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久々のやられたフレーズです
風信子 投稿日:2023年04月26日 23:02 No.315
としこさんに「お待ちしてます」と言っていただいたのに力を得て、
やられたフレーズ、いっきに行きます。
さいとうさんみたいに「黄昏に背を向けて」に行きたいのですが、
やっぱり途中だった「明日によせて」が気になるので、続きから。

<ペンペン草>
天野くんの詞には珍しく、自分のことを“おいら”と表現しているのが新鮮ですね。
そのせいもあって、ほかのNSP作品とは違った独特の世界が広がっているように感じられます。
印象的なのは♪泣いたからすが 笑ったひょうしに 愛しているよは いきだぜ♪ の部分。
なぜ泣いていたのか、そしてどうして笑ったのか、全く語られぬまま、いきなり愛の告白。
それを“いきだぜ”とさらっと歌い上げる絶妙なテクニックにやられました。
♪どこか遠くへ連れてって♪という彼女(?)のセリフにも“いきだぜ”と感じる彼。
このフレーズは前に面さんも書いてたと思うけど、
『海辺に語りて』の ♪地図をひろげて指さすところ 僕もあなたも はじめての駅♪ と通じる感覚。
どこか知らない世界へ二人で行きたいという漠然とした願望。それは天野くんのなかでの“いき”なのかもしれない…。

<あなたこっちを振り向いて>
彼と彼女の心のすれ違いを繊細な言葉で歌っているのに、曲はアップテンポのノリの良さ。
このアンバランスが魅力的です。
好きなフレーズは ♪くもり空です くもり顔です♪のところと、
♪僕の後ろをトボトボついて もうすぐ涙 くもりのち雨♪ の部分。
彼女の表情を天気に例えてサラッと歌う天野くん、うまいな~と感動しちゃいます。
僕の後ろをトボトボついてうつむいて歩く彼女、私の中ではチッチとサリーみたいだと勝手にイメージしておりました(笑)

<白い椅子の陰>
まず、なんといってもイントロがいい!
そして、その物悲しいギターの調べのあとに聞こえてくる天野くんの
♪ガラス窓の向こうには♪の声にやられました。
その天野くんが切なく歌うこの歌の内容はとっても辛くて…
“君の心に誰かさんがいつも住んでいたのでしょう”や、
“今までの君との出来事がとても色あせてしまうじゃないか”といった「僕」の言葉が心に刺さります。
「白い椅子の陰」にいるのは、僕の知らない思い出を抱えた、遠くなってしまった君なのでしょうか。

<もう人生の秋>
まだ20代でこの曲を書いた平賀さん。いったいどんな気持ちだったのでしょうね。
♪まだ若いけど もう人生の秋♪とか、♪熱いコーヒー さめるように♪とかいった言葉に人生の悲哀を感じてしまいます。平賀さん、老成しすぎ~。
人生のある時期を四季に例えるという感覚をもつきっかけになった曲でした。

<めぬき通りイチョウの木>
やんちゃな天野少年の思い出アルバムを開いてるみたいな感覚の曲。
バアさん元気でやってるかとしきりに気にする優しい天野くんの言葉は、
家計のやりくりが大変だと知っているのに、小遣いをチョロまかしてしまった幼い日の自分に対する罪悪感から来てるのかな、なんて思いつつ、
たびたび登場する「ミヨちゃん」にちょっとだけジェラシーを感じながら聴いていました。

<きみは地下鉄日比谷線>
「地下鉄」「日比谷線」「東横」「自由が丘」なんて単語がバンバン出てきて、
田舎に住んでる少女(当時)にはまぶしすぎる曲でした。
ひとつ前の曲では「もっと北では大雪だべな」なんて歌ってたのにこの落差は何?と思ってしまう。
自由が丘を“おかじゆう”なんてさらっと歌ってしまう天野くんのカッコよさにキュンキュンし、(死語)
♪かわいい かわいい 君だけど きれいになるワ 僕にいう♪と、君をみつめる僕のやさしいまなざしに憧れ、こんな恋をしてみたいと思ったものでした。
巨人ファンでもないのに、巨人が負けて悔しがってみた女の子、いたんじゃないかな。(はい、私です)

<青春に後始末>
テニス部だった天野くんの実体験を歌った曲なのかなと思いながら聴いてた曲。
相合い傘とか、下じきの手裏剣とか、当時でもレトロな雰囲気を醸し出していたように思います。
昔使ってた国語の辞書の書き込みや線引きをみつけて、いっきに昔の記憶がよみがえることってありますよね。
天野くんの辞書には、友達がふざけて書いた「君」と「僕」の相合い傘が書かれていたのかな。
そんな青春の甘酸っぱい思い出は、懐かしくもあり、もうあの頃には戻れないんだと寂しくもあり…。
『青春に後始末』というタイトルにいちばんやられました。