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『過去をもつ人』荒川洋治(みすず書房16/7) 愉しい本棚 投稿日:2018年11月13日 18:09:01 No.293 【返信】

 ☆☆☆
▶出版社より
久しぶりのエッセー集。お待たせしました。
荒川洋治『過去をもつ人』[20日刊]

TBSラジオ「日本全国8時です」で、森本毅郎と荒川洋治、ご両名の掛け合いがなくなってから、3年以上たつ。毎週火曜日の朝、生き生きした声で、言葉のこと、本のこと、文学のことが語られるのを聞くのが楽しみだった。

小社からは7年ぶりになるエッセー集『過去をもつ人』は、ラジオに出演されなくなった頃からの、読書をめぐる文章を選んで編まれたものである。『夜のある町で』『忘れられる過去』(講談社エッセイ賞)以来、『世に出ないことば』『黙読の山』『文学の門』と数えれば、18年の間にこれで6冊目となった。愛読者の方々には、お待たせしましたと申し上げたい。

荒川洋治のエッセーは、ドキッとする提言から始まることが多い。たとえば、ある一編。「夏目漱石、芥川龍之介、太宰治など、ほんの少数の文豪の名前しか知らないという人がふえた。文学についての話題が限られ、単調になったように思う。」

本当だろうか。谷崎は、川端は、と思いながら、たしかに最近は、そういう名前すら一般の会話にはあまり出てこなくなったと気がつく。小説家といえば、時々の流行以外は村上春樹しかいないかのような世間が、目の前にある。ところがこのエッセー、その現状を嘆くのではなく、意外な展開をみせるのである。「でもちょっと注意してみると、いろんなところに文学の世界がある。そこから多くのことを学ぶ。大河ドラマ『花燃ゆ』を見ている人は多いかもしれない。吉田松陰が入れられた野山獄。そこに富永有隣という男がいる。俳優は、本田博太郎。彼は、松陰に向かって、『生きて、腐って、呪え!』などと憎々しげに大声で叫ぶ。大変気性の激しい人だ。」

富永有隣のようすを描いたのが、国木田独歩の「富岡先生」(新潮文庫『牛肉と馬鈴薯・酒中日記』に収録)である。「塾から巣立った青年が東京の大学に入り、遊びにきて、大学生になりましたなどというと、『それが何だ、エ?』。(…)学歴や地位だけで、何かのかたちに入ったというだけで、自分はえらいと思っている人がいる。えらそうな顔をして、それだけでやっていく、という人は、どの世界でも、実はいまもとても多いのである。(…)大きな顔をするな。そんなものはなんでもないんだと、はなから叱りとばしてくれる人がいまは少ないように思う。『富岡先生』を読むたびに、ぼくは、人間を学ぶ気持ちになる。」

激烈にして謙虚な文章の運びは、荒川洋治の特質である。独歩という明治の作家の短編から「いま」も学べることは多いと思わせてくれる。「『花燃ゆ』を見ていたら、『富岡先生』に会えたのだ。うれしかった」という、締めくくりも好ましい。

もう一編、デュマ・フィス『椿姫』についてのエッセーの冒頭。「恋愛を書いたものとして、これ以上哀切なもの、美しいものはない。」そのうえで、マルグリットの名セリフをいくつも抜き出して、こう結ばれる。「…ひとつずつ文章をたどると、感動が深い。人を好きになる。そのときも、ひとつひとつ見ていくことが大切なのだろう。」

寺山修司『戦後詩』の新たな文庫化に際しては、「寺山修司の批評には天才の鋭さと、すがすがしさがある。きらりとした愛情がある。」飯島耕一の追悼では、「読む人の目を汚さない。疲れさせない。目の前に光を入れる。読む人の心が明るくなる。そんな詩を書いた人だと思う。」全部で62編、どれを読んでも、深くうなずける。





