ところが、「重商主義によるさまざまな規制はかならず、もっとも有利で自然な資本配分を多かれ少なかれ混乱させる(derange more or less this natural and most advantageous distribution of stock)。そして、アメリカ貿易とアジア貿易に関する規制はおそらく、他のどの規制よりも大きな混乱をもたらす」(218頁)と言っています。この二つの大陸との貿易には大きな資本が使われることと、独占が重商主義の政策を支える柱になっているからです。
一方、アメリカ貿易の独占は、他国を植民地との直接貿易から排除して自国の植民地の市場を独占しようとすることであり、アジア貿易の独占は、ポルトガルの力が弱くなった後インド洋を航行する独占権を主張できる国がなくなったので、東インド会社 (the East India company) のような独占企業によって行われるようになり、独占の種類が違うことになります。