死でどろどろのレースになっていたに違いない。今回3回目にして復路のコースを雨のおかげもあって完走できたが、約8時間もかかっている。今のおらの力量走力ではよっぽどぐわんばらないと、完走できませんぜぃ。
 はたして今回、完走率95%なんですよ。おいら以下の走力の選手がいかに少ないか、いや力のある選手がいかに多く集っているかがお分かりでしょう。残り35kmから結構脚が動きず〜と走っていたのですが、前から落ちてくる選手が一人もおらず、また追い越して行くランナーも皆無。こんなんそうそう経験できませんよ。競技者のレベルが高いです。
夜叉が池.16 立ちばな・な 投稿日:2018年08月09日 15:58 No.6065
 ゴール手前1.5km。一人旅で前後に誰も居ずコースアウトした。18時前だからあと1時間も余裕があるので楽勝なんですが、多分昼過ぎにゴールして6時間以上も待っているだろうKIZENNさんの事を考えると申し訳なくて、相当焦った。あとで聞いて見ると、おいらがなかなか戻って来ずどこを走っているのかが全く把握するすべがなかったらしい。ゴールに収容車が戻ってくるたびにそこにおいらが居るかもと捜したらしい...。
 やっとこさ、コースに復帰してゴールに戻ってきましたが・・・あんりゃ〜〜〜、なんか静かでごわす。ここには龍神太鼓(夜叉太鼓かも)の一隊がゴールの選手を称えてにぎやかに鐘太鼓を打ち鳴らしてくれるはず。だが居るのは辛抱強く待ってくれていたKIZENNさんと三重県在住で今は夜叉が池のボランティアしている大津さんご夫婦(大津さんは金龍ランナー)と数人のスタッフと。
「太鼓隊、おらんやん。」
「もうとっくに解散しましたよ」
「ぐわ〜〜〜、これが楽しみでゴールに帰ってきたとに〜〜〜〜〜。」
「まぁ、ええわ、そいならカッポレでも踊ろうかいの。」
で、ゴール前かっぽれの帆まわしの踊りで、無事ゴール!!
   KIZENNさん、大津さん、大変お待たせ致しました。
夜叉が池. 終 立ちばな・な 投稿日:2018年08月10日 16:54 No.6066
 もちろん、正規のコース完走のために来年も参加しなくてはなりますまい。
今年の暑中訓練の失敗を活かして、体に負担かけずに走力をつける練習方法を見つけましょう。
KIZENNさんも心配してくれていてそろそろ完走しておかないと、年齢的に一年一年ハードルが上がってきますよ、とハッパをかけてくれる。しかし、完走してしまうとここに来たいという気が薄れる気がしてリタイヤして、また来年という方がいい様な気もする。
 わたしはご先祖様たちの暑熱に田んぼの草取りを朝から晩までしていた農耕民のDNAを受け継いでいるのだろう、道路が太陽の熱射でかげろうでゆらゆらする暑中ランは嫌いではないのだ。ただしこれがレースとなると、やはり躊躇する。二年前KIZENNさんからこの大会に誘われた時は、最後まで申し込みの決断がつかなかった。しかし、この目の肥えたベテランランナーたちが数多く参集する夜叉が池の大会は素朴であたかかくさりげないもてなしが、私の心の琴線にも触れてしまっているのですよ。決してハデではなく、リタイヤしても完走しても満足させてしまう何かがこの大会にあるような気がする。橘湾岸マラニックもそのような大会になっていけばいいなと、思うのです。
 ひとまず夜叉が池の参加報告は終わりますが、もし暑熱の大会やよし!と思われる方は是非一回この大会を走ってみてくだされ。夜叉が池で検索すればホームページで申し込み案内が表示されています。
 ありがとうございました。


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