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『心にひびく短詩の世界』篠原資明(現代新書96/11)
愉しい本棚 投稿日:2019年12月02日 22:16 No.714
 ☆☆☆☆
〇講談社より
詩は短くてこそ――。四行詩二行詩一行詩、言葉は既に宇宙を呑み込んでいる。では極限の短詩はどんな形で何を語る?

冬眠――これは、1篇の詩がどれだけ短くできるかという問いかけを、はなから頓挫させかねない、ひとつの極限を示している。なにしろ、ここには、ご覧のとおり、言葉らしきものがない。あるものといえば、大きな黒丸だけ。はたしてこれが詩といえるのだろうか。しかし、まるで言葉がないわけではない。「冬眠」という言葉が、タイトルとして添えられている。タイトルは作品そのものではないかもしれない。それでも、その意味が作品の読み方を、多少とも左右することまで否定することはできないだろう。この作品でも、「冬眠」という言葉は、黒丸と十分すぎるほど呼応しあっている。――本書より

〇目次
●冬眠――草野心平
●烙印――山村暮鳥
●現実――高村光太郎
●カリグラム――佐藤春夫
●天気――西脇順三郎
●春――安西冬衛
●雪――三好達治
●電灯――竹中郁
●往と住――吉野弘
●七面鳥――工藤直子