『国史大辞典(全十五巻・全十七冊)』辞典編集委員会(吉川弘文館99/1 ) 愉しい本棚 投稿日:2018年11月13日 14:52:44 No.292 【返信】

 ☆☆☆☆☆
▶出版社より
総項目数5万4000余、日本歴史の全領域をおさめ、考古・民俗・宗教・美術・国語学・国文学・地理など、隣接分野からも必要項目をことごとく網羅した画期的大編集。執筆には、各学界のベストメンバー3000余名を動員し、最新の研究成果を盛り込み、一般用語から専門用語までを分りやすく解説。さらに本文理解を助ける挿入写真や図版・図表等にも新機軸の工夫をこらし、補完機能を高め、新時代の歴史理解につとめた。また索引は、16000頁の本文解説・付表・付図・別刷図版から採取した歴史を彩る言葉のすべて、延べ50万語を史料・地名・人名・事項に分類し、各冊には難読語検索のための頭字索引を付した。
▶◇広範多彩な項目 -歴史用語から隣接分野まで…
古代から近・現代まで、日本歴史の全領域を網羅。さらに考古学・民俗学・国文学・地理・宗教・美術などの主要な項目を多数収録。
  ◇引きやすい中・小項目に大項目を併用…
カラ見出しと参照項目で関連項目を示し、1つの項目から多項目へオーバーラップする中・小項目と、歴史の基礎を語る大項目で構成。
  ◇信頼できる内容と平易・的確な記述…
最新の研究成果を取り込んだ高度かつ精確な内容。研究者から一般社会人まで、幅広い人々の要求に応えうる必要にして十分な解説。
  ◇豊富かつ鮮明な図版 -各巻1500点以上を収載…
失われた文化財などの貴重な写真、有識故実の正確な新作図や考古遺物・遺跡・印章・花押・肖像・墓所等、多彩な図や写真を随所に配置。
  ◇精確な表と系図 -一目瞭然のデータ群…
必要な事項をもらさず表示。備要として信頼できる表の外、諸氏系図・武術・芸能・工芸の諸流派の系図等を多数挿入、多角的利用に配慮。
  ◇地方史の研究成果を生かした項目編成…
国名・郡名・荘園名・藩名・遺跡名や、歴史上由緒ある地名を多数収録。地方の視座から見た歴史を、地図・絵図・写真と一体化して解説。
  ◇役に立つ重宝な参考文献 -より詳しい知識探求のための道案内…
項目の末尾に基本的な史料集・研究書・論文を掲げ、さらなる知識探求の出発点となるよう最新の研究動向まで視野に収めた重宝な手引。
  ◇補遺・索引 -本文編の補完と充実完備の索引…
本編刊行後の重要項目の追補。5万4000項目に満載された歴史を彩る言葉のすべて、延べ50万語を即座に検索できる画期的な索引。
  ◇読む・見る・楽しむ、感動の別刷図版…
各巻収載項目の中から興味深いテーマを選び平均150頁、全巻で188テーマ、2100頁を超す大図録。
専門家による監修と平易な解説は、各テーマの全体像にせまり、既成辞典にはない紙面で見る展覧会となっている。
▶国史大辞典編集委員会
〔編集顧問〕
大久保利謙 児玉幸多 小西四郎 斎藤 忠 竹内理三 宝月圭吾

〔編集委員〕
坂本太郎 関   晃 臼井勝美 大石慎三郎 加藤友康 菊地勇次郎  笹山晴生 瀬野精一郎 高村直助 土田直鎮 鳥海  靖 早川庄八  尾藤正英 福田豊彦 丸山雍成 皆川完一 安田元久 由井正臣





『加藤周一』<現代思想>臨時増刊(青土社09/7) 愉しい本棚 投稿日:2018年11月13日 14:44:11 No.291 【返信】

 ☆☆☆☆☆
▶出版社より

【テクスト】
私のヴァレリー / 加藤周一
日本 / 加藤周一

【思想的対話】
ある挑戦 魯迅研究の方法について / 竹内好
竹内好の批評装置 / 加藤周一
加藤周一著 『政治と文学』 / 竹内好
竹内好再考 / 加藤周一

【エッセイ】
加藤周一先生と親子三代 / 野村万作
加藤周一君よ / 垣花秀武

【討議】
加藤周一を読むために / 小森陽一+成田龍一

【ヨーロッパ精神】
私の中の加藤周一 / 海老坂武
加藤周一と日仏会館 「私のヴァレリー」 に寄せて / 三浦信孝

【歴史の中で】
林達夫と加藤周一 「読む人」 と 「書く人」 / 鷲巣力
ムシュー・カトーからの手紙 / 桜井均
東京大空襲のなかの加藤周一 「小さな空間」 の歴史のために / 山本唯人

