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『黒雲の下で卵をあたためる』小池 昌代(岩波書店05.11)
愉しい本棚 投稿日:2020年01月16日 14:48 No.746
 ☆☆☆
〇ギュンター・グラスの詩に出てきた風景について綴った表題作など、詩人の豊かな感性がひしひしと感じられて心地よい、しずかな抒情にみちたエッセイを収める。『図書』連載「言葉が広げる風景」に書き下ろしを加え単行本化。
〇誰もが毎日見ている空の下で、あの黒雲の下で、今、何が起こっているのだろう?詩人の鋭い感性と豊かな想像力から立ち現れる、誰もが気が付かなかった日常風景のなかの一場面。読む人はそこで、詩人にどのようにして詩が訪れ、また、詩人は詩をどのように読み感じているのかに、触れることができるかもしれない。フィクションとも思える、美しい日本語を通して、新しい経験へと誘う。
〇目次
鹿を追いかけて
道について
川辺の寝台
くぼみについて
彫像たち
花たちの誘惑
虎と生活
雑踏の音楽
日々のなかの聖性
川から来る風
水の悪意
蝉と日本語
樹木のある風景
杖をめぐって
黒雲の下で卵をあたためる
黒い瞳
沃川へ
連詩の時間
かたじけない
詩の不可侵性
きみとしろみ
ちーくーみーまー
蝿がうなるとき,そのときわたしは
縫い目と銀髪
家について
死者を食う蟹
背・背なか・背後
〇小池昌代
1959年東京・深川生まれ。津田塾大学国際関係学科卒業。詩人、作家。2000年詩集『もっとも官能的な部屋』で高見順賞、01年エッセイ集『屋上への誘惑』で講談社エッセイ賞、07年短編「タタド」で川端康成文学賞、10年詩集『コルカタ』で萩原朔太郎賞、14年長編『たまもの』で泉鏡花文学賞を受賞