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『海外短編のテクニック』阿刀田高(集英社新書04/9)
愉しい本棚 投稿日:2020年11月16日 14:52 No.859
 ☆☆☆☆
〇紀伊国屋書店より
 長編小説が、人生という一本の木を、根から幹、枝から梢、花も葉もすべて描く営みであるならば、短編小説は、一本の枝を切り、切り口を示して生き方全体をうかがわせる試み。あらゆる技を駆使した作品はおもしろさも多彩だ。日本の短編の名手が、海外短編から厳選して、メリメの名作『カルメン』から現在活躍中のインド系女性作家ラヒリの『停電の夜に』まで、バラエティに富んだ作品を俎上に載せ、実作者の立場になって想像し、分析し、ときには妄想までして(!?)そのテクニックをたどる。カフカの作品は長編もあるけれど短編『変身』ひとつを読めばOK、という大胆発言も。
〇目次
第1章 技のデパート、短編小説
第2章 モーパッサン『勲章』『首かざり』『宝石』そして、その他の短編
第3章 モーム『夢』『蟻とキリギリス』そして、その他の短編
第4章 チェーホフ『イオーヌイチ』『犬を連れた奥さん』そして、その他の短編
第5章 O.ヘンリー『二十年後』『賢者の贈りもの』そして、その他の短編
第6章 スレッサー『ペンフレンド』『競馬狂夫人』そして、その他の短編
第7章 メリメ『カルメン』『マテオ・ファルコネ』そして、その他の短編
第8章 カフカ『変身』そして、その他の短編
第9章 ヘミングウェイ『雨のなかの猫』『殺し屋』そして、その他の短編
第10章 ラヒリ『停電の夜に』『病気の通訳』そして、その他の短編
〇阿刀田高[アトウダタカシ]
1935年、東京生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。国立国会図書館司書を経て、78年「冷蔵庫より愛をこめて」でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞受賞、95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞受賞。短編の名手として知られるが、近年は長編、歴史小説や教養書にも筆をふるう。『短編小説のレシピ』(集英社新書)『小説工房12カ月』(集英社)をはじめ著作多数。直木賞、集英社小説すばる新人賞選考委員。