【加藤周一を読む】
加藤周一の 「日本」 『日本文学史序説』 まで / 成田龍一
加藤周一、三題 「軍国主義を呪い、詩を愛した日本の青年の知的客気」 に学ぶこと / 鈴木貞美
挑戦者と普遍主義 加藤周一の竹内好評について / 佐藤泉
ディストピアの潜勢力 来るべき “朝日=岩波=NHK” 的知性のために / 廣瀬純
孤独の精神/開かれた言葉 加藤周一の日本文化論における歴史の導入をめぐって / 花森重行
主要著作年譜 / 編=矢野昌邦





『日本が壊れていく』斎藤貴男(ちくま新書18/9) 愉しい本棚 投稿日:2018年11月13日 14:31:02 No.290 【返信】

 ☆☆☆☆
▶出版社より

二〇一二年一二月に第二次安倍政権が発足。その後、五年半の間に、特定秘密保護法、安保関連法(戦争法)、共謀罪法などを多くの国民の反対を押し切って成立させた。一方で、「モリ・カケ」問題をはじめ、政治家や官僚の不祥事が相次ぎ、政治に対する信頼が大きく損なわれている。にもかかわらず、政権与党内の安倍一強体制は揺るがず、野党は対抗勢力たり得ていない。本書は憲法の基本原則をおかす安倍政権の危険な体質を痛烈に批判し、なぜ日本の政治がここまで劣化したのかを徹底検証する。
この本の目次

第1章 このままでは国が壊れる―古賀誠・小沢一郎・亀井静香氏に聞く(政治にとっていちばん大事なバランスが失われた
主権者である国民の責任は大きい ほか)
第2章 無知と不寛容な安倍政治(ヤンキー政治を支える「草の根」世論
大国化への飽くなき野望 ほか)
第3章 強権政治と監視社会に抗う(率直にものを言う「存在者」として生きた―追悼・金子兜太
伝え続けるんだ、ジョー!!―漫画家・ちばてつやの肖像 ほか)
第4章 打ち捨てられる個人(住民が激怒した「戦争道路」の復活
中小零細業者を苦しめる悪魔の税制 ほか)

▶斎藤 貴男
ジャーナリスト。1958年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。英国バーミンガム大学修士(国際学MA)。新聞記者、週刊誌記者を経てフリーに。さまざまな社会問題をテーマに精力的な執筆活動を行っている。『「心」と「国策」の内幕』(ちくま文庫)『機会不平等』(岩波現代文庫)『消費税のカラクリ』(講談社現代新書)『戦争経済大国』(河出書房新社)など著書多数。『「東京電力」研究 排除の系譜』(角川文庫)で第三回いける本大賞受賞。
著者に関する情報
日本が壊れていく ─幼稚な政治、ウソまみれの国 日本が壊れていく ─幼稚な政治、ウソまみれの国
「非国民」のすすめ 「非国民」のすすめ





『江戸おとし咄/夜の客』宇野信夫(集英社文庫84/2) 愉しい本棚 投稿日:2018年11月12日 17:27:17 No.289 【返信】

 ☆☆☆☆
▶花談議.番町皿屋敷.清兵衛蕎麦.小夜のまくら.五銭.春を待つ雪.鬼あざみ清吉.夜の客.いかさま人参.嘘つき弥次郎.渋酒.因果鰻.張飛.やきもち.江戸の花.いろ文和尚.路地の幽霊.こわれ瓶.ころがし狸.鶯宿梅.あだうち屋.あたま山.おどる亡者.丁半幽霊.徳利亀屋





『詞華和歌集』松田武夫校訂(岩波文庫94/3第4刷) 愉しい本棚 投稿日:2018年11月12日 16:51:32 No.288 【返信】

 ☆☆☆☆
▶、八代集の第六にあたる勅撰和歌集。天養元年(1144年)に崇徳院が下命し、藤原顕輔(1090~1155年)が撰者となって編集、仁平元年(1151年)になって完成奏覧された。十巻、総歌数415首。また、『金葉集』三奏本があまり流布しなかったため、金葉三奏本との間でかなり重複がある。

『詞花集』の歌は清新な叙景歌に特色があるほか、詠懐調の歌も多く見られ、その歌風は多様である。

金葉と詞花は、第五、第六勅撰和歌集で、その命名の義も構成も、全く同じである。古今以来、二十巻という勅撰集の慣例を破り、羈旅・哀傷・神祇歌を省き、恋歌を二巻に縮めた素朴な構成だが、その分選歌には厳しく、珠玉の詞華選といった感じである。

『詞花集』と『金葉集』との違いでもっとも顕著なのは、『金葉集』の近代重視に対し、『詞花集』では、最多入集歌人が曾禰好忠(17首)・和泉式部(16首)であることが示すとおり、中頃(後拾遺集時代)の歌人を重視する方針をとる。一方、当代の歌人については同一歌人を極力避け、原則的に一人一首とした(例外は、当事者たる崇徳院と顕輔)。





『千載和歌集』 愉しい本棚 投稿日:2018年11月12日 16:47:39 No.287 【返信】

 ☆☆☆☆
▶平安時代末に編纂された勅撰和歌集。全二十巻。『詞花和歌集』の後、『新古今和歌集』の前に撰集され、勅撰和歌集の第七番目に当たる。略称『千載集』。撰者は藤原俊成の一人、ただしその息子の藤原定家も編纂の助手を務めたという。『拾芥抄』によれば寿永2年(1183年)2月、 後白河院より俊成に撰集の院宣が伝達された。そののち文治4年(1188年)4月22日、『千載和歌集』は完成し後白河院の奏覧に供された。

しかし平親宗の日記『親宗卿記』によれば、俊成はこの十年ほど前に「院宣」を蒙り、以後勅撰集の編纂を続けていたと記されている[1]。俊成は『山家集』や『経盛集』等によれば、『千載和歌集』撰進のかなり以前から私撰和歌集を編纂していたことが知られ、この私撰集は『三五代集』と名づけられていた。「三五」とは「三五 十五」(3×5=15)、すなわち15代にわたる天皇の代に詠まれた和歌を採った集という意味で、これを基にして『千載和歌集』が編纂されたという。序文の「仮名序」には撰進の日付が文治3年の9月20日と記されており、実際の奏覧がこの翌年であるにもかかわらず敢えてこの日付を記したのは、後白河院の意向に沿ったものだといわれている。さらに奏覧ののち、撰者(俊成)の歌が少ないとの後白河院の指摘により、俊成の歌を加える改訂が俊成自身の手によって行われた。
構成は以下の通り。冒頭に俊成執筆の「仮名序」を付す。歌数は1288首(『新日本古典文学大系』所収本に拠る)、巻第十九に長歌が「短歌」と称して3首入るほかは全て短歌形式の歌体である。

(仮名序)
巻第一 春歌 上
巻第二 春歌 下
巻第三 夏歌
巻第四 秋歌 上
巻第五 秋歌 下
巻第六 冬歌
巻第七 離別歌
巻第八 羇旅歌
巻第九 哀傷歌
巻第十 賀歌
巻第十一 恋歌 一
巻第十二 恋歌 二
巻第十三 恋歌 三
巻第十四 恋歌 四
巻第十五 恋歌 五
巻第十六 雑歌 上
巻第十七 雑歌 中
巻第十八 雑歌 下
巻第十九 釈教歌
巻第二十 神祇歌

一条朝の正暦年間(実は永延の始め)を上限に、代々の勅撰集に漏れた秀歌や、当代の歌人の作品を収める。選歌の方針は格調と抒情性を重んじ、俊成が唱えた「幽玄」の心や、本歌取りなどの技巧を特色とする。平忠度が一旦都落ちした後、都に戻り俊成の屋敷に赴いて自作の歌百余首を収めた巻物を託し、その中の一首を俊成が詠み人知らずとして掲載しているエピソードが、『平家物語』によって有名になっている。同様に忠度の異母兄平経盛も詠み人知らずとして1首入選している。

最多入集歌人は『金葉和歌集』撰者の源俊頼(52首)で、俊成自身(36首)がそれに次ぎ、藤原基俊(26首)・崇徳院(23首)ら政治の敗者も上位を占める。他に当代歌人では俊恵・円位法師(西行)・待賢門院堀河・式子内親王、王朝歌人では和泉式部・紫式部・大江匡房・藤原公任などが目立つ。先の『詞花和歌集』に反して当代重視主義に戻り、同時代の入集歌数は全体の半数に及んだ。また僧侶歌人の比率も二割と高い。